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▽レス始

「終わった世界のその後に 十三話(GS+Fate)」

シヴァやん (2007-02-06 02:23)
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※注意:GS陣はオリ設定が多いです。と言うかほぼ別物に近いです。
     また、FateもGSほどではありませんが、オリ設定はかなりあります
     そう言うものが許容できない方は読まれると不快に感じるかもしれません。
     そのことをご承知の上、読み進みください。


no side

サバンナのど真ん中で、一人の女が囲まれていた。

「まったく。人間というものはいくら世代が代わっても変わらないわね。まぁ、解っていたことだけど」

 自分の周りに展開する部隊を睥睨しながら、その包囲の中心で自然体で立つ。

 その姿は真っ黒だった。体全体を覆うような漆黒の外套と、その隙間から見える中も肌の色以外は黒かっ た。

 立つ女から丁度二十メートルほどの間隔を置き、その線上をぐるりと円になるように展開しているのは、 人でないものの集団だった。
                                              ゴーレム
 その大部分を占めるのは、無機物で構成された人型の巨大人形、いわゆる 機象。

 土で構成された通常の一般的なそれが十九体。
           ロックゴーレム
 岩で構成された  岩石機象 が二十八体。
       メタルゴーレム
 金属製の  金属機象 が三十二体。
            アイスゴーレム
 液体凍結で作った  氷塊機象 が二十五体。

 それぞれ昔ながらの由緒正しい物たちは寧ろ少数派であり、部隊の大部分は近年増えてきたそれだった。
                          パンツァーゴーレム
 近代兵器を内蔵し、複合装甲で武装した   軍式機象   が六百十二体。

 その他、キメラが五十二体。魔術師六十一名。各種兵器装備品etcetc。

 はっきり言えば、対一個体を想定してるとはとても思えない内容だ。というか、普通に国に喧嘩を売る規模だ。出来がよければ。

 その大部隊に囲まれながら、女は小揺るぎもしていなかった。特に躊躇も無く、怯えも恐怖も無く、寧ろ呆れをその顔に浮かべ目の前の部隊を見つめる。自然体で立つその姿からは、やはり一切の気負いも感じられなかった。

 そしてその前に集団から抜け出してきた魔術師が、何を考えているのかローブ姿という絶滅ものの格好で 歩いてきて正面に立ち、下卑た笑みを浮かべながら言い放った。

「さて猫爪削よ。降伏してはくれないかね?ここまでの戦力を見せ付けられて、抵抗する気は起きないだろう?我々としても無駄な労力を使いたくはないのだがね」

 ニヤニヤ笑っているその男を一瞥して溜息を吐き、猫爪削と呼ばれた女性は大音量を張り上げた。

「最初で最後の警告をします。今すぐ背を向けて去るのなら見逃します。でももし向かってくるなら容赦はしない。一人残らず皆殺しです」

 その宣言に、無視された形の男が怒鳴った。

「な、貴様!先ほどの私の言葉がわからなかったのか!」

「五月蝿いですよあなた。用が済んだならさっさと消えなさい」

「ぐ、貴さ「本気で五月蝿い」」

 ボグッ!

