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▽レス始

「妖使い!?横島の生活! 第十四話〜みずちの過去とみずちのこれから〜(GS+おまもりひまり)」

ハルにゃん (2007-02-19 00:50/2007-02-20 01:29)
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『妖脈接続!!静水久ゲットだぜ!!』

どうやら成功したみたいね、そうとわかれば!今ここで少しでもダメージを!!
静水久と横島が繋がった事を確認すると美神はコンプレックスにイヤリング型の精霊石を投げ付ける。

「グギャァァァ!!」

その隙にだいぶ回復してきた緋鞠がコンプレックスを斬り付ける。
しかし分厚いコンプレックスの肉はビクともしない。
ちっ!精霊石まで使う羽目になるなんて……。
あとで思いっきりふんだくってやる……。
美神が心の中で電卓を打っている頃、横島と静水久はというと……。

「……なにも変わった気はしない…なの?」

「たぶん繋がったはずなんだけど…」

実は横島が自分の意思で妖脈を繋いだのはこれが初めてだ。緋鞠の時は知らないうちに繋がってたので成功した実感が得られない。

「とりあえず霊力流してみるけど…覚悟はいいな?」

横島の問い掛けに静水久はきょとんとしている。
覚悟?パワーアップするのになんの覚悟がいるというのか…。

「これをやると君は二度と戻ってこれない世界にイっちまうかもしれん…それでもやるか静水久!?」

「……さっさとやれ…なの」

「そこまで決心が固いならもはや何も言わん…いくぞ!知らない世界へ旅立て静水久よ!!」

横島はどっかのお師匠さまのような口調でそう言うと妖脈に霊力を流し始める。最初は少しずつ、何度か緋鞠に霊力を流すうちにコツを掴んだのかコントロールができ始めてきている。
一方静水久の方は何か、身体が暖かくなるような感覚が僅かにするだけで覚悟だとか知らない世界だとか大層な事を言われるほどの事ではない。

(……でもなんだか気持ち良くなってきた…なの?)

「なんか変化はあったか?」

「……暖かい…なの」

どうやら上手く接続できているようだ。
そうとわかれば早く美神を助けにいってもらいたい。
そう思い、横島は一気に霊力を流しこむ。

ビク!

(…な、なんかきた…なの!?)

その瞬間、静水久の脳裏に先程の緋鞠が思い浮かぶ。そして理解する。
あの時の緋鞠がなぜあんなに悶えていたのか……。

(や、やばい…なの!)

だがもう遅い。
横島が流した霊力はすでに静水久の身体を駆け巡っている。

ビクビク!

「ハァぁぁ…だ、ダメなのぉ!?」

しかし霊力の流れは止まらない。

(スク水姿で悶える幼女…これはこれで趣があっていーんだがなんかこーもう一息ほしいとこだな…)

悶える幼女を真剣な表情で眺める横島の姿は完璧に変質者だ。

(ん?スク水?)

フと思い浮かんだ横島は改めて静水久を見る。
スク水、それは身体のラインが最も出やすい水着。そして最も食い込みやす水着だ。

「…あ…、擦れる…なのぉ」

「ん〜〜?」

「…お、お尻に…な…の」

「ん〜〜〜!?」

「ひぐっ!強くなったの〜〜!」

そして横島は注目する。
ワキの隙間からのぞく突起部分に!

「さーーーもんぴーーんくッ!!!!」

横島の訳のわからない叫びと共に妖脈が緋鞠と同等の綱引きの縄くらいの太さに膨れ上がる。

「……はぁぁん!」

ビクっ!びくんびくん!

