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▽レス始

「妖使い!?横島の生活! 第六話〜出会って分かれて×2大変子猫〜(元ネタ GS+おまもりひまり)」

ハルにゃん (2007-01-24 11:36)
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突然の爆発に驚いた生徒達は何事かと思い教室のドアから廊下を覗いてみる。
するとそこには額に”式”と書かれた特撮の怪人みたいなのが廊下の窓を破壊していた。
こいつの正体は六道学園霊能科御用達の簡易式神なのだが,
普通科の上に新入生である横島たちにはわからなくて当然だ。
それよりも問題なのはなぜその式神が校舎を破壊するのかである。

「なんだありゃ!!仮面ラ○ダー!?」

「新手の歓迎会に違いないわ!!」

「ドッキリか!?カメラ探せカメラ!!」

「カメラなら右から撮ってよ!私、右からの方がカメラ写り良いんだから!」

生徒たちはすでにパニックで訳のわからない事を叫び続ける、案外余裕ありそうに聞こえるがパニックったらパニックだ。

「やべぇ、緋鞠!なんなんだアレ!?」

「正体はわからぬが友好的ではなさそうじゃな」

緋鞠は戦闘力は高いが分析能力などはそれほど高くない。
ましてや現代の先端霊能技術の事など知る由もないので、 あれの正体が紙などとは思いもしなかったのだ。

「とにかく片付けた方が良さそうじゃな! 下がっておれ!若殿を狙う妖やも知れぬ」

もしそうならこのままでは大変な事になる。
一刻も早く退治すべきだろう。

「お、おう!怪我すんなよ!」

そう言って横島は他の生徒たちを危険の少ない場所へと誘導する。
度重なる危険な除霊作業により、横島は一般の生徒達よりも肝が据わっているのだ、もちろん望んでの事ではないのだが。

「ゆくぞ妖!!我、刃向けるは妖のみ。
我、斬り伏せるは妖のみ!!
慣れぬ都会で溜まっておるのでな、悪いが加減できぬ」

そう言うと緋鞠は式神に突進していく。
調度その頃、
理事長室では全身の8割は目なのでは?というほどでっかい一つ目を持つ、握りこぶしくらいの大きさの何かを頭に乗せた理事長、
六道 冥奈が除霊科の教師と何やら話しをしていた。

「あれが野井原の緋剣ですか?」

「そうよ〜レベル400の式神でも〜力不足だったかもしれないわ〜〜」

実はあの式神は理事長がけしかけた緋鞠と横島の腕試し用のものなのだ。
冥奈は六道学園の理事長であると同時に六道家の当主でもある。
そして冥奈が当主に着任してまだ間もない頃に、
当時、全盛期であった横島の祖父を六道家にスカウトした事があったのだが、
その時は取り付く島もないほどあっさり断られてしまったのだ。
だが、あの時に見た六道家に代々伝わる式神の戦闘力をも凌駕しそうな横島の祖父と野井原の緋剣、
すなわち緋鞠の母の除霊は今でも彼女の目に焼き付いている。
だから横島と緋鞠に目を付け、今度は確実に篭絡しようと考えたのだ。
その為に本来なら採点するまでもなく不合格になるはずだった横島を、
自分の一存で合格にして六道学園に入学させた。
あの人達の孫ならば間違いなく逸材だと思ったから。
冥奈は前から横島に目を付けていたが、接触するのはまだまだ先、
早くても彼が社会人のなった頃にしようと思っていた。
霊能に目覚めるのは早ければ早いほど良いのだが、
早いうちに攻めても警戒されるだけだろう。
逆に言えば警戒されない方法さえ考えれば、いつ接触しても良かったのだ。
だからこそ横島自ら六道学園に願書を出してきたのは本当に幸運だったといえよう、
おかげで学生の頃から警戒される事無く、横島を鍛える事ができるのだから。

「でも〜思ってたより〜強くないわ〜?」

なんで〜?と頭の上のクビラが映す映像を見てみると緋鞠は割と苦戦していた。

ビュッ!!
キンっ!

「くっ、こ奴強くはないが無駄に硬い…!」

簡易式神はそのケント紙の種類や術者の意図によって様々なタイプが出来上がる。
人型の格闘タイプやら、 鮫型の強襲タイプやらだ。
そして紙のレベルによってその強さが変わってくる。
どうやらこの式神は人型で硬さに特化したタイプらしい、しかもレベル400である。
だいたい六道学園の1年生が使う式神のレベルは80〜150くらいだ、
3年生でも250〜300までいけば御の字といった感じである。
ならば400とはどのくらいかというと、見習いを卒業したてのGSが苦戦する程度だろう。
緋鞠にとっては本来、大して手こずるような相手ではない。
だが冥奈が意図した訳ではないだろうが硬い相手は刀が武器の緋鞠には相性が悪かったようだ。

ザリュ!!
ズバ!
ガキーン!!