 何かをやろうとした男の首が、次の瞬間消し飛んだ。

 裏拳を放った体勢から自然体に戻り、勢い良く血を噴出す体を放っておいてあたりを見渡し、軍団が動いてないのを確認すると、

「それじゃあ行こうかしら。珠。未卦。後ろを適当にお願いね」

 聞き耳を立てている者達にそう言い置いて、猫爪削・美衣(知り合いには色々な責任を主に取らせるということで横島美衣と名乗っている)はそこから飛び出した。


 その後方百メートルほどの位置で、人影がひとつ。

「ありゃ。母様ったら気付いてたんだね、って当然か」

 その人影、黒髪の少年がそう言って、

「それはそうよ。この距離ならいくら気配殺してもバレバレ。猫族の超感覚はこの程度は軽いはずね」

 その肩に乗っている赤毛の猫が肩を竦めるような動作をする。

「僕たちはそこは弱いんだけどね。力は上なのに」

「それはまあ、父ちゃんが父ちゃんだし。でも親子喧嘩では必ず負けるんだよね。やっぱり経験値の差なのかな?」

「まあ、桁からして違うしね。多分技量なら話に聞く父様抜いてるんじゃない?母様達全員に言えることだけど」

「ああそうかも。未だにかなう気がしないってのは、フィルターが掛かってるだろうしね」

 クスクスと笑い、二人は事あるごとに赤面しながら惚気る母親’Sを思い出す。

「で、どうする?なんか一人でも十分そうだけど」

 視線の先では大きな四足獣に変身した母親が、ゴーレムを片端からなぎ払い、襲い掛かるキメラを跳ね飛ばし、突っ立っている魔術師を食い殺していた。その外観は名の通り、三つ又尻尾の猫である。
                                               ハイエンド
「あの形態の母様に勝てるのなんて他の母様達以外ならそれこそこの惑星の最上級の化け物達ぐらいだしね。落ちぶれた魔術師連中なんて鎧袖一触でしょ」

