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▽レス始

「ガンダムSEED Destiny――シン君の目指せ主人公奮闘記!!第十三話 誓約。そして、決意 (SEED運命)」

ANDY (2007-02-10 03:13)
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「結果」と「過程」
 それは決して切り離すことの出来ない事柄。
 コインの表裏の如き関係。
 過程の果てに結果があり、結果に至るに過程がある。
 それは真理であり、事実だ。
 だが、「良い過程」の果てに「良い結果」という定式は成り立ちにくいものだ。
 それは、人という生き物の持つ性のためなのかもしれない。
 だが、「最良の結果」を得るために「最悪の過程」を採ることは正しいのだろうか?
 その逆に、「最高の過程」を選んだ末に「最悪の結果」を招くことは正しいのだろうか?
 過程の果てに結果。
 その方式を忘れ行動を起こした果てにあるのは、一体何なのだろうか?
 楽園?あるいは地獄?それとも………


 オーブがある南太平洋には大小様々な島があり、その数から地図上には記されていない『存在しない島』というものがいくつかある。それらは一昔前に国防のため造られた人工島や、島として登録するには大きさが満たされていないものなどがそれである。
 その内の一つ、オーブ領海ぎりぎりに存在する名もなき小島、わずかな原生林と小さな入り江を持つそこに一体のMSが降り立った。
 深紅の鎧を纏ったそれの名はセイバー。
 ZAFTの最新鋭機である。
 入り江に着陸したセイバーのコックピット内で、アスランはユウナからの会談場所として指定されたこの島の情報を得ようとレーダー類の反応を最大に設定しようとしたその瞬間、コックピット内にロックオン警報が鳴り響いた。
「?!」
 その音に弾かれセイバーが抗戦体制を取ったと同時に、入り江にある原生林から二体の迷彩色のM1がライフルを構えながら立ち上がってきた。
 その二体から新たにロックされた反応が出たことから、アスランは最低でもこの場に三機のMSが存在すると予想し、やはりセイランの罠だったのかと苦虫を噛み潰しながら脱出の算段を考えていると、全周波で通信が送られてきた。
『そこの所属不明機に告ぐ。ここはオーブ領域内である。そちらの行動は不法入国に該当し、また、武装していることからわが国への武力行使をもくろんでいるものと推測される。所属と姓名、階級、そして目的を述べられよ。もし応えなかった場合はそちらを敵性体と判断し撃墜もやむなしである。繰り返す。ここは―』
 その通信を聞き、アスランは慌てて回線を開き応えた。
「こちらはザ……いや、こちら市民番号2500474−C、アスハ家SPのアレックス・ディノ。ユウナ・ロマ・セイラン殿よりの会談に応じるためここに参上した。こちらに戦闘の意思はない」
 そう応えると、アスランはセイバーの攻撃態勢を解いた。だが、いつでもその場から離脱できるように準備をすることを疎かにはせずにいたが。
 アスランの通信内容が信じられないのか、相手側は数瞬沈黙をした後に声が返ってきた。
『……確認した、アレックス・ディノ。では、MSから『ああ、いや、その前に、君、本当にアレックスかい?』ユウナ様!』
 通信士の横から割り込んできた声に驚きながら、アスランはその声の主に返事をした。
「お久しぶりです。ユウナ殿」
『ああ、その将来禿げそうな声は確かにアレックス君だ。よし。今から姿を現すから、君もそれから降りてきて』
 その言葉と同時にセイバーの前の砂浜の一部が盛り上がり、そこ現れた鉄の扉の中からユウナ・ロマ・セイランが姿を現せ出てきた。
 その姿を確認した瞬間、先ほどの自分に対してのコメントに少し頭に来ていたアスランは頭部バルカンを一斉射してやろうかと思ったが、ユウナを守るように前進してきたM1達のライフルが依然としてこちらをロックしていることから諦め、セイバーから降りることにした。
 勿論その際に、護身用の銃と遠隔操作用の端末を持つのを忘れずにだが。
 久しぶりに感じる地球の暑さと潮の香りに懐かしさを感じているアスランに、ユウナは眉をしかめながら尋ねた。
「君は、今……誰だい?」
 その質問の意味が一瞬わからなかったが、自分の着ているパイロットスーツにある紋章がユウナにそのような態度を取らせているとわかったアスランは、重心を移しながらユウナの目を見つめながら応えた。
「……前はアレックス・ディノ。今はアスラン・ザラです」
「……ほう?」
 アスランの答えを聞いたユウナの瞳に、剣呑な光が宿った。
 その光を宿しながらユウナはアスランを観察するように眺めながら質問した。
「……まず、これだけははっきりしたいんでね。君はカガリの誘拐に何らかの関与はしているのかな?」
