―バラオ山脈 魔人のアジト―
風呂上がりのカミーラが、ラインコックに躰を拭かせている。
拭き終わると今度は陶磁器のような白い肌に丹念に薔薇の香油を塗っていく。
そして豪奢なレースで作られたローブを羽織らせると、気だるげにカミーラはカウチに腰掛けた。
ラインコックは結い上げられていたカミーラの長い艶やかな髪をほどき、金の華奢な細工のされた櫛で丁寧に丁寧に梳く。
(ああ・・・・・・綺麗、カミーラ様・・・・・・)
愛しい主に仕える至福の時。
ラインコックは恍惚の表情を浮かべながら、カミーラのために甲斐甲斐しく働く。
「・・・・・・」
「いかがなされましたか、カミーラ様?」
ほんのわずかな主の変化を敏感に読み取り、ラインコックは伺いをたてる。
カミーラはラインコックの問いに言葉で返すことなく、視線だけを部屋の隅に向けた。
「はい、すぐにご用意いたします」
主の意を得たラインコックが音も立てず歩いていく。
その先には魔法ビジョンが置かれていた。
元々はこの別荘の持ち主のものだったのだが、それをラインコックが少々手を加えて使っている。
カミーラの見やすい位置まで運び、スイッチを入れた。
数秒の間を置き、映し出された映像はリーザス城の一角、謁見の間。
カミーラの尖兵、ドラゴン女の術者が見ている光景を送り続けている、いわゆるライブ中継である。
窓の外からであろうが、巧妙に姿を隠しているようだ。
人間の城の・・・王の間だろう。
贅沢な造りの窓が派手に破られ、ガラス片が周囲に散乱している。
「あら・・・サイゼル様?それに・・・ユキ」
ラインコックが軽い驚きの声と少し不愉快そうな声を上げる。
不愉快な声を上げた理由は単純である。ラインコックがユキを嫌っているからだ。
驚きの声の理由はサイゼルの姿が昨日とまるで違っていたからだった。
腰まであった長い髪がバッサリとカットされており、服装まで変わっている。
(・・・まぁ、どうでもいいけど)
心の中で呟く。
ラインコックにとってカミーラ以外のコトは全て興味の外だった。
サイゼルとユキはその場にいた複数の人間と対峙している。
二人とも、そして人間達も映像が流されていることに気がついた様子はない。
実は今までも・・・横島とレイ、そしてサイゼルの戦いは密かにカミーラによって監視(覗き見)されていたのだ。
そしてカミーラはそのどちらに対してもただ傍観するのみ。
リトルプリンセスを捕らえる千載一遇のチャンスすら放棄していた。
「・・・・・・・・・・・・」
カミーラは冷ややかに魔法ビジョンを見つめている。
そこに映し出された一人の人間の男。
その男が映し出された瞬間、カミーラが口の端を僅かに歪ませた笑みを浮かべたコトをラインコックは見逃さなかった。
〜鬼畜世界の丁稚奉公!! 第十話「魔人界からの来訪者 後編」〜
―リーザス城 謁見の間―
――がしゃああああん!!!
青白い閃光が謁見の間に突き刺さる。
一瞬で凍えるほどの冷気と濛々と巻き上がった氷の粒が霧となって周囲の視界を奪う。
「ラ、ランス王!今のはっ!!」
「分かってるっ!くるぞっ!!」
マリスの普段なら滅多に上げることのない悲鳴と、ランスの警戒を促す怒号が謁見の間に響く。
二つの影が謁見の間に飛び込んでくる。
当然の事ながら人間ではない。
やがて立ち込めていた霧が晴れると、侵入者の姿が露わになった。
「ハァイ、ヨコシマ。昨日の今日で悪いんだけど・・・殺しにきたわよ」
まるで気安い友人を訪ねてきたようなサイゼルの軽い声。
横島に向かってプラプラと手を振っている。
だが、その表情は氷の魔人の名に相応しく、凍りつくような冷たい笑み。
「会いたかったわよ・・・アナタのために武器まで新調して・・・フフフフフ」
訂正。
『気安い友人』ではなく『恋焦がれた異性』を訪ねてきたような言葉である。
尤もその目的は180度反対であるが。
対する横島は・・・。
「・・・・・・えーと、どなた?」
―カクーン
サイゼルの顎が5センチほど下に落ちた。
断っておくが、横島は別に忘れているわけではない。
目の前の魔人がラ・サイゼルであることは重々承知している。(氷の魔法使ってるし)
悪気は無いのだが、サイゼルのあまりの変貌振りについ尋ねてみたくなったのだ。
「ちょ・・・ま、まさか本気で言ってるのっ!?私よ、私!名前知ってるでしょ!?サイゼル、ラ・サイゼルよ!!」
自分を指差し、何だか必死になって自己主張している。
サイゼルにしてみれば、奇襲同然に襲撃を仕掛けたのだ。
強烈な魔法を一発叩き込み、泣いて命乞いをする姿を・・・少なくとも恐れおののき、震え上がる姿を期待していたのに!
