インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「妖使い!?横島の生活! 第五話〜新たな季節に戸惑い子猫〜(元ネタ GS+おまもりひまり)」

ハルにゃん (2007-01-23 01:00)
BACK< >NEXT

4月、それは短かった春休みを終え、新入生や新社会人が期待とちょっぴりの不安を胸に、新しい生活を始める月。
もちろんこの物語の主人公たる横島も例外ではないのだ。

「つー訳で美神さん!
俺明日は入学式なんでバイト休ませてくださいね!!」

「却下、式終わったら直で来なさい」

なんというか一刀の元に切り捨てられたという感じだ……
今日の仕事を終えた美神たちは一端事務所に戻り、
突発的な依頼に備えて待機しつつ報酬である現金を恐ろしいほど眩しい笑顔で数えたり、
相棒の少女とどこから持ち出したのか将棋を指て負け続けたりしていたのだが、そろそろ横島たちの帰る時間が近づいた時に美神に尋ねてみると清々しいほど明確な解答を得てしまったという訳だ……

「入学式の日まで仕事なんすか!?」

「当たり前でしょ?春は変な奴と一緒に変な霊も出やすいんだから」

「え〜と、明日は…
新築マンションに大量に出る悪霊の退治っていうのがありますね」

「それはしんどそうじゃなぁ」

すかさず幽霊巫女のおキヌちゃんが仕事内容を教えてくれた。
新人いじめも無く、仲良くなって実に結構。まぁ入社は一日しか違わないのだが……

「うぅ…入学初日くらい休ませてくれたってえーやないか〜〜!」

横島たちが美神事務所に加わってから今日までに果たした依頼はすでに10件もあろうかという数だ。
美神の実力と緋鞠の助力のおかげで依頼はおもしろいほど簡単に終わる。
それに味をしめた美神は片っ端から高額依頼を受けては完遂してきたのだ。
まぁ中にはどこぞの女子校で緋鞠が「おねーさま〜」とかいいながら追い掛けてくるファンを作ったり、
美神が昔持っていた人形のせいで500円の依頼を受けさせられたりもしたが他はたいした問題もなく片付いたのだ。助手の疲労は推して知るべしだが……

「その変わり今日はもう上がって良いわ、お疲れ様」

「はぁ…わかりました、お疲れ様っス」

「むっ!待て若殿!あと少しなのじゃ!!」

ハタハタと手を降る美神を恨めしげな眼で見ていた横島だが諦めたのか、
ため息をつくと神の一手を考えていた緋鞠を連れて退社していった。
明日は早いのだ、いつまでも将棋指してる場合ではない。


一夜明けて朝になる。
横島は脇でけたたましく電子音を鳴らしている目覚まし時計を止めると手早く顔を洗い、歯を磨いて真新しいブレザーに袖を通す。
どうもイヤな予感がする…最近こんな感覚ばかりだがまぁ気にしたってしょうがない、

「まっ、なるようになるよな」

緋鞠が来た時以上の事は起こらないだろうと、たかをくくって食卓に座る。
台所ではすでに起きていた割烹着姿の緋鞠がジュージュー、音を立てながら朝食を作ってくれていた。今日の朝は目玉焼きか何かかな?
ここ最近、おキヌちゃんのおかげで美神から食料を借りる事ができたのだ(それでも頑なに金は貸してくれなかった)
ようやくカップ麺生活ともおさらばできて一安心。
ちなみに緋鞠は横島の部屋の隣に部屋を借り、そこに住んでいる。
ほとんど横島の部屋に入り浸っているが……
こんな美少女と自分が一緒に住んでいたらいつ理性が吹っ飛ぶか自信がなかったのと、横島の両親、特に親父が猛反対したのが理由だ。
金はクロサキが工面してくれたらしい。

「できたぞ若殿、カツ丼と海老天の緋鞠盛りじゃ」

「なんだそりゃ!!?朝からカツ丼って!?
……いやそれより緋鞠盛り!!?」

見事な時間差ツッコミを披露した横島は緋鞠を凝視する。
特に緋鞠の緋鞠の身体にカツが乗ってるとか天ぷらが入り込んだりはしていなかった。
横島はちっ!と一つ舌打ちをすると、今度は丼に目を移す。
一見、フツーのカツ丼と天丼だが……
よ〜く見てみるとVサインをしているデフォルメされた緋鞠の旗が刺さっている。これが緋鞠盛りの由来らしい。期待させやがって!