「それは私の方が尋ねたい位です。なぜカガリ、いえ、代表が……あなた方は一体なにをなさっておられたのですか?」
 ユウナの質問に内心心穏やかでないアスランは、若干苛立ち紛れにそう質問し返した。
 そのアスランの、どこか越権した攻める口調に苦い思いをしながら、ユウナは頭の回転数を上げ考えた。
(まったく、どうしてこうも運命というのは優しくないんだか……)
 自分に決して有利に動かない現実に、ユウナは胃が痛くなるのを感じながら駒として使おうと思っていたアレックス・ディノが存在しないことに腹立たしさを感じた。
 もし、ここに現れたのがアレックス・ディノならば、懐柔してカガリを何とかしようと思ったのだが、そいつはアスラン・ザラと名を変え、いや名を戻し、しかもZAFTの一員として現れてくれた。ただでさえ扱いが難しい駒が、より難しい存在へとなって現れた現実にユウナはイラつくしかなかった。
 ただでさえ、ユウナ個人としてもアレックスという存在はあまり好意的でない存在であったというのに、それがより進化した形で現れるのだから、ユウナ個人としてはすぐにどうにかしたい。だが、ここにいるのは個人としてのユウナではなく、公人としてのユウナなので、アレックス、いやアスランの立場を再考してどう自分は立ち回るべきかを考え始めた。
 そんなユウナの内心を知らないアスランは、ユウナが何か自分に対して後ろめたいことがあるために応えないと考え、真相を聞くために重心をさらに移しながら強い調子で詰め寄った。
「ユウナ殿!」
「……聞こえているよ。ちょっと屈辱的なことを思い出していてね」
 アスランの声に顔を顰めながら応えるユウナに、アスランは眉根を寄せながらたずねた。
「屈辱?」
「ああ、そうさ。結婚式の途中に花嫁を攫われるなんて、屈辱以外の何だって言うんだい?」
「結婚?!」
 ユウナの信じられない言葉にアスランは驚きの声を上げる。
 それを聞き、ユウナはなにを驚いているんだ、という顔でアスランに説明した。
「僕達の間柄を君も知っているだろう?勿論カガリの同意の下で、決して強要したわけじゃないよ」
 そう応えるユウナの横っ面を殴りたいと思う衝動を抑えながら、アスランは押し殺した声でたずねた。
「なぜこのような時期に結婚などを」
「こんな時期だからだよ」
 吐き出すように尋ねてきたアスランに、ユウナは何の感情も浮かべない顔でセイラン家とアスハ家の愚かしくも守られてきた関係を交えながら結婚の理由を応えた。
 その理由を聞いたアスランは、激しい眩暈を感じずにはいられなかった。
 そんな理由で婚約を結んでいた両家に対し、そして、それを承認していた首長達の思考回路が信じられなかった。
 それは、未だ自身の歴史が百年にも満たないコーディネイターであるアスランには理解できない因習であったのだから。
 伝統や格式、そのようなものを理解できないアスランは、そのことを頭から切り離しユウナに詰め寄った。
「納得できませんが、理解はしました。ですが、なぜみすみすこのような事態に」
「それは完全にこちらの落ち度さ。アスハ派の愚鈍さがまさかここまでとは予想できなかったよ」
「どういうことです?」
「どうもこうも。当時、領海内の警備に当たっていたのがアスハ派の軍人達でね。カガリと僕の結婚なんて見たくないだろうと思って、領海の警備にまわしてやったのに、まさかカガリが誘拐されるのを指をくわえて、いや、敬礼して見送るなんて誰が想像できるって言うんだい?」
 証拠の写真もあるけど見るかい?、と渡された写真に目を通しながら、アスランは言いようのない気持ちになった。
 カガリとフリーダムの関係を知っての上での敬礼なのだろうが、それを感心するべきか侮蔑するべきなのか悩み始めた。
 そんなアスランの内心に関係なく、ユウナは言葉を続けた。
「そのおかげで、今オーブは大変だよ」
「それは……確かに代表不在となってしまっているのは……」
 そのアスランのどこか外れた言葉を聞き、ユウナは米神を押さえながら言った。
「……あのね。ことは君の思っているほど単純じゃないんだよ」
「?」
「一国の代表が攫われる。しかも代表の結婚式という国を挙げての催しの最中にだ。そんな国が、国際社会での地位を変動させずにいられるほど社会は優しいと思っているのかい?」
 ユウナの言葉を聞き、アスランは驚愕の表情を浮かべた。
 そう。ユウナの言うとおり、この件を境にオーブの国際社会内での立場は下がる一方で、オーブの掲げる理念に対しても疑念の声が上がっていた。
 曰く「自国の代表も守れない軍ならば、そのような理念はただの欺瞞なのでは?」
 曰く「あまりにも鮮やか過ぎる誘拐劇だ。もしや自作自演で、オーブは何かを企んでおりそのための時間稼ぎのためではないか?」
 曰く「オーブはひそかに核動力のMSを量産体制を築いており、そのデモンストレーションとして貴賓達を集めるために結婚式と言う茶番を起こしたのだ」
 曰く「オーブは世界を征服しようとしている」
