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「ガンダムSEED ユウナの復活 第四話 (ガンダムSEED DESTNY)」

外れ道 (2007-03-02 06:39)
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 「ここがオーブか、意外に……寒いな」

 俺は手を擦りながら呟いた。

 オーブは確か赤道付近の国だったはずだが……、そういえばブレイク・ザ・ワールドの影響で気候が全体的に冷え込んでいるとニュースでやってたが。

 「今、五月のはずだよな」

 俺はだれに言うのでもなく独り言を呟きながら窓に映る滑走路を見つめていると、一台のスペースシャトルが着陸し乗客が降りようとしているが……。

 「ありゃ何だ?とんでもない数の報道陣は?」

 大統領を待つ報道陣と言うよりもアイドルを待つって感じの報道陣は?

 たしか明日は終戦の記念で式典を行なう予定があると聞いてたがそれの参加者なのか?

 しかし……。

 「この世界情勢でよくまあそんな事やる気になるな」

 「まったくです」

 まるでミナの様に突然気配もなく俺の隣りに立っている青年が言ってきた……怖!と言うよりビックリしたぁ。

 「トシオ・タニハラ様ですね、失礼ですがパスポートを見せて頂けないでしょうか?ついでにタバコの火も」

 俺は素直に偽造したパスポートを見せながらそいつに言った。

 「悪いが火はない……ってもういいだろう。こんな猿芝居、君は?」

 俺は青年に名を聞いてみた、すると青年は安堵した表情でこう言ってきた。

 「はい、私が元オーブ軍第二情報部三尉シャン・トウホウであります。ユウナ様お迎えに上がりました」

 青年もといシャンは敬礼のポーズを取りこちらを見つめてきた。

 シャン・トウホウ……聞いたことの無い名前だな恐らく本編のモブキャラに名前を付けた感じだな目ちっちぇーし、シャンはこちらの言葉を待たずにすぐに口を開いた。

 「もっとも元オーブ軍と言っても今はニートですが」

 シャンは自嘲と言う単語が似合う表情をしている苦労してんだ、ってそんな事より色々確認する方が先だ。

 「シャン・トウホウ「シャンでいいです」じゃあシャン、君はミナからはどんな事を言われたんだい?」

 そうアメノミハシラで俺がミナにした依頼は、オーブ本国にいるセイラン派への自分の生存と協力の要請を俺の代わりに発信して欲しいと言うことだった。

 正直望みは薄かったが迎えが来ると言う事はそれなりに期待されてるって考えていいのか?

 「ミナ様からはこの時刻にユウナ様が黒髪黒目にして無精髭を生やして、トシオ・タニハラと名を変えて来る協力したければ勝手にしろと……ただそれだけで」

 本当に必要最低限だなもう少し言い様があったんじゃないのか?

 俺はこの場にいないミナに悪態を吐こうと思った時マスコミ集団が移動してるのを……ってまさか奴は!

 「シャン!お喋りはもういいから早く行こう」

 俺はシャンの返事をまたずして逃げるようにしてその場から立ち去った。

 ただ一つの愚痴を小さく残して。


 「何でいるんだ?……シン・アスカ」


 俺はザフトレッドの軍服に赤目に黒髪の男を見ながら小さく呟いた。


 ガンダムSEED ユウナの復活 第四話


 俺は何をしている?

 たくさんのフラッシュの中、俺は自問自答を繰り返している。

 いや、違う……俺はもっと前からずっと前から自問自答を繰り返していた。

 あの日家族が亡くした時も、初陣でショーンとゲイルを亡くした時も、アスランが現れ裏切り殺しそして再び俺の前に現れた時も、ハイネが死んだ時も、ステラとの出会いと永久の別れも、フリーダムを討った後も、レイのクローンの苦しみを打ち明けられデュランダル議長を平和を守れと言われた時も、メサイアでアスランに敗れた時もずっと考えていた。

 だけど俺は答えが出せなかった。

 「シン隊長、今回ここオーブで行なわれる予定の式典でキラ・ヤマト団長に代わってザフト側代表として出席なされる今の心境を一言」

 「貴方はオーブ出身者ですが、その辺も加味されてるのでは?」

 「そもそも他の団員は明日の朝に到着予定なのにあなた一人がなぜ先にオーブヘ?」

 俺はマスコミの質問に一切答えず用意された車に乗り込み空港を後にした。

 車中で俺はオーブの街並を見た。

 俺の記憶とは少し違う、十四の時オーブを離れ再び戦火に巻き込まれた俺の故郷だった国。

 そう、俺自身の手で焼いた国、もしあの時ジブリールを……過ぎたことをとやかく言うのはよそう。

 車はホテルに着いた、俺は車から降りたその足でとっとと自分の部屋に入った。

 どうやら体は相当疲れていたらしく上着も脱がず、すぐにベットに倒れこみ意識を手放した。


 「いくら吹き飛ばされても、僕等はまた花を植える」


 そして俺はあの日オーブの慰霊碑前でフリーダム、キラ・ヤマトに出会った。

 俺は差し出された手に縋ったとたんに涙が溢れ出した。

 涙は色んな物を流し出していった、憎しみも怒りも哀しみも何もかもを泣き尽くしたその時俺は思った、あの人たちに付いてけばきっと作れる。

 もう答えなんか必要ない、従って尽くして戦えばきっと叶う俺の望みは……戦争の無い暖かい平和な世界を作れると


 そう信じている。


 胸から感じる振動が俺を覚醒させた。

 胸ポケットを見ると携帯電話が震えている、取って確認すると部下からの連絡でどうやらホテルの大ホールに集まる時間らしい、俺は携帯を再びポケットに入れ部屋を出た。

 「そういやぁ、いつ無くしたんだろう?マユの携帯……」

 あの時の慰霊碑前では確かに持ってたんだけどな。


 後書き

 ガンダム系のSSでMSが一行も出てきてない事に軽い危機感を募らせている外れ道です。

 第四話からはオーブでユウナが色々暗躍して……と言う感じです。

 ちなみにこの物語はファイナル・プラス後のSEED−Dの世界のため当然シンは懐柔済みになっています。

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