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「妖使い!?横島の生活! 幕間話〜頭抱えて思想の雌豹〜(元ネタ GS+おまもりひまり)」

ハルにゃん (2007-01-20 23:42/2007-05-05 00:27)
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物語は一日戻り今、横島と緋鞠は職を求めて美神除霊事務所へ向かって歩いていた。
横島は緋鞠がかたくなにGSの助手を薦めてくるのでホントはすご〜〜く気乗りしないのだが面接を受ける事を承諾したのだ……。

「しかし都会は随分とせわしいのう…」

「まぁじいさんの住んでたとこに比べりゃなぁ。それよりホントにGSの助手なんか俺にできるんやろか……」

「何事も始めから上手くはいかぬ、上手くいくよう努力するのが大事なのじゃ」

「……努力する前に死んだら意味ないっちゅーねん」

横島たちはここに来る前にGSについて詳しく調べてみたのだが、知れば知るほど恐怖が増すばかりという結果に落ち着いた。
今から面接を受ける美神除霊事務所の所長は弱冠20歳でGS試験を一位通過した逸材だという。
その後、師匠から独り立ちして早々に今の事務所を立ち上げたそうだ。

「はぁ〜親父たちがまともな仕送りくれたらこんな危ねぇ事しなくていーんだけどなぁ…」

「いつまでも親に頼っていてはいかんぞ?きっと若殿の御両親もそう思って、あえて厳しくしておるのじゃ」

絶対違ぇ…と思わなくもないが緋鞠は横島の親と直接面識はないので何を言っても無駄だろう…あれは口で説明できる人間ではないのだ……。

「はぁ…とにかく今の俺たちにはGSくらいしか生きるすべはないんやな……」

高校生の二人暮しで仕送りが学費のみとなると多少の激務、危険は仕方のない事だろう…多少かどうかは疑問が残るが……。
そうなるとやはりGSの仕事が能力的に1番手っ取り早く生活費を稼げるのだ。
だからといって怖いもんは怖いのだが…。
そうこうしているうちに二人は美神除霊事務所に到着した。

「え〜とシャングリラビル……おっ、ここだ、ここだ」

「ほぉ、なかなか良い場所じゃな」

美神除霊事務所は立地条件としてはそれほどに良い物件ではなかったが、建物の相や霊的な安定感ではぴか一と言って良い場所にあった。
責任者の実力の高さが伺えるというものだ。

「んじゃ行くか。」

そう言うと横島はシャングリラビルを素通りして歩きだした。

ガシっ!

「…………どこへ行くつもりじゃ?若殿」

「い…いや少々催(もよお)してきまして……」

「「………………」」

「イヤーーー!!!やっぱり怖いもんは怖いんやぁぁぁぁ!!!」

「ええい!!いい加減腹を括らぬか!!!」

そう言うと緋鞠は横島の襟首を掴んでビルの中に連行していった。
どこからかドナドナのBGMが聞こえてくるのはきっと気のせいだろう……
5Fの「美神除霊事務所」と書かれた札が掛けられているドアの前に到着すると二人は息を正す。
ここからが本番だ、面接は緊張に勝てるかが重要なのだ。

コンコン

「は〜い、どうぞ

二回ノックをすると中からは凜とした声が返ってきた。

「失礼しまっす!!」

「邪魔するのじゃ」

中にいたのは燃えるようなオレンジ色の髪を腰まで伸ばし、少々時代の差を感じるボディコン服に身を包んだ絶世の美女であった。
緋鞠も超がつく美少女なのだが醸し出す色気が違いすぎる。
人知れず緋鞠の眉がピクっと動く……

「きみの瞳にオープンザドアァァァァ!!!!」

チャキ!!

「若殿…成長しなさすぎるのはどうかと思うぞ?私は」

いきなり訳のわからない絶叫とともに飛び掛かろうとした横島の首筋にいつの間にか袋から取り出していた愛刀”安綱”を突き付けて、えらく底冷えのする声で緋鞠が言う……
ってゆーかオープンザドアって…乾杯と間違えたのだろうか…?

「イヤ、ボクハタダ、ジブンノヤルキヲショチョウニワカッテイタダキタクテ……」

なんのやる気だなんの!

