インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「.hack//Dawn 第8話(.hackシリーズ+オリジナル)」

白亜 (2007-01-28 16:39)
BACK< >NEXT

 それが始まったのは何時の事だったのだろうか?

 その始まりはただの【神】と呼ばれる存在の気まぐれに過ぎない。

 それは与えられた者と、与えられなかった者の物語。

 ただの【神】の気まぐれが起こした実験に過ぎないちっぽけな物語。

 硝子の欠片のように、ただ【世界】に散りばめられた一つの物語に過ぎないのだから。


 ――さぁ、終わりの物語を始めよう。


 .hack//Dawn 第8話 幕開焉終・蒼炎激突


「あー、まったく面倒だな……」

「しょうがないさ。 俺達まだ学生だし」

 俺は周と一緒に学校から、帰る途中に夕暮れになった空を見上げてぼやいていた。

 既に俺が、この世界に来てから2年が経とうとしていた。 高校1年の時にやってきて、ザ・ワールドと出会い、今を生きている俺。

 ゲームの世界でありながら、俺にとって既にこの世界は紛れもない現実の世界になっていた。

 そんな俺や周に待っている行事。 それ即ちテスト。 ぶっちゃけ言えば、中間テスト。

 その中間テストが今日終わったのだが、俺達に安らぎはあまりない。

「だけどテストが終わっても、次は受験だよなぁ」

「まったくだ」

 このテストが終わった所で、俺達には受験生にとって休みはない。

 最近ザ・ワールドもやってないしなぁ。 受験生は辛いよ、マジで。

「お前はやってないもんな、【ザ・ワールド】」

「まぁな」

 周は意外にもザ・ワールドをプレイしていない人物の一人だ。 まぁ、全員が全員、ザ・ワールドをやっている訳じゃないから当然なんだけどな。

 俺は相変わらず、ヘビープレイヤーだし。 まぁ、ぶっちゃけ言えば、廃人の一歩ぐらい手前かもしれない。

 まぁ、いい。 今日はまだ無理そうだけど、明日は日曜だし久しぶりに繋ごう。 テスト期間でここ2週間ぐらい繋いでなかったからな。

 メールも結構溜まってるだろうな。 きてればの話だけど。

「じゃあ、俺はこっちだから」

「おう、また来週」

 俺は電車帰りの周と別れると、駐輪場に停めてある自転車に乗って、家に帰る事にした。

 今日はとりあえず寝ようっと。


 ■□■□■


「やっぱりメール溜まってるなぁ」

 メールの着信数は23。 ここ2週間で溜まったメールの数はそれなりに多かった。

 古いほうから一通一通呼んでいく。 ティーファやイルファ、更にはカールやアルフからも、パーティーの誘いなどのメールがあったが、繋いでなかったからどうにもならない。

「後で、侘びのメールでも書くか」

 今日は繋げたけど、まだ受験生。 そうそう繋げられる環境ではないのだ。

 他にはカズからこの前、スターレスとの事についての疑問が書かれたメールも届いていたし、他にも初心者案内をしてやった人達からもメールが届いていた。

 うーむ、こう見ると、結構俺のアドレスも増えてきたなぁ。

 次々とメールを見ていった後、残り2通のメールになった。 届いた日時は昨日の夜、オルカからのメールだが、俺がテスト勉強疲れで死んだように眠っていた頃だ。

 内容は……っ!?

「【ザワン・シン】!?」

 オルカから書かれていた内容は簡単、ザワン・シンの攻略を手伝ってくれないか、という内容なのだが。

 攻略に向かう時間は今日の朝……9時! って今は10時だ!! おせえよ、俺!

 ああ、そういえば、そうだったな。 バルムンクとオルカがフィアナの末裔と呼ばれる事になるイベントだ。

 これが起こったって事は、AIバスターの時期じゃないっけ。 もうほとんど覚えてねぇーや。

 ああ、くそ。 もし俺も参加していれば、フィアナの末裔の仲間入り?

