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▽レス始

「妖使い!?横島の生活! 第十二話〜休憩終わり、全開子猫〜(GS+おまもりひまり)」

ハルにゃん (2007-02-14 16:19/2007-02-15 00:30)
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『…それでそっちの準備はできてるのか?…なの』

『バッチリだぎゃ、これでGSも鬼斬り役も一網打尽だぎゃ!!それより、例の件はホントに期待して良いのきゃ?』

『……任せろなの、お前の怨念、必ず晴らしてやるなのー』


一夜明けて早朝のホテルの一室、
ここには美神除霊事務所の女性陣が宿泊している。
昨晩はこのまま幽霊が出るのをただ待つだけではらちがあかないと、事務所の社員全員で遅くまで対策を練っていた、
なにせ虎の子の見鬼くんになんの反応もないのだから。
さすがに疲れているのだろう。起きる気配は全くなく、すぅすぅと寝息を立てている。
幽霊のおキヌちゃんまで眠りながらフヨフヨと漂っているが幽霊って寝る必要あるのかな?
まぁ、それは置いておくとして、ドアの外を覗いてみるとなにやら怪しい影が忍び寄ってきている。
時間は調度8時を回ったところだ。普通なら朝食の時間である。

「そう、俺はあくまで疲れて眠ってる美神さん達を朝食に呼びにきただけにすぎないのだ!!」

怪しい影が突然小さな声で叫ぶ。
小さい声なのに叫ぶとはこれいかに?とも思うが熱い魂を宿す男は時に不可能をも可能にするのだ。
怪しい影…もうおわかりだろうが横島は慎重に慎重に美神達が眠っている部屋のドアをあらかじめ鍵掛け担当の緋鞠との”スキンシップ”によりすり替えておいた鍵で開ける。
難無く侵入を果たした横島は不自然なほどに足音を立てずに1番右はじのベッド、美神のベッドへと忍び寄っていく。

「美神さ〜ん、朝ですよ〜起きないと朝飯なくなっちゃいますよ〜」

蚊の鳴くような声で美神を起こそうとするが起きる気配はない。
普段でも朝の弱い美神だが夕べは依頼された幽霊を見つけだすための方法が思い付かず、イライラしながら結構な量の酒を飲んでいた。
そういう酒は翌日にまで響くものだ。起きる気配は全くない

「よ、呼んでも起きないんだからこれは揺すったり突いたり揉んだりして起こしてあげるべきだよなッ!」

またしても小声で叫ぶ横島だが忘れてはいけない。この部屋には美神以外にも宿泊している事を。

「むぅ、もう朝か〜?今何時なのじゃ〜?」

「!!!!?」

まだ開ききっていない両目をコシコシこすりながら緋鞠が目を覚ました。
犬や猫というのは人間よりも遥かに感覚器官が鋭いものだ。
そして緋鞠はネコの妖怪、人間には聞こえない領域の音声も聞く事ができるのだ。
そしてこの部屋にいるはずのない人物と、再び閉じかけていた緋鞠の目が合う。

「「………………」」

「ちゃ…チャオ!」

とりあえず元気よく挨拶してみた。

「何をしておるか不埒者!!!!」

「ぐはっ!!」


緋鞠の108のしばき技が終わる頃にようやく美神達も起きだしてきた。
見るも無惨な塊と化した横島を見つけるがだいたいの事情を察して華麗にスルーする。
なんとか横島を現世に復活させようと頬を叩いているつもりだろうがそこは足だよおキヌちゃん…。
5分ほどたつと横島もだいぶ人間形態に近付き、ようやく朝食となる。
朝食は自分の好きなものを好きなだけ持ってこれるバイキング形式だ。一流ホテルなので味も種類も申し分ない。

「肉〜!日頃摂取しがたいタンパク質を!!」

「あんまりがっつかないでよね恥ずかしいから」

「ほれ若殿、野菜も取らぬと霊力も身体も育たぬぞ」

「あ、あの緋鞠さん…スイカは確かに野菜ですけどお肉とは合わないんじゃ…」

何をするにも騒動を起こす連中だがしばらくうろうろして自分の食べる料理を捕獲すると席に付く。
横島は青椒肉絲からローストビーフと肉料理中心で、ところどころ野菜が盛り込まれている。
美神はキャビアやらフォアグラやら高級食材をふんだんに使った料理を上品に盛っている。やはり一流の店に来慣れているのだろう。
緋鞠は白いご飯にみそ汁、焼いた鮭にお漬物、極めつけの味付けのりとまさに日本人の朝食〜って感じのラインナップだ。
おキヌちゃんは幽霊なので食べられない、まぁそれはいつもの事なので割合だ。