「あ、あんた達が電話してきた面接希望者?」

美神はいきなり目の前で起きた、やり取りをぽかーんと見ていたがやがて気を取り直すとそう問い掛けてみた。多分に何かの間違いを希望して……

「はい!!ぼくは横島忠夫といって将来はGSの旦那さまになるのが夢でありました!!!」

「私は野井原 緋鞠じゃ、…こやつの言ってる事は流してくれて構わぬ」

美神はあぁ…なんかの間違いじゃなかったのね…と些か諦めも混ざった視線を二人に向けると、とりあえずソファに腰を降ろした。
この時点で二人を雇う気は消えうせているのは間違いないだろう。

「はぁ、んじゃ二人ともそこに座って、今から面接やるわよ、それと履歴書を見せなさい」

ため息をひとつついて美神はそう言うと横島から履歴書を受け取った。

「それじゃ、まずは自己紹介ね、私は美神令子、ここの所長よ。」

「横島忠夫っス」

「野井原 緋鞠じゃ」

自己紹介を終えると美神は履歴書にザっと目を通す。
特に変な項目は見当たらない…逮捕歴とか…。

「それで?なんで二人はここで働きたいの?ってゆーかはんたらどういう関係?

これは実に微妙な質問だ。
横島的には所長が美人だから!と言ってしまいたいがそれでは確実に不合格になる。
それはさすがにまずい。
そうなるとやはり鬼斬り役とかなんとかを説明せざるをえないだろう。横島は緋鞠に視線を向けると説明を要求した。
緋鞠はコクリとうなづく

「ふむ、所長殿は鬼斬り役十二家というのを知っておられるか?」

「鬼斬り役?昔のGSみたいなものだって聞いたけど陰陽師となんか違うの?」

「いや概ね大差ない 陰陽寮に属さぬ力在る者が影で鬼斬り役と名乗り、時の権力者のために働いておったのじゃ。そしてその代表格の十二家が総称してそう呼ばれておる」

「へぇ、それでそれが今、なんの関係があるわけ?」

「そこの若殿は鬼斬り役十二家が一つ、横島家の末裔なのじゃ」

「え゛っ!!?」

緋鞠の話にはさすがの美神も驚きを隠せないようだ。それもそうだろう。
こんなどう見てもボンクラそうなガキがそんな霊能の名家のお坊ちゃんだなんて誰だって想像もつかない。
それから緋鞠は横島の力が目覚め始めている事、自分が妖怪で横島を護るために一緒にいる事、そして生活苦のため高額時給の仕事をしたい事などをかい摘まんで説明した。

「へ…へぇ、それじゃあまだ霊能は使いこなせてない訳ね?それで野井原さんは妖怪なのね…」

緋鞠が上手く妖気を隠していた事もあってか、最初のインパクトに圧倒された事もあってか美神は緋鞠の正体に気づいていなかったようだ。
わかってもなぜか特に気にした様子はなかったが…
美神はこの時、二人を雇う事を渋々ながら承諾しようと思っていた。
最初はこんなセクハラなガキに帯刀少女など雇う気はさらさらなかったのだが、霊能の名家出身と聞けば逃すのは惜しい。
妖怪である緋鞠の戦闘力も気になるところであるし。
だが一つ問題が…1番重要なところなのだが高額時給が欲しいというところだ。
美神の事務所は美神自身の美貌と華麗な除霊テクが売りなのだ。
それにより、すごくもったいないけれど!!身を切る思いで!!給料をはずみ、それに見合う美少女か美男子を雇うつもりでいた。
そこで美神はいったん二人を観察する。


野井原 緋鞠……

ルックス:モデル顔負け

スタイル:私と同等?胸は私以上かしら……

センス:着物…動きづらくないのかしら?

性格:時代錯誤で頭硬そう?


横島 忠夫……

ルックス:中の下

スタイル:中肉中背

センス:ジーパンジージャン…センス皆無ね

性格:変質者……?