霊力の供給が終わると静水久は身体を震わせて息遣いが荒くなっている。心なし内股なのはなぜだろう?しかもその表情はポゥっとどこか遠くを見つめている。

「だ、大丈夫か?」

「……凄かった…なのぉ」

静水久はぽつりと感想を漏らす。

「は?」

「な、なんでもないなの!!」

横島が聞き返すが静水久は慌てて取り繕う。

「それより出れそうか?」

「……出れそうというか…出ちゃいそうだった…なの」

「はい?」

「…な!なんでもないなの!コンプレックスのやつ…私に刃向かった事…後悔させてやる…なのー!」

どうやら静水久の闘志はじゅうぶんのようだ。

「んじゃ頼んだぞ!妖脈の効果はしばらく消えないから思いっきりいけ!」

「……わかった…なのー!」

そう言って静水久はコンプレックスと闘っている美神達の所へ向かう。


「ったく少しはダイエットしなさいよねッ!」

「その肉、削げ落としてくれるわ!!」

美神と緋鞠が左右から同時に攻撃するが全く通じない。
美神の神通棍はボヨーンと弾かれるし緋鞠の安綱はめり込むだけで押しても引いても斬れやしない。

「……どけ…なの」

美神達が苦戦しているところにパワーアップした静水久が現れた。

「成果は上々?」

「…さぁ?…なの」

静水久は美神に素っ気なく答えると緋鞠を見る。
一瞬目が合うがどちらもプイっと視線を外す。

「……こいつは私がやるの…お前達はどいていろ…なの」

「何を言っておる!?若殿を護るのは私の役目じゃ!おめおめと引き下がれる訳なかろう!?」

「そうですよ!無茶ですよ!」

静水久の言葉にすぐさま緋鞠とおキヌちゃんが反論する。

「……あいつをここまで調子に乗らせたのは私の責任…なの。引導は私が渡してやる…なの」

「そうね、それに私達じゃ役に立ちそうにないしね、ここはこの娘に任せましょ。所長命令よ」

別に美神と緋鞠が弱い訳ではない。単に適正の問題だ。
美神や緋鞠の打撃系の攻撃では効かないが静水久なら水の攻撃が使える。
コンプレックスに水の攻撃が効くかはわからないが試す価値はあるだろう。
それを聞くと緋鞠は渋々引き下がる。
しかしただ引き下がるのはおもしろくないので横島の傍らで万一に備えて護衛をする。
美神も隙あらばコンプレックスを攻撃できるよう霊力を練りつつまたおキヌちゃんを狙われたらまずいのでおキヌちゃんを守れる位置へ移動した。
そして静水久はまるで射殺すような視線でコンプレックスを睨む。

「グヘヘ静水久、今度は逃がさないだぎゃ」

「……お前の気色悪い顔は見苦しいの…妖の面汚し…なの」

「黙るだぎゃ!今のおではお前なんかよりずっと強いだぎゃ!見るだぎゃこのパワー!」

そう言ってコンプレックスは周りの岩を妖力で持ち上げると静水久に向かって猛スピードで飛ばす。
だが、静水久の周りに突然、水がもの凄い勢いで吹き上がり、壁となって岩を弾き返してしまった。

「なっ、なんで静水久にそんなパワーがあるんだぎゃ!?」

「……気安く呼ぶな…なの」

今度は静水久の攻撃だ。
今までの静水久の攻撃は氷針の乱射や水籠を使った束縛など、それほどバリエーションはなかった。
だが今は違う。妖力が増した今の静水久には普段できない技が次々と頭に浮かんでくる。

「……まずはこれ…なの」

そう言って静水久は人差し指をコンプレックスに向ける。
水は圧力をかけると鉄をも斬り裂く刃になる、溢れ出るほどの妖力を圧力変わりに水を撃ち出す。
それは氷針よりも遥かに殺傷能力が高い超強力水鉄砲だ、しかも周りは全て水、弾は無限の使い放題。

バシュ!バシュ!

「グェェェェ!!」

静水久の水鉄砲は視認すらできずにコンプレックスのどてっ腹に穴を空ける。

「……静水久ビーム…なのー」

命名、静水久ビームはおもしろいようにコンプレックスにダメージを与えていく。だがコンプレックスとてやられっぱなしな訳ではない。

「舐めるなだぎゃ!!」

コンプレックスは巨大な岩で静水久ビームをガードすると思いっきりジャンプする。着地すると同時に大地に妖力を流す、すると、この辺りで巨大な地震のようなものが起きた。震度6くらいに相当するだろう。

「グヘヘヘ!津波に飲まれると良いだぎゃ!!!」

その言葉通り、洞窟の入口から巨大な津波が押し寄せてきた。

「やべぇ!!!美神さん!逃げましょう!」

「若殿!じじじ実は私は水には弱いのじゃ!きっと死ぬ!溺死する!!」

「大丈夫!死んでも生きられます!ちょっと死ぬほど苦しいけど!」

「おキヌちゃん!?今そのセリフは洒落になんないわよ!?」

なにやら外野がうるさいが静水久はいたって冷静だ。

「……お前バカ…なの?」

「なんだぎゃ?」

「……私に水の攻撃しても無意味…なの」

そう言うと静水久は巨大な津波を一気に蒸発させる。これも妖力が上がったからこそできる芸当だ。今の静水久は水ならどれほど量があろうとも気体、液体、固体と自由にコントロールできるのだ。

