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!警告!バイオレンス有り

「SASUKE 憑依伝 危険地帯を突破せよ編 4(NARUTO+オリジナル 現実→憑依)」

相原 (2007-02-11 16:26)
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かわし、いなして―――反撃する。


だが俺の攻撃は決定打を与えるどころか良くてかするだけ、悪けりゃ強烈な拳やら蹴りやらが頭や腹に飛んできて、その度に俺は倒れそうになる。

しかしなぜか相手はその手に持ったクナイで俺にあっさりお迎えを呼ぶ事ができる筈なのに、そっちで攻めてくるのは主に腕や足――あまり命に関わりにくい部分ばかり。
手加減しているだけか、それともとことん俺を弄るつもりなのか・・・・おそらく前者だろう。


(そりゃ今じゃ『うちは』の写輪眼は希少種だからな!)


日向分家みたいに死んだらその能力が消えるっつー訳じゃないだろうが、やっぱり死なれた状態じゃ生きてる時よりもその原理が分かりにくいのかもしれない。

だけどこのまま負けて連れてかれりゃ、大蛇丸並みとはいかないまでもそれでもヤバそうな実験を受ける羽目になるのはほぼ確定済みだ。


「そんなのご免に決まってんだろ・・・!」


今度はこちらから攻めた。素早く懐に飛び込んで右の短刀を振るう。
だがまた―無意識の内に、勢いを弱めていて―踏み込みが足らなかった。相手は上半身を後ろに反らせてそれをかわすと、容赦無い左の掌底をあごに叩き込んできた。
ガツンっ!と強い衝撃。視界が揺れて、後ろに倒れそうになるのを堪えるが思わずたたらを踏んでしまう。追撃の絶好のチャンスの筈なのに、相手はそれっきり攻めずにまた間隔をあける。


「どうした、『うちは』のお坊ちゃんよぉ!」


訂正。やっぱりいたぶってるだけかもしんない。
うちはうちはって・・・・生まれとかにコンプレックスでもあんのかコイツ?


「そおら、もういっちょ!」
「っく!」


今度は相手から突っ込んでくる。俺は何とか頭をハッキリさせて、ギリギリの所で飛んできた左のハイキックを防御。
素早く俺は体を落とすと、ガラ空きになっている右足に足払いをかけようとして――その行動を読んでいた相手から、強烈なアッパー気味の右をもろ左側頭部に食らった。


さっき以上に、今度は横に揺れる視界。気づいた時には右肩から地面の激突していた。

食らったアッパーの勢いを殺しきれずに思いっきり。

何とか立ち上がろうと両手をつき、足に力を込めて起きようとして・・・・そのまま無様に地面にキスした。コイツはかなりヤバい。ダメージが足にきてる。

目の前が少しずつ暗くなる。相手の俺を嘲る声が遠くに聞こえる。


「いくらうちはの末裔でも、アカデミーを出たばかりのガキにゃ実戦は早すぎたみてえだな!」

(そいつはご尤もですよ)


実戦経験の有無。
その重要性は、現実世界の兵士でもこの世界の忍者でもほとんど変わりない。

例えば同じ訓練を受けた同じ年齢の兵士達が居たとしても、実戦経験の有る無しの差は大きい。

特に顕著なのが奇襲などを受けた際の反応だ。たとえ1度でも実戦経験のある者なら直ちに行動―攻撃からの回避、策敵、反撃など――に移れる場合が高い。戦争映画に出てくるような古参兵なら、奇襲を受ける前に敵の気配を嗅ぎつけるなんて事もあるとか。
逆に実戦経験が無い兵士が奇襲を受けるとどう対処すればいいのか分からず実戦の空気に呑まれてパニックに陥る、という事も珍しくない。その部隊の指揮官まで実戦経験が無かったとしたら・・・・奇襲にしっかり対応できずに全滅する、なんて想像も難くないだろう。

戦争小説や漫画、映画などでヒヨッ子新兵の集まる部隊の中に1人は古強者の鬼軍曹が居るのも、実戦の際瞬時に的確な指導ができる人間が必要になるからだ。
士官学校出の坊ちゃん仕官の指揮官が部隊の鬼軍曹に意見を求める、なんて場面も実際は珍しくないらしい。
数々の戦場を戦ってきた古参兵に星付きの将兵―つまり将軍レベルの軍人が意見を求める、なんて事も有るとか無いとか。

これを俺達に当てはめてみると、俺達下忍が実戦での対処法を知らないヒヨッ子兵士、
カカシ達担当上忍が実戦の時どうすれば良いかを下忍に叩き込んでくれる鬼軍曹兼部隊の指揮官である仕官、って感じになる。
そして今の状況はといえば・・・・部隊は分断、指揮官はここには居ないし、部隊の1人(ナルト)は別の場所で作業してたから今じゃ行方不明。
後の2人の内1人(サクラ)は敵の術で意識が無いから戦力にならないし、残った俺はグロッキーどころかKOされてて―――ハッキリ言って絶体絶命。


それはともかくとして、実戦経験の有無はまた別の点で兵士や忍者に深く関わってくる。


それは―――――敵、つまり自分と同じ人間を傷つけ、殺す事への心構えの点だ。


実戦経験があり、相手を1人でも殺した事があれば、2人目からはずっと気持ち的にも楽になって躊躇いが無くなってくる。
大体は1人だろうが2人だろうが、今更人を殺した事には変わりないと、まあ有り体に言えば開き直る様になるからな。