 など、悪意ある意見が連日報じられていた。
 そのような根も葉もない噂を報じられているオーブ行政府としても何とか押さえたいのだが、挽回のしようのない失態を侵した後の発言ではなかなか信用を得ることが出来ずに、外交官達は皆不眠不休で自国にある各国の大使館や海外の大使館を通じて関係修復を図っているのだが、その結果はまだ現れていない。
 諸外国からの冷徹な目で見られているオーブ国内は平和か、と言うとそうではなった。
 事実、市街地にこそ被害は出ていなかったが、結婚式場に参列していた報道関係者や警備員などに少なくない被害が出ており、また代表を誘拐されるという失態を犯した軍に対する不安や不満の声が国民の間から上がっており、それに呼応するかのように市街での治安も不安定になり、小規模ないざこざが頻発しているという情報もユウナの耳にあがってきていた。
 今オーブは、一部の者の暴走でその命運は風前の灯へとなっていた。
「そして、止めに連合軍の駐留を認めなくてはならなくなってね」
「!地球軍を迎え入れるというのですか!!」
 アスランの非難じみた声に眉をしかめながらユウナは不機嫌さをあらわにしながら応えた。
「あのね、誰が好き好んで自国を焼いた軍を歓迎するって言うんだい」
「でしたら!」
「だ・か・ら、国際的信用を失ったオーブには、それを跳ね返すほどの力はなくなってしまったんだよ。フリーダムとアークエンジェルのおかげでね」
 その言葉にこめられている感情を理解しながら、聞かされたオーブの現状に唖然とした。
 たぶん親友とその仲間達は、自分とカガリの間柄を思った末に、義憤や正義感などで行動を起こしたのだろう。
 だが、彼らは想像したのだろうか。自分達の行動の結果どのような事態が引き起こされるかということを。
(……考えていないから行動できた、と言うのか?キラ!)
 今はどこにいるとも知れない親友の顔を思い浮かべ、苛立ち混じりに何かを言いたいと思えて仕方がなかった。
 それに、アスランはフリーダムの存在も信じられなかった。
 なぜならば、フリーダムが存在しているなんて自分は知らなかったのだから。
 多くのプラントの人間が持っているように、アスランも核に対して忌避感と恐怖を持っている。
 最愛の母を一瞬で殺した兵器なのだから、そう思っても仕方がない。
 前大戦でも、核動力の機体にあまり良い思いを持っていなかったのだが、それでも滅亡から救うためにと言う思いで遮二無二使っていた。
 そして、ユニウス条約締結により、MSへの核の転用禁止という一文をアスランが喜んでいたことを皆は知っていたはずなのに、深く静かにフリーダムなどと言う条約違反の機体を再び造り上げていたのか。
 そう思うと、今まで自分が信じていたものがひどく虚ろで儚い物の様に思えて仕方がなかった。
 MS一機、それに戦艦を修理改修するなど、一個人の力では出来ないことだ。
 ならば、誰の力でならばできる?
 簡単だ。一国の元首権限ならば造作もないことだろう。
―カガリ……
 共にオーブの理念を掲げ、多くの国と接触をしていたのに、君自身がそれを破っていてはひどく軽い言葉になってしまうではないか。
 アスランは胸の中に湧き上がるカガリに対して、裏切られたと言う勘定を気づかぬ振りをしながら意識をユウナに向けた。
 改めてユウナの顔を見ると、依然会ったときに比べると頬が扱けており、うっすらと化粧もしているようだった。
 普段もしているのだが、今している化粧はただの見栄えを良くする為の物ではなく、自身の弱みを隠そうとする仮面のような化粧であった。
 そんなユウナの様子を見て、オーブの内政が自分の想像以上に悪いのでは、とアスランは思えて仕方がなかった。
 そんなことを思いながら、アスランはユウナに尋ねた。
「それで、ユウナ殿は私になにを望むのですか?」
「……何をだい?」
「惚けないでください。今のあなたの話を聞く限り、ただ私と会談をするために呼ぶなどと言うことはありえません。あなたは、一体私に何を望んでおられるのですか?」
 そう尋ねるアスランに、ユウナは一瞬感心した表情を浮かべるがすぐにそれを引っ込めアスランがよく目にした軽薄そうな顔になって言った。
「ん?いや〜、アレックスには用があったんだけどね、アスラン・ザラではねぇ〜」
「……なぜです?」
 どこか人を馬鹿にするように調子にイラつきながら、アスランは慇懃な態度で尋ねた。
「オーブのアレックスなら色々とこちらの思うように動かせるんだけど、ザフトのアスランではねぇ〜」
 その答えでやっと今の自分の立場がまずいことがわかった。
 今の自分はZAFTのアスラン・ザラで、議長直属特務隊所属である身だ。いくらカガリとの関係があろうとも、表立って勝手な行動が出来るような立場ではない。
 力を望み手に入れた力が、思いを阻害するとは。そのあまりにも利きすぎている嫌味に、アスランは自分の運命はかなりねじれているな、と思わずにはいられなかった。