それが言うに事欠いて「どなた?」だとっ!?
「ケケケケケケケケケ。イメチェンしてこのザマですか」
「やかましいわっ!!」
背後のユキの嘲りに怒鳴り返すサイゼルだが、本来怒りを向けるべき相手はコイツではない。
―チュンッ!
「どわっ!!」
振り向き様に一発、極小スノーレーザーを横島に放つ。
間一髪、ジャンプして回避したようだが・・・。
「冗談だってば、冗談・・・。昨日の今日で忘れるかっつーの」
毒づく横島。
サイゼルの言った通り「昨日の今日」で襲ってくるとは・・・休む暇くらいくれと文句を言いたいところである。
昨日のサイゼルの去り際の台詞から察するに、それだけ『殺す気満々』というところだろうか。
迷惑極まるが、これも自分が蒔いた種・・・になってしまうのか?
「・・・ただなぁ・・・可愛いには可愛いんだが・・・」
「・・・えっ」
横島のボソッとした呟きに、何故か大きく耳を動かして反応するサイゼル。
「・・・・・・サービス悪くなってるのがなぁ」
『何の』とまでは言わない。
しかし、横島の視線が『何の』を如実に語っていた。
――ブチッ!
漫画的擬音語を伴った血管の切れる音がした。
「まだソレを言うかぁああああ!!!」
―― 一方、ランス達はというと
「ケケケケケケケケケ!オッス!また来たぜ、ニンゲンの親玉!!」
昨日と似たような舐めくさった台詞に巨大マジックハンドを器用に掲げてくるユキ。
「キ、貴様ラ・・・性懲りも無く窓をパリンパリンと割りやがって!お陰で春先の冷たい隙間風がピューピュー入ってくるわ、こちとら大迷惑だったんだぞっ!!」
「そんなのユキちゃんの知ったこっちゃねーデス。こっちも無能上司の色ボケのせいで仕方なくやってるデスからねー」
――色ボケ?
殺気を滾らせるランスとは対照的にユキは飄々とした様子である。
背後の主になにやらツッコミめいた嘲りを飛ばしては怒鳴り返されていた。
「ランス王・・・・・・この場所ではリア様が・・・」
「リアはお前とその怪獣がいれば十分だろう。俺様はあのクソガキに用があるんだ」
高レベルの神魔法の使い手マリスとリアに抱きかかえられているライトニングドラゴンのはるまきをチラと見る。
がぉぉぉぉぉ、と生意気にも吠えている。
確かにこの場から逃げようと思っても、転移魔法でも使わない限りは不可能だろう。
玉座に座るリアの前に立ち、マリスはいつでも防御魔法を唱えられるよう意識を集中させた。
ランスは再びユキの方へ目を向け、不敵な笑みを浮かべる。
「さぁて、昨日の続きだクソガキ・・・引導渡してやるから覚悟しやがれ!」
大上段に振りかぶった剣を叩きつけるべく踏み込む。
「ケケケケケケ!ニンゲンの相手なんざチョロイってな・・・もっ!?」
――ガキィッ!!
余裕綽々でランスの剣をマジックハンドで受けようとしたユキだが、その想像以上のスピードと破壊力に思わず体勢を崩す。
「うわっとと」
だが、力の流れに無理に逆らおうとはせず、受けた剣をマジックハンドで押さえ込む。
脱着可能な機構を生かし、軽く飛び上がると空中でくるりと回転、鉈を振り下ろすように厚底の黒下駄でランスの脳天目掛けて踵落としを繰り出した。
――ドゴッ!!
