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▽レス始

「Go together 第五話(GS+ネギま!)」

らっかー (2007-02-01 00:08/2007-02-01 00:28)
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二人は、暗い雰囲気に包まれていた。

「こんなにお願いしてるのに、どうしてもだめですか?」
「ああ、無理じゃ」

先ほどから、話は進んでいない。
ゆずれないものがあるから。

「別に被害が出ている訳でもないでしょう」
「被害が無ければ良いものではないと思うがの。それに一応被害届けもでておる」

片方はやるせなさと悲しさを漂わせ、
片方は疲れきったようにため息をつく。

「そもそも、君には最初に言ってあったと思ったのじゃが?」
「俺もこの程度の事は、織り込み済みだと思ってましたよ」

それが最初のすれ違いだ、
お互いの認識のずれは誤解を生み、諍いを呼ぶのだ。

「これが、この程度かの?」
「本来の半分にも及びません」

それがは時に友情を引き裂き、戦争すら生み得る、今回は、

「休日に学園内でナンパ40人以上がか?」
「全然少ないほうです。」

こんな下らない物だが。


『Go together 第五話』


横島がこの世界に来て最初の休日、

土曜日はアーティファクトを一日中調べて潰れた。どうも普通の文珠とは特性が違う。
あるいは、アシュタロスの時からこうだったのかも知れないが、あの時はしばらくしたら消えてしまった。

日曜日、前半は昨日の続きでアーティファクトを調べ、午後は学園内の女子にナンパしていた。
結果、人を呼ばれ残りはひたすら逃げ回る破目になった。

そして今日、通勤してきたら話が伝わっていたらしく学園長に呼び出された。
昨日追いかけてきたグラサン男、疲れているとはいえ自分を追跡できるなど腕がいいと思ったら、実は魔法先生の一人だったらしい。

「横島先生、どうなったんですか?」
「やるなら学園外でやれ、とさ。折角ここには美人のねーちゃんが沢山いるというのに」

この麻帆良学園は彼から見てかなりレベルの高い女性がそろっていたが、ナンパは全面禁止になった。
最初の夜、程々にと言われた範囲を書類で明確に学園外にされてしまった。まあ守るかどうかは別だが。
普通こんな事書面にしないだろう。学園長も横島の煩悩のとんでもなさに、ようやく気がついたのだ。

「当たり前だと思いますよ、先生が生徒にそんな事するなんて」
「いいかネギ、いい女がいたら声を掛けるのは男の義務だ。それに大学でやってたから、少なくともうちの生徒に声をかけてはいない」

物凄い理屈だが彼は大真面目だ。
久方ぶりに『自』『制』を使わずにすごせる一日だったのだ。発言前半は当たり前。

そして発言後半、態々大学でやったのは、とっさの勢いとは言え明日菜や木乃香に飛び掛ってしまった事が元だ。
本来の守備範囲外に飛び掛ってしまった事は、彼なりにショックだったのだ。街中に繰り出して万が一の間違いが起きるのを避けたかった。


理事長から開放された横島とネギは、エヴァンジェリンの家庭訪問に向かっている。
ネギが妙に気合を入れているので聞いて見ると、先週末に迷い込んだ山の中で長瀬楓に励まされたそうだ。
なんでも忍者だったらしい。妙に腕が立ちそうな感じがしたが流石に分からなかった。

山の中などに迷いこんだ理由は朝倉から必死に逃げた為だった。なんでも夜明け寸前まで追い回されたそうだ。
流石に、最後まで見てやっておいたほうが良かったなと、ちょっとだけ反省した。
その朝倉は、ネギが山で迷ってる最中すでに寮で噂を広げていたそうだ。

しばらく歩くと、森が開けログハウスが現れる。

「案外素敵な家ですね、墓場とかに住んでるのかと思ってました」
「そりゃ偏見だな、俺の知ってる奴らは島に普通の町作って住んでたぞ」

ベルをならしても出てこないので、扉を押すと鍵は掛かっていないようだ。

「どなたですか?」

茶々丸が出てきた。エヴァンジェリンは風邪だそうだ。

「なんのようだクソガキが!」
「おいおい、出てきて平気なのか?」
「こいつに家の敷居をまたがせるよりましだ!!」
「よ、横島先生、まだ怒ってますよ」
「おおっ、そうだった、そうだった」