 そんなアスランの自嘲を気にせずに、ユウナは軽い口調で何をさせるつもりだったかを口にした。
「もしアレックスだったならば、僕の命を受けた元護衛の工作員が、幾多もの苦難を乗り越え、囚われのお姫様を堕ちた天使から救い出し恋に落ちる、っていうありきたりで大衆受けの良いロマンスを演じるように命令を下せたんだけど、ZAFTのアスランではね〜」
「……ですが!」
 ユウナの言うこともわかるのだが、それでも納得のいかないアスランは感情に任せ噛み付いた。
 そんなアスランの態度も気にせず、ユウナは先ほどまで見せていた軽薄な表情を消し尋ねた。
「聞くけど、フリーダムとアークエンジェルは次にどんな行動をすると思う?」
 仲間なんだからわかるだろう?というニュアンスで尋ねるユウナに、アスランは苦いものを感じながら、正直に答えた。
「それは……率直に言いますと想像できません。今回の一件でさえ私には想定外でしたので」
「ふむ。常人の上を行く思考回路なんだか。それとも、ただただ独善的価値観しか持たないんだか」
 どこかあきれたような、疲れたように呟くユウナの言葉に、アスランも頷くしかなった。
 かつての婚約者の隠された行動力、親友の頑固さ。
 それらすべてがかつては好ましく、うらやましくも思えていたのに、今はなぜかそれらに嫌悪感しか抱けずにいる自分を認めている自分が不思議だった。
 どこか乖離している心境のアスランに、ユウナは声をかけた。
「アスラン」
「はい」
「もし、君がこれからどこかでカガリを見つけたら、彼女を保護してくれないか?」
「……保護、ですか?」
 先ほどまでの考えとは変わった内容に、どのような意図があるのか聞き返す。
「ああ。保護でも、亡命手続きでも何でもいいから、とにかくカガリが馬鹿をやる、やらされる前に取り返してほしい」
「それは、わかりますが………」
 先ほどまでは違うユウナに、アスランは混乱しながら意味のない言葉をつむぐ。
 そんなアスランの内情を見越してか、ユウナは鋭い一言を口にした。
「かつての仲間とは戦えない、なんていうのかい?」
「………」
「沈黙は肯定と見るよ。なら、オーブのことに今後一切口を挟まないでくれ」
「それは!」
「少なくとも、オーブの首長達はアークエンジェルとフリーダムを敵と認識している。当然だね。自分達の立場を不利にする存在を好意的に捉えることなんて出来ないからね。そんな相手に好意を持っている君に、今のオーブに口を挟む権利があると思うのかい?」
 そう言われては、アスランとしても黙るしかなかった。
 敵対しているものを擁護する存在がその敵対者に対して口を挟むなど、あまりにも愚かしいことではないか。それを理解せずに、ただ幼い子供のように自分の価値観だけを信じて口を出すことなど、そのような時期は当に過ぎている。
 思い出すべきだ。自分が背負った思いを。受け入れた願いを。そう簡単に捨てれるほど、軽いものか。
「さて、どうする?アスラン。友情をとる?それとも愛を取る?二つに一つだ。両方取る、なんていう答えは容認しないよ」
 ユウナの断頭するような重い一言を聞き、アスランの腹は決まった。
 いや。再び剣を手にしたその時から答えは決まっていたのだ。その答えを信じ、愚直なまでに突き進むと誓った。ならば、それを貫くまで。
「わかりました。もし、カガリを見つけた場合は最優先で保護をすることを誓います」
 心臓を貫くような鋭さを持った決意を口にするアスランを、ユウナは驚愕の表情で見た後に口元に笑みを浮かべた。
 先ほどまで目の前にいた道化の騎士が、本物の騎士だったのだと理解した爽快な驚きをユウナは感じ、笑わずにはいられなかった。
「よし。ならば君を一度だけ信じよう」
「はい」
 ユウナのその言葉に、アスランは揺るがない声で応じる。
 ここに一つの契約は成った。それを称えるかのように太陽の光は二人を照らしていた。
「そうそう。報酬だけど、助けたらカガリを好きにしていいよ」
「な?!ユ、ユウナ殿!!」
「ははは。な〜に。アレックス君にやってもらうはずだったシナリオを少し変更するだけさ。その方が君も大手を振ってカガリと一緒になれるんだからいいだろう?ヒーローとヒロインが一緒になる。永い人類の歴史の中で大衆が最も望み好む結末じゃないか」
「……どんな人類の歴史ですか」
 ふざけた調子で軽く重大なことを言うユウナに、アスランは顔が少し紅潮しているのを感じながら力なく抗議の声を上げた。
 そんなアスランに、ユウナは一転して真剣な表情になると言った。
「今のオーブは、のど元にナイフを、腹に爆弾をつけられた状況だ。その状況を少しでも脱却できるように僕達も最大限の努力はする。でも、鍵はカガリが無事に戻ってくることなんだ。彼女が何もさせられずに無事に戻ってくることが重要なんだよ。アスラン。もし、彼女を見つけたら、どんな手段をとってでも頼むよ」
「わかりました」