「ほえれゆうえいはがすほうほうはわはったんれふか?」

「日本語で喋りなさい日本語で!」

そう言われ横島は喉に形が出るほど詰め込んでいた料理を一気に飲み込む。

「幽霊探す方法はわかったんですか?」

昨日徹夜一歩手前で考えていた件についてだ。美神と緋鞠があれやこれやいろいろ意見を出したが結局まとまらなかった。

「かっぷる客を狙うのじゃからやはり囮作戦が良いと思うのじゃが?」

「カップルなんてそこいらにうじゃうじゃいるんだから意味ないわよ、やっぱり地道に待つしかないわね」

こうして結局待ちに落ち着く事になり、それぞれ料理を食べてプールへ向かう。

「お嬢さん!ぼくとひと夏の淡い思い出作りを!」

『残念じゃが儂には連れがおる、またいつか縁があれば会う事もあろう』

そう言って銀髪ロングストレートの美少女は連れとやらの方へ歩いていく。プールに着いて早々にナンパをする横島だがあえなく撃沈だ。

「懲りないのう若殿」

「大丈夫ですよ横島さん”まだ”一人目じゃないですか…」

それを少し離れた所から見ていた緋鞠とおキヌちゃんが近づいてくる。
おキヌちゃんの言葉に少しトゲがある気がするが気のせいだろう…。

「あのねーちゃんごっついー身体しとったのにぃ!!!」

「ふん、あんな時代錯誤でじじくさい喋り方の女のどこが良いのじゃ」

「儂って言う人、現代では始めて見ました」

「なんか緋鞠に似てたな…産みの親が同じっつーか育ての親が違うっつーか……」

「「「…………」」」

「気のせいだよなッ!」

「そうですよ!世の中には似た人が三人はいるって言いますし!!」

そうそう世の中大人の事情というものがあるのだ。
笑ってごまかした三人は美神と合流するとぽやーっとしながら監視を始めるが三時間ほどたっても全く変化が起こらない。

「幽霊出ませんね」

「そろそろお腹が空いたのう」

「そうね、それじゃ交代で昼食にしましょ」

戦闘力の高い美神と緋鞠で分けて休憩に入る。
最初は緋鞠と横島が行く事にしたようだ。

「さてと、何食うかな」

「あそこでラーメンでも食わぬか?」

緋鞠が指差す方を見てみると海によくある海の家っぽいレストランだった。レジャープールなのに無駄にリアリティがある。

「まぁ、いっかそれじゃあそこで」


『お帰りなさいませご主人様』

出迎えてくれたのはやたらフリフリなドレスにカチューシャを付けて金色の髪をツインテールに結った、いわゆるメイドさんだった。海の家に合わない事この上ない。

「おねーさん!お仕事何時までですか!?そのあとお暇ですか!お暇ですね!?一緒に砂のお城を作りましょう!!」

「きゃあ!なんなんですかぁ?」

「やめぬか若殿!!」

いきなり飛び掛かった横島を引きはがした緋鞠は突然抱きつかれたにしても不自然にプルプルしているメイドさんに丁寧に謝る。

「すまぬ若殿が失礼した、よく言って聞かせる故許してほしい」

「はぁ、それは良いんですけど…な、何をしに来たんですか…?あっ!いやお食事に来られんですよね!私ったら何言ってるんでしょうね!?アハハハ…」

明らかに挙動不振なメイドさんなので緋鞠は少し霊視してみるとニヤリと笑いメイドさんを抱え込む…

「ほぅ、お主、人とは違うなかなかおもしろいニオイをしておるのぉ?」

「ひぐっ!そ、それはきっとラーメンとかチャーハンとかの香りですよぅ、あなただって何かケモノくさいじゃないですか〜〜!」

「なに!!そんな香りがするのか!!俺にも嗅がせて〜〜!」

『きゃーーッ!』

横島が再び飛び掛かろうとした瞬間に店の外から悲鳴が聞こえてきた。

「ちっ!出たか若殿行くぞ!」

「お、おう!」

人外っぽいメイドさんをひとまず放置して店の外に出ると依頼にあった女の幽霊ではなくなんか巨大で気色悪いカビゴンみたいな妖怪(?)が美神と闘っていた。
横島と緋鞠は美神の援護をするために全速力で向かうがプールに横島の足がついた瞬間に何か物凄い力で引きずり込まれてしまった。
それに気付いた緋鞠は慌てて横島の手を掴むが一緒に引きずり込まれ、そのまま気を失ってしまった。

