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▽レス始

「妖使い!?横島の生活! 第九話〜初授業、思わぬ展開緊張子猫〜(GS+おまもりひまり)」

ハルにゃん (2007-02-04 01:17/2007-02-05 16:10)
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冥子との協同除霊から一週間がすぎた。
その間に横島が幽体離脱で宇宙へ逝ったり(?)
まるで狼のような犬の霊と闘ったりしたが概ね問題なくクリアしてきた。
横島の生活は朝から学校へ行き、夕方から仕事へ行く。
突発的な大きい仕事の場合は早退の許可が出るといった感じだ。さすが霊能科である。
今日は月曜日、もちろん学校へ行くのだが今日はいつもとは少し違う。
なぜなら今日から霊能科の除霊実習なる授業が入ってくるからである。

「うぃーっす」

「おはようなのじゃ」

「野井原さん!おはよう!今日はまた一段と美しいっ!!」

「フッ!君の前ではこの薔薇さえ霞んでしまう…」

もちろんこいつは薔薇なんて持っていないし美形でもない…。
入学から一週間たったにも関わらず緋鞠の人気は衰える事を知らず、むしろ高まっていく一方だ。
しかしそれも仕方ないだろう。
アイドル顔負けのルックスに加えてスタイル抜群、しかも少しズレ気味の美少女ときたら男としてはたまらない。
今では緋鞠と横島を知らない六道の生徒はいないだろう。
なぜ横島も有名かというと無謀にも緋鞠にアタックを仕掛けて無残にも撃沈した男子全員が口を揃えて「横島のせーだ!」と呪詛の言葉を吐いたからである。一体どんなやり取りがあったのやら…?
まぁそれを抜きに考えても緋鞠と常に一緒にいる横島は嫉妬の対象なのだ。

「おめぇら俺は完全無視かよっ!」

「黙らっしゃい!お前にかけてやる言葉なんぞどの辞書を探したって見つからん」

「今日の除霊実習で目に物見せてくれるわ!」

ビシリ!と指を突き付けて挑発する友人AとB。
二人とも最初の横島の友達に相応しい性格をしている……

「くくく、実習じゃ俺の式神、緋鞠が相手だぜ?お前らに勝てるかな!?友人AとB!」

ブラックな笑みを浮かべた横島はそう言って指を突き返す。
正しくは緋鞠は式神ではないのだが扱い的には式神になっている。
なんでも横島家の能力は心を通わせた妖怪と妖脈を結ぶ事ができるのだそうだ。
妖怪と闘い、横島家の者が勝ち、その者達が従者にしたい、されたいと望めば自然と繋がる不思議な線。それが妖脈らしい。
横島には緋鞠と闘った覚えなどないのだが繋がっている以上大事にしたい絆だ。

「何を言っておる?私は何もせぬぞ?若殿にも修行してもらわねばなるまい?」

いきなり横島の最初で最後の最大の当ては外れた。ハニワのようにあんぐりと口を開けている。

「私が闘ったら意味がなかろう?妖脈は若殿の力しだいで育つのじゃぞ?」

「だ、そうだけど何か言い残す事はあるかな?横島くん♪」

「そうそう、僕らが聞き届けてあげるよ。」

「そ…「「そ?」」そんなん詐欺やーーーーッ!!!」

世の中そんなに甘くない。
横島の叫びと同時に朝のチャイムが鳴った。
今日は1時間目から4時間目までは普通授業、
5.6時間目で除霊実習という流れだ。
最初なので時間は短いが横島にはおそらくハードになるだろう。
国 数 英 生と定番の授業を終えると次は待ちに待った昼休み、昼食の時間だ。
生徒達はチャイムと同時に購買へ駆け込んだり、一人孤独に屋上へ行ったり、仲の良い者同士で机を囲み、弁当を食べたりする。
横島はもちろん緋鞠特製のお弁当組である。
他の男子達の視線がすごく痛いが毎度の事なのですでに慣れたものだ。

「今日は緋鞠特製、梅肉入りチキンカツ弁当なのじゃ!」

「「おぉぉぉ!」」

クラスの男子達から一斉に声が上がる。
彼らには弁当箱と蓋の間から後光が見えているに違いない。

「今日は凝ったな〜」

「うむ、自信作じゃ、ありがたく食すが良い」

「んじゃいただきまーっす!」

そう言って割り箸をのばす友人A。

ザクっ!!

