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▽レス始

「.hack//Dawn 第5話(.hackシリーズ+オリジナル)」

白亜 (2007-01-21 15:25)
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 昴と出会った。

 なんというか運命の悪戯か? とか思わず思ってしまった。 俺、運命なんて信じてないのに。

 フラグメントなら人数も少ないから出会う確率はそれなりに高い。 実際にバルムンクと出会ったし。

 しかしザ・ワールドで、SIGNの主要キャラの一人である昴にいきなり出会うってどういう事よ?

 でも、さすがにもう出会う事はないだろう。 っていうか勘弁です。

 しかし……

「よろしくお願いします!」

「よろしく頼むわ」

 とか言ってくる、眼鏡をかけた呪紋使いと群青色のドレスを身に纏った、斧を使うお姫様。

「はい。 今日はちゃんとサポートしたいと思います。 ははははは」

 ……なんでアルフとカールが俺の目の前にいるんでしょうか?


 .hack//Dwan 第5話 姫痛影幻・偽壊蒼炎


 切欠はものすごーーーーく簡単だ。

 初心者の館とかいう、どこぞの金髪ドリームソルジャーが出るゲームにも出た館によく似た館がザ・ワールドにある。

 そこには、初心者のプレイヤー達が集まって交流したりする場所なのだが。

 そこを偶然通ったら、アルフに捕まり、何時の間にかカールまでセットでついてきたと言う事だ。 なんだそりゃ。

 これは誰かの陰謀としか思えないぐらい、【.hack】の主要人物と出会ってるんですけど。

 もう呆れるしかないぐらいの遭遇率。 っていうか今気がついたんだけど、俺のメンバーアドレスの70パーセントって女性PCじゃね。

 ティーファにイルファ、昴、更にアルフとカールのも加わって、フラグメント時代に知り合ったメンバー数名。 ほとんど女性だ! 因みに残り20パーセントが男。 10パーセント? きっと愛で出来るんです。 嘘だけど。

 まぁ、冗談もそこそこに。

 とりあえず、困っている人を見たらほっとけないぜ病――今名前考えた――が発動した俺に逃げる術など存在してなかった。

 そんな訳で、ザ・ワールドが始まってから3ヶ月ちょい。

 俺は再び、初心者案内の仕事に就職できました。 冗談だけど。

 で、更に一ヶ月が経った。 えっ? 案内した所?

 いや、飽きたでしょ。 初心者案内編。 ティーファ&イルファに昴、そしてカール&アルフ。 この3点連続初心者案内だぜ。 読者もそろそろ飽きてくるだろ。

 そんな訳で、案内編はカットして、今日もアルフとやさぐれてないカールに御呼ばれしたわけなのだが。

「……マジで?」

「えっ、何かいけなかったんですか?」

 アルフの話を聞いて、俺は呆れた顔をするしかなかった。

 彼女の話――それはレアアイテム【金のプチグソ】をトレードしてしまったと言うのだ。

 しかも、価値が明らかに吊りあっていないアイテムと。

「その【金のプチグソ】は、プレイヤーPCを強化するレアアイテムだよ」

「レアアイテム!?」

 俺の言葉にカールとアルフが顔を見合って、がーんと言う効果音が聞こえてきそうなぐらい落ち込んでる。

 あー、事前に教えてくれれば、説明したんだけどなー。

 それよりも俺が驚いたのは、まったくやさぐれてないカール嬢。 原作の記憶も薄くなってきたけど、気難しいイメージしかなかったから。 こんな風に普通のプレイで落ち込む姿なんて想像出来なかった。

「先にサイリスに言えば良かったね」

 カールの案にうんうん、と頷くアルフ。

 確かに先に言ってくれれば、ちゃんと説明しただろう。

 えっ、適当な嘘を言って、金のプチグソを強奪する? アホか。

「ならもう一度、探しに行くか?」

「えっ?」

「手に入る場所があるんですか?」

「ああ」

 これは本当。

 BBSは情報の宝庫。 ガセネタもかなり多いが、探せば当たりの情報も見つかるもんだ。

 今回の情報はちゃんと情報屋に裏づけを取ったし、レベル的にも俺がかなり頑張れば問題ないだろ。

 因みに情報屋ってのは、その名の通り情報を売り物にしている人の事だ。 俺のフラグメント時代の知り合いである。

 ザ・ワールドでの楽しみ方は色々ある。 そいつもそんな楽しみ方を見つけた一人だ。

「なら、行こうかアルフ」

「うん! よろしくね、サイリスさん!」

「ああ。 とりあえずアイテムは多めに用意。 俺も初めて行く場所だし」

 場所はΔサーバー。 元の世界でのゲームにはないワードから行く場所だ。

 レベル的に見れば俺は余裕だけど、カールとアルフのレベル上げにはちょうどいい場所でもあるしな。

 さて、俺は二人のサポートに回るかね。


 ■□■□■


 【Δ 夢落ちる 天空の 城】


「……」

「……」

「高いなぁー!」

 そこは天空にそびえる城。 そんな場所に俺達は転送された。 っていうかラ○ュタですか?