「うそだぎゃ!静水久にこんな事ができるはずないだぎゃ!!」

「……できちゃったものは仕方ない…なの。諦めて滅べ…なの」

その言葉と同時に静水久は水蒸気になっていた水をコンプレックスの口から体内に送り込む、そして一気に水に戻すとコンプレックスは内側から四散した……。

「お、終わったみたいね…」

「私は生きておるか若殿?」

「とりあえず幽霊にはなってないみたいですよ?」

「助かった〜〜〜」

横島達はコンプレックスが…というか津波がなくなった事に安心するとその場に座り込む。

「いや〜それにしても強かったな静水久」

「……あんな小物チョロイもの…なの」

静水久は自力では勝てなかった事を棚に上げて勝ち誇る、案外お調子者のようだ。

「さてと、依頼も片付けたしホテルに戻るわよ」

美神の言葉でそれぞれ談笑しながら帰路へ着こうとするが、はて?何か忘れているような…。

「……アハハなのー…って、ちょっと待てなの、私はお前を殺しにきたの…」

「ちっ!覚えてたか!」

それを聞くと瞬時に緋鞠が静水久と横島の間に入り込む。

「まだやるというなら相手になるぞみずち」

ピンっとネコミミを立てて戦闘体制な緋鞠が安綱に手を添える。

「まぁ待て緋鞠、なんで俺を殺すんだ静水久?」

「……鬼斬り役は害悪…なの」

そして静水久はぼつりぽつりと話し始める。

「……100年ほど前…私の一族は鬼斬り役十二家のひとつ…地走家に滅ぼされた…なの」

ん?地走?どっかで聞いた事あるような…まぁいいか気にせず続きを聞く。
なんでも湖に住んでいた静水久の一族を人間達は水神と崇め、いけにえを差し出したらしい。静水久達はそんな事を望んではいなかったのに…。
やがて人間達は静水久達が水神ではない事に気付くと討伐にきたそうだ、それが鬼斬り役十二家の一つ、地走家の者らしい。

「「「「………」」」」

「……私たちはただ暮らしていただけ…なのに……あの時の鬼斬り役の眼は今でもはっきりと覚えてる…なの」

家族同然だった仲間達を愉しそうに殺していく地走家の者、それはまだ幼かった静水久には衝撃が強すぎる光景だった。
ずっと隠れていた幼い静水久以外は皆殺しにされたのだ……。

「……だから…覚醒する前にお前を殺す…なの」

「話しはわかった、じゃが地走家と若殿はなんの関係もなかろう」

「大アリなの、鬼斬り役ってだけで害悪そのもの…なの」

静水久にとって鬼斬り役というのは一種のトラウマに近いのかもしれない。おキヌちゃんを助けたのは幽霊だから、自分と同じ人にあらざる者だからだろう。しかし……

「それって妖怪だから退治するって理由と何が違うわけ?」

「……!?」

「昔はどうか知らないけど今は無害な妖怪にはなるべく手を出さないしそんなに暇じゃないわ」

「誰が証明する…なの?お前が妖を討たない鬼斬り役だと何を以って証とする!なの!滅ぼされた妖たちの怨嗟の鬼哭(こえ)をどう鎮める!なの!!答えろ鬼斬り役!」

こう言っているが静水久とて、もうわかっている。横島は地走家とは違うという事を。しかし足りない、信用するにまだ足りないのだ。

「さっきも言ったけど俺は鬼斬りじゃないよ。確かに悪い妖怪は討つけど良い妖怪とは時には共闘もするし助けもする、現代のゴーストスイーパーだ!!」

「横島さん…カッコイイ…」

「さすが若殿じゃ」

「……それじゃあ私もお前の側にいる…なの」

そこで静水久はまたとんでもない事を言い出す。

「はい?」

静水久いわくこのまま横島を殺さず仲間の所へ帰るなんて示しがつかないらしい。そして、横島と一緒にいればいずれ地走家の者と接触があるかもしれない。妖脈があればどんな鬼斬り役がきても負ける気がしない。
だから…