「それはそうだけどさ。それにしても情けないね近代の魔術師って。襲撃のたびにだんだんレベルが下がってくし」

「それは全体に言える事でしょ。神代の魔女とかは本気で化け物揃いだったけど、それも魔女狩りとかでかなりが断絶したし」

「まあこの話はここまでとして、やっぱり参加しないといけないでしょ。父様に対する嫌がらせでもあるんだし」

「はぁ。まあそれはそうだからいいか」

「それじゃあ行って来るね。逃げてく奴は任せた」

 そう言って赤猫は少年の肩からひらりと飛び降り、地面に着いた時には少女の形態をとっていた。

 血のように赤い髪と左右色の違う猫の様な目を持つ、かなりの美女だ。

「………相変わらず人化はできないんだよね」

 その耳には髪から突き出る二本の耳。所謂ネコミミ。

「その代わり僕は獣の形態が取れないんだから」

「両方ともが半端者ってコトだね」

「まあ、ハーフだしってこの問答何回やったっけ?」

「さぁ?十八回ぐらいから数えてないし」

 二人揃ってため息。

「まぁいいや。改めて行ってくるね」

 言葉と同時に霊波の残滓を残し、その場から消えた。

「はぁ。さて。こっちもいくか」

 その言葉と共に少年のほうもその場から消え去った。


 その場から生きた人間が居なくなるまで、三十分とかからなかった。


 side YOKOSIMA

 ただ今登校する三人の大体百メートル後方で尾行中。

 と同時に知覚範囲を限界拡張。半径三キロ圏内の気配を読み取る。

 さすがにあのアサシンは無理だけど、これである程度サーヴァントの気配は察知出来るはず。

「しかし、目立ってるなあの三人」

 視線の先には凛ちゃんたちが周囲の注目を浴びながら歩いている。

 まあ、無理も無い。美少女二人と仲良く登校する男子生徒という構図は、好奇と嫉妬と怨嗟の対象だ。これで目立たないはずが無い。

 学生時代の俺なら即座に 藁人形の出番だったなと内心苦笑い。

 その中で堂々としているのは凛ちゃんだけで、あとの二人は居心地が悪そうだ。

「やれやれ。大変だな衛宮。まあ同情はしないけどがんばれよ」

 後ろから刺されても仕方の無い状況に居る衛宮を笑いながら護衛を続ける。

 そして何の問題も無く学校に到着。三人は別々の方向に分かれていった。

 俺はそのまま三人を追うようなことはせずに屋上へ跳ぶ。

 屋上に着いたと同時に知覚範囲を通常状態に戻す。

「さて」

 次に右手にソーサーを高圧展開、それを握りつぶす。そしてできた破片を制御しさらに分解、細かな粒子にする。

 そうしてできた霊気の霧を周囲に展開拡張。その中を自身の感覚器の延長と定義することで周囲全てを探査可能にする。この霧を学校中に撒けば死角は無くなる。んだけど、

「無理だな」

 四分の一にも満たないときに、霊気量はともかく集中力が切れた。

 まあ、一応試してみただけなので特に気にしない。

 次にとりあえず心眼開眼。学校に張られている結界の基点を見、次いで周囲を一通り見渡す。

「やっぱりえげつないな。ただでさえ複雑極まりない魂喰の結界のくせに、更に周囲に四十二の連鎖呪法。根幹の術式の発動以外でバランスが崩れると、片っ端から術が起動するようにできてやがる」

 しかもそれぞれの術が別々の方式で、更に根幹部分が分散していやがるせいで文珠による一発消去もできない。なんとも意地の悪い呪的罠である。

「ま、意味は解りやすいな。『ここに手を出すな』、か」

 こんな凶悪な結界がある場所なんか好き好んで来る訳はないわな。下手に触って暴発なんて目も当てられない。

 まあ、確かなことは、

「この魂食と周りの呪的罠が、それぞれ別のサーヴァントの仕業だってコトか」

 これは、いくらなんでも構築術式が違いすぎる。

 通常、どんなものだろうと同一人物が作ったなら、どこかしら術式の構成に癖が残のだ。現に周りの四十二の術法には、その構成根幹に同じような構築様式が見つかる。

 対して中央のそれには、その癖がない。つまりは別人のものだと言うことだ。

 ついでに言えばさらにとんでもないことに、全ての術式が一見中央の魂食いの術式の一部として偽装されている点だ。いったいどれだけの魔術知識があればこんな超絶技巧が成り立つのか、想像するのも馬鹿らしい。

 そしてこんな状態でも双方の術者が消していない。それが何を意味しているかと言えば、

「はぁ。こいつらは手を組んでるって考えなきゃいけないのか。面倒くさいな」

 憂鬱になる。しかもこれだけの魔術を組めると言うことは片方は確実にキャスターだ。これで組んでいる相手がたとえば防御系だった日には、射程外から魔術をバカスカ打ち込まれることになる。