 天空庭園と言って良いほどの素晴らしい場所。 そこから見えるのは素晴らしいぐらいの青空。 蒼穹と言っていいほどの蒼。

 うんうん。 やっぱり空って気持ちいいね!

「た、高っ!」

「高いー!」

 ……女性陣二人にはあまり好評じゃないみたいだけど。

 っていうかそんなに怖いか? 特にカール。 原作だけ見てると、これぐらいじゃビクともしないイメージなんだけど。

「ゲームとは言え、ここまで高い所は見た事ない」

「そっか」

 飛行機に乗った事ないのか? と言いたいが、ぶっちゃけリアルのほうの話は厳禁なので聞けない。

 まぁ、高い高い言っててもシステムの関係で落ちる事は出来ないんだけどな。

「よし、行くぞ! ここの一番奥に【金のプチグソ】、【銀のプチグソ】があるから!」

「わかりました!」

「頑張るわ」

 とりあえず頑張ってみる事にしよう。

 俺はサポートに回る気だったのだが……

「なんでこんなにザコが多いんだ!?」

「そういう……! 設定なんじゃないの!」

 俺の言葉にカールが言うが、妙に解せない。

 だが、モンスターの大軍は俺に考える時間を与えてくれはくれないようだ。

「ちっ!」

 ――【火麟】!!

 持ち武装を【スパークブレード】から即座に変更、【斑鮫】に変更して、居合いスキルで敵を横一閃、真っ二つにする。

 やはりモンスターの数が多い。 モンスターのレベル自体は、俺の36よりもかなり低い13なのだが、これほどの数で攻められると、HPの消費も激しくなってくる。

 それにあまり言いたくはないのだが、カールとアルフは7。 どうにも出来ないレベルではないのだが、やはり少し厳しいのかもしれない。

「カールは左の敵を! アルフはカールを援護してくれ!」

「わかった!」

「任せてください!」

 俺の指示にあわせて二人が動いてくれる。 うーむ、リーダーって大変だ。

 カールは左にわらわら出てくるスケルトンご一行を範囲スキルで、粉砕中。 アルフはバンバン呪紋を使ってくれているが、SP切れが怖いなぁ。

 俺もすかさず、範囲スキルで切り刻んでいく。

「これで一先ず最後!!」

 カールが放った【ブランディッシュ】が最後のスケルトンを見事に粉砕してくれた。

 あー、とりあえずどうにかなったか。

「お疲れー」

「お疲れ様」

「お疲れです」

 今回はマジ疲れた。 こんなにも敵の数が多いとはあまり思ってなかったし。

 コントローラーを握ってる手も汗びっしょりだ。

「うー、疲れたわ」

「まさか、あんなに数が多いなんてびっくりですよ」

「……」

 確かにちょっと異常だな、あの数は。

 俺は、カールとアルフがそれなりに戦えるエリアを選んだ。 そしてたまたま【金のプチグソ】が手に入る上に、レベル上げにもちょうどいいフィールドだった。

 だけど、幾らなんでも数は異常だ。 あれでは俺みたいなかなりのレベルを持ったPCがいないと辛いだろう。

「2、3じゃない。 一度に20体も出てくるなんてね」

「うぅー、アイテムかなり使っちゃたよ」

 そう。 一つの魔方陣から一度に20体のモンスターが現れたのだ。

 確かに元の世界でやった【.hack】のゲームにそんな数が出てくる場所は俺の記憶が確かならなかった筈。

 もちろん現実となったこのザ・ワールドならありえるのかもしれない。

 だけどちょっと気になる。

「まだ先に進めるか?」

「ん、大丈夫よ」

「こっちも大丈夫です!」

「なら、行きますか」

 確かに気にはなるが、ここまで来たのだ。 このまま帰るなんて勿体ない。

 まぁ、カールとアルフのレベルがさっきから結構上がってるみたいだから、損してる訳じゃないんだけどな。


 ■□■□■


「最後までこれたな」

 ふぅ、と俺は日本刀を降ろした。

 天空の城の最下層――ではなく、最上階に俺達が目指していたアイテム神像の間があった。

 ただ普段と違って、宝箱の中身は二つ。 【金のプチグソ】と【銀のプチグソ】であるが。

「やったー!」

「疲れたわ、本当」

 まったくだ。 あの後も、阿呆みたいな数のモンスターの団体さんと戦う羽目になってしまった。

 妖精のオーブを使って、最短ルートで来たものの、かなりのアイテムを使用してしまった。 後、精神的疲労もかなり。

「指が痛い」

 コントローラーを動かしていた指がかなり痛い。 これほど指を酷使するほど動かしたのは久しぶりだった。

「まぁね。 でもこれが手に入ったからいいじゃん!」

 アルフが手に入ったばかりの、金のプチグソを手にもって何故か、クルクルまわっている。 どうやって動かしてるんだろうか?