 その真剣な言葉に頷き、二人は力強く手を握り合うのだった。


 飛び立っていく深紅のMAを見送るユウナの側に一体のM1が近寄り、方膝をついた。
『よろしかったのですか?』
「レナスかい?いいのさ。改革には刺激が必要だ。そこには善も悪もない。でも、どちらかといえば善の刺激の方が皆好きだろう?」
 自分の側に方膝で待機しているM1のコックピットにいる有能な自分の秘書に、ユウナは笑みを浮かべながら気楽に答えた。
『ですが、彼が王子役は……』
「血筋もいいんじゃない?元プラント議長の子息だし」
 ユウナのその答えに納得がいかないのか、レナスはやや不満をにじませた声音でまた問いかけた。
『ですが、彼に誠実さがあるとは……』
「そのときはそのときさ。共に不幸になるだけさ。彼とカガリがね。それぞれにかかる度合いはわからないけど、彼が変な情に流されて見誤れば、それに並行してカガリもそうなるだけさ。ま、国民にそれが伝播しないようにしなくてはならないけどね」
『はい』
「でも、彼がZAFTに復帰したのは幸運だったかもね」
『それは?』
「切り捨てる手間がかからなくてすむからね」
 どこか温度を感じさせない声に、レナスは背筋に言いようのない感触が走るのを感じながら返事をした。
 そんなレナスの心境を知らずにか、ユウナは一転して疲れた顔でこれからの行動を口にした。
「さて。帰ってたまった書類に、駐留する郡との取り決めやら色々とたまっている案件を片付けないとね〜」
『そうですね。ですが、民の笑顔を一つでも守るためには』
「わかってるさ。僕は理想論者とは、夢想家とは違うさ。確実に、現実を見据えた上で搦め手でも何でも使って守り抜いて見せるさ」
 その言葉にこめられた思いは大きく重い。聞くものにそう思わせる響きがあった。
 そんなユウナを、レナスは誇らしく重い、そして共に歩めることを感謝しつつ、それを胸の奥に隠し主に声をかけた。
『ユウナ様』
「ああ。そうそう。アスランの乗ってた新型のデータ。モルゲンレーテの方に解析に回しておいてね。流用できそうならムラサメ系列の改良機に活かすように、と言ってね。もちろん―」
『はい。アスハの息のかかっていない、セイラン派の技術者に当たらせます』
「うん。疑わしきは触れさせず、が確実だからね。さて、僕達文官の戦争を始めよう。深く、静かに、そして疾くね」
 そのユウナの言葉を後押しするように波の音が静かに響いた。


「さて、ヨウランさんにヴィーノさん。何か言い訳はあるか?」
 ミネルバの格納庫そばにある休憩室で、仁王立ちをし何かを背負っている一人の少年と、その前に正座をしている二人の少年というどこか混沌めいた図式がそこにはあった。
 仁王立ちをしているのはミネルバのパイロットシン・アスカで、その前にいる二人はシンの友人であるヨウランにヴィーノであった。
 どこか鬼気迫る雰囲気を纏っているシンを前にし、正座をしている二人は冷たい汗を流しながら視線を彷徨わせ何とか現状を打破しようと考えていた。
「え〜と」
「あ〜、とりあえず。シン。かわいい娘を背中に貼り付けて説教をされるとこちらとしてはふつふつと嫉妬の炎が―」
「蹴り穿つ!!」
 何とか言い訳を口にしようとしたヴィーノを遮る様に、世の男性が聞けばその九割以上が同意しそうな魂の叫びを上げようとしたヨウランに、シンは容赦のかけらもなくどこぞの退魔の一族の技を放った。
「ビグザム!!」
「……ヨウラン、お前………」
 いい具合に蹴られ、意味不明な奇声を発する相棒の姿に哀悼の視線を向けながらヴィーノはことの推移を説明することにした。決して、視線の端にいい具合に痙攣をしている相棒の二の舞にならないためという保身的な気持ちは一切関係なく。
「いや。延びに延びていたガイアの修理がやっと終わったときに、ステラちゃんがこうふらふら〜っとやってきて、シンどこ?って聞いてきたんだよ」
 ここでステラの現状について補足説明すると、カーペンタリアについた後のステラは、アリア医師預かりの客員と言う立場であり、保護者代行をシンが任ずることで比較的機密度の低い場所(例として、食堂や仕官以下の部屋など)への移動の自由が保障されていた。なお、カーペンタリア基地内への移動は認められていない。
 そのため、ステラはここ数日の間に多くのスタッフ達とも顔見知りとなっており、年の近いヨウランたちとも既知の仲へとなっていたのだ。
「って、格納庫内への立ち入りは許可されていないだろう」
「あ〜、まあ、その。若さゆえの、な」
「………おい」
 立ち入りが許可されていない場所への侵入を諌めなかったのか、と尋ねるシンに、揺籃は罰の悪い顔で言葉を濁しながら誤魔化そうとするが、その態度からシンは故意に二人が立ち入りを黙認していたことに気づき、それにあきれて言葉が出なかった。
 そんなシンの声に異議を申し立てるように、地獄から舞い戻った男の魂の叫びが響いた。