 まぁ、やらなかったけどな。 三蒼騎士に俺は不要なのだから。

「後で、オルカ達にメールを書くか」

 連絡できなかった事の侘びと、攻略達成のおめでとうの言葉をメールで書こう。

 ふむ、最後のメールはついさっきだな。 昴からか。 また何か相談かね。 小さかった紅衣の騎士団も今ではかなり大きい組織になっていた。

 ギルドとかシステムがあれば、絶対有数の組織になってるだろうな。 今でもでかいけど。 しかしその分、団長である昴はかなり苦労しているようだ。

 こうして、俺に相談事のメールがたびたび来ている事がその証拠だな。

「ふむ、今日の11時半にマク・アヌの俺のホームでか。 昴もあんまり男の家に一人でほいほい入るなよなぁ」

 俺のホームには俺がいなくても登録したメンバーなら何時でも入れるように設定してある。ぶっちゃけ言えば、合鍵を渡しているようなもんだ。

 だからか、昴は結構俺のホームを利用しているらしい。 しかし昴のファンクラブの人間に何時か後ろから刺されるかすげー不安なんだけど。

 っていうかクリムはどうした昴?

「まあ、考えてもしょうがなか」

 それよりも、彼女との約束を守らないとな。

 俺はFMDを装着すると、久しぶりのザ・ワールドへと、ログインした。


 ■□■□■


 reverse/アルビレオ

「オルカや……バルムンク! 彼等のような、素晴らしいプレイヤーが生きるこの、【世界】を守るためには、どんな、ささいなバグも見逃す事は出来ない!」

「わたしを……消すの?」

「消す」

 聖堂に3人の人間が居た。

 魔女っ子のようなPC、槍を構えたPC、そして赤い服を着た少女の3人である。

 槍を構えたPC――アルビレオは赤い服の少女であるリコリスに槍の矛先を向けた。

 彼、アルビレオはCC社の人間である。 ひょんな事から、リコリスと出会い、魔女っ子――ほくとと出会い、ここまで【イベント】を進めていた。

 だけどそれはバグ。 リコリスはCC社が用意したNPCなどではない。 不正規で発生した放浪AIである。 そしてアルビレオはそれを削除する側の人間であった。

 だから消す。 3日前に逃がした放浪AIを消すべくその槍を向ける。

「やめてよアル!」

「駄目だ。 ここで俺はこの【イベント】を終わりにする」

「……わたしには会いたい人がいる」

「何?」

 突然、喋りだしたリコリスに、アルビレオは驚きの表情を交えながらリコリスに顔を向けた。 ほくともリコリスを見る。

「わたしは会わなければならない人がいる。 もう一つの意志を止める為に。 それが失敗作であったわたしの役目」

「もう一つの意志? 失敗作?」

 ほくとが呟くが、意味が分からない。

 会いたい人とは誰だ? そしてもう一つの意志とは?

「何を……言っている」

「この世界には意志がある。 知っているでしょうアルビレオ。 ザ・ワールドにある日突然、知らないプログラム追加されたり削除されている事を」

「……っ!」

 リコリスの言葉にアルビレオは驚きの息を漏らす。

 彼女が言った事はCC社の最高機密の一つであった。 CC社内部でもアルビレオのようにザ・ワールドの製作に関わった事がある人間や上層部しか知らないミステリー。

 まさかそれを目の前にいる彼女が知っているとは思わなかった。 いや、考えて見れば、ザ・ワールドは可笑しい事だらけなのだ。

 バグ修正の為に何故、CC社側の人間もログインしなければならない? 何故突然、【神槍ヴォータン】のようなデバックアイテムが追加されるのか?

 作った側の人間ですら、その謎が分からないのだ。

「どうして……それを君が知っている!?」

「この世界には神がいる。 それが【モルガナ・モード・ゴン】よ、アルビレオ」

「何……?」

「それが【神】の名前。 ハロルドが作ろうとした【内なる世界】に潜むもの。 顕在するもの。 貴方にその【槍】を授け、わたしの居場所をメールして消そうとした」

「モルガナが君を消そうとした?」

 もう訳が分からなくなり始めていた。

 このザ・ワールドに神が存在する。 そしてハロルド。

 それはザ・ワールドの基本システムをたった一人で作った男。 そして今は行方が分からなくなっている人間の名前――ハロルド・ヒューイック。 まさかその名前がリコリスから出てくるとは思っていなかった。

