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「SASUKE 憑依伝 危険地帯を突破せよ編 6(NARUTO+オリジナル 現実→憑依)」

相原 (2007-02-14 16:03/2007-02-15 16:00)
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「水遁・鉄砲玉!」


すばやく印を組んだ雲隠れの忍びがチャクラを練りこんだ水玉を放つ。猛烈な勢いで飛んでいくこの技を、たかが下忍が交わせる筈が無いと高をくくって放ったのだが―――

バシィン!

拳を突き出したナルトの手前で、突如として水玉が見えない壁に当たったように弾け飛ぶ。
驚いた忍びが見たのは・・・・手甲に埋め込まれた蒼色の玉、そこを中心としてナルトを守る半透明の蒼い壁だった。チャクラで出来た盾らしい。


「なっ・・・このっ!」


続いてクナイを数本投擲。それもチャクラの盾に弾かれたが、その内の1本に巻かれていた起爆札が発火、ナルトの目の前で炸裂する。
だが猛烈な爆風もナルトの前に張られたチャクラの盾によって防がれた。


「今度はこっちの番だ!」


チャクラで強化した脚力でまっすぐ突っ込むナルト。一瞬で10m近い距離を詰められた忍びはその下忍とは思えないレベル―中忍レベルか、下手すると上忍並―の素早さに一瞬パニックに陥りつつも、新たにクナイを抜いて振るった。
ナルトはギリギリの所で見切って体を落として回避。かすめたクナイがナルトの金髪を数本切り裂く。そんなのもお構いなしにナルトは右のショートフックを叩き込む。


――――命中の瞬間、蒼い閃光と普通のパンチではありえないドパンッ!という大きな音が同時に起こった。

まるでゼロ距離で起爆札が炸裂したような衝撃が忍びを襲う。
だが奇妙なのは、肋骨がまとめて複雑骨折起こしても可笑しくない位の威力なのに、骨を傷つけずに内臓にだけ衝撃を『通した』事だ。

お陰で折れた骨が内臓をズタズタにする、等という事態は起こらなかった・・・・・が、内臓はしっかりその衝撃をまともに食らっている為、外からではほとんど分からないダメージが忍びを襲う。

息が出来ない。胃の中身が一気に逆流を起こしかけ、心臓が一瞬『止まっ』て動けなくなる。
心臓が、肝臓が、肺が、腸が。男のありとあらゆる内臓が一気に大ダメージを受けて意識が飛びかける。


だが、ナルトはそんな事お構いなしにもう1発――――今度はチャクラをありったけ込めた左の掌底を、相手に叩き込んだ。


ドバキッ!!

「ぐべらっ!!?」


再び蒼い閃光と炸裂音。
顎にもろに食らった忍びの体はおかしな絶叫と共に宙に待って・・・・・空中2回半回転に捻りを加えて、頭から地面に強烈なキス。今度は骨にもダメージが与えられた為顎は血まみれグチャグチャ、脳は猛烈に揺さぶられて脳震盪を起こしていた。
2発目を食らった時点で、男の意識はもう飛んでいた。

ナルトはしばらくの間左拳を突き上げていた(右手が腰の所にあったお陰で若い頃のトラ○ルタみたいだったりする)が、相手がピクリとも動かない・・・というか痙攣はしているが・・・のを確認して、


「いよっしゃあ――――――――!!!!」


――――勝利の雄叫びを、あげた。


「だーっ!里はまだ見えてこねえのか!?」


焦った様に―実際焦っているのだが―サスケはぼやいた。
背中には意識の無いサクラ。服は血まみれ、顔も血まみれという組み合わせを事情の知らない人が見たら、悲鳴を上げるかどこの猟奇殺人鬼だなんて考えそうな姿だが、今はそれ所じゃねーんだって!
チャクラを流し込んで脚力を強化してるお陰でサクラを背負ったままで全速力で飛ばしていてももう少しは持ちそうだ。もっともチャクラが切れた後は強化してた反動が一気に襲ってきそうで恐ろしいが、今はとにかく少しでも早く里に着ければそれでいい。


「あと少し、あと少しで里に着く筈なんだ・・・・・!」


もう少し。あと少し。


森を抜けて、中央付近に大きな岩がある開けた場所に出て、そこも真ん中を突っ切ろうとする。


―――――だが、やはり誰かさんはあっさりとこの出来事を終わらせるつもりは無い様で。


次の瞬間、サスケの両足に1本ずつ、手裏剣が深々と突き刺さった。

激痛。足から力が抜け、無様に背負ったサクラごと前に倒れてしまう。何とか足から手裏剣を抜いて、傷から血がドクドク流れてゆく。重要な血管が傷ついた可能性がある。
大量の出血と、鋭く燃えるような痛みに呆然としたまま、膝立ちの体勢で体を起こすと――――


「・・・・ちくしょう。」


力無く呟いた。
目の前に、別の雲隠れの額当てをした冷酷そうな細身の男―さっき殺した奴のお仲間、いや、雰囲気からして下手すると隊長か?―が、クナイ片手に数m離れた岩の上に立っていた。サスケやサクラにとっての死神が。


「散々手こずらせてくれたな、『うちは』の末裔。油断していたとはいえ、俺の部下を2人も殺してくれるとはな。」
「油断してたそっちが悪いんだろうが・・・」


傷口を手で押さえて何とか出血を食い止めようとしながらサスケは答える。


(『2人』・・・て事は、1人はあのトラップに引っかかってくれた訳だ。案外使えるんだなあの手・・・・・)
「ああ。確かにたかが下忍と油断していたあの2人が悪い。もっとも、2人はその代償を自分の命で支払ったがな。」


