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「SASUKE 憑依伝 危険地帯を突破せよ編 5(NARUTO+オリジナル 現実→憑依)」

相原 (2007-02-13 15:57)
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――――初めて人を殺してから3分ぐらい経って、俺は再び動き出した。


幸い―血塗れの状態でそう言えるのかはひとまず放っといて、吐き出した物がかからずに済んだ上着の内ポケットから1本の蓋付の小さな細長い液体入り容器(こっちも血が染み込んでて血塗れ)を取り出し、中身を一気に煽る。
中身はうちはの書物庫にあった医学書を元に作った自家製の回復薬だ。
超即効性の代物で、喉に流れ込んだ瞬間殴られたり蹴られたりした部分の痛みが一気に吹っ飛び、切り傷だらけの腕や足の切り傷が九尾のチャクラ発動時のナルト並みの速さで塞がる。


「うわ、やっぱエグぅ・・・・・」


喉がある筈の部分にポッカリ開いて、食道やら気管やらなんか白い物―首の骨か?―やらを曝け出した、自分が初めて殺した相手の死体を見て呟く。
殺した俺も血塗れ、死んだ相手も血塗れ、俺達の回りも血塗れだ、クソッ。
悪態を頭の中で呟きつつ、頭の他の一部分は思ったより冷静な自分を分析していた。


初めて人を殺した兵士(今の場合は俺)のその後は、大きく分けて2種類に分かれる。

人を殺した事がトラウマになるか、2人目からあっさり相手を殺せる『本物』の兵士になるか。

どうやら―今の時点じゃ幸いにも―俺は後者らしい。
目の前の死体も気持ち悪いっちゃ気持ち悪い。だがそれだけだ。襲ってきたのもあっち、仲間を殺そうとしてたのもあっち。俺はただ自分を、仲間を守ろうとして相手を殺してしまった、それだけの事。


そう、それだけなんだ。


――――それでも初めて人を殺した今日という日は、これからずっと忘れられないだろうが。


(考えてみりゃ、サクラの意識が無くて良かったのかもな)


年頃の女の子(って、俺も肉体的にゃ同い年だけどさ)にこの光景は見せるべきじゃないだろう。

・・・・・あ、でももう数ヶ月もしたらサクラも人が死ぬ場面に遭遇する筈だった気が。
まいっか。こんな原作に無いイベントが起きたって事は、これから先も何か予想外のイベントがあるかもしれないし。いや、原作で起きたイベントがこの世界じゃ起きなくなる可能性も・・・・・


「ええい、先の事は後回しだ!とにかくナルト達と合流するか、里に戻って3代目の爺さんに知らせねえと。」


カカシの所に戻るのは・・・・ダメだ。さっき聞こえた爆発音は屋敷の方からだった。多分あっちでも雲隠れの忍びがカカシを襲ったに違いない。
あのカカシがあっさりやられる訳は無いから、恐らくあっちじゃ俺らが文字通り子供騙し(それ以下かもしれない。こっちの相手は油断した挙句返り討ちに遭ってんだから)に感じるほどの大バトルになってること請け合いだ。ダメだ、俺とサクラが行っても足手まといにしかならない。第一サクラは使い物にならないんだし。
ナルトは・・・・どこに居るのかわからない。それにサクラが襲われたって事はあっちも雲隠れの忍びに襲われてる可能性が高い。お荷物付の俺が向かっても、戦力になれるかどうか―――
だがナルトもあっさりやられる様なタマじゃない。この世界のナルトはこの時点での『原作』のナルト以上に強いのは確実だし、いざって時は俺が来る途中渡した『アレ』を使って撃退してそうだ。


そして俺が選んだ手は――――サクラを連れてこのヤバイ森から脱出し、里に知らせて援軍を呼ぶ事。

少なくともそれが俺に出来る一番正しい行動・・・・だと思う。

生憎これ以上戦う気にはならなかった。ただ、早くサクラを里の人間に渡して手遅れになる前に援軍をナルト達の元へ送りたい。


その前に――――俺はもう一度俺が殺した相手の死体を見、次に転がっている2つの籠を見た。


サスケが去ってから数分後―――――


「バカが・・・・・」


雲隠れの額当てをした2人組の内、冷酷そうな細身の男が呟く。
確かに中忍が下忍、しかもアカデミーを出たばかりである筈の子供に殺されたとなればどう言われようが弁解は出来ないだろう。