「そう、わたし、は母からも父からも、誰からも望まれなかった子」

「【ザ・ワールド】に顕在する……その、モルガナという存在が……リコリス、君を消そうとしていた? 俺は……このアルビレオは、モルガナの走狗だと? では、リコリス、君は……」

「わたしは、あなたではない、モルガナ。 そして【もう一つの意志】から逃げていた」

「【もう一つの意志】?」

 先程の話をまとめると、この【世界】における神のような存在はモルガナらしい。

 だが、もう一つの意志とは一体なんなのだろうか?

「そう。 わたしにもわからない。 だけどこの世界を蝕む【もう一つの意志】」

「……それは一体……?」

「わからない。 だから会わなければならない人がいる。 会って渡さなくてはいけない物がある」

「……」

 その言葉を聞いて、アルビレオに迷いが生じていた。

 CC社のデバッカーの一人として、バグである彼女を削除しなければないらない。 だが、本当に削除しなければならないのか?

 ――俺はどうすれば……!?

 アルビレオが目を伏せて、思考の海に入りかけた時、声が聞こえた。

『まったくいい加減、消えてくれないかしら』

「アル! リコちゃん! 祭壇の上!」

「何!?」

 今まで静観していたほくとの叫びに反応して、アルビレオが祭壇の上を見上げると、そこには【何か】がいた。

 いや、わかっている。 そこには一体のPCが佇んでいた。

 継ぎ接ぎだらけの赤い服。 禍々しい三つ叉の刃の双剣を構えたPC。

 それはCC社がプレイヤーの外装として用意してある双剣士の姿であったが、

 ――赤なんて俺は知らないぞ。

 製作に関わっていたアルビレオは知っている。 あのタイプのPC外装に赤色はなかった。 さらに言えば、服の継ぎ接ぎもある訳がない。

 と、なればチートキャラか。

 しかし、さっきの唐突に聞こえてきた声が謎であった。

 ログに聞こえてきた声のテキストがない。

 しかし、そんな事を考える余裕がなくなった

「さっきの声は……ぐうっ!?」

「ハアァァァァァ!!」

「アル!」

 謎のPCがアルビレオに襲い掛かってきたのである。

 その一撃は重槍使いであるアルビレオであっても重い一撃であった。

「下がっていろ、こいつは普通じゃない!」

「わ、分かった! リコちゃんこっち!」

 謎のPCに応戦するアルビレオの横で呆然としていたリコリスの手を取って、後ろに下がるほくと。

 だが、見た感じ、アルビレオの顔は苦悶に満ちている。

 そして、

「ガアアア!!」

「ぐうっ!?」

「嘘!? アル!!」

 謎のPCの一撃がアルビレオは吹っ飛ばしたのである。

 そんな光景を見て、驚愕の表情を浮かべる事しかほくとには出来なかった。

 アルビレオは強い。 このザ・ワールドでも最高クラスの高レベル保持者の一人の筈だ。

 だが、そのアルビレオは容赦なく吹き飛ばされたのだほくとが驚くのは当然であった。

「ま、まずっ!?」

 ほくとのレベルはまだ一桁である。 あの高レベルであるアルビレオが吹っ飛ばされた相手に叶う筈もない。

 だが、アルビレオを吹き飛ばした謎のPCの視線の先はアルビレオでもほくとでもなかった。

「まさか、こいつリコちゃんを狙ってる!?」

 どうしてリコリスを狙うのか? ほくとには分からなかった。

 だが、守らねばならない。 何か本能がそう叫んでいた。 そしてもう一つ、本能が叫んでいる。

 あれと相対するべきではない、と。

 しかし逃げる事はない。 否、逃げる訳にはいかないのだ。

「ほくと……」

「安心して、リコちゃん。 私が守ってあげるから!」