 まあ、救いといえることはこいつらは魂食を発動させるほどには堕ちてはいないと言うところ。

 何しろ魂食で地脈から汲み上げた魔力をそのまま周りの術が吸い取ってどこかに流しているのだから。

「んで、行く先は」

 流れる魔力を心眼で追い、その行く先を認め、

「あの山は………確か凛ちゃんが神殿があるっていってたな。神殿ってよりは倉庫感覚みたいだけど」

 視線の先、柳洞寺を見つめ、更にそこに流れ込んでいる力を見とめ、

「無茶苦茶やってるな。まあ、非難したりはしないけど」

 街中から間断なく流れ込む力にため息を漏らした。

 しかもそれぞれがほんの僅かづつな量のため、表沙汰にはまったくなっていないらしい。

 そうして様々のことを確認していて、

「あなたはこんなところで何をしているのですか?」

 不覚にも、声をかけられるまで背後に人が来た事に気が付けなかった。

「あ、ああ。ちょっと風景を見ていましてね」

 それでも努めて平静を保ち、自然な動作で振り返る。

 そこにいたのは一人の女性だった。

「部外者がわざわざ学校の屋上にまで侵入して景色を見ていたと?」

 別に嘘を言っているわけではない。ので、悪びれも無く頷いた。

「ええ。まあね」

 それからしばらく二人揃って立ち尽くし、

「で、こっちからの質問なんだが、こんなところに何をしに来たんだ、俺たちの敵?」

 眼鏡をかけ、白衣を纏った存在。

「物騒な気配がしたのでその調査に乗り出した、といえば満足ですか、同類?」

 その女は紫の髪を靡かせて、うっすらと笑って近づいてきた。


side RIN

「えっと………?」

 昼休み。屋上に上がって最初に見た光景がちょっと信じられなくて、扉のところで固まっていた。

「ああ、凛ちゃん。どうしたんだ?そんなところに突っ立って?」

 ティーカップを目の前のテーブルに置いて、にこやかにこちらを向くバーサーカーに激しい脱力感を覚える。

「何してるのよあなた」

「お茶」

「そんなこと見ればわかるわよ」

「何をそんなに怒っているかは分かってるけど、せっかく椅子があるんだから座りなよ」

 そう言って、どこから調達したのか無駄に豪華なソファーを示してきた。

 その趣味の悪い意匠に頭痛がする。他の二人のものはごく普通のデッキチェアなあたり、これは嫌がらせなんだろうか?

「ヨコシマ。さすがにそれはどうかと思いますよ?」

 バーサーカーの正面に座っていた女性がそう言って窘めてくれた。感謝。

「いやもちろん冗談なんだけどね」

 そういって、ソファーを消して二人と同じ椅子をどこからともなく取り出した。って、

「ちょっ…!バ、横島!?」

 危うくクラス名を叫びそうになり、慌てて前に教えてもらった本名を言いなおす。

「ん?何?」

 そのとぼけた答えに力いっぱいラインを開き大絶叫。

『何?じゃないわよ!一般人の前で簡単に能力使ってるのよ!?』

『ああ、それなら大丈夫』

『何が!?』

『彼女サーヴァントだし』

「思い切り敵じゃないのよ!」

 詰め寄っていた体勢からバーサーカーを盾にするように横っ飛び。体を反して対面の女に向き合

「凛ちゃん。はしたない」

おうとした瞬間に両手足に糸が巻きつき、どこをどうやったのか気付いたらデッキチェアに腰掛けていた。しかもご丁寧に目の前には淹れたての紅茶が香り高い湯気を上げている。

「お見事」

「いえいえこのくらいは。そっちこそこの紅茶はなかなかのものだよ」

「ただ単に家でこういうのにうるさいのがいるだけですよ」

「何和やかに談笑してるの二人とも!?」

「一期一会の精神」

「お茶は穏やかな心で楽しむものです」

「そういう問題じゃないでしょう」

 脱力感からがっくり項垂れテーブルに突っ伏した。知らず盛大な溜息がこぼれる。

「からかいすぎましたか?」

「無問題。この状態を見てさっきの反応は過剰すぎだったしね。緩みすぎもよくないけど、緊張しすぎも長続きしない。適度に肩の力を抜かないと」

「あなたも変なサーヴァントですね」

 頭の上でそんな言葉が交わされているけれど、顔を上げる元気もない。

「凛ちゃん。とりあえず現状説明するから顔を上げて」

 顔を上げる元気もない。

「とりあえず必要はないけど紹介する。俺のマスターの遠坂凛」

「って、敵に情報を………」

「もうそこら辺の情報は当の昔に向こうに漏れてるよ」

 バーサーカーの言葉に慌てたけれど、次の言葉で固まった。

「どういう、こと?」

「俺たちがかなり迂闊で間抜けだったってこと」

 苦笑しながらそう言って目を正面の、敵であるはずの女性へと向けた。
        いするぎしづる
「私の名前は 石動 紫弦 。無論のこと真名ではなく偽名です。半月ほど前から、臨時の養護教諭としてこの学校に通っています」

 その女性は紅茶片手にそう言って、こちらに向かってにこりと笑いかけてきた。


「なるほど。確かに私が間抜けだったわね」

 話を聴き終わった瞬間、重い溜息を吐いた。なにしろサーヴァントが校内にいることに、半月以上も気がつかなかったのだ。その上向こうからはばっちり観察され続けていたらしく、名前や魔術系統、召喚日や生年月日に始まり、身長、体重、スリーサイズ、月の物の周期まで知られていた。口に出される前に紅茶のカップを投げつけたのは至極当然のことだろう。