「……食わぬのか?」

何事もなくツッコミを流し、天丼を食べ始める緋鞠だが横島には朝からこれはキツい……いや緋鞠にもキツかったのか澄まし顔だが微妙に涙目だ。
その姿を見ると自分だけ食べない訳にはいかないだろう。

「へぇーへぇーいただきますよ」

サクっと一口カツを噛む。
味は良い…味は良いのだがカロリー高すぎだ。

「……若殿は今日から学校じゃからな、敵にカツ!じゃ!」

学校に敵はいねぇよ!!と言ってもきっとわかってもらえないだろうから素直に頷く横島…口元が引き攣っているのはご愛嬌。
結局二人は半分ほどしか食べきれずに家を出た。

「うえ〜まだ胃がムカムカする……」

「私もじゃ…昨日はあんなに食べられたのじゃがなぁ?」

どうやらあれは昨日の残りらしい、そういえばそうだった気がする。
緋鞠には今度、体調と食い物の関係についてじっくり教え込んでやろう。
ここから六道学園までは電車で二駅、それからバス一本である。
電車の中はそうでもなかったがバスの中は六道の生徒が大半をしめていた。
元女子校なだけあって女の子が一杯だ。
新入生も4分の3は女子であろう。
そうなると横島のする事など一つしかない。

「やは!!君たちも新入生!?僕は横島忠夫!良かったらこのままカラオケにでもいかないかな!!?」

スベシ!

額に井桁を浮かべた緋鞠が鈍い音を立て、愛刀安綱の入った袋で横島の後頭部を叩く。鞘でもかなり痛い……
しかも声をかけた女の子は鼻で笑ってそのままどっかに行ってしまった。

「ぐぉぉぉ!割れ…割れる!!」

「アホな事を言ってると次は鍔(つば)でいくぞ若殿」

「あら〜大丈夫〜〜?」

ゾク!!!!

いきなり声をかけられて振り向くと、
そこにいたのは着物を着て、人好きしそうな上品な笑みを浮かべた壮年の女性だった。30年早く出会っていたら是非お付き合い願いたい。

「はぁ…大丈夫っスけど……」

「……………」

とまどいながらもいきなり誰?と聞くのはさすがに失礼かと思い、
当たり障りのない言葉を返す横島とは逆に緋鞠は無言でキツい視線を向ける。

「女の子は〜そんな物で〜人を叩いたりしたら〜ダメよ〜?」

「……………」

「い、いやあれは俺が悪かったんで緋鞠は悪くないっスよ!?」

またも無言で返すいつもと様子の違う緋鞠にとまどいながらも横島はそうフォローする。

「そ〜う〜?でも〜横島くんも〜痛かったでしょ〜?ちゃんと〜仲直りしてね〜〜?」

「…わかりました、あっ、俺達ここで降りるんで!ほら行くぞ緋鞠!」

そう言うと横島は緋鞠を引っ張って連れていった。

「うふふ〜〜良い子達ね〜楽しみだわ〜〜」

バスを降りた横島たちは六道学園に向かって歩きだす。
徒歩で5分の距離なので楽なものだ。

「さっきはどうしたんだよ?あれはさすがに失礼だろ?」

横島は緋鞠が意味もなく人につっかかるような性格ではない事を知っているのでそう問い掛けてみた。

「いや…なにかイヤな感じがしたのじゃ。
見よ!まだしっぽの毛が逆立っておる!」

そう言って緋鞠は着物の間からしっぽを出す。

「うぉ!なまあし!!じゃなくてしまえ!目立つだろうが!!」

着物の美少女という事ですでに目立っているのだが気が動転した横島はそれには気付かずに絶叫する。
そして深呼吸、よし落ち着いた、そして考える。
イヤな感じがした。
まぁ生理的に受け付けない人間ってのは誰にでもいるだろう。
たまたま緋鞠にとってあのおばさんがそうだったとしてもなんら不思議はない…よなぁ?

「まぁ気に入らなくても今度会ったら挨拶くらいはしとけよ?」

結局そう結論付けて言うと緋鞠は心底嫌そうな顔をするが最終的には頷いてくれた。
すると横島はある事に気付く。

「そういえばお前、普通にここにいるけど学校まで来るのか?」

「当たり前じゃ私は若殿の傍を片時も離れぬ」

緋鞠はなにを今更ってな顔をしているがそれって良いのか?
緋鞠は生徒じゃないから学校には入れないんじゃ?
そうこうしているうちに二人は六道学園に到着してしまった。
とりあえず入学式の間、緋鞠には父兄参加席にいてもらう事に決めて二人は別れる。
体育館に張られたクラス割りを見て自分のクラスの列に加わる、横島のクラスは”普通科1年J組”だった。周りを見ると女子が7割、男子が3割といった感じだ。イエス!!!!
しばらくたつと入学式が始まった。
退屈な挨拶やら祝辞やらがようやく終わると、一際大きな拍手が響き渡る。


『理事長先生の挨拶です』


「「ぶっ!!!!」」

なにやら父兄席でも誰か噴いた音が聞こえたが…
まぁ気にしない方向でステージを見る。
そこにいたのはさっきバスの中で話しかけてきた壮年の女性だった。

(あの人、六道の理事長やったんか!!?)