「ダメじゃ!傷一つ付かぬ!」

試しに同じ箇所を何度も斬り付けてみるが結果は同じ、 いっこうに傷付く気配がない。

「お、おい大丈夫なのか!?」

横島が叫ぶが戦闘に集中している緋鞠には届かない。

「そっか〜横島君が〜供給してないのね〜?こうしちゃいられないわ〜〜」

理事長室の方では冥奈が相変わらず間延びした口調でそう結論付けた。
聞いていた教師の方はなんの事だかわからなかったので理事長室を出ていく冥奈を黙って見送る。
霊能科の教師といえども全員がスペシャリストという訳ではないのだ。
中には彼のような一般人もいる。
彼の仕事はここで生徒に危害が及ばぬよう見張り、必要ならば結界を作動させる事だけだ。

「緋鞠、一旦逃げろ!戦術的撤退だ!!」

「くっ!承知!!」

そう言うと緋鞠は懐から破魔札を取り出すと式神に投げ付けた。
その際、チラリと見えた桜色のナニかに反応した何人かの男子が吠えたが横島が黙らせる、本人も鼻から赤いものが出ているのは気のせいに違いない。

ゴウッ!

煙りで身を隠した緋鞠は一旦教室へと逃げ込み戸に結界を作る。
これでしばらくは平気だろう。

「大丈夫だったか?」

「うむ、心配はない。」

「あいつそんなに硬いのか?見た目じゃわかんねーけど……」

「硬い、まるで岩を斬っているようじゃ」

そう言うと緋鞠は安綱を取り出す。
鞘に納まりきらず、鍔の辺りが抜き身の状態になっている。
刀は硬い物を斬り付けるとしばらく、曲線だった刀身が延びて鞘に納まらなくなるのだ。

「何か対策を練らねばならぬな……」

「対策っつっても硬いもん斬る方法なんてなぁ…」

「絶対的に妖力が足らぬのじゃ…」

緋鞠は単に敵を斬り付けている訳ではない。
もちろん安綱の霊刀としての霊力もあるが、そこに緋鞠自身の妖力を上乗せして斬り付けているのだ。
じゃないと実体のない悪霊など斬れるはずがないのだ。
今回はその妖力を式神の硬度に特化した霊力が上回っているという訳である。

「そうね〜緋鞠ちゃんの〜妖力が上がれば〜勝てるわ〜〜」

「「!?」」

いつの間にか理事長が教室に現れていました。

「どっから来たんスか…?」

「この子に〜連れてきて〜もらったのよ〜〜」

そういえば妙な虎っぽい動物(?)にお嬢様座りをしている。
なんでもこの虎、”メキラ”の特殊能力は瞬間移動なのだそうだ。

「それより緋鞠の妖力が上がればってそんな簡単に上がるもんなんですか!?」

それはそうだ、妖力や霊力が簡単に上がるなら誰も苦しい修行などしないだろう。
ってゆーか冥奈がアレを退治してくれるのが1番手っ取り早いのだが、
娘から借りた式神は戦闘向きではないクビラとメキラだけなのでできないと言われてしまった。
その娘さんは今日は仕事なので不在だという。

「やはり私がやるしかないようじゃな…、理事長殿、策があるなら伺おう」

そう言って緋鞠は冥奈に向き直る。
今でも冥奈に対して嫌悪感はあるのだがこの非常事態にはそうも言ってられないようだ。

「そうね〜頑張るのは〜緋鞠ちゃんじゃなくて〜横島君よ〜〜」

「は?俺は単なる素人っスよ!?」

「そんな事ないわ〜今〜あなたからは〜緋鞠ちゃんに〜目に見えないラインが通ってるの〜」

ほら〜と言ってクビラの霊視光線を緋鞠と横島の間に当てると確かに光る糸のようなものが通っている。
冥奈の話しによるとこれは”妖脈”といって横島家特有の能力だという。
この糸で繋がった横島家の者が修行などで霊的成長をすれば太くなるらしい。
糸が繋がる条件は複数あるが、その辺は横島家の人に聞いた方が良いと言う。
とにかく、この糸が繋がった妖怪に霊力を供給し、一時的に戦闘能力などを高める事ができるのだそうだ。
供給できる霊力は糸の太さに比例して増していくそうだが、そもそも横島には供給の仕方がわからない。