 もちろんそれが強がりである事は、リコリスにもほくと自身にも分かっていた。

 アルビレオが叶わない相手に自分が叶う筈ないのだから。

「ちいっ!」

「……っ!」

 だが謎のPCが襲い掛かる前に、先程、壁際まで吹き飛ばされたアルビレオの槍が襲い掛かる。

 だけどそれはあっさりと三つ叉の剣に受け止められてしまう。

「アル、大丈夫なわけ!?」

「ああ」

 ほくとは慌てて、アルビレオのライフ状態を確認。 すぐさま自分の手持ちの回復アイテムを使用して回復させる。

「ごめんなさい。 巻き込んでしまって」

「こいつが、【もう一つの意志】か?」

「多分」

「なら、逃げる訳にもいかんか」

 モルガナに【もう一つの意志】。 正直な話、それらが何を考えているかは分からないが、今はこいつを倒さなければならないと、直感的に悟っていた。

「ほくと。 俺のアイテムを全部君に渡す」

「な、なんで?」

「俺はあいつを相手にしなければならない。 アイテムを使えるだけの余裕があるか分からない。 だから俺のHPは君が回復してくれ」

「わ、わかった。 アルのHPを回復しながら、適当に援護すればいいのね」

「ああ」

 ここで逃げる事は許されない。

 あれは間違いなく倒さなければならい敵なのだから。

 reverseout


 ■□■□■


「こんなもんでいいか?」

「はい。 ありがとうございます、サイリス」

 俺は昴の相談をホームで受けていた。

 どうやら紅衣の騎士団に所属する人数が増えてきて、うまくいってないらしい。

 チートプレイヤーなどの取り締まりも過激になってきている。 それらが昴の悩みの種らしい。

 何か解決方法はないかと、俺に聞いてくるのだが、俺自身も頭を悩ませている。

 まぁ、思いつきを幾つか話してやると、昴は少し納得した表情になってくれた。 ああ、大きすぎる組織の頭って辛いのね。

「さて、これから……ん、ショートメール?」

 メールの着信音が俺の耳に届く。 どうやらザ・ワールド専用のショートメールらしい。 誰かパーティーの誘いかと思って開いたのだが、

「なんだ、このメール。 文字化けしてるぞ」

 そうなのだ。 宛名も内容も文字化けが酷い。

 えーと宛名は『リコ#$』? んー、なんか引っ掛かるな。

 リコ……リコ……? ………………リコリス?

 AIバスターに出てきたあの【リコリス】? なんでそんな子からメールが?

 とりあえず内容を確認。


『助@=! ¥+は、・−ア【Δ 隠>”) 禁=の #&】』


 この一文な訳だが……。 最初は……んー、【助けて】、 かねぇ。 ……ってええ!? なんで助けて!?

 エリアは多分だけど、あの場所に違いあるまい。 具体的な内容は忘れてしまったが、俺にヘルプを求めるような事は起こらん筈だろ。 ってかなんでリコリスは俺のメールアドレスを知ってるんだ!?

 ってちげぇよ! これってつまりイレギュラーな事か!?

「だとすれば、俺はどうすればいい」

 関わらないと決めた。 あくまで第三者として終わらせるつもりだった。

 だけど、イレギュラーが現れ、俺に【何か】を託す者も現れた。 ならば、何かしなければならないのではないか?

 【俺】は関わりたくない。 だけど【サイリス】は関われと、【俺】を呼んでいるような気がする。

「くそくそくそくそ!」

「サ、サイリス!?」

 なんてフザケタ性格だ。 なんて損な性格だ。 関わらなければ何もなく過ごせるのに。

 だけど、【俺】は【サイリス】だから。 だから困っている人をほっとく訳にはいかない!