マトモに喰らえば普通の人間なら頭蓋骨が陥没するほどの威力であったが、咄嗟に身体を反らしたランスの肩当に突き刺さる。
「いっでぇぇぇ!!」
「アレ?」
殺すつもりで放った足技を回避され、間の抜けた声を上げているユキ。
―ガシッ!
「どおりゃああああ!!」
ランスは肩当に刺さったままの足を空いた手で掴み、思いっきり投げ飛ばし・・・・・・。
「―――ソレを言うかぁあああ・・・うわぁっ!?」
ランスたちに向かって背中を見せ、横島に怒号を飛ばしている最中のサイゼルにぶち当たった。
「・・・ちょっと何してんのよ、ユキ?・・・リトルプリンセスの居場所は?」
背中に張り付いた使徒を肩越しに睨み、問いかける。
(・・・ふん、またヤツのペースに陥るところだったわ・・・・・・)
サイゼルも昨日の己の敗因を少しは掴んでいた。
ユキのお陰で・・・というのも癪ではあるが、激昂しかけていた頭が少し冷えた。
「おー、忘れてたデス」
「ったく・・・。あーもう・・・モタモタしてるから邪魔がきそうじゃない」
謁見の間の外で複数の人間が騒ぎ立てている音を耳にしたサイゼル。
サイゼル自身、ユキのコトはまったく言えないはずだったが、完全に棚に上げている。
「さっさと用件済ますつもりだったけど、邪魔が入るのはうっとおしいわね。――ユキ」
ユキと位置を入れ替えるようにし、横島に対峙させる。
そしてサイゼルは横島に背を向け、ランスの方へ向き直った。
「挨拶が遅れたわね、リーザス王。私は魔人サイゼル、アポイントもなしに失礼したわね」
非礼を詫びてはいるものの、まるで馬鹿にしたような口調。
皮肉で言ってるだけなのが丸分かりである。
「ふん・・・可愛いが無礼な女だな」
「あら、魔人と聞いても驚かないの?」
「誰が今更驚くか。今までにも何人かぶっ殺しているしな」
がはははははは、と高らかに笑うランス。
「・・・へぇ。あのノスやアイゼルを殺した人間がいるって聞いたことはあったけど、アンタだったんだ。・・・でも、肝心のカオスは無いみたいだけど?」
「む・・・」
痛いところを突かれたランス。
確かに今のランスの手元に魔人を斬ることの出来る武器はない。
「・・・おい、ヨコシマ!!」
サイゼルとユキを挟んだ向こう側で立っている横島に大声を張り上げる。
「日光さんを寄越せ!俺様がさっさとコイツらをぶった斬ってくれるわ!!」
「いや・・・そんなこと言われても・・・」
横島もランスに渡してさっさとこの場を片付けてくれるなら、それはそれでいいや・・・なんてコトをチラリと霞めたが。
(・・・・・・・・・横島様)
なんとなく不穏な日光の気配を察知してそれ以上は考えないことにした。
そもそも契約しなければ日光は使えないのだから、ランスに渡したところでどうにもならない。
(はて?・・・契約って・・・?)
そういえば、自分は日光と契約したという話だったが・・・今ひとつその辺りの記憶があいまいだった。
詳しく日光に聞くべきだったかもしれないが、なにぶん昨日から慌しかったし、こうして手に持つことが出来る以上、深く考える必要が無かったせいでもある。
まだ抜刀していない日光を意識しながら、ゆっくりと柄に手を掛け・・・。
(・・・・・・・・・・・・アレ?)
そしてとても重大なことに気が付いた。
「まぁ、落ち着きなさいリーザス王。私たちの目的はリトルプリンセスの捕獲。この国に逃げ込んだのは分かっているの。魔王なんて匿っていても危ないだけでしょう?」
「ふん・・・美樹ちゃんと日光さんのコトか」
「そ、分かってるじゃない。そしてソコのヨコシマが今の日光の所持者でしょう?そいつらを引き渡してくれれば、これ以上は干渉しないわ。命だけは助けてあげる」
サイゼルは口では建前上リトルプリンセスの事を言ってはいるが、本音はそこかしこに見え隠れしている。
本人が気付いているのかは定かではないが。
「命だけは・・・って失礼ね!!ダーリンが貴女なんかに命乞いなんてするワケないでしょ!!」
リアが玉座から立ち上がり、サイゼルに向かって抗議の声を上げる。
「・・・ふふん」
サイゼルはリアに銃口を向け・・・。
――チュンッ!!