「知らない天井だ……ってゆーか岩!?」

横島が使い古されたネタで目を覚ますと周りは岩だらけの洞窟のような場所だった。一体あのプールのどこにこんな場所があるのだろうか…。
どうやら緋鞠とははぐれてしまったようだ。

「……目が覚めたかなの」

「!?」

驚いて振り向くとそこには…

「スク水だと!!!?」

「……他になんか言う事はないのか…なの」

見た目明らかにローティーンでプール帰りの小学生という出で立ちの幼女がいた。当然だが恐ろしいほどスク水が似合っている。横島が思わず吠えたのも頷けるだろう。
しかしその眼光は鋭く淀み、断じて見た目通りの存在ではない事を如実に表している。

「お嬢ちゃんこんなとこでどうしたんだ?お母さんとはぐれちゃったのか?」

しかし横島は見た目通りと判断したらしく迷子扱いし始める。ロリ属性はないので襲わないだけマシだろうか…?

「離れろ若殿!そいつは妖じゃ!」

「やっぱりか!!?」

物影から緋鞠が注意を呼び掛ける、どうやら今まではぐれた横島を探していたようだ。横島は薄々気付いてたらしく慌てて飛びのく。

「お主、何者じゃ?」

「……私は静水久(しずく)、そこにいる鬼斬り役の首を取りにきたなの」

「く、首!?」

「落ち着け若殿、プールに出る幽霊とやらはお主の仕業か?」

「……それは知らないなのあいつが勝手にやった事なの」

「あいつとは誰じゃ?」

「………ここでドザエモンになるお前達には関係ない事…なのー!」

そう言うと静水久は氷の針を緋鞠に投げ付ける。
緋鞠は凄まじい速度で迫る針を上手くキャッチする。

「水に氷針(ひばり)…みずちか!相手に不足はない、若殿!妖脈じゃ!」

「お、おう!」

(妖脈の副作用はもう怖くない!若殿が寝てる間に修行したのじゃ!)

どんな修行か激しく気になるがあえて聞かずに妖脈に霊力を流す。

ピクッ…

「あぅ…バカな…あんなに頑張ったのに…」

「うぉぉぉぉ!久々の悶え緋鞠!やっぱこれがなきゃヤる気が出ん!」

「……こいつら何やってるなの?」

そうこうしているうちに
悶える→興奮する→さらに悶える。
の悪循環で現時点での最大パワーになった緋鞠が静水久へと向き直る。

「待たせたな、覚悟は良いかみずち」

「……膝震わせながら凄まれても怖くない…なの」

「…………」

こうして、いまいちしまらないままネコ対みずちの対決が今始まる。


とうびーこんてぃにゅー


あとがき
お久しぶりですハルにゃんです。
いやーだいぶ間が開いてしまいましたがちゃんと覚えてくれているか不安です。
サイン会も無事に行けましたのでようやう書き上げる事ができました〜。
今回で静水久登場です。長かったです。ついでにもう一人レギュラー予定のキャラを出してみました、正式登場はまだ先ですが予想以上に私にツボり、出してしまいました……。

ではレス返しです。

○山の影様
レスありがとうございます。
おキヌちゃんは現在緋鞠と横島の関係を見てやきもきしていることでしょう。ホントバカップルですからね……思わず私が嫉妬してしまうくらいに!

○U-様
レスありがとうございます。
<ココで出ますか“静水久”ちゃん♪ 
おや?意外と知っている方がいらっしゃる……。
静水久もかなり好きなので上手く書けていたら嬉しいです。

○JTR様
レスありがとうございます。
<フジツボは高級食材
そうだったんだ!?どこにでも生えてるもんだとばかり…。
勉強不足ですね、頑張ります。

○February様
レスありがとうございます。
う〜むいい感じに予想されてしまいましたね……しかし!まだどんでん返しがあるのかも!?
次回を期待していただけると嬉しいです。

○Iw様
レスありがとうございます。
読者様の期待は何より励みになります。これからもよろしくお願いします。

○レンジ様
レスありがうございます。
<この作品を読んで原作をみましたが自分はこちらの方が面白いと思いました
この感想を読ませていただいた時思わず喜んで良いのかどっきりカメラを探せば良いのか迷ってしまいました……。
身に余りすぎるお褒めの言葉ホントウにありがとうございます。
これからも頑張りますのでどうかお見捨てなくよろしくお願いします。

○G様
レスありがとうございます。
お久しぶりです。
緋鞠のヒロイン宣言、確かに今のところ緋鞠が一歩リードですね〜
ですがそうのうち強力なライバル達が出張ってくるでしょう。
楽しみにしていただけると嬉しいです。

レス返し終了です。

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