「すまん、緊急事態だ。 誰かが助けを呼んでる」

「ええっ!? ど、どういう事ですか!?」

「関係ないかもしれない。 だけど関係あるかもしれない。 まだ俺にはわからない。 だけど助けに行かなかったら絶対後悔する。 だから行かなくちゃいけない!」

 そうだ。 ここで【サイリス】に助けを求めているリコリスを見捨てたら絶対に後悔する。

 そんなのは勘弁だ。

「分かりました。 なら私も付いていきます」

「そうか。 ……ってええ!?」

「今日は紅衣の騎士団の仕事はサボタージュしますから大丈夫ですよ」

「いや、そういう問題か……って言ってる暇はないな。 ならパーティーに誘う」

 昴は意外と頑固だ。 言い出したら断ってもきっと付いてくるだろう。 ならパーティーになっていたほうが何かと動きやすい。

 ショートメールでパーティーに誘うと、俺はすぐにホームを飛び出した。 昴はついてきてくれるだろう。 ホームのドアは気にしない方向で。

「それよりサイリス。 場所はわかってるんですか」

「ああ。 文字化けしてたけど、分かる。 場所は」


 ――隠されし 禁断の 聖域だ。


 ■□■□■


 reverse/ほくと

「ちぃっ!」

 アルビレオと謎のPCの戦いは激しさを増していた。

 連続して槍の攻撃を叩き込むアルビレオに対して、謎のPCは仕様にない禍々しい双剣を巧みに操って、彼の攻撃を凌いでいた。

 ほくとの目から見て、完全にアルビレオは押されていた。

 攻撃力が高い筈の重槍使いの攻撃をあっさりと凌いでいく謎のPCの強さは一体なんなのか?

 あきらかにレベルが違う。

 ほくとはHPが減るたびに、アルビレオに回復アイテムや補助アイテムを惜しみなく使っていくが、それも湯水のように減っていく。

 ときおり、アイテムや自分が使える呪紋を放つが、あまり効果は期待出来そうにない。

「ああ、これじゃあ負けちゃうじゃない!」

 相手の残りHPはわからないが、あきらかに全然余裕がありそうだ。

 このままでは回復アイテムがなくなってアルビレオのHPが0になるほうが早いだろう。

「【月のタロット】! 【吊り男のタロット】……って全然効果ないし!」

 少しでも出来る事をやっていくが、まったくもって効果はない。

 そしてついにアルビレオが再び吹き飛ばされた。

「アル! ひっ!?」

 謎のPCの生気のない目を見て悲鳴をもらすほくと。

 これがデータだと分かっていても、あの目は素直に怖い。

 そしてこの状態は大ピンチだという事に気がついた。 アルビレオは吹き飛ばされているのだ。 謎のPCがこちらに来るのに妨げになる存在がいないのだ。

 それはあきらかに致命的な隙であった。

「くそっ! 逃げろリコリス! ほくと!!」

 アルビレオが叫ぶが既に遅い。

 謎のPCはその素早い動きでほくと達に迫る。 もう逃げられない。

 ほくとはリコリスを抱きしめて、目を閉じる。 次に襲い掛かる衝撃から身を守るように。

 だけど、衝撃はこない。 ほくとが恐る恐る目を開くと、

「えっ……?」

「まったくなんでこいつが……!」

 全身コートのようなものを身につけたPCが巨大な剣――【あの日の見た夢】で謎のPCの双剣を防いでいた。

「いるんだかなっ!」

 大剣で謎のPCを力任せに容赦なく吹き飛ばす。

「よう、なんで俺を呼んだかは分からない。 君が俺に何を期待しているかは分からない。 だけど助けにきたぜ」

「ありがとうサイリス」

 ほくとに抱きしめられていたリコリスが微笑む。

「【暗黒神話の巻物】!」

「……ガぁ!?」

 気がつけば、重剣士の他にも見覚えがある重斧使いがそこにいた。

「援護は任せてください」

「さぁ、相手になるぜ! 【三爪痕(トライエッジ)】!!」


 ――今、終わりの物語が開幕する。


続・あとがきっぽいもの
AIバスター編。 いきなりな展開ですが、主人公をフィアナの末裔にする訳にもいかないので、関わらせない方向で進めたらこんな展開になった。 何故に?
次回は完全バトル一本でやりたいと思います。


レス返しだと思う

・麒山悠青さん
カズとの遭遇は今後の伏線。 というか.hackersとの遭遇フラグだったり。
畳は完全に趣味。 いや、ザ・ワールドなら出来ると思ったんで。

・SSさん
伏線張りすぎて、回収出来るか謎(駄目ジャン
時間かけて最後までやりたいと思うので頑張りたいと思います。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

yVoC[UNLIMIT1~] ECir|C Yahoo yV LINEf[^[z500~`I


z[y[W NWbgJ[h COiq O~yz COsI COze