「この糸を〜自分の一部だと思って〜血が通う所を〜想像してみて〜〜」

そう言われた横島は想像してみた。

「んぅ…あっ…」

「ブッーーー!?」×10くらい

突然、艶っぽい声を発して身もだえた緋鞠を見てクラス中の男子が鼻血を吹く。もちろん横島もだ。
しかし今回はそれがいけなかった。
どういう訳か横島が鼻血を吹いた瞬間に妖脈が綱引きの綱くらいの太さに膨れ上がったのだ。

「あぁ…!なにか強く…」

緋鞠が悶える、妖脈が太くなる、また緋鞠が悶える。

「や…やめるのじゃ若殿…それ以上…は…ああんッ!」

ブワァァァ!!!

緋鞠が達した(?)と同時に教室が軋むほどの妖力が吹き荒れる。
顔を赤くした緋鞠は物凄いスピードで多数の屍が横たわる教室を出ると、
再びさっきの式神と対峙する。心なしか息が荒い気がするがおそらく身体から溢れ出る妖力のせいだ!

「こ…今度はさっきのようにはいかぬぞ!」

そう言うと緋鞠は居合いの構えをとる。顔は上気して、若干内股気味だが問題はないだろう。

チャキ…
スパッ!!!!

「にゃ!?」

あれだけ苦戦していた相手に今度は豆腐でも斬るかのようにあっさりいってしまった。
あっさりいきすぎて逆に緋鞠が体制を崩すほどの抵抗感の無さである。
さっきの硬さがまるで嘘のようだ。
真ん中から斜めに真っ二つになった式神は元のケント紙に戻るとそのまま四散する。
呆気に取られた緋鞠は一先ず教室に戻った。

「すげぇな緋鞠!これならどんな奴が相手でも平気だな!!」

鼻の下に赤いものを付けながら横島がグッジョブ!といろいろなものを含んだ労いの言葉をかけてくれるが緋鞠としてはいろいろと問題がある。

「…理事長殿さっきのあの妙な感覚はなんじゃ…?」

あの感覚の正体がわからないと、この技は永久封印する他ない。
最初は少しボゥとする程度だったのだがしだいに大量のナニかが来た時は一気に昇りつめて(?)しまった。

「あれは〜二人とも〜まだまだ未熟だからよ〜〜」

そう言うと冥奈は説明を始める。
なんでも、あの感覚は霊的繋がりがある者同士ならよくある事なのだそうだ。
例えば、物理的にも霊的にも不可能だろうが人と人が融合できたとしたらシンクロの度合いによって、意識が溶け合い、性的興奮に似た感覚に捕われる。
今回の緋鞠と横島は融合とは違うが繋がりという面で似たようなものなので、
流れ込んできた霊力が性的興奮に変換されてしまったのだそうだ。
修練しだいで慣れていくので気にする必要はないと言われた。

「しかしなぜいきなり糸が太くなったのじゃ…?」

「それは〜おばさまにも〜わからないわ〜〜?」

確かにあの時、突然糸が太くなったが今は元の糸サイズに戻っている。
いや、最初よりも若干太くなっているように見えるが微々たるものだ。
何かした〜?という視線をこの場の全員が横島に向ける。

「い、いや俺はただ、いきなり喘ぎだした緋鞠に興奮して……
ってゆーかもう辛抱たまらん!緋鞠!俺を漢にしてくれ〜〜〜!!!!」

ゴスっ!!

「場所をわきまえぬか!!不埒者!!!」

突然飛び掛かってきた横島のアゴに見事なアッパーカットを入れた緋鞠は先行きに不安を覚える。
場所が良ければ良いのだろうか…?

「横島君〜あなたは〜霊能科に〜入らない〜〜?」

「はい?」

何事もなかったかのように緋鞠のアッパーから立ち直る横島は頭にハテナマークを浮かべている。

「横島君は〜修行しだいで〜優秀な霊能者に〜なれるわ〜〜
だから〜うちで〜鍛えてあげる〜もちろん特待生よ〜〜
それに〜普通科だと〜緋鞠ちゃんは通えないでしょ〜〜?」

これは考えるまでもないほどの好条件だ。
金がいっさいかからない特待生な上に霊能科なら緋鞠は横島の式神とかなんとかいう名目で一緒に通える。
だが美味しい話しには裏があると相場は決まっている。