ネギには刑罰執行時に、エヴァンジェリンはもう怒りを鎮めるだろうと言ったが、休んでいたので話が伝わっていなかったのだろう。
まだ着慣れないスーツのポケットから、数枚の写真を取り出しエヴァンジェリンに差し出す。

「なんだこれは? 那波に、朝倉に…」
「ちっ、違うこれじゃない」

慌ててポケットにしまう。危なかった、今のは体操服のだからまだ良かった。
うっかり着替えのでも出していたら、更に煩悩全開用の写真なら最悪だ…

「何だ? 今のは?」
「あっ、ああ、お前の事を覚えてなかったのに反省してな、早く生徒の顔と名前を覚えようと思って持ってたんだ」

大嘘こいて、今度こそ正しい写真を渡す。

「コイツは?」

写真には自分の肩を抱いた少女が半泣きで写っている。チラリと目を一瞬ネギに向けエヴァンジェリンの耳元にささやく。

「学園は既にこの「謎の美少女ピチピチボンテージ」の噂で一色だそうだ。お前に渡す為あらかじめ撮っておいたんだ」

もちろん写っている少女に気付かれたりはしない。横島の隠し撮り技能は高い。
朝倉の写真にも肝心な所は『隠』れるようにしていたが、その前に証拠用に撮っておいたのだ。

「まさか、この少女!!」

少女の正体に気付いたエヴァンジェリンに、頷く横島。

「ありがとう、横島。やっとが気が晴れた。よくやってくれた」

うれしそうにそう言った後、横島の手を取りガッチリ握ってくる。よほどうれしかったようだ。

「ネギ先生、もう怒ってないよ。血はキッチリ貰うがね」

ネギに顔を向け、とってもうれしそうにそう言った。
久しぶりに真っ当に呼ばれたネギは、不思議そうな顔だ。

そこでエヴァンジェリンの気がゆるんだのか、ふらりと倒れそうになり慌てて支える。

「って、おい凄い熱だぞ!!」

すでに意識を失っているらしく、答えがない。
茶々丸によると花粉症も患っているという。ベッドのあるという二階に抱えて運ぼうとした所で、

「よ、横島先生これ…」
「あ゛」

落ちた写真を拾って見てしまったネギが半泣きになっていた。

「朝倉さんの写真も僕って分からないって、僕がこんな事したの他の人は分からないって、いってたのに…へうっ、う」
「いっ、いや、それだけだぞ。他にはない。一応証拠用に撮っといただけだからな、なっ」
「横島先生、マスターを…」

場が混乱する前に、ネギを茶々丸にまかせ(押し付けともいう)、エヴァンジェリンを二階のベッドに寝かせる。
どうフォローしたもんだろうか。いっそ癖にでもさせるかと考えながら一階に戻ると、

ネギが茶々丸に抱きついて泣いていた。


「茶々丸さん、いい人だ…」

扉が閉まる寸前にそんな声が聞こえた。
じゃあこっちは悪い人なのかとも思ったが、思い当たる事が無いでもないので黙って進む。

「では、よろしくお願いします」
「ああ、なるべく急ぐよ」

茶々丸とも別れ、アーティファクトの字を書き換え『加・速』して駆け出す。
茶々丸が薬をもらい、ネコのえさをやりに行くというので、自分の方が早いと病院の地図をもらって飛び出した。

この“イッショニユコウ”普通の文珠と明らかに特性が違う。

使っても消えない。これは前の時もそうだったが、今回は完全に消えないようだ。
次に使用回数、ストック最高6回、約12時間で一回回復。これは前回と比較しにくい。前回もその位使ったがその頃消えてしまった。
通常の文珠による『回』『復』でも一回分チャージできたが、これは状況により選択すべきだろう。
出力は単純に2個使うよりは高い。

それらを思い出しながら薬をもらってログハウスに戻ると、ネギがエヴァンジェリンのベッドに頭をもたれさせ寝ている。
看病していてつかれたのだろうか、しかし気配がおかしい。

「…まさか」


「ひ、ひいい〜!? 私の嫌いなニンニクやネギ〜!?」

夢のなかでエヴァンジェリンの悲鳴が上がる。

「こっ、これが父さん…」
「ム、ムチムチボディやないかエヴァンジェリン!!」
「って、横島先生!! どうやって夢の中に、僕の魔法なのに!」
「ひ・み・つ♪ 親父さん勝ってるやん。それにしても是非アドバンチュールを楽しみたいボディや」