そう言って隊長は無造作にクナイを2本、サスケに向かって投げる。
サクラを背負っている上に両足に深い傷を負っていたサスケは避け切れず、次は両腕にクナイが突き刺さる。


「ぐああああっ・・・!!」
「だから俺は念入りに貴様を動けなくする事にしたのだ。」
「クソッ・・・タレ!」
「それから、いくらアカデミーを出たばかりの下忍に負けるような使えない部下だったとはいえ、2人は大切な仲間だったのだ。その敵を討たせてもらう。」
「オイオイ・・・テメエらは俺を・・・誘拐するのが目的なんじゃ・・・ねえのか・・・・・?」


マズイ。足の出血に加えて両腕からも血が抜けてくお陰で早くも貧血気味になってきた。
意識が・・・また・・・・遠のく・・・・・


「研究部が欲しがっているのはうちはの血継限界の要であるその『眼』だ。貴様の頭でも持ち帰れば死体とはいえ、少しは何か分かるだろう。」


では死ね。

隊長はそう呟いて、サスケにクナイを投げつけた。

コースは――――眉間に向かってまっすぐ。


足も手も動かせず、回避する事の出来ない俺に向かってくるそのクナイはとても・・・・・とても遅く、俺に向かってくる様に感じた。


(俺はここで死ぬのか?)
(死にたくない。決意を決め直して、その一歩を踏み出したばかりなのに)
(ここで終わってたまるか、ふざけんな!)
(死んだら元も子もないんだろう?泥水啜ってでも生き延びて、大切なものを守るんだろう?そう誓ったんじゃないのか?)
(まだ終わってない。まだ死んじゃいない。足掻け。まだ足掻くんだ俺!)
(死にたくない。死ぬのは怖い。こんな所で死にたくない!)
(俺が死んだらサクラもきっと殺されるんだぞ?大切な奴を守りきれずに死にたいってのか?冗談じゃない!)


(死にたくないふざけんな守るんじゃなかったのか怖い守るんだ死んでたまるか死ぬのが怖い殺されてたまるか守ると決めたんだ死ぬのは嫌足掻いてみせろまだサクラを死なせるわけには――――)


死への恐怖と、殺そうとする相手への憤怒と、自分への嘲笑が頭の中で難解に絡み合って響き渡る。

やがてその思考はクナイが突き刺さる直前、1つにまとまった。


(俺も・・・・・サクラも・・・・・・)


こんな所で、くたばってたまるか。


―――ガキィ!


鈍い音と共に、サスケの頭が後ろに仰け反る。
一瞬隊長は仕留めたと確認して―――次の瞬間、驚愕のあまり眼を見開いた。

頭が先ほどの位置に戻ったサスケは、飛んできたクナイを歯で噛んで受け止めていて。


その瞳は漆黒から、赤い巴文様――――『写輪眼』へと変貌していた。


忍具解説:双龍牙
チャクラを増幅させる特殊な蒼色の玉が埋め込まれた1対の手甲。
チャクラを流し込む事によりチャクラの盾を展開可能(流し込む量によって盾の大きさも変更できる)。
また流し込んだ状態(流し込む量で威力の調節も可能)で殴る事で右手の攻撃は体内の器官や経絡系に衝撃を『通し』てダメージを、左手の攻撃は物理的な物なら何でもダメージを与える事が出来る。なので右手の攻撃をガードされても体内を伝わる衝撃でダメージを与える事が出来るし、左手の攻撃を武器でガードされても流し込んだチャクラが多ければ武器を破壊する事も可能(九尾のチャクラが発動したら・・どうなる事やら)。
当たった時に閃光が起きるのは当たった瞬間流し込んだチャクラが炸裂する事によってダメージを与える為。なので乱用すればする程チャクラは減るが、元々ナルトのチャクラが多い為チャクラ切れにはなりにくい(多重影分身と併用してるとそうとも言えないが・・・)
手首付近の穴は多目的用のワイヤーアンカーを発射するためのギミック。直径1mmの特殊ワイヤーの長さは口寄せの術式によって最大25m、250kgまでの重さなら牽引する事も可能な高性能っぷり。
切り立った崖や高所での移動や敵の捕縛にも使えます。


あとがき:ってな訳で(どんな訳?)、ナルト活躍&フライング気味な写輪眼発動の回となりました。
次かその次あたりで今回の分は終わって水の国編に移るつもりですが、出来たらその間にドタバタっぽいのを挟めたら良いなと思ってます。

>somosomo様

本編に出てくるトラップって忍具を使ってないタイプはベトコンとかゲリラが使ってるタイプに似てると思ってます(個人的な見解ですが)。竹槍や丸太が飛んでくるトラップも実際にあるみたいですし。
まあ、我が家のサスケの使うトラップは現実の兵士が使うようなトラップが中心だと考えてくださいな。

>モルツ様

・・・我ながらバイオレンス度は低いなと思ってる人がここにいますよ(スプラッタな映画や本に慣れてる奴約1名)。
サスケは既に人を殺してしまいましたが、ナルトの場合は怪我はさせても命は取らせないつもりです。もっとも、ナルトの前で人が死んだりするのはありですが。
あとサクラにも忍具を与えようと思ってますけど・・・何だかあっちこっちの作品とダブりそうです。マズイな(苦笑&汗)


今日はこれで失礼。

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