「で、本当に両方もらっていいわけ? 見返りないじゃない」

「大丈夫。 俺としては、対団体さんの戦い方のコツが掴めたしな。 それで十分さ」

 これは本当。 今回の団体さん祭りでの戦いで、結構複数での戦い方のコツがわかったから、レベルは上がらなかったけど、俺の操作スキルは上がった感じ。

 うむ。 今回の成果はこれで十分だろう。

「じゃあ、帰ろうか」

 精霊のオカリナを使って帰ろう。 そして休もう。

「ええ」

「はい!」

 俺が精霊のオカリナを使うと、俺達三人は光の輪に包まれて転送された。


 ■□■□■


「えっ――!?」

 突然、視界が変わった。

 転送されたのだから当然だと思ったのだが、どうも場所が違う。

 俺が転送されて戻るのは、フィールド。 つまり天空庭園だ。

 だが、そこは違う。 天空庭園などではない。 まったくの別の場所だ。

 何故? 俺は視界を動かして周りを確認する。 そして、そこに【奴】は居た。

 赤い服。 禍々しい双剣。 【彼】とはあまりにも違う雰囲気。

「……【蒼炎のカイト】……!?」

 俺が呟いた瞬間、俺の視線は真っ白に染め上がった。


 ■□■□■


「――」

「………ス!」

「……リ…さん!」

「サイリス!!」

「えっ――!?」

 カールの声が聞こえた気がした。 いや、聞こえたんだ。

 天空庭園で、カールとアルフが俺の事を心配そうに見つめていた。

「大丈夫サイリス?」

「あ、ああ……」

「本当に大丈夫ですか? ここに戻ってきてから呼んでも反応しないから、何かあったのかと思っちゃいましたよ」

「……」

 あれは夢……?

 あの場所に居た【蒼炎のカイト】。 そう【勇者カイト】とはあまりにも違う雰囲気を持った存在。

 だが、奴はR:2に出てくる存在だ。 いまだ変わらぬこの世界で登場する筈がないではないか。

「……一体なんなんだ……?」

 俺は虚空に向かって呟く事しか出来なかった。


続・あとがきっぽいもの
カール&アルフと遭遇。 そして謎の敵――戦ってないけど――襲来。
はっきり言って、やさぐれてないカールを書くのが一番辛かった。 っていうかもう偽者だよカールもアルフも。


最近、思った事
四文字熟語を考えるのが一番辛いかもしれない(待)


レス返しだと思う

・麒山悠青さん
今回は昴でした。 で、今回はカール&アルフ嬢。 あれ、女ばっかり増えてないか?
フラグメント時代のメンバーは時折ゲストとして登場させようと思います。
.hackは楽しいです。 戦闘システムにちょい難ありですが(苦笑)
また次回も見てやってください。


・ATK51さん
やはり記憶というものは薄れていく。 世界の真理です。
基本的に主人公は普通の人なので、普通に記憶消滅中です。
私も昴が好きです。 だから登場させたわけじゃないけど、一応、昴登場は今後の伏線かも。 SIGN勢で一番主人公に関わる人の予定です。
主人公の今後は運命……ではなく作者の陰謀によって色々関わってくる予定です。 まぁ、ただ関わらせるだけじゃありませんが。

・somosomoさん
記憶もノートも穴だらけ。 大丈夫か主人公?
主人公に色々介入して欲しいみたいですが、うちの主人公が素直に関わってくれるとは思いません(苦笑)
現在、最強じゃない上に知識も消滅中。 残るは知恵だけ。 あれ主人公って頭いいっけ?

・趙孤某さん
うぃ。 趙孤某さん改めてよろしくお願いします。
昴と遭遇して結成フラグを成立させてと、主人公哀れ(ぉぃ)
関わる気なしなのに、関わってます。 司事件はどうしよ?

レベルに関してはこの時点ではちょいと高すぎると思ったので修正しました。
さすがに46は高すぎたぜ。

・箱庭回さん
サイリスはあくまで昴個人の相談役、もしくは外部協力者と言った感じです。 騎士団に所属しているわけではありません。
そのイレギュラーな記憶もちゃくちゃくと消滅中。 頑張れ主人公。

後、タイムテーブルですが、個人的に調べた結果、紅衣の騎士団が結成されたのは【.hack】の世界で2007年の12月末。 ようするにザ・ワールドが発売してから一週間程度で結成されています。
この作品ではサイリスと出あったので2008年の1月の初め頃に結成された事になっております。
Aiバスターは2008年から2009年の間頃。 SIGNは2009年の秋からスタートとなってる筈なので、全然まだ突入していません。

後、レベルは高すぎたので低下。 幾らなんでも高すぎた。
それとフィオナじゃなくてフィアナの末裔ですよ。 出番はちゃんと用意してますけど。

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