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「ガンダムSEED ユウナの復活 第三話 改訂版 (ガンダムSEED DESTNY)」

外れ道 (2007-02-17 04:12)
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 プラント最高評議会議長執務室

 「それで、キラこれが今回オーブで行なわれる予定の調印記念式典で騎士団側から向かわれる方々の名簿ですね」

 わたくしは顔写真入りの書類を丹念に一枚一枚確認してキラに視線を上げた。

 「うん、この通り総勢12名今日の便に乗って二日後の朝に到着、同日昼に会場入りって感じかな?」

 わたくしの質問にキラは嬉しそうに答えた、キラはこの一週間式典のため数日程、かなり無理をしてシフト調整に勤しんでいました、よく見ると目の下にクマが……イケナイイケナイキラが作った書類ちゃんと目を通しておかないと、あらこれは……。

 「キラ、もしやこの方は……」

 「うん、本人の希望もあってね、それにアスランもどうしても連れてって欲しいと頼まれててね」

 たしかにこの方ならば希望しても不思議ではないけれども……

 「大丈夫、彼はもう僕たちの仲間さ」

 キラは笑顔を浮かべながらもう一度繰り返して言った。

 「彼は……


 シン・アスカは僕たちの仲間さ」


 ガンダムSEED ユウナの復活 第三話

 「三ヶ月か……」

 俺は病室にて思わず呟いた、ユウナとしてこの世界に目覚めて三ヶ月……、俺は今日このアメノミハシラを出て行く。

 今の俺は何にも無い地位も財産も友も親も兄弟も、あるのは戦犯と言う不名誉な地位のみ、今のユウナは生きてる事自体もはや罪なのかもしれない……だから、手に入れる。

 過去の罪が消えるほどの、今を生き抜くだけの、そして未来を掴めるだけの…。

 「準備は出来てるようだな、後はシャトルに乗り込むだけだな?」

 人が浸っている時に気配を消して後ろに立つなミナ!……だがこの恐怖も今日でお別れだな。

 「まーね、それより例の依頼、話しは通ってるかい?」

 俺はなんとなく周りをキョロキョロ見わしながら聞いてみた。

 「ああ、それなら問題無い………私の尋問でシロとはっきりしたらな」

 ミナはそう言いながら右手に拳銃を持ち銃口を俺の額に突きつけながら淡々と喋り始めてきた。

 「昔のお前は典型的なひ弱なエリートだった、会議室では冷静に考え行動を取れたが実際に命の危険がある戦場では、狼狽し部下の旗艦特攻と言う愚策を実行させてしまった。その後、オーブに戻ったお前はジブリールをオーブ本国に何の策もなく招き入れた。結果お前はザフトに付け入られる隙を作った。しかも軍に対して各種の許可、命令をさせてなかったため市民の避難はできずMS等の防衛配置が遅れ、国土を焼き民衆を死なせお前自身も死にかけた」

 ミナは喜怒哀楽などの感情を表に出さずまるで教科書の音読の様にスラスラと喋っている。

 それがとても怖く微動だにできない。

 「そしてお前は此処アメノミハシラへやって来た時、正直に言えば疫病神がやって来たぐらいしか感じなかった、適当な時が来たらオーブにでもくれてやろうとも考えた……この場所で出会って私はお前に興味が湧いた、だが次に出会った時は興味ではなく疑問に変わった、お前はソキウスを知っていた、あれは連合内でもトップシークレットだった者、いかに連合よりだったお前と言えどそんな事を知ってるとは考えられない」

 ミナはフゥと一息を吐いた。


 ……つまりミナはアンタこう言いたいのか?


 「答えろユウナ、お前が何故ソキウスを知ってる?ソキウスを知るほどの『力』を持ちながらお前はオーブを傷つけたのか?」


 ユウナは死力を尽くしてオーブを守ったのかと。

 「オーブは今も私の祖国だ、力不足なら「そうではない」では……なぜ」

 知ったことではない、関係ない、そんな事俺は知らない、これが偽りのない俺の本心、何もしてないのに罪と言う責任だけを押し付けられた俺の本心……ユウナ・ロマ・セイランに憑依した、ただそれだけで……だがそんな事目の前にいるミナに言えるわけがないどうにかしてでっち上げないと!

 ミナは銃口をピクリとも動かさずまるで敵を見るかの如く恐ろしい眼つきで見てくる。

 睨むなすぐに答えをくれてやる。

 「僕に力なんて無いさ、有ったのは泥舟のような力だけ使おうとしても使えない無意味な代物、代表代行と言う力を持っててもカガリ一人現れただけで一般人以下の存在に成り下がる程度の力さ……」

 そう、ユウナは結局、力なんて持っちゃいなかった、持ってたのは父やジブリールといった力を持った存在からの恩恵、自分で苦労して手に入れた力などと言った物ではなかった。

 だから、土壇場であんな目に遭ったんだ。

 「今の僕には泥舟のような力すら無い、僕自身の無策でオーブを傷つけた、それら全てひっくるめて今一度願いたい、ミナ、僕の依頼を叶えてくれ」

 俺はそう言いながら、あの宝石が入ってた袋をミナに差し出した。

 ミナは体勢を少しも変えずに目線だけ変えて袋を見て口を開いた。

 「お前は何をする気だ……この世界で?」

 「今の世の中はとても危ういバランスの上で成り立ってる。そんな世界を作っているのは間違えなくあの二人だ……けど、仮にラクス・クラインやカガリを暗殺した所で何も変わりやしない……いやむしろ悪くなる」

 俺は考え、言葉を選びながら喋った。

 「確かに、あの二人を消したらプラントもオーブも騎士団も黙ってはいないだろう、それにその混乱に乗じて大西洋連邦も動くであろうしテロもさらに活発になる、三度目の大戦、いや世界の終末だな、で、お前はこう言いたいのか?自分なら全てを丸く治められると?」

 「そうだ、できる」

 辺り一体に沈黙が流れた、ミナは何この馬鹿と目線で言ってきている気がする。

 「過去、失う事しかしてこなかったお前がか?ここまで来ると逆に感動するぞ、殺す気も失せるな、依頼はちゃんと受けてやるよこいつでな」

 ミナは心底疲れたと言う様子で銃口を額から外し袋を受け取った。

 「ありがとう」

 俺は礼を言いながらミナの横を通り過ぎようとした。

 「勘違いするな、お前のような馬鹿一人どうこうした所で私は困らんし、世界も何も変わらんだからほっとくだけさ」

 ミナはこちらを見ずにとっとと行けと左手でゴミでも祓うようにジェスチャーをした。

 けれどミナ知ってるか?

 この世界では一人の人間の行動で全面核戦争にまで世界を動かした奴もいるって事を……。

 こうして俺、ユウナはアメノミハシラを出て地球へと向かった。

 ユウナ・ロマ・セイランを…………


 復活させるために。


 後書きと言うより謝罪

 前回の第三話、勝手に消して申し訳ありませんでした。
 あんまりの出来に発作的に消去してしまい、しかもペンもロクに進まないと言った事もあり投稿するのにこんなにも時間をかけてしまいました。

 本当に申し訳ございません。

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