「仕方がないじゃないか!整備班には女気がないんだぞ!少しでも可愛い娘と話をしたいと思うのは男として当然で、あわよくばあんなことやこんなこと、イヤーンな関係になりたいと思うのが漢としてあたりまえじゃないか!!」
「極彩と散れ……!」
「ザクレロ!!」
「………ヨウラン。学習しろよ」
 熱い魂の叫びを、明言しにくい動きで潰した相手を見ずに、なにかたんぱく質の塊へとクラスチェンジした相棒にそう忠告をこぼしながら、ヴィーノは説明と言う名の釈明を行うことにした。
「で?それがどこをどうすればガイアに乗ってあんな子犬のワルツのような事体になった、って言うんだ?」
「あ〜、ガイアをステラちゃんが見てたから、コックピットを見せてシートに座らせたんだよ」
「………誰が?」
「ヨウランが」
「………渡るか?六文銭ぐらいくれてやるぞ」
「どうどう。で、コックピットに乗ったときに、ヨウランがシンは外にいる、って言ったとたんにハッチがしまって」
「……名犬ラッシーよろしくMAで俺を探しに来た、と?」
「イエス」
「…………お前ら二人とも、斬刑に処す!」
「「ノーーーー!!!」」
 二人に制裁を加えながら―いつの間にかステラは隅のほうでジュースを飲んでいる―シンは内心混乱していた。
(どうする?どうするよ、俺!ステラが一般ピーポーとして保護してもらうと言う俺の計画が、こんな漫画チックなイベントで潰されるなって。誰か、俺にライフカードプリーズ!!)
「ちょ!シ、シンさん!まじで逝きそうです!!」
「せ、せめて最後にステラちゃんの精神とはアンバランスな胸の谷間に!!」
 何か不快な単語が聞こえたので無意識に制裁のレベルを上げながら、それとは反対に混乱してこれからどう打開すればよいか悩んでいるシンの耳に、シンとステラの艦長室への呼び出しのアナウンスが飛び込んできた。
「………神は死んだ」
 いい具合に痙攣を起こしている二つの物体を視界の隅に捕らえながら、シンは唸るようにそんな言葉を呟いた。


「シン。そして、ステラさん。どうして呼ばれたかわかるわね」
「……はい」
「……うぇい」
 厳しい表情で確認を取るタリアに、シンとステラの二人は神妙な調子で肯定の返事をして。
 そんなタリアの横に、こちらも厳しい表情をしたアリアが立っていた。
 二人の表情を見たシンは、背中に嫌な汗が流れるのを感じながら先制攻撃を加えた。愚痴愚痴と攻められる前に徹頭徹尾誤り尽くす、と。
「今回の件は自分の監督不行き届きでした。多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」
 そう慇懃にわびの言葉を口にするとすぐに頭を下げる。
「うぇい。ごめんなさい」
 ここに来るまでにシンに教えられたとおりに頭を下げるステラを、どこかあきれたように見ながらタリアは言葉を発した。
「は〜。謝ればすむ、と言うレベルではないのよ?」
 そういうタリアに同意するように、アリアも無言で肯定の頷きをしていた。
 そんな二人の様子を見て、シンは背中が冷たく湿るのを感じずにはいられなかった。
 そんなシンの状態を気にせずに、タリアは一転して厳しい表情になると本題を口にした。
「さて、シン。ドクターから聞いていたと思うけど、今回の件で例の件の信憑性が濃くなったわ」
「………やはりですか」
 その内容はシンにとって悪でしかなかった。
 今回のステラがMS、しかも最新鋭の機体であるガイアを簡単に操縦してしまったと言うことから、彼女の多数の投薬の痕跡や精神操作された後などが裏づけとなり、ステラは記憶を失う前はそのような機関に所属していた、と言う証明してしまったのだった。
 シンとしてはそのような事体にはならないように尽力していたのだが、どうも神様と言う存在は自分を嘲笑うのが好きなようだ、と愚痴を内心でつきながらこれからどう行動すればよいかを考えながらタリアの言葉に神経を集中させた。
「ええ。幸い、基地司令部のほうにはこちらの不手際で演習を行おうとしてしまった、と言って誤魔化したからあちらにはステラさんのことは知られずにすんだけど、上の方には話を通させてもらうわ」
「………上、とは?」
「頂上、と言えばわかるかしら」
「はい。嫌と言うほど」
 タリアのどこか含みのある物言いに、シンはげっそりとしながら答える他なかった。
「結構。それで、これは当たり前のことだけど、民間人であるステラさんが軍のものを使用する、と言うことがどういったことになるか、シンわかるかしら?」
「……なんとかごまかせませんか?代償に先日の戦闘での勲章の件を辞退してもかまいませんので」
「そう。でも、それ以外の方法もあるのよ」
「……艦長!」
 今まで黙っていたアリアが声を上げるのを訝しく思いながら、シンはタリアの真意が何かを考えようとしたが、それを待たずにタリアはステラにその内容を告げた。
「ステラさん。ZAFTに入隊する気はないかしら?」
「うぇい?」
(そうきたか!)