極小スノーレーザーが恐ろしい速度でリアに襲い掛かり・・・
「・・・リア様っ!」
すぐ横で控えていたマリスの魔法防壁に弾かれる。
前もって集中していなければ間違いなくリアは撃ち抜かれていた。
その事実にマリスはぞっとする。
だが、ランスはそれを一瞥した程度で流し、再びサイゼルに向き直る。
「・・・ヨコシマならくれてやる、好きなだけ持っていけ。ただし美樹ちゃんと日光さんはやらん。当然だがな」
「ちょっ、なんっスかそれえええええ!?」
まぁ、ランスがそう返すのは何となく分かってはいたが。
自分が逆の立場だったら間違いなく同じことを言うであろうことが分かっていただけに。
「ケケケケケケケケケケ、哀れな餓鬼だなぁ」
ユキの楽しそうな声。
主の遠回しな言い分といい、ランスの反応といい、ユキにとって愉快極まるモノである。
「・・・それとな、散々人の家や人間に舐めた真似をしくさった挙句、俺様が命乞いするだとっ!?逆だっ!俺様が貴様らに命乞いをさせてやる!」
「威勢がいいのは結構だけど・・・貴方にソレが出来るかしら?」
「・・・ムカムカ。確かにそうだが・・・ええい、ヨコシマ!!使徒のクソガキは俺様が片付けるから、貴様も自分が言ったとおりさっさと魔人を斬り倒しやがれっ!!」
ランスとしては実に不本意だが、現状ではそうするしかない。
このイライラはあとでキッチリ片を付けさせてもらう・・・そう誓いながら命令を飛ばす。
「え・・・と・・・。期待?されてるのは・・・まぁ、いいんっスけど・・・」
ごにょごにょと周りには聴こえないように小声で呟くヨコシマ。
(・・・・・・ヤバイ・・・ヤバイっスよ、日光さん!?)
(ええ・・・まさか、あの契約方法にこんな弊害が生まれるとは・・・・・・)
何の危惧もなかったわけではなく、もう少し深く検討してしかるべきだったのだが、あまりにもそうする時間が無かった。
((まさか、抜刀できないなんて・・・っ!!))
横島、存在意義(この場における)のピンチであった。
―リーザス城近くの荒野 上空―
「・・・見えた。アレがリーザス城よ」
サテラが指差す先、人間の街の中央にそびえ立つ美しい白亜の城、リーザス城。
規模も荘厳さも魔王城に及ぶべくも無いが、人間の持つ独特の技術による建築物の美しさはハウゼルにも分かるような気がした。
「もう少しね、急ぎましょう」
先ほどから何故か嫌な予感が消えない。
逸る気持ちを押さえつけながらハウゼルは翼をはためかせる。
そして近付けば近付くほど嫌な予感はやがて確信に変わっていく。
「――っ!サテラ!!」
そしてハウゼルは気付いた。
自分達が目指している先、リーザス城の中央にもう一人の自分、半身とも言える存在がいることに。
「・・・まさか!?」
サテラはまだ気付いていないようだが、さらに近付けば分かるだろう。
「ええ・・・サイゼルがいるわ!!」
そしてサイゼルも自分達の接近に気が付くだろう。
人間の世界に到着早々、対峙しなくてはならないなんて・・・。
萎えかける気力をハウゼルは引き締める。
(・・・なんのためにここへ来たの、ハウゼル!?リトルプリンセス様のためだけじゃないよっ!)
「サテラ、行くわよ!!」
「うん。急ぐよ、シーザー!!」
「ハイ、サテラサマ」
二人の魔人(+1)はさらに速度を増してリーザス城へと向かうのだった。
―リーザス城 謁見の間―
横島は焦っていた。とても。
日光も焦っていた。普段、冷静沈着な彼女にしてはありえないほどに。
(どどどどどど・・・どーしましょー、日光さん!?)