「なぜ若殿のためにそこまでしてくれるのじゃ?」

「優秀な子を育てるのは〜先人の務めよ〜〜」

威圧を加えた緋鞠の問いに、冥奈はいつもの微笑みを浮かべてよどみなく答える。

「そ、それじゃあよろしくお願いします、何からなにまでスンマセ…ん?」

話しがきな臭くなり始めたので慌てて取り繕う横島だが、そこである事に気が付いた。

「そういえばなんで俺や緋鞠の名前知ってるんスか?バスの中でも言われたような……」

「あら〜六道家当主が〜鬼斬り役十二家を〜知らない訳ないじゃない〜〜」

それにも冥奈はのほほ〜んと答える。
六道家当主だからという理由だけにしては知りすぎているようにも思うが…妖脈とか野井原の緋剣とか……
しかし元々それほど頭の回る方ではない横島は気づかずに、そういうもんなんかぁと納得してしまう。
緋鞠の方も世情には疎く、
他に横島のそばにいる事のできる方法はないので文句はない。
いや、ない訳ではないのだが、どうしようもないのだ。

「それじゃあ〜教室に行きましょう〜〜」

こうしてなんだかなし崩し的に霊能科への編級が決まってしまった。

霊能科の教室、1年B組に到着して中を見てみるとやはりさっきと同じような男女比だった。
冥奈はそこの担任に事情を説明すると担任は2、3回頷いて生徒たちに向き直る。

「突然だが編入生だ、仲良くするように」

それから軽く横島達について説明すると担任はクイっと合図を送る。
眼鏡をかけたクールな知的美人という感じだが少し怖い…
しかしバストサイズは緋鞠をも上回っているだろう。
それを見た横島は求愛しようと思ったのだが、隣にいる緋鞠がわき腹に尖ったなにかを押し付けているのでおとなしく自己紹介開始だ。

「つー訳で入学早々編級(?)してきました横島 忠夫っす。
よろしくお願いします」

「若殿の護り刀、野井原 緋鞠じゃ」

二人が自己紹介を終えると歓声が上がる。主に男子だ…

「野井原さん最高っ!!」

「結婚を前提としたお突き合いを是非!!」

「運命の赤い糸って信じてますか!!?」

横島達の入学初日はまだまだ終わりそうにない……


とぅーびーこんてぃにゅー


あとがき
こんにちはハルにゃんです。
昨日は失礼しました。
どうやら眠さによりファイルシーク経由で修正を加えてしまったのが原因かと思います。
今後はこのような事のないよういっそう努力しますので、どうかお見捨てなきよう、お願いします。

さて今回理事長の企みが明らかになりました。
横島を鍛えて六道家に取り込もうと企んでいます。
この辺は大方の予想通りかと思うんですがどうでしょう?
捻ったのは過去に横島祖父と面識があった事などですが、これを予想できた方は凄いです。
ホントは今回で入学編は終わらせる予定だったのですが終わりませんでした……次回は終わらせます。
おかしいです、妖脈にあんな桃色設定を付ける予定はなかったのですが…
同期合体でとろける〜な横島を見ていたらいつの間にかこんな感じになってしましました……。


それではレス返しです。

○Iota様
レスありがとうございます。
私はあの雑誌、ひまりしか読んでいないのです…ひまりだけ切り取ってあとは友達にあげっちゃってました……
かりん?メイドガイ?来月は読んでみようと思います。
ご期待に添えられるよう頑張りますぼでこれからも応援よろしくお願いします。

○スケベビッチ・オンナスキー様
レスありがとうございます。
ALMA…懐かしいです。ありふれた〜言葉〜懐かし〜すぎて〜♪って感じです(ぇ
ゲーム買って友達の家に三日ほど泊まり込んでやりました。
フルスロットルな妹さんに何度癒され、ツンデレな同級生に何度泣かされた事か…
いつかALMAからもゲスト的な扱いで登場させてみたいとも思うのですが、一人あからさまに緋鞠と被っちゃうキャラがいるんですよね…まぁそんな裏事情はおいといて、
おばさまの企みはこんな感じでした、予想通りでしたか?
ご期待にこたえられていたら嬉しいです。

○G様
レスありがとうございます。
<下手したら横島二重苦じゃなく三重苦?
うっ!鋭いです…ですが仕事の方で苦労するのはむしろ緋鞠なのです。その時におばさまへの嫌悪感の正体がわかります。
栗毛の子はもー少しあとからの登場ですのでしばしお待ちを。
愛子…愛子はどうしましょう…?六道にも七不思議とか学校妖怪とあるんですかね〜
昨日のレスも読ませていただきました。
これからもビシバシ鍛えてくだされば嬉しいです。

それではレス返し終了です。

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