 その内容の意味がわからないのか、ステラは首を傾げる傍らでシンはその内容を苦虫をかみ締める気分で聞いていた。
「ZAFTはもともと義勇隊みたいなものだから、入隊するにはそう制限と言うものはないわ。あなたは現地志願兵と言う形になるけれど、もし入隊するんだったら今回の件に対してのあなたの責任は軽くなるわ。なれない新人の不手際、と言う風に処理することでね。もし、入隊しなかったら、まあ、当分の間身柄を拘束することになるわね」
「……シンと離れ離れ?」
「そうね。近いうちにミネルバにも何らかの命令が下るでしょうからそうなるわね」
 その二人の会話を聞き、シンは嫌な気分になるのをとめられずにはいられなかった。
 それと同時に、先ほどタリアの言ったことはすでに過去形であり、すでに頂上のほう、つまり議長の方へは報告がいっていると半ば確信していた。
 なぜならば、タリアと言うじ人物は、軍人としてはどこか甘いところがある人物で、その人が半強制的に民間人であろうと思われる少女に従軍するように強要するとは考えられないからだった。
 それなのにする、と言うことは、そうせざるにならない状況になっている、と考えるのが自然であり、そう考えた結果ある人物の顔がシンの脳裏に浮かんだ。
(謀ったな!シャア声の議長!!)
 内心今ここにいない相手に文句をつきながら、二人の入室してからの怒り顔にも納得がいった。
 甘い、女性的な好感の持てる感性を持つ二人からすれば、ステラを従軍するように促す今回の件は言いたくないしやりたくないのだろう。
 そう察したシンは、ステラに入隊しないようにと口添えをしようとしたが、それは一歩遅かった。
「……シンと一緒なら、入隊する」
「おかしいでしょう!ステラさん!!」
 こちらの思惑とは異なることを言うステラに、シンは慌ててそう叫ぶも、潤んだ瞳でこちらを見つめるステラにその勢いも殺がれてしまった。
「シン、ステラのこと嫌い?」
「い、いや。そういうことではなくてね……」
 なんだかわからんが、やばい。内心あせりながらシンはステラを説得しようと口を回すのだが、世界はどうもシンの敵にまわることを選んだようで、ステラには世界の後押しがかかったようだった。
「一緒は嫌?」
「そ、そういうことではなくてですね……」
「シン。ステラを捨てるの?」
「そ、そうではなく……」
「……シン」
「……」
「……」
「……」
「……」
「降参です」
 タリアとアリアの二人から「この腰抜けが!!」という視線が突き刺さるのを感じながらシンは白旗を掲げてステラの主張に屈するのだった。

 後にシンはこう語った。
「涙目ですがり付いてくる美少女を突き放すことの出来るやつを、俺は男とは、いや、漢とは認めない!!」と。

「ふぅ〜。では、ステラさんの入隊の件は片付いたことにするわ」
 視線に「失望したわ」という言葉をこめシンを見つめながらタリアはそう締めくくった。
「では、次に私の番ですね」
 こちらも「残念です」という失望の感じをこめた視線を向けながら今まで黙っていたアリアが前に身を乗り出しながら言った。
 そんな二人の視線にひるみながら、シンは何とか姿勢を正しながら聞くことに専念した。
 ちなみにステラはシンの腕に抱きついているのだが、三人はそのことに触れないことに暗黙の了解を示したようだった。
「ステラちゃん。私と家族になりません?」
「「?」」
 その言葉を聞いたシンとステラは、頭に疑問符を浮かべながらアリアを見つめた。
 そんな二人を見ながら、アリアは笑みを浮かべて詳しい内容を説明した。
「ステラちゃんの身元引受人として、私と義姉妹にならないかしら。どう?」
「……お姉ちゃん?」
「いいんですか?」
 アリアの申し込みに、ステラは疑問の声を、シンは確認の声を上げた。
 アリアの申し出はありがたいのだが、依然としてステラの立場は経歴不明に過去がはっきりしない限りなく黒に近い灰色に分類される人物なのだ。その彼女を義理とはいえ身内に抱えることはデメリットはあってもメリットはない、実にそんな立場に自らなることを意味するのだ。
 その辺をわかっているシンだからこそ、ステラは自分の義理の妹にでも申請しようと考えていたのだ。
 そんなシンの考えを理解してるのか、アリアは笑いながら自分の考えを口にした。
「私にはもう家族と呼べる存在はいないから。それに、ステラちゃんのこと好きですから」
 その答えにシンは納得した。アリアもオーブ戦で家族を失っており、シンと一緒でしがらみがそうない。
 それに、パイロットのシンはいつ死ぬかわからないが、軍医であるアリアならばシンよりも死亡率が下がるし、社会的ステータスもしっかりしている分有事の際にはうまく立ち回ることが出来るだろう。
 自身との彼我の差を比べ、シンはステラはアリアに任せた方がよい結果になるだろうと考えた。