もちろん文珠を使ってだが、そんな事は言わない。

「でも…、なんというかイメージが…落とし穴なんて」
「俺の世界での上司もこんな感じだけど、業界ナンバーワンて評判だぞ。あの人も最強って言えば最強な人だし」

ネギの顔にガーンとでも書いてありそうな表情が浮かぶ。
色々とヒーロー像とか憧れとかそんなものが崩れたのだろう。

横島は横島でひょっとしたらこの親父さんも脱税してたりすんのかなー、などと失礼な事を考えている。
彼には彼で強い奴=どっか変な奴、な認識がある。美神はもちろん、世界有数の実力なはずの貧乏神父やマザコンの友人が頭に浮かぶ。
自分もその一人な自覚はない。

夢は進む、

「に、ニセモノ、あのボディが幻術なんて詐欺やっ!! 詐欺やないか〜〜!!」
「どこに注目してんですか!!」

ネギの突っ込みが入る。学校は出たので、『自・制』がもう必要ないから横島は絶好調だ。
そしてエヴァンジェリンに登校地獄の呪いがかかり、

「エヴァンジェリンさん、ムチムチボンテージの呪いじゃなかったんですか!!」
「しらんかったんかい!!」

ネギのボケも入った。未だに知らなかったようだ。


「ハア、ハア。また…、この夢か、ん?」

自分の横にネギと横島が寝ている。しかも杖やら何かのマジックアイテムらしき物をもって。
理由の見当は付く。自分の夢を覗きやがったのだこいつらは。
どうやらこっちが目覚めたのに同調して起きそうだが、

「…ムチムチボンテージじゃ…」

その言葉で、

「氷爆!!」

もう一度眠りに付かせることにした。


夜の帳が下りたログハウスで、ようやく氷の溶けた横島とエヴァンジェリンが話しをしていた。
ネギはすでに帰している。
横島はエヴァンジェリンの夢を見て、その話をする決心をしていた。

「解呪出来るだと!! 本当か!?」
「ああ、ただそれで聞きたいんだがな…」
「なんだ?」
「俺がその呪いを解いてしまってもいいのか?」

何を言っているのだろうかこの男は。自分は15年もの間この呪いの解ける時を待っていたというのに。
だが横島は続ける。

「お前の夢でその呪いを掛けた奴の事好きだって、聞いちまったからな。まだ何か思う所もあるみたいだし」

横島は思い出す。エヴァンジェリンがネギを助けるような事を言った時を。
あれはまるで自分の呪いが解けるのを止めるようだった。

エヴァンジェリンの顔に一瞬の怒りが浮かび、悲しみが浮かぶ。

「やつは死んだ。10年も前にな…。呪いもいつか解いてくれると約束したのに…それも守れず…」
「!!」

繋がった、あのエヴァンジェリンの虚無感はこれだったのだ。
ネギは彼女から父の事を聞こうとしていたが、肝心のエヴァンジェリンは生存の可能性を知らなかったのだ。

「ネギの親父は生きている」
「ふざけるな!!」

小さい体なのに、胸倉を捕まれ押し倒される。涙を浮かべているが表情は完全に怒っている。
当たり前だ、自分だってルシオラで同じことを言われれば、同じような事をするだろう。
首がしまって息が詰まるが声を出す。

「行方不明になった後、ネギが会っている。アイツの杖がそのときの物証だ」

エヴァンジェリンに負けないよう、目に意思を込めて言葉を出す。

「本当…なのか?」
「ああ」

しばらくにらみ合ったあと徐々に首を絞める力がぬけ、表情も変わってくる。

「奴が…生きてる。フ、フフフそうか、生きているか。そうか。そうか。ハハハハ」

今度は泣きながら笑っている。しばらく止まりそうにない。
だが待っていてはいつまで掛かるか分からない。野暮と分かっているが声を掛ける。

「で、改めて聞くが俺が解いてしまっていいのか? いや、約束があるならなおの事だな。俺がネギの親父の呪いを解いてしまっても、いいのか?」

そう聞かれエヴァンジェリンは気が付く。
忌々しいとしか思っていなかった呪いなのにナギが生きていると知ったら…。あいつに約束を果たして欲しい、あいつがこの呪いを解いて欲しい。
これではまるで呪いどころか絆だ。