『こんにちは〜〜私が〜この学園の〜理事長の〜六道〜冥奈です〜
この〜輝かしい日に〜我が学園の〜〜』


驚いて心の中で叫ぶ横島をよそに挨拶は続く。
この間延びした口調で演説されると苦行以外の何物でもない。
1時間ほどたって起きている生徒が半分もいなくなった頃、ようやく長すぎる挨拶は終わった。
体感時間は3時間を越えるだろう。


『それでは〜皆さん〜この学園で〜良き友人や〜目標を〜見つけて〜ください〜』


そのあとも休む暇はなく、
意気消沈の生徒たちを教師達が誘導して今度は自分達の教室に向かう。
さすがに教師達は慣れていたようだ…父兄達もそれに続く。
横島達1年J組の教室は校舎の1番端っこに位置していて、となりのクラスともやや遠い。
中に入ると名門校のわりに質素な机や椅子が列んでいた。
それぞれが出席番号で席に付くと教師が自己紹介を始める。

「え〜今日から君達の担任になる天和 響です……」

横島には男の教師などどうでもいいので左耳から右耳に流してクラスの女子を凝視し始めた。
さすが六道、かなりレベルの高い娘が多い。
特にあの栗色のショートヘアでリボンを二つ付けた娘が!
胸は……まぁこれからだよな!!合格…!
心の中で合格判定を出した横島は次の女子に視線を向ける。

「おい君!次は君の番だぞ!!」

「へ?」

間抜けな声を上げた横島が振り返るとどうやら生徒の自己紹介が始まっていたようだ。
なにやら父兄達の方から背中に視線が突き刺さるが振り向くと視線ではない物が突き刺さりそうなのでここはグッと堪える。若さとは振り向かない事さ!!
第一印象が大事なので横島はできる限り爽やかな笑顔を浮かべて自己紹介を始めた。

「女子の皆さんこんにちは!!ぼくの名前は横島忠…(チュドーーン!!!!!)…夫で…す…?」

教室の外、1年J組に近い階段が突然爆ぜた。

「うふふ〜始まったわ〜〜見せてもらうわよ〜
鬼斬り役十二家〜野井原の緋剣〜〜〜!」


とぅーびーこんてぃにゅー


あとがき
こんばんわハルにゃんです。
今回はついに”あの人”が動き出しました。
次回はおばさまの企みなどを明かす事になりそうです。
もちろんおばさまには全て計算済みです。
きちんと生徒に被害が出ないようになっています。
ついでに横島の担任は一発キャラなので特に物語には関係ありませんのであしからずです。

それではレス返しです。


○ZEROS様

誤字報告ありがとうございました、修正させていただきました。


○スケベビッチ・オンナスキー様

レスありがとうございます
身に余るほどのお褒めの言葉ホントに嬉しいです(感涙
<GS美神では陰陽師というのは出て来ず、一貫して陰陽術師と言ってました。
私の美神22巻では高島が陰陽師と言ってるんですがこれは私のだけなのでしょうか……?
<2月1日に一巻が
ひまりの作者様は元々、成年コミックを描いている方ですので、
18歳以上の方ならそれを読んでみるのもオススメです(宣伝!?
ちなみに11日には東京の某アニメショップで作者様のサイン会があります。
私ですか?もちろん行きますよ、すでに飛行機もホテルも予約済みです。
当日に秋葉原近辺を地図片手にさまよう怪しい人物がいたらそれは私です。

○G様
レスありがとうございます
<結構オリキャラが出てくるのか、おまもりひまりの方から出すのか・・
とりあえず今回で一人伏線をはりました。
後々出てきますので楽しみにしていただけると嬉しいです。
GSの方からも何人かレギュラー化してもらう予定です。


レス返し終了です。
これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

PCpylg}Wz O~yz Yahoo yV NTT-X Store

z[y[W NWbgJ[h COiq [ COsI COze