「地球って本当に蒼くて丸いんだ……」
あのロンド・ミナ・サハクとのお喋りから一ヶ月、無事車椅子に乗れるまでに回復した俺ことユウナは休憩室の窓を見ながらそんなことを考えていた、窓には今の自分の顔が映っている、そこには鼻から上の部分が目を除いていまだ包帯でぐるぐる巻きにされた顔が映っていた。
「ホゥ……もうこんな所まで来れるようになるまで回復したか」
そんなにいいガタイしといて物音一つ立てずに後ろに立たないで欲しいな……本当に。
「いいのかい?ミナ、君は此処で一番偉いのに僕とくっちゃべってて?」
「愚問だな、我がアメノミハシラは私一人がいなくなってもすぐにどうこうなる組織ではないのだからな」
判りやすいぐらい誇らしげに語ってきたな、本当にこのアメノミハシラを誇りにしているのだろう……なんか会話が続ける雰囲気ではなくなりしばし地球を見つめる、しかし生きてる間に宇宙から地球を見つめる事が出来るとは夢ぐらいにしか考えてなかったな、とか考えてるとミナがまた喋りだしてきた。
「お前があの時喋ったのはな……おおよそ正しい」
ミナがいきなり喋りだした、というかあの時?ってもしかして俺が始めて会った時にした会話の……
「今、世界はある意味前大戦の時以上に混迷していると言っていいだろう、ラクス・クラインたちがその圧倒的な武力を使い世界のトップのし上がったはいいが、その結果反発が起き多種多様なレジスタンス組織が乱立した、その結果歌姫の騎士団はそれに対応するため、さらに戦力を増強しレジスタンスを虱潰し平和の名の下に殺していった、更に彼女達の行動はこれでは終わらずスカンビジナ王国の様に友好国やジャンク屋ギルドと言った中立的な組織にまで色々と介入しだしてな、現に我が居城アメノミハシラにまで口うるさく言ってきている」
ミナは一度ため息をついた、どうやら彼女自身、色々ためにためている何かがあるようだ、しかしここまでとは……。
「レジスタンスを潰すために戦力を増強させたのはともかく、なぜ友好国やジャンク屋ギルドそれに我がアメノミハラシにまで「簡単な事さ」…お前はいつも人の喋っているのを邪魔するな」
どうやら気を悪くしたらしいが話しを聞いてくれるらしい。
「彼女達は、自分たちを絶対正義か何かだと思っているのさ……、自分達は正しい、だから自分たちに刃向かうものには徹底的に攻撃を仕掛けられる、自分達が正しいから同じ名の下にに同じ存在になれと強制しようとする、フンッ…もはや危ない宗教団体の世界だな」
そう俺が種死をリアルタイムで視聴して感じたラクシズ一派の感想は危険な宗教団体この一言に尽きる、だがある意味そうなってもしょうがないとも思った、なんたって自分たちのやる事なす事完璧に成功して、今や世界のトップ,神の一人や二人憑いててもおかしくないと考えても仕方のないことかもしれないな,正確には脚本家と監督なんだが。
「まて、いくらなんでもそれは…」
語尾が小さくなっていくどうやらまた心辺りがあるようだ、ミナは以外と四馬鹿と接点があるのか?
「僕があの四人の中で唯一まともに話したのはカガリだけだからなんとも言えないけど、少なくとも最後にあった時の彼女はまともではなかったよ?」
そう武官が文官をリンチしているのを止める所か自分も一発殴り武官を不問にしてた時点で。
「失礼しますミナ様、データが上がってきたため会議を再開したいと……」
そう言って現れたのは…。
「あの副官、もしかしてソキウス?」
ポツリと呟いた。
「なんだ、ソキウスについて知っているのか?」
ミナは不思議そうにこちらを向いてきた
「フン、まあいい、ああそれとお前、私に力を貸して欲しいと頼んできたが、はっきり言おう無理だ、理由としては最近この一体を暴れている宙族の所為で金も人も足りない位だからな」
俺は一瞬何を言われたのか判らず呆然としてしまった。
「そこまで驚くな、安心しろほれ」
ミナが何かを投げてきた、それを手に取って見てみた。
「なんだこれ?って宝石!」
「その通り、宝石だお前の懐に入ってたが忘れてたのか?オーブから逃げる時、現金代わりに持ってきてたのではないのか?まあいい確かに渡したからな」
そう言ってミナはソキウスを連れて廊下へと消えていった。
この宝石が幾らになるか俺は知らないが今の俺の生命線はこの宝石の入った一掴み袋だけだとわかった。
それから更に2ヶ月、俺は無重力に体が対応できる位までに回復していた、俺はニュースやら、なにやらを色々見ているのだが……。
「世界はどんどん荒んでいくなぁ」
まさにこの一言に尽きる、ユニウスセブンの落下による影響で赤道より上の北半球には大寒波が各地に広まってる、その影響が一番酷いのはデストロイの進行を受けたベルリンなどを含むヨーロッパ三都市しかも此処はテロリストが潜伏の疑いありと言うだけで騎士団に攻め来られた場所じゃないか、まさに踏んだり蹴ったりだな。
「他にも、連合は今だロゴス崩壊の影響で経済は冷え込んでるし、大西洋連邦はオーブに攻めるという情報まででてくるし……」
「宇宙ではジャンク屋ギルドや我がアメノミハラシに監査役を置きたがって来てるぞ」
だから人の後ろに気配も無く立つなつーの心臓止まるって。
「此処最近、宙族共が増えてきてな好都合と言わんばかりに口出ししてきおってな、……体はおおよそ治った様だな」
「おかげさまで、来週までに此処を出るさ」
「ホォウ、此処を出てどうするつもりでいる?」
ミナは何やら楽しげに微笑みながら尋ねてきた、…美人過ぎる奴が笑うと一寸怖いな。
「とりあえずジャンク屋ギルドのステーションを経由して、オーブ行こうと「今なんと言った」」
そこには不動明王が、違うな不動明王の様に怖い顔をしたミナがいた。
「お前、私が言った事忘れたとは言わせんぞ!オーブではお前を捕まえようと躍起なっているのだぞ、捕まりに行きたいのか?」
ミナは、呆れ半分怒り半分といった感じで俺に怒鳴ってきた、多少は心配されているわけだちょっと嬉しい。
「掴まり行くき何て毛頭無いよ、オーブにはまだセイラン派のシンパが何名かいるはずだ、それを頼ろうと考えてるからね」
俺はミナにそう言った、考えてみればオーブ本国から此処まで運んでくれた人間がいたはずなんだよね、そしてそれはセイラン派の人間以外考えられない、間違いない。
「……確かに、オーブ本国にはセイラン派と思われる軍人、政治家は若干名いると聞いたが…」
良し、ならばそいつらを利用して……。
「ミナはそいつらとコンタクトを取る手段はあるかい?」
俺はツギハギだらけの一つの計画を考えついていた。
後書き
前回と今回の話は基本的に世界情勢やユウナの立ち位置などの説明に尽きましたが次回からユウナが積極的に動く予定です。
正直レスの多さにびびってます、レスなどは全部返した方がいいのでしょうか?
三話はあまりにも内容が駄目だったため現在、加筆修正中ホント申し訳ございません。
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