(お、落ち着いてください、横島様。契約が無効となったわけではありません。確かにイレギュラーな契約だったため、何かしらの制約が生まれるのは予想できたコトだったのですが・・・)
(制約!?・・・なんか刀を抜くのに条件があるってコトっスか!?)
(そうです・・・条件さえ満たせば何ら問題なく私を使うことが出来るはずです)
(・・・で、その肝心の条件ってなんっスか!?)
(・・・御自分を・・・・・・)
(・・・・・・自分を?)
(御自分を信じてください!貴方は聖刀日光の主、魔人を討つ者であるとっ!)
実は日光も適当に言っているだけである。
ノリを大事にするあたり、彼女も横島に染まってきているのは間違いない。
(自分を・・・信じる・・・・・・?)
それは忘れもしない・・・自分のパートナーだった『心眼』の言葉だった。
(・・・ふっ、まさかその言葉をここで聞くことになるとは・・・思ってもいませんでしたよ・・・)
ニヒルに笑う横島。
そう・・・自分を、自分の力を信じること。
己の力に不安を抱くものが戦場でその実力の全てを発揮できる理(ことわり)はない。
あの頃とは違う。
戦うことも、力を手にするという意味も知らなかったあの頃とは・・・っ!
(横島様っ!!)
「綺麗事言わんでくださいぃぃ!!この世に自分ほど信じられんものが他にあるワケないんっスからぁぁぁぁああ!!!」
(・・・・・・・・・・・・・・・)←泣きそうな日光
ハイ、お約束。
確かにあの『GS試験』の頃と違い横島は霊力も人間としても大きく(多分)成長している。
しかし、どこまでいっても横島は横島であるということ、人の性根などそう簡単には変わらないものなのだ。
そして、突如、わめき出した横島に謁見の間にいる全ての人間&魔人が注目してきた。
既に斬り合いを再開していたランスとユキですら動きを止めてコチラを見ている。
「何を突然騒ぎ出したか知らないけど・・・私に殺される覚悟が出来たってコトかしら、ヨコシマ?」
物騒なことを言い放つサイゼルは魔法銃に魔力を装填しはじめた。
「んなワケあるか、アホゥ!!くそっ、こうなったらもう・・・っ!!」
本当は逃げ出したいのだが、ここまできてソレは通用するまい。
翼を持つサイゼルから逃れることがそもそも困難な上、仮に逃げ切ったとしても、今度はリーザスから追い出されかねない。
ヤケクソとばかりに横島は左手に鞘を、右手に柄を握り締めて自分の身体の前に突き出す。
(・・・どうなさるつもりですか!?)
「自分自身の霊能力で戦うしかないっスよ!文珠はゼロ・・・くぅっ・・・一か八か、日光さんに霊波を纏わせて斬りかかってみるっス!!」
横島は鞘に収まったままの日光を神通棍代わりにし、立ち向かおうとしているのだ。
神通棍を使用したことはほとんどなかったが、土壇場で思いついた割には悪くはない・・・と思う。
魔人に通用するかは試してみないと分からないが。
「いくぜっ!サイゼルちゃん!!」
具現化させたハンズオブグローリーを螺旋状に日光に纏わせ、青白く輝く霊気が横島の全身から発せられていく。
「この私を『ちゃん』付け!?・・・フン!いい度胸だわっ!!」
嫌が応にでも高揚していく精神に悦びさえ覚える。
ほぼ満タンまで充填された魔力。
クールゴーデスMk供丙、適当に名付けた)を解放すべく銃口を横島に向けて・・・。
「まだだっ!コレじゃ足りねえぇ!ふおおおおおおおっ!!」
「煩・悩・全・開――ッ!!!」
高位の剣士にすら匹敵する裂帛の気合とは裏腹に、もわもわもわ〜と横島の脳裏にピンクの妄想が繰り広げられる。
元の世界、この世界を問わず出会った美女・美少女達のあられもない姿が浮かんでは消えていく。
(・・・・・・・・・くっ・・・・・・!!)
当然、その妄想は日光にダイレクトに流れ込んでいく。
ある程度覚悟していたとはいえ、やはり心理的抵抗感だけはいかんともしがたい。
「はぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「喰らいなさいッ!!!」
気を溜めている最中に攻撃を仕掛けるという、ある意味反則を犯すサイゼル。
―――ドウゥン!!!