しかし緋鞠のフォークに箸を折られてしまった。
緋鞠を見てみるとすっごい良い笑顔で友人Aを見ている。

「あは…あははは、俺は横島の皿に盛りつけてあげようと思いまして…」

「…指に当たらなくて良かったのう?」

相変わらず良い笑顔だが言ってる声は氷点下だ。ってゆーか目は笑っていない。ホントに指スレスレだったし!
男子達はこの一週間で緋鞠の性格は皆身に染みて知っている。
例を上げるなら緋鞠にフラれたある男子が横島に八つ当たりをしようとした時の事が印象的だ。
少しヤンチャだった彼は緋鞠にフラれると矛先を横島に変え、一人屋上へと呼び出してリンチにかけようとしたのだ。
しかしそこに来たのは横島ではなく緋鞠一人、そしてしばらく”話し合い”をした結果、ヤンチャだった彼はどういう訳か改心して髪を剃り、出家してお坊さんになってしまったそうだ。
その時一緒にいた生徒は今でも”話し合い”の光景を夢に見てうなされるらしい……。
それから横島に八つ当たりしようなんて勇者はいなくなったのだ。
とにかく横島関係で緋鞠を怒らせるのは非常にまずい。すでにそれは六道男子の暗黙のルールになっている。

「さぁ、若殿食べるのじゃ」

「あ、あぁ…」

今度は本物の笑顔で横島を急かす。
さっきのやり取りに引き気味だった横島だが緋鞠の笑顔に見とれて何気なくチキンカツを口に運んだ。

「……!?すっ…」

「素晴らしいかッ!?」

「すっぱッ!!!!」

口が縮むような感覚に横島は思わず吹き出しそうになるが緋鞠の心の篭った弁当を出す訳にもいかずグッとこらえた、漢だ。

「おま…これ梅干し入れすぎだろ、なんか鼻にクるぞ…」

「そ、そんなはずは………ぷわッ!」

緋鞠も思わず吹きそうになったが耐えた。
うっすら涙が浮かんでいる、相当酸っぱかったのだろう。ってゆーか味見しよーよ緋鞠ちゃん…。
緋鞠の作る物は美味しいのだが、たいてい何か抜けていたり多かったりする場合が多い。
朝からカツ丼やらこの前は中華おでんなるものも作ってくれた。
中華は火力じゃ!と力説していた緋鞠の箸が揚がったのには正直関心すらしたものだ。

「今回はうまくいったと思ったのじゃが…」

「まぁ次頑張ってくれ…差し当たってこれをどう処理するかなんだが…」

「「………………」」

二人は顔を見合わせて同時に友人ABへと視線を向ける。

「ま、待て!なんだその目は!?一部始終を見ていた俺達に何を期待している!?」

「お前ら…緋鞠の手料理食いたくないんか?」

「「うっ!」

「せっかく作ったのに捨ててしまうのは勿体ないのう……」

緋鞠も悲しそうにそう言って弁当箱の蓋を閉める。どうやら美神の教育が行き届いているようだ。
ここで肩を落としてため息をつくのがポイントらしい。

「大丈夫だよ緋鞠、こいつらは梅干しが大の好物だって言ってたからきっと食べてくれるよ」

誰もそんな事は言っていない、横島は器用にも顔の左右で違う表情を浮かべ、表面上は悲しそうに緋鞠を慰める。

「じゃが若殿、お腹が空いたであろう?これをあげてしまったら食べるものが何もなくなってしまう…私もお腹空いたのじゃ……」

「そうだな…でも仕方ないんだよ緋鞠…この酸っぱい弁当をやるからお前らの弁当よこせなんて言えないだろ?」

「「いや、言ってる言ってる!」」

「そうじゃな…私なんかの弁当と交換してくれる優しい輩などおらぬであろうな……」

そう言って上目使いに友人ABを見る。いつの間にそんな高等技術を…?