「ステラ、どうする?」
 そう考えても本人がその条件を飲みたくない、と言っては元も子もないので本人の意思確認をとってみることにした。
 そう尋ねられたステラは、今まで見せた事のない真剣な表情で考えているようだった。
 その表情を三人は真剣な、それでいて暖かい視線で見つめていた。
「……うぇい。ステラ、アリアのことも好き。でも、ステラ、ステラのこと良く知らない。それでも、いいの?」
「ええ。大丈夫ですよ。そんなステラちゃんでも私は受け入れることが出来ますよ」
「……うぇい。なら、ステラ、アリアと姉妹になる」
「はい。わかりました。今から私とステラちゃんは姉妹ですね」
「うぇい♪」
 そんなどこかアットホームな空気をかもし出す二人を見つめながら、シンは心の中でアリアに頭を下げた。
 今回の件は大方、議長が自分に貸しを作ることが目的だったのだろう。
 もしアリアがステラの身元引取り人を名乗り出なかったら、自分が名乗り出ていただろうし、その際の手続き云々で色々と問題が出て議長か艦長に力を借りることもあっただろう。
 その貸しをアリアが肩代わりしてくれたようにシンには思えて仕方がなかった。
 だが、声に出して確認をとってもアリアは微笑みながら何も答えてくれないだろう。だからこそシンは感謝の意をこめて頭を静かに下げるのだった。
 そして、新たに政治家相手には少しでも隙を見せないようにしようと固く誓うのだった。


―後書き―
 二月の聖戦の日が近づいていますね〜、とどこか他人事のように感じているANDYです。
 気がついたら一月も終わっていまして、結構ショックを受けている日々です。
 コードギアス、相変わらず面白い。
 マオのあの狂い加減が自分的にヒットです。
 シャーリーがあんなふうにヒロインから降格されるとは思いもしませんでしたが、それと同時にルルーシュの甘さと優しさ―自分にリスクを生み出しかねないギアス行使―に、どこか感心してしまいました。
 物語は色々と展開を見せています。スザクの過去の暴露や、生徒会長のお見合い(え?)、なんかコーネリアのいい人っぽい感じなど、これって一年物だったっけ?と感じずに入られない風呂敷の広さに感心しきりですね。(2クールの予定が変わったんでしょうかね?)
 これからもこの番組だけは見続けようと誓う今日この頃です。

 さて、今回はユウナとアスラン、二人の邂逅と、ステラのパイロットフラグです。
 原作ではあまり絡む場面がなかった二人でしたが、ここではこのように、依頼人とエージェントという関係を結ばせることにしました。
 作中でも言っていますが、ユウナにとってアスランはいつでも切り捨てられる簡単な駒(良心の呵責などがまったく感じない相手と言う意味で)です。
 非公式にアスランに頼んでいるので、仮に失敗してもオーブに被害が出ないと言うある意味使い勝手が良いポジションにアスランは自ら飛び込んだのです。
 ですが、これからのユウナは、オーブにいるまともな政治家達は大変な場面に出くわします。
 かつて自国を焼いた軍の駐留を認めたことに対する国民の批判や暴動の鎮圧に、駐留軍の起こすであろう問題の未然に防ぐ手段など、上げれば霧のない激務をこなさなくてはならないでしょうから。胃薬が大量に消化されることでしょう。
 ちなみに、感想の方で多くあった質問ですが、ユウナはアスハ派やカガリの縁者が何らかのアクションを起こすであろうとは予測は立てていましたが、まさか核動力の機体であるフリーダムがやってくるとは思っていなかったので対応し切れなかったのです。来るにしてもムラサメかストライクルージュだと思っていたのです。その予想の斜め上を行った機体が登場すれば誘拐を防げなかったのも仕方がないのではないでしょうか(ユニウス条約を守るのが当たり前だと思っていたでしょうからね。政治家として。また、中立を唱える国にそのようなものは存在しないと信じていたのでしょう)
 そしてステラのほうは、民間人の武器の使用云々を使いこのように成りました。
 この作品ではステラ、現在ファミリーネーム不詳なんですよね。
 ですので、戸籍云々を解消するためにこのようになりました。
 世の中善意では動かないんです。善意と言う名の悪意と言うか打算が必ずある、と言うことが今回のステラパイロット化に隠されていました。
 一種の鎖の役割を知らずの内に課せられたステラ。彼女はこれからどうなるんでしょうか。
 その辺もお楽しみに。


 今回は諸々の事情によりレス返しを休ませていただきます。
 次回からはまたレス返しを出来るようにいたしますので、なにとぞご容赦のほどを。

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