最大威力で放たれるサイゼルの魔法『絶対零度』。
触れるもの全てを超低温の領域に閉じ込め、完全に凍らせて打ち砕く氷系最上位魔法。
魔人であるサイゼルの魔力をもって放たれたその魔法を防ぐことなど、ただの人間には絶対に不可能である。
だが・・・。
――シャラン・・・・・・
鈴なりのような小気味良い音。
聴こえるはずのないその小さな音をサイゼルは聴いたような気がした。
それは日光を鞘から抜き放った音。
聖刀日光がその真の力を振るうべく解放された音であった。
(・・・・・・・・・っ!)
日光は己が抜き放たれたことを悟ると、瞬時に主を眼前の強大な魔法から守るべく動く。
―――ズバッ!!
一刀両断。
横島の強大な霊力を纏った聖刀日光は、サイゼルの放った必殺の魔力塊を容易く斬り裂き、消滅させたのだった。
「んなっ!!馬鹿なッッ!!!」
多少の手加減をしたとはいえ、人間一人殺すのに過剰な威力を込めて放ったつもりの魔法が、いとも簡単に防がれてしまうとは・・・。
「おおおおお、すげぇな、あの餓鬼」
ぴょんぴょん謁見の間を飛び跳ねながらランスの剣を躱していたユキも感嘆の意を吐く。
そして遠目に見ていたマリスやリアですら横島の絶技に息を呑んでいる。
ランスも横目にチラリと見ていたが、つまらなそうに鼻を鳴らしただけであった。
「あ・・・アレ?」
いつの間にか鞘から抜き放たれ、右手に収まっている日光を呆然と見つめる横島。
『力』を放っていたのは確かに横島だが、実際に身体を動かし剣を振るったのは日光の意志であるため、理解できていないのも無理はない。
(見事です・・・横島様)
如何な『聖刀日光』とはいえ、魔人の放つ魔法をそのまま斬り裂き、消滅させるなど不可能である。
横島の全身から発せられていた、そして日光の刀身に纏っていた『霊力』という未知のエネルギーあってこその技であった。
そして非常に不本意ではあるが、日光は横島が『聖刀日光』を抜き放つ『条件』を悟る。
確かに昨日の戦いにおける状況とも符合していた。
「くっ、何かの間違いよっ!人間が・・・っ!人間なんかが魔人の魔法を剣で斬るなんてそんな非常識っ!!」
確かに一度、この人間に破れたのは間違いない。
だが、昨日は完全に冷静さを失った上、ロクに魔力も使わずに武器を叩き落され、うやむやの内に戦いが終了した・・・それだけだと思っていた。
だが、これはなんだ?
自分は決して侮ってはいなかった。
自分の最大最強の魔法を放って・・・その結果がこれなのかっ!?
サイゼルの怒りは尤もではあるのだが、生憎それは通用しない。
彼女が相対しているのは人類屈指の非常識の塊『横島忠夫』なのだから。
(・・・・・・・・・・・・ありえ・・・な・・・ぐっ・・・・・・)
理解不能の状況がサイゼルから理性を奪う。
俯き加減にブツブツと何事か呟いている。
「オイオイ無能上司ッ!ボサッとしてんじゃねーデスよ!!殺っされちまうデスよっ!!」
そういうユキも先ほどから防戦一方である。
時折牽制に放っている氷魔法で何とか足止めをし続けているのだが、それでもランスの猛攻を凌ぐのが精一杯であった。
もうここらが潮時だろう。
さっさと撤収の命令を出して欲しいのだが、とてもソレを当てに出来そうにない。
(・・・横島様っ、好機ですっ!!)
うろたえているサイゼルの姿に横島もチャンスとばかり気合を入れなおす。
「よ、よしっ!!」
(また武器を叩き落して、それで追い払ってやれば十分だっ!)