「緋鞠〜〜!!」

「若殿〜〜〜!」

ヒシっと抱き合い、教室の端っこで哀を叫ぶ横島と緋鞠、もちろん友人ABに断る術などありませんでした。
そんな漫才をしているうちに昼休みは終わり、ついに霊能科の醍醐味、除霊実習が始まる。
最初の授業は理事長直々にご指導してくださるそうだが横島達には悪い予感しかしない。
緋鞠などすでにネコミミとしっぽを出して臨戦体制を整えているくらいだ。
いや…微妙に耳が寝て、しっぽが震えている所を見ると十二神将を警戒しているのかもしれない。

「それじゃ〜〜まずは〜〜今日の〜担当の先生をご紹介します〜〜〜」

相変わらず間延びした口調の理事長が今日の担当教員の紹介を始める…紹介だけで1時間終わるんじゃね?
ん?”今日の”担当教員?

「GS長者番付No.1の〜〜美神令子さんです〜〜」

「「「キャー!美神おねーさま〜〜!!」」」

開いた口が塞がらないとはこの事だ。
体育館のステージの上では亜麻色の髪の美女が心なしげんなりしながら生徒達へ手を振っている。

「なんで美神さんがこんなとこにいるんだ?」

「わからぬ…昨日もそんな事は言ってなかったしのう?」

「お前ら美神令子さんと知り合いなのか!?」

横島と緋鞠のヒソヒソ話しを耳にした友人A、いい加減名前を言ってあげないと可哀相なので地走 友也(ぢばしり ともや)が驚きの声を上げる。
それを聞いた瞬間あらゆる方向からいろいろな感情を含んだ視線が横島と緋鞠に向けられた。今度は男女関係なしだ。

「い、言ってなかったっけ?俺は美神さんのとこで助手のバイトしてんだよ」

(なんですって!!?)

「なにーッ!なんで早く言わないんだよ!」

「いや…聞かれなかったし…?」

「なんだその自己主張のなさは!現代っ子か!?」

横島はもちろん現代っ子なのだが自己主張がない訳ではない、ただ単に言いたくなかっただけだ、こうなる事がわかりきっていたから……。

「緋鞠さんだけでは飽き足らず美神令子さんにまで手を出すとは!身の程を知れぃ!」

(手を出した!?)

「待たんかい!!まるで俺が悪いみたいに言うんじゃねぇ!!この生活がどれだけ辛く苦しい事か……!」

「「「贅沢者〜〜〜!!」」」

横島にとっても言い分はあるがここでそれを言っちゃおしまいだ。
緋鞠のような美少女をはべらせ、あまつさえ六道学園生徒全員の憧れの対象である美神の助手をやっていながら辛いなどまさに神に唾する行為だ。
というか、

「若殿…私は迷惑なのか?ネコはネコらしくコタツにでも入って丸くなっておれと言うのか…?」

緋鞠に目をうりゅうりゅさせながらこんな事を言われてしまったらもはや完全に悪者になってしまう。

「い、いやいやいや!そんな事はないゾ!?緋鞠がいてくれるだけでこの辛く苦しい生活にも潤いがな!?」

「若殿、ホントか?私は迷惑ではないのじゃな?」

「も!もちろん!当たり前じゃないか!」

「若殿……」

「緋鞠……」

二人は至近距離で見詰め合う。

「「「こんなとこでラブコメってんじゃねぇーーッ!」」」

強制的に横島を黙らせた男子生徒達は緋鞠にあいつはヒドイ奴なんだぞーとある事ない事吹き込んでいるが当の緋鞠は右から左へ聞き流して満足そうにしている。
しかし忘れてはいけないのはここが体育館で今は授業中だという事だ。