だが同時に悩む。生きているとしても、行方不明で10年は短くはない。探しに行きたい。自分の手で探し出したい。
今までならばいざ知らず、呪いが解けるならばそれも可能だ。ならばどうする。

「横島」
「決めたか?」
「ああ、あのガキを試す。あいつもサウザンドマスターを追っているんだろ?」
「試す?」
「あいつが不甲斐ないならお前が呪いを解いて私が追う。だが見込みが有るなら待たせてもらうさ」
「なるほど。お前の言ってたパートナー、俺と明日菜ちゃんがなっちまったけど構わないのか?」
「かえって丁度いい。お前もまとめて試させてもらうさ。明日だ、明日の夜まっていろ」

タイミングも丁度いい。明日の大停電なら全力が出せる。あの子供先生がこの闇の福音の目に適うのならば、それは傑作だ。自然と笑みが浮かんだ。


翌朝、ネギがクラスに入ると久しぶりにエヴァンジェリンがいる。

「ネギ先生」
「えっ、エヴァンジェリンさん!!」

昨日の事があるのか、ネギは腰が引けている。
横島はその時までネギには黙っていろと言われたので、黙って見ている。僅かに緊迫感が漂っている。

「昨日は世話になったな。例の件、今夜相手をさせてもらおう。楽しみに待っていろ」
「えっ!」「エヴァちゃんすっごーい!!」

ネギの声がかき消され、一瞬にして教室が嬌声につつまれる。魔法の事を出さず言っただけだが言葉がまずい。

「昨日世話になったって何かあったの?」「えっ」
「お礼に今夜、相手にですって。大人〜♪」「ええっ!」
「楽しみにって何やっちゃうきなのかな〜、お姉さんもいれて〜♪」「ええ〜っ!!」
「ちっがーう!! そういう意味でいったんじゃな〜い」「じゃあどういう意味?」「言えるかぁ!!」「あっ、やっぱり〜」
「横島先生!!あなたが付いていきながらなにをやっていたのですか!!」
「俺か? 俺が悪いのか? 畜生!! やっぱ子供でも顔が良い方が良いつーのかド畜生!!」

もはや緊迫感など全くないし、こんなんで収拾が付くわけなど、どこにも無かった。


夜、そして戦いの幕がひらく。


あとがき

今回少々短めです。
次回がエヴァ編のクライマックスでここで切ったのですが、
もう少しうまく量調整したかったです。
今更ながら前回とくっ付けたほうが良かったかなとやや後悔です。
今回はギャグの方がもっととばしたかった。難しいです。

感想ありがとうございます。
レス返しです。

>仲神 龍人さん
ネギは何時か誤解に気が付く日が来るのでしょうか。明日菜を相手にしたの気が付けば確かに思い浮かばないです。
自分でも気が付いてちょっと驚きました。
>wataさん
ルシオラのカードのアーティフェクトはまだ秘密です。ただ最近GS×ネギま結構あるのでかぶらないかびくびくしてます。
>アスナスキー
色々なクラスメイトいますから、これからの展開がんばって上手くやってきたいです。
>Iwさん
おおっ、ご指導助かります。本当に0から始めたので色々教えていただいて助かっています。
唇のみの所は仮契約はチェックがゆるい(それでも本当はスカカードのみですが)所と普通ない3人同時の事故という事でいけると解釈しました。
あとカモがほかにもあるけどめんどいと3巻でいってます。
>念仏さん
横島が万事うまくいくことはギャグでもシリアスでも早々ないですから。
ルシオラは上手く報われるよう書きたいです。
>米田鷹雄(管理人)さん
お手数おかけします。おつかれさまです。
改定も多くご迷惑おかけします。
>ヴァイゼさん
文珠はパワーバランス考えて一応セーブしました。それでも強いですが。
明日菜と仮契約確かに珍しいみたいです。今度よそ探してみます。
>宮本さん
今回うまくきれずちょっと短くなってしまいました。もっとうまく書きたいです。
オリジナリティーはむしろこっちが見習わせてください。あのアイデア凄いと思いました。
>HAPPYEND至上主義者
ネギを頑張って成長させたいです。がんばっていきます。
>八雲さん
アーティファクトは最初完全オリジナルだったんですが、こっちにして良かったと思ってます。そう言ってもらえてうれしいです。
>315さん
はい、頑張ります。今回短めなので、もうちょっと尺ながくしたいです。

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