「…今私はとっても困ってる…なの、さっきの言葉が嘘じゃないなら助けろ…なのー」

そう言われ、横島は緋鞠に視線を向ける。

「決めるのは若殿じゃ、私はそれに従う」

どうやら助けてはくれないらしい。

「……わかった、それじゃあ家に来い、言っとくけど狭いからな!」

そして横島はおずおずと美神を伺う。何か言いたい事があるようだ。

「なによ?」

「食いぶちが一人増えるんで給料の方もー少し上げてくれないでせうか…」

「…………いいわ、ただし静水久にもみっっっっちり!!働いてもらうからね」

美神はじっくり数秒ほど考えるとやたらみっちりを強調して承諾してくれた。

「……な、なんか凄いとこに就職しちゃった…なの?」

「大丈夫ですよ!私なんて日給30円も貰ってるんですから!」

ひまわりのようなおキヌちゃんの笑顔とは裏腹なヘビーな事実に静水久はげんなりしてしまう。
こうして美神除霊事務所のメンバーは人外比が半分を越えるのだった……。


とぅーびーこんてぃにゅー


あとがき
こんばんわハルにゃんです。
さてさて今回ようやく静水久編が終わりました……。いささか強すぎる感じもしますがこれは静水久のホームグランドだからです、普段は妖脈使ってもここまで無敵じゃありません。
次回は一つ学校編でもお仕事編でもない話を書こうかと思います。

それではレス返しです。

○山の影様
レスありがとうございます。
<ただ単に横島が使いこなせていないだけ?
そうですね、横島はもちろん緋鞠もまだまだ未熟ですので……。
今回で静水久も参戦です、これからはきっといろいろ引っ掻き回してくれるでしょう。楽しみにしていただけると嬉しいです。
愛子は果たしてどうなる事やら…なんか愛子の悶え姿も書きたくなってきましたしね……。

○スケベビッチ・オンナスキー様
レスありだとうございます。
<どっちも滅んだ方が世の為人の為のような気がしてきました。
あの二人が滅んでもまた第二第三のコンプレックスズが……。
いつか水籠の中の緋鞠を克明に書いてみようかと思うのですがまだまだ修行不足なので申し訳ないです……。
決着はこうなりました、静水久の圧勝です。”コンプレックス+虐殺”(コンプリートエディション)です。
<追伸2
果たしてあの二人であの壮絶なGS連中についていけるんでしょうか……。鈴ちゃんはともかく楓さんは少し見える程度ですからね〜というか楓さんがフルスロットルな妹さん以外と絡む姿を想像できなかったり……。
ですが鈴ちゃんはいつか使ってもいいかもしれませんね。

○レンジ様
レスありがとうございます。
<もう少し話数が進めばアニメ化
そんな事になったら私は保存用、見る用、オススメ用などなどえらい出費になってしまいますね♪
むしろ私の小説でアニメ化するくらい人気が出るよう頑張りますのでどうかこれからも応援よろしくお願いします。

○趙孤某様
レスありがとうございます。
<炉に行かない事だけは同志
普段私もそっちの方はことごとくスルー(というか緋鞠くらいのチチがなきゃダメ)なのですが静水久は別なのです……。
何で好きなのか考えてみると……眼ですね……(ぇ
ともあれ今回決着がつきました、次回から静水久もレギュラーキャラですので萌えてあげてくれるようお願いします。

○Revenge様
レスありがとうございます
<もしかしてA○MAの荒○木 円
はいそのとおりです。もちろんイラスト繋がりです。
私はあの絵師さんが大好きなんですよ。先日のサイン会にも行ってきました、往復5万ちょいです。
大変おもいろいと言っていただき恐悦至極です、今回だけと言わずこれからも感想いただけると嬉しいです。

○February様
レスありがとうございます。
まずはご指摘ありがとうございます、訂正しておきました。
いやはや「二次元倒錯型ロリコン」とはまたディープな結果になりましたね……。きっと今の横島が診断したらそんな感じの結果になることでしょう……。
<美神さん、アンタもナンパ男振りまくってたでしょ!?
しかし彼女は悪くないのです!それが美神クオリティ!

<横島とコンプレックスと画面の向こうの大きなお友達の声?
画面の向こうというか主に私です……。バレンタインデーなんて大嫌いです……、これ以上は私の精神に多大な影響を及ぼすので聞いちゃイヤンですよぉ(泣


レス返し終了です

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