「まあ、あなたは私がここに来てから一度として保健室には来ませんでしたしね。赴任したときは学校に来ていなかったようですし気付かなくても仕方ないですけど」

 そんなこと、言い訳にもならない。いくら遺言の解析で余裕がなかったとはいえ。

「まあ、俺も気付けなかったから批難はできないんだけどな」

「そういえばそうね。サーヴァント同士なら感知できるんでしょう?貴女が何かしているの?」

「ノーコメントです」

 それはつまり肯定ととるわよ?

「まあそういうこと。で、向こうも今は昼間から戦う気もないってんで、暇つぶしとある程度の情報交換のためにこうしていたわけだ。まあ、情報のほうははっきりあてにならないけどな」

「ちなみに、相手のことを聞かないというのがルールです。マスターや真名はもちろん、クラスや召喚日とかもですよ」

「まあ、俺達のほうはマスターはばれてるし、真名はばれても無名すぎて問題ないから普通に本名名乗ってるんだけどね」

 はぁ、と溜息を吐き、

「まあ、確かに昼間から人目につきすぎる学校で戦うわけにも行かないし、戦わないのなら好都合ね」

「ん。そゆこと」

 気を取り直して紅茶を口に運び、

『まあ、相手の真名はある程度推測できるんだけどね』

 ラインを通じてバーサーカーがそんなことを言ってきた。

『そうね。確かに』
                                        オリジナル・セブン
『ああ。神父が言ってたんだよね?今回の聖杯戦争の参加クラスは 原点の七クラス だって。なら、今まで姿を確認した四クラス。セイバー、アーチャー、バーサーカー、アサシン以外の三つしかありえないわけだ。しかも筋肉の付き方からして彼女は槍使いじゃあない』

『となると必然的にライダーかキャスターになるわけね』

『そこから先の特定はちょっと無理だけどね。武闘派魔術師なのか騎乗魔術戦士なのか』

 二人揃って紅茶を飲みながら、ラインを通じて話し合っていると、

「さて、そろそろ休憩も終わらせて、保健室に戻るとします」

 そう言って、さっさと敵のサーヴァントは屋上から出て行き、入れ替わるように士郎が屋上にあらわれた。

 ごめん士郎。はっきり言って忘れてたわ。


side ???

 放課後。

 下校途中の生徒に紛れ、赤い髪と黒い髪が一緒に歩いていくのを見下ろしている。

「遅くなったわ」

 後ろからの声に振り向けば、そこにいたのはローブを被った………幼女。

 歩くときに端を引き摺る姿や、時々裾を踏んで転ぶ姿は激しく微笑ましい。

「いや。別に時間の指定はしてないし、大丈夫だよ」

 首を振って近づいてきた彼女に場所を空ける。そこから窓の外を見下ろして、
         セカンドオーナー
「あれが冬木の   管理者?  」

「そう。遠坂凛。聖杯戦争参加回数最多の家系の現当主」

「当主、というにはいささか以上に頼りなさそうだけど」

「それはしかたがない。なんと言ってもまだ十台の小娘だ。甘さが出るのはむしろ当然だろう?」

「それは甘えだと思うけどね」

「まあまあ。で?」

「率直に言って魔術師としてはそこそこね。才能はあるし、努力を惜しんでいる様子もない。でも、それだけなら今までの歴史でも、それこそ万単位で存在していたでしょうね。問題はきっかけと発想力」