『あんたら…私の話しはどうでもいいって事かしら!』

マイク越しの大音声で怒鳴り付ける美神の迫力にあながち横島の言ってる事も嘘じゃないのかも…と思った生徒がいたかもしれないがそこはそれ、
六道の生徒にとって美神は女神だ。
素直に大人しくなって話しに聴き入る。
今、六道学園では現役のGSを非常勤講師として雇っている。
実は六道学園霊能科に実技を教える教師は少ない。
なぜなら実力のある霊能持ちは当然教師なんかより断然儲かるGSを目指すからだ。
したがって霊能の教師になろうなんて人物は試験に落ちて他に就職先のない者達くらいである。
だがそんな連中のできる事などたかが知れている、それなら多少金はかかっても現役のGSと契約して講師を引き受けてもらう方が生徒にとっても、
卒業してGSになった元生徒とも契約できる学園にとっても良いのだ。
美神は六道学園と契約などしていないのだが冥奈に泣き付かれ、たまにだがゲスト講師をしている、今回もそれで来たのだ。

『という訳で今日は実力の近い人同士で組み手をしてもらいます、武器は自由、それぞれペアを組んで始めてください』

実力の近い人同士?初除霊実習で個人の実力などまったくわからないのに?美神さんは教師には向いてないのではなかろうか……。
だが美神は冥奈から預かった授業プログラムに従っただけだ。特に悪意がある訳ではない。
あるとしたら冥奈の方だが相変わらずのほほんとしているので何を考えているの全くわからない。
さてどうしたものかと考えていると、

「さ〜て横島、オシオキの時間だなッ!」

地走が横島の肩を掴む。
この機に日頃の嫉妬を晴らそうという考えが手に取るように伝わってくる。しかし思わぬところから声がかけられた。

「横島さん、野井原さん、お手合わせ願えますかしら…?」

そこにいたのは闘気にしては鋭すぎるなにかを発する弓 かおり、
六道学園1年B組の踏み付けられたい娘No.2の生徒だった。


とぅーびーこんてぃにゅー


あとがき
もちろん1位は緋鞠です。
こんばんわハルにゃんです、いや〜ひまり1巻ようやく入手しました〜私の住む地域ではようやく今日発売です、それとは別にサイン会用に1冊買ってもらいましたが……。
さてさて今回は学校編です。
教師の選択は最後まで悩みましたが結局美神にお任せする事にしました。
次回は弓さんと対決ですがやはり今のところ難産です……むずいよお嬢…。

それではレス返しです。前回できなかった分も一緒にします。

○G様
レスありがとうございます。
<なぜに弓がここに居る?
横島は原作より1つ下という設定なのでこうなりました。
実はこの設定になったのは、弓と早いうちから絡ませたかったも一つの理由なのです。

○すぐに消します様
ご指摘ありがとうございます。
これからも読んでくださると嬉しいです。

○February様
レスありがとうございます。
<緋鞠ちゃん可愛いですね〜
ありがとうございます!そう言っていただけるとホントにやる気がみなぎってきます!
はてさて緋鞠は妖脈に慣れるんですかね〜?横島の煩悩ですから緋鞠の許容量が心配です……。
最後にご指摘ありがとうございました。
これからも頑張りますので応援していただけたら嬉しいです。

○スケベビッチ・オンナスキー様
レスありがとうございます。
そうですか〜都会でもひまりありませんでしたかぁ…
私は気軽にアキバに行けるってだけでうらやましいですよぉ。
<横島君が堪えられずに暴走しそうです
横島が暴走する時は私が暴走するときですよ〜きっと近いうちに…
緋鞠もまんざらじゃないんで案外上手くいくかも…?
それではお体に気をつけてください。


レス返し終了です。

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