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「SASUKE 憑依伝 危険地帯を突破せよ編 9(NARUTO+オリジナル 現実→憑依)」

相原 (2007-02-21 16:58)
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左手で点滴の台(キャスター付)を引きずりつつ、右手で松葉杖をついて何とかサクラの病室までやってきた俺。少し離れた所にあったけど同じ階で良かったぜホント。

筋肉痛ごときで松葉杖、ってのもなんだかなって気持ちだが、本当にコレ無しじゃ歩けない(立つのは支えさえあれば何とかOK)んだからしょうがない。車椅子じゃ幅を取り過ぎるし、トイレの時は本当に不便なんだよ(切実)。


コンコン


・・・・返事は無い。今度は強めにノック。


ゴンゴン


沈黙。やはり返事は無いが中に人の居る気配はするので寝ていると判断した俺は静かに扉を開ける。
やっぱりサクラは寝ていた。
俺の時と同様に、左腕に点滴の管が刺さっていた。首の包帯が痛々しく、その他の違いはといえば、お見舞いの品の定番である果物の詰まったバスケットがそばのテーブルに置いてあるぐらいか。
点滴の量からして換えたばかりらしく、中身は殆ど減ってない。

静かに中に入った俺はベッドのそばに置いてあったパイプ椅子に勝手に腰掛けた。
壁にはあの日着ていたサクラの服がハンガーで引っ掛けてある。しかし今のサクラの服装は俺が今着てる病院の服ではなく私服らしい可愛らしいTシャツだ。多分母親辺りが家から持ってきて着替えさせたのだろう。


そういや巷じゃサクラ=貧乳ってなっちゃってたけど、実際見てみると案外バランスのいいスタイルだったよなあ。
背負って逃げてる時もずっと感じてたんだけど、背中に当たってたふくらみの大きさも適度で柔らかかったし。何気に甘くていい匂いもしてきたし。


・・・・・・いきなり頭の中で流れ出したサクラの着替えシーン(妄想)を慌てて打ち消す。

ちょっと待て、俺はロリコンじゃなかった筈だ!

いやでもネットの2次創作でサクラやいのやヒナタがあんな事やこんな事しちゃってる小説とか捜した事あるし、
サクラ背負って逃げてる最中背中に当たる2つの膨らみのお陰で股間の辺りがヒクヒクしてたのも事実・・・・って何考えてんだ!


他に『原作のサスケ』のスカしっぷりを知ってる奴が見たら、鉄砲を初めて見た種子島の人みたいな顔をしそうなくらいキャラぶち壊しな表情をしながら頭を抱えてしまう俺。

そんな時だ、サクラが目覚めたのは。


「ん・・・・ん〜〜〜〜・・・・・」
「う゛〜〜〜〜ん・・・・え?あ、ああ、気がついたのかサクラ。」
「・・・・サスケ君・・・・?」


微妙に瞼が半分閉じてる辺り、しっかりと覚醒してないみたいだ。起こした上半身が前に後ろに不規則なメトロノームのように揺れている。
ふと果物入りバスケットが視界に入った俺は、


「果物があるが、何か食べたい物は?」
「・・・・リンゴが食べたい。」
「リンゴだな。」


寝ぼけまなこのサクラのリクエスト通りリンゴを手に取って、置いてあった果物ナイフで皮をむき始める俺。するするとリンゴの皮が螺旋状に剥けていく。

フッ、伊達に自炊はしてないさ!・・・・って誰に向けて言ってんだよ。

心中1人ノリツッコミを繰り広げつつ皮を剥き終わった俺はリンゴを12等分に切って皿の上に置いて、その内の1切れに果物ナイフ同様に置いてあった小さなフォークを刺してサクラの口元に持っていってやる。
やってる事はどっかのカップルみたいだ。生憎同じような事を風邪を引いたりしたナルトにやってた俺も、寝ぼけててその事に気づいていないサクラもそんなつもりは更々無いんだが。


「美味いか?」
「うん・・・・・・もう1個。」


リクエスト通りにもう1個食べさせてやる。すると食べてる内にだんだん頭もハッキリしてきたみたいで、目がゆっくりと開いていって、蒼色の瞳がハッキリと分かるぐらいになった。
驚いたように目をパチパチさせるサクラ。


「え、ええええええええっとサスケ君?いつからここに居たの?」
「何時からって・・・・最初からだ。」
「さ、最初から!?」


そういや似たようなシーン原作にもあったよな・・・・立場は逆で、結局『サスケ』は食わずに払い除けてたけど。
そんな事をぼんやり思いながら、俺は素っ頓狂な叫び声をあげて凍り付いてしまったサクラに、俺は。