「いやそんなことを聞いてるんじゃなくて」

「わかってるわよ。まあ、魔術戦なら負けないわよ。当然でしょ」

「ん。まあ一応の確認だけだからね。まあ、心配なんかしてなかったけど」

「あなたの目的が果たせるぐらいの時間、楽に稼ぐわよ」

「うん。頼もしい」

 目の前にある頭をクシャリとなでる。

「………子供扱いしないでよ」

 不機嫌そうに唸る。でも、

「頬が緩んでるぞ」

 慌てて両手を頬に当てる様に大いに癒される。うん、これが萌えというやつか。それはともかく、

「気をつけろよ、遠坂、衛宮。こんな下らない争いで、みすみす命を落とすな」

 視線の先は先ほどの二人が歩いていった方向。そして、夕日の中に浮かぶ黒い影。それに向けて目を細め、

「よいしょ」

 気が付いたら押し倒されていた。

「へ?」

 しかも服がはだけていた。

「え?」

 さらに両手足には拘束が。っておい。

「何をしてらっしゃるのでしょうか?」

 思わず敬語で体の上に馬乗りになっている元幼女、現美女へ問いかけた。

「十八歳未満お断りなことの準備」

「いやまあわかってたけどね」

 どうやっても外れる様子がない手足の拘束に諦め、

「せめて人払いはかけてくれ」

「当然よ」


 <後書きですたぶん>

どもです。

というわけで一ヶ月以上ぶりぐらいに更新です。またむやみに複線の数を増やしてみたり
まだ結構ギャグ調ですが、夜の話になればシリアスに移行する………はず。
にしても凛ちゃんがなぜか弄られキャラに。当初の予定ではシリアスを通すはずだったのに何故?

新サーヴァント登場。誰かは説明要らないとは思います
でも例によって口調が怪しい。こんな風にしゃべらねぇ、というご意見がありましたらご指摘ください

そろそろタイムテーブルが怪しくなってきました。ぶっちゃけこの時点で何曜日なのかが怪しいです。実は日曜とかじゃないですよね?
確かめようにもパソコンの容量が開いてないし、どこか資料サイト探さないと

おかしなところがありましたら、ご指摘、お願いいたします


 ではレス返しをば

○遼雅さま
ありがとうございます
猫ちゃんは当初その予定だったんですけど、いろいろあって急遽変更。
とは言ってもちょいキャラですので影響はなかったのですけど
ちなみに、彼女が黒服なのは喪服だったり
更にちなみに、珠と未卦はタマとミケと読みます
○1さま
いえいえ。キメラはタツキちゃんです。ちなみに漢字で龍姫と書きます。
瞳もキメラみたいなものですけど、タツキの方がキメラとして生み出されたので。
瞳の方はかなり近いです

○蝦蟇口咬平さま
このSS中では『戻』で性別は戻りません。
精神まで力が及んでいるせいで、もともとが男であるというイメージが乱れます。いろいろとネタバレになりますので、この辺で一つ

後出し剣は発動状態なら反応します。たとえば『爆』発の瞬間とか、『同』『期』中とか。文珠は切り札には違いないので

○T城さま
確かにパワーバランスが難しいです。
プロット見てみたらサーヴァント撃破数横島がトップでした。修正しようか検討中です

○なまけものさま
それであってます
タツキは完全オリキャラの予定ですので予想が付かなくても仕方がないですよ
組み込まれているのに既存のキャラはいますけど

○UEPONさま
ご拝読ありがとうございます
えっと、小竜姫さまは残念ながら………
というか、原作キャラ結構な人数死んでますよ?

○鈴木猫の介さま
始めまして
うわ鋭い。瞳に関しては皆様予想しやすいようで
多重に関しては出てきたときにでも。予定では次回ですし

○ZEROSさま
面白いといっていただき、ありがとうございます
一応ヒノメ登場予定ですけど、闘う予定はありません(今のところ
というか、闘った場合例えヘラクレスでも勝てませんし、さすがにまともには参加せられません。

○クインビーさま
ご指摘ありがとうございます

○Nikesさま
名前のもとはそれです。
セイバーのままよりは大河とかが受け入れやすいかなと


明日………というか今日か、テストだってのに何やってんだろ俺?
ではでは

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