もっとも、死人じゃ弁解できないのは当たり前だが。


「ガキだと甘く見るから返り討ちに遭うんだ。」
「多分やったのは俺と入れ違いになった『うちは』のガキだろうよ。金髪のガキはこっちとは反対側だし、あのピンク色のガキにゃ殺せるような力も度胸もねえ筈だ。」
「・・・とにかく死体を消して血の染み込んだ土も処理しろ。我々雲隠れの忍びが関わっていた証拠を残すな。」


もう1人、がっしりした体つきの男が死体に近づいていく。
と、その足が死体から3mほど手前・・・・転がっている籠と籠の間で止まった。


「舐めやがって・・・・・」


男が忌々しげに呟く。男の足元のすぐそばに、地面から30cmぐらいの高さで籠と籠との間に張られたワイヤーが微かに光を反射していた。


「やっぱりガキはガキか。こんな見え透いた罠仕掛けやがって。」


ワイヤーを跨ぎ越し―――――その奥に『原作』で4人衆が使ったのと同じ手で仕掛けられた、つや消しを施した砂色のワイヤーを踏んづけた。


「な―――――」


何だ、と男が呟くよりも先に、ワイヤーの先につながれていた起爆装置が作動。
サスケが作った指向性散弾地雷―起爆札や術式のお陰で、威力は原型のクレイモアと同等ながらそれよりも2回り小型―が2つの籠の中で、間にいた男目掛けて炸裂する。


細身の男が次に目を開けた時には、1500個以上もの鉄球の嵐に襲われた男のがっしりした体は消滅していた。


時は少し遡って、サクラが襲われた丁度その頃・・・・・・・


「く〜、これが俺専用の忍具か〜」

ナルトはもうそれはそれは嬉しそうに、サスケから手渡された物を惚れ惚れと見ていた。

それは1対の手甲に似ている。しかし指の部分は皮製のフィンガーグローブに似て指先が露出していて握ったりしやすくなっている。
手の甲の部分にはなにやら蒼色の小さな玉がはめ込まれていて、前腕部を包む部分の手首の内側の部分には何かを発射するような穴が開いていた。
ナルトはその手甲を装着してから、おもむろにそれが入っていた包みから一緒に入っていた解説書を取り出して読み始め、


「ふむふむ、名前は『双龍牙』ってば・・・・・ふーん・・・おお、スゲエってばよコレ!」


などと喜んでいる。ってか、薬草集めなくていいのか?(いや、本当はそれ所じゃなくなってるんですが)。


そんな時、ふと妙な感覚がナルトを襲った。
何というか、サスケやヒナタと晩御飯を賭けたサバイバル鬼ごっこの時に追われてるような気配が。


「何だ、誰か近くに居るのか?」


そう言ってナルトが振り向いた瞬間。
目の前にクナイが数本まっすぐ飛んできて、とっさに左へ跳んで回避。ギリギリの所で直撃は避けたが、一本が頬を掠めて血が垂れる。


「チッ、ガキの割には勘が鋭い。」


忌々しげな呟きと共に草むらから出てきたのは雲隠れの額当てをした1人の男。クナイを投げたのはこの男らしい。


「誰だってばよテメエ!」
「教える義理は無い・・・・今から死ぬガキにはな!」
「俺は火影になるまでは死ねねえってば!上等だ、サスケからもらった忍具の実験台になってもらうってばよ!」


ナルトはサスケから教えてもらったボクシングのファイティングポーズを構えると両手にチャクラを込めた。手甲自体が青白いオーラを発し始め、拳を包み込む。


ナルトの戦いが、今始まる。


あとがき:ナルトの忍具が某所の小説とダブるかもしれませんが(汗)、そちらとはまた違うタイプの忍具になっています。
元ネタはGガン(というより種運命?)とスパ○ダーマンです。


>somosomo様

ギャグ主体の話は今回の分が終わったら・・・書けたらいいなぁ(オイ)。水の国終了直後ならドタバタっぽい話が思いついてるんですが、現時点ではまだわかりません。
スイマセン(土下座)

>明日死能様

自分はゲッターは読んだ事も見た事がありません。なのでごめんなさい(また土下座)。


今日はこれで失礼。

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