やはり最初のダイブは印象的だったようだ…
「う〜ん、野井原さんは十分合格なんだけど横島くんはねぇ……」

「な!?なんでっスか!!?」

「いきなりセクハラかまそうとする奴なんか気がすすむ訳ないでしょ!!?」

「あ…あれはあまりの美貌に意識が吹っ飛んで…それよりここに雇ってもらえんといきなり高校中退で野垂れ死んでまう〜〜〜!!!!」

「高校ねぇ、あんたどこの高校に入るの?」

「六道学園っス」

「六道学園!?」

ここでまた美神は驚愕した。
履歴書を見ると確かにそう書いてある。
六道学園…元六道女学院で女子校だったが去年から共学化された名門校だ。
六道学園は偏差値のバカ高い普通科の他にも霊能科があるので全国でも有名だ。
美神はそこの責任者と知り合いなのでたまに霊能科の講師を頼まれたりしているのだ。
だが解せない。横島が霊能に目覚めたのは今日の朝だと聞いている。
となると霊能科に入る事はまずないだろう。という事は普通科だと考えるのが妥当だが、横島はとてもそんなに勉強ができるようには見えない。

「あ…あんたそんなに頭良かったんだ?」

「いやぁ、自分でもなんで受かったのかわかんないっスよ。親父たちとナルニア行くのがイヤだったんでダメもとで東京の高校受験したんスけど、どういう訳か受かっちゃいました。」

これは何か裏がありそうだ……
六道学園は霊能科なら学科のレベルは比較的低いが普通科は偶然や運で受かるようなレベルの学校ではない。 それこそ巨大なコネがあるとかでもしないと横島の成績では絶対不可能なのだ…

「あんた六道学園に知り合いでもいるの?」

「いや、いないっスよ?」

「…普通科よね?」

「当たり前っす」

コネの線は消えた…
となるとやはり何か裏があるとしか思えない……なにを考えているかは知らないがそんな陰謀を巡らせそうな人物を美神は一人知っていた…
さっきまで横島の方は能力に目覚めるまで薄給でコキ使ってやろうと思っていたが、どうやらそうもいかないらしい。
普通科とはいえ六道の生徒を薄給でコキ使うなんて”あの人”に喧嘩を売るようなものなのだ。
しかしこのまま素直に高額時給を出すのはかなりシャクである。
ならば雇わなきゃ良いという話もあるが、この業界、助手とはいえ単なる美形君よりも霊能持ちの方がずっと役に立つのだ、しかし霊能持ちでGSアルバイトをしようなんて人物は稀なのである。
普通なら誰かの弟子になるとかそれ系の学校に通うとかの道を選ぶものだろう。
まぁ横島の場合は多分に成り行きなのだが…
やはりこいつらは逃したくない。
そうなるとここは妖怪である緋鞠を利用すべきだろう、妖怪を正式に雇う事はできないとかなんとか言って二人セットの扱いにしてしまえば実質一人分の時給で済む。
あと問題は細かい料金設定だが、それは緋鞠の実力を見てから決めるのが妥当だろう。

「わかったわ、とりあえず野井原さんの実力を見せてもらえる?時給の額はそれから考えるって事で良いかしら?」

「それは構わぬが所長殿と闘えば良いのか?」

「いいえ、これから簡単な依頼が一件あるからそれをあなたにやってもらうわ」

「ふむ、心得た、若殿の護衛は任せても良いのじゃろう?」

「ええ、それは気にしないで。ただし私はそっちには手を出さないからそのつもりでね」

「良かろう、それこそ望むところじゃ」

こうして3人は目的の除霊現場へ向かっていった。


とぅーびーこんてぃにゅー


あとがき
前回「次々回に理由を説明する」と書きましたが、先に書けてしまいましたので投稿します。
ここから3話に続きます。わかりにくくてホントに申し訳ないです。
時給の怪異はこうなりました。
これはもともと3話と合わせての予定だったんですが、長くなったせいか私のヘボい携帯では送信できず削った部分を再編集したものです。やっぱり削るべきじゃなかったです……
私は横島の学校生活も重視して書きたかったので美神には苦渋の選択をしてもらいました。原作時給じゃ横島ホントに死んじゃうんで……
次回は横島の学校が始まります。
横島にはいきなり騒動に巻き込まれてもらう予定なので、楽しみにしていただけると嬉しいです。

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