逆に初めての実戦で人を傷つけ、殺す事になった場合は否応無しに躊躇ってしまう。
無意識の内に相手が『敵』だと割り切れず、自分と同じ『人間』だと感じてしまうからだ。


――――さっきの俺の様に。


(アニメや映画みてーにいきなりの実戦で活躍できるわけねーだろ)


復讐一辺倒だった『原作』のサスケなら、「こんな所で躊躇ってるようじゃアイツは殺せねえ!」なんて感じで割り切って相手をぶっ飛ばしてたかもしれないけど。
平和ボケした日本で生まれて、喧嘩もした事がないオタクの大学生だった俺は、やろうと思えばあっさりと相手を傷つける事が出来たのに、それが出来ずにいたお陰でカッコ悪く地べたに倒れている。


(あっさり割り切れてたまるかよ・・・・)


少しずつ遠のく意識の中で、そんな事を考える。
―――――ぼんやりと狭くなる視界の中で、相手の向こうで意識を失ったままのサクラの姿が、なぜかハッキリと見えた。


(俺がこのまま気絶したらサクラはどうなるんだろうな・・・・・)


――――決まってる。相手はまたさっきの続きとばかりにサクラの喉を掻っ切るに違いない。


そう考えた瞬間、俺の中で声が聞こえた。怒りと憤り、そして嘲りが混じった自分自身の声が。


(ふざけんな)
(この世界にやってきた時のお前の誓いはそんなあっさり諦めるような物なのか?)
(決めたんじゃなかったのか?大蛇丸だろうがうちはイタチだろうが、そいつらの手を借りないぐらい強くなってやろう、そう決めたんじゃなかったのか?)
(原作の『うちはサスケ』が力と引き換えに失ったもの、そのすべてを守れるぐらい強くなるんじゃなかったのか?)
(その前にお前が死んだら元も子もない。死にたくなければ泥水啜ってでも生き延びろ。大切なものを守りたいのなら、誰かを殺してででも守ってみせろ)
(足掻け。足掻き続けろ。バッドエンドはお前の好みじゃないはずだ)


「・・・ああ確かに・・・・物語はいつでもハッピーエンドじゃなきゃつまらないもんな・・・」


俺も驚いた事に、自分自身にボロクソ言われたお陰で最後に根性と言うかなんと言うか、とにかく訳の分からない力を振り絞って立ち上がった。
とは言ってもダメージはまだ残っていて、すでに足はガクガクプルプル、気を抜いたら2度と立ち上がれなくなりそうだ。両手に握っていた短刀も倒れた時に地面に転がったままで、つまり今の俺は素手な訳で。拾いたくても足がこんな状態だから無理な状況。

相手が文字通り満身創痍な俺を見て、鼻で笑う。


「お坊ちゃんはまだやられ足りないみたいだな!」


相手はそう言ってクナイを身につけていたホルスターに仕舞うと、まっすぐ突っ込んできた。
もう俺をぶちのめすのに忍具なんて必要無い―実際その通りだけど―といった感じで、右の拳を後ろに引いてためを作る。

大振りな―思いっきり俺をなめきった―右ストレートが俺の顔面に迫る。


拳が迫った瞬間・・・・・俺は力無く、一歩踏み出した。
頬を拳が掠める。相手が驚いた表情を浮かべる。倒れ込む様に相手の懐に入った俺の上向いた視線の先には―――むき出しの喉笛。


足掻いてやるさ、クソッタレ。


俺は、その喉笛に噛み付いた。思いっきり。

歯が皮膚を貫き、塩辛く鉄臭い液体が俺の口に勢いよく流れ込む。相手が訳の分からない叫びを発したが、なるべく気にしないよう力を振り絞って顎に力を込める。

その時、ついに足の限界が訪れた。相手が俺にもたれ掛かる形になってた為に俺自身+相手の体重を支えきれず、もたれ掛かられた体勢のまま俺は後ろに倒れた。
倒れる勢いと相手との身長差からか、俺は文字通り相手の喉笛を噛み千切る格好になった。

噴水の様に勢いよく噴き出る鮮血。それは俺の顔に降りかかり、倒れた後も相手の体が上になった形になってるお陰でドクドク流れる血は俺の上着にもあっという間に染み込んでいく。

生暖かく血に濡れた上着の感触は、今までで一番気持ち悪い。


そのまま乗っかられたまま倒れていたのは30秒ほどだろうか。


俺は何とかそこから抜け出すと、力無く体を起こして噛み千切った喉笛を吐き出し、次にたった今時分が手を書けた、ピクリとも動かない血まみれの相手を見て・・・・・・


「うっ・・・・・・う゛え゛っ”!!」


――――――口の中に溢れる鉄錆の臭いと、目の前の相手の喉元にポッカリと開いた肉の穴に耐え切れず、胃の中の物を吐き出した。


あとがき:前回のあとがきどおり(笑)血まみれになりました。苦手な方はご了承下さい。
そして今回からは皆さんのご忠告どおり、レスを返させていただきたいと思います。


>somosomo様

この先はちょくちょく原作にない、もしくは違う部分を追加していこうと思ってます(○が○の子になったりとか)。
心待ちにして頂きありがとう御座います。


>ナナシ様、通る猫様


文章が短くてすいません(土下座)。
この小説はその場で一発書きというか、頭の中でストーリーは出来ているんですが文章や表現はその場で考えて打ち込んでいるのでどうもこんな感じになってしまうんです。
これから改善していくつもりですが、なにとぞご了承下さい。


では今日はこれで失礼。

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