「・・・・・もう1個食べるか?」


そう言った瞬間、サクラの顔は彼女がさっき食べたリンゴの様に赤く染まったのだった。


・・・・・その時可愛いと思ってしまった事は純粋にそう思ったからで、ロリコンとかそういう点からではないと切に思いたい。


「そう・・・そうだったんだ・・・・・」


俺の口からあの時あそこで何が起こっていたのかを俺の口から俺の視点でのディレクターズカット版を聞かされたサクラの第一声がそれだった。
ちゃんと頭がハッキリしたサクラから聞いてみると、どうやら大まかな事―雲隠れの忍びの襲撃―は昨日見舞いにやってきたカカシやナルト達から聞かされていたらしいが、幻術をかけられて気を失ってから保護されるまでの間にあった事でサクラが聞かされていたのは、カカシとナルトと俺が雲隠れの忍びを撃退した事と、保護したのがカカシだって事ぐらいだったようだ。

そりゃそうだろう。俺が今日話すまで、意識を失ったサクラの元に最初に駆けつけたのが俺だって事を誰も知らなかったんだから。

・・・・・いや、あの後サクラと一緒に意識を失ってた俺も保護したカカシは、その事に気づいていたかもしれないが。


「・・・ま、特に怪我も軽かったみたいで良かった、無事で。」
「あ・・・うん、そう・・・ありがとうサスケ君。」


・・・・・なんか歯切れ悪いな。まだ幻術の影響か何か残っててボーっとしてんのか?


「どうしたんだサク――――」
「サスケ君って凄いよね。」
「・・・何だ唐突に。」
「私なんかいきなり幻術かけられて何もできなかったのに、サスケ君は返り討ちにしちゃうんだもん。」
「それを言うならナルトもそうだったと思うぞ?」
「分かってる。けどサスケ君、3人も倒しちゃったんでしょ?凄いよ、ホント・・・・・」
「・・・・凄くなんか無い。最初の1人は油断して実力を出していなかったし、2人目は運良くトラップに引っかかってくれただけだろうし、3人目も必死に戦って何とか生き延びれただけだ。」


1人目なんか手を抜いたままの状態でボコボコにされたし、2人目があのトラップに引っかかってくれてなかったら2対1でボコボコにされてただろうし、3人目なんか写輪眼発動してなきゃ死んでただろうし、それでも『劫火』と『雷斬』が無かったらやっぱり殺されてただろうし。
・・・・・思い返すとよくクナイを歯で止めれたな、俺。


「はっきり言って、俺もお前も突き詰めていけば運が良かっただけだ。だから生き残れた。」


身も蓋も無いけど、今んなって冷静になって考えてみるとそういう事だ。

ぶっちゃけて言えば、あの時『覚悟』を決めれた事も運が良かったって事になる。


『覚悟』を決めるのが手遅れになってたら―――俺もとっくに雲隠れの忍びに連れてかれてただろうし、サクラともこんな会話が出来なかったのは確実だからな。

まあ、これまでに散々自分なりに己を鍛えといたお陰もあるけど。


「・・・・・・・・・」
「・・・・・まあ、それでもサクラを守りきれて良かったがな。」


そればっかりは俺の本音だ。運が良かったお陰でサクラを守りきれたのも事実だからだ。

守れなきゃ――――今までの意味が無い。


この世界に来た時、大切なものは全部守って生きていくと決めた。


殺そうとしてきた相手を殺した時、守るためなら何だってやってやると誓った。


そして今、腹に決めた事がある。


『運』に左右されないぐらい、大切なものを守れるだけの力を手に入れてやろう。


「何も、誰も失ってたまるか・・・だから強くなるんだろうが・・・・・・・」


それは小さな、本当に小さな呟きだった筈だが、どういう訳かサクラに聞こえてしまったらしい。
さっきとは違う感じで頬を赤く染めて、俺の顔をまじまじと見つめていた。


「・・・・・そろそろ病室に戻るか。」


呟いた内容を思い出して俺もなんだか恥ずかしくなったので、慌てて点滴の台を引きずり引きずり、病室を出る。

そして扉のそばで堂々と18禁本を読んでる人物を見て、俺はため息をついた。


「・・・・・・カカシ先生、盗み聞きは良くありませんよ?」
「いやー、いい雰囲気だったから気を利かせてあげただけだけど。」


抜け抜けとそんな台詞を吐く担当上忍に呆れつつ、この際だから今言っておこうと思った俺は改めてカカシと向き合った。


「なあ、カカシ先生。」
「何、神妙な顔して。」


「俺を鍛えてくれ。」


あとがき:この次インターバルが入るか波の国編に入るかはまだ未定です。
前回に引き続き、皆様へのレスはすっ飛ばさせていただきます。上手く返答できるか分かりませんので(土下座)。
失礼。

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