昨日と同じく殺すつもりはない。
横島は日光を両手に構えなおし、サイゼルに向かって一気に間合いを詰めていく。
だが、ユキも・・・日光ですらもサイゼルの『本当の力』が動き始めていることに気付いてはいなかった・・・。
―リーザス城 謁見の間の屋根―
リーザス城へ到着したサテラとハウゼルは謁見の間の天窓のあたりに降り立った。
そして直後、眼下に飛び込んできた光景に息を呑む。
刀――おそらく『聖刀日光』だろう、を構えていた人間の男が見たこともないエネルギーを全身から迸らせ、サイゼルの放った魔法を一刀の下に斬って捨てたのだ。
「あの少年は・・・」
ハウゼルはその少年の姿、そして顔に見覚えがあった。
間違いなく、サイゼルと感覚を共有したときに目にした人間である。
「あの男・・・人間・・・?それにしては何かヘン・・・・・・」
サテラが呟くとおり、確かにあの少年からは何か人間とは違う・・・むしろ自分達に近しい何かを感じた。
――ドクン・・・
「・・・っ!?」
不意に鼓動が・・・魔人にとって心臓であり、核であるハウゼルの魔血魂が震え出す。
「あ・・・・・・か、はっ・・・っ!」
「な、ちょっと!どうしたのハウゼルッ!?」
突如震え出したハウゼルにサテラは驚く。
そしてそれと同時に日光を構えた少年がサイゼルに向かって駆け寄っていくのが見える。
そしてサイゼルもハウゼルと同じように震え出していた。
(・・・何か、嫌な予感がする・・・・・・それにこのままサイゼルを放っておいたら・・・っ!!)
サイゼルは間違いなく人間の少年に滅ぼされてしまうだろう。
確かにサイゼルは敵・・・ケイブリス派の魔人ではあるが、ハウゼルにとって大切な姉でもある。
しかし、サテラとしてはこれから人間の城でリトルプリンセスを護衛するという任務がある以上、迂闊にサイゼルを庇うわけにもいかないのだが・・・。
いや・・・そんなことは関係ない。
それ以上に恐ろしい何かが起こる・・・そんな予感がサテラの中に巻き起こっていた。
「ああ、もうっ!シーザーお願いっ!あの人間を止めて!でも殺しちゃダメよっ!」
「ハイ、サテラサマ」
主の命令に即座に実行に移るガーディアン、シーザー。
2.4メートルという巨体と2.5トンのウェイトはそれ自体が頑強な防御壁となる。
飛び降りていくガーディアンを見送り、今度はハウゼルと向き合う。
――パシンッ!
「しっかりして、ハウゼルッ!サイゼルの様子がおかしいのっ!」
「え、あ・・・サテラ?」
ハウゼルはすぐに正気を取り戻した。
元々、サイゼルからの影響で軽いトランス状態に陥っただけであるため、それほど深刻な状況になっていたワケではない。
そして姉の異常事態にすぐに気付く。
「姉さんっ!!」
――ズシーンッ!!
サイゼルに斬りかかる横島の眼前に降って来た巨岩。
突然の事にブレーキを掛けることも出来ず、思いっきり顔面からぶつかっていく。
「ぐはぁ!!」
鼻と額から血を噴出させながら仰向けに倒れ・・・そうになったところをひょいとシーザーの手で摘みあげられた。
憐れ横島、石人形の手の中で意識喪失。
カラーンと音を立てて日光が床に転がる。
こうなってしまっては日光が横島の身体を動かすことも出来なくなってしまう。
「横島様!?」
人の姿に戻り、石人形を睨みながら向かい合う。
「・・・・・・・・・」
だが、石人形は無言のまま横島をゆっくりと床に下ろす。
「貴方は・・・敵ではない・・・?」
「・・・・・・・・・」
石人形は肯定も否定もせずただ無言を通す。
「久しぶりね、聖刀日光」
突如、日光の傍らに降り立った少女の姿をした魔人サテラ。
そして蹲っているサイゼルの側には魔人ラ・ハウゼルの姿が見えた。
「魔人サテラ・・・それにラ・ハウゼル・・・・・・」
迂闊だった。
眼前のサイゼルに気を取られて、上空から接近していた他の魔人に気が付かなかったとは・・・。
(しかし、ケイブリス派ではない穏健派の彼らが何故?)
予想を超えた事態の連続に、冷静沈着な日光ですら状況を把握することが出来なくなっていた。
「ぐっ・・・アンタ・・・ハウゼル・・・なんでここに・・・」
「・・・良かった・・・気が付いた、姉さん・・・」
ハウゼルが正気を取り戻したのとほぼ同時にサイゼルもゆっくりとだが正気に戻りつつあった。
それ故、一心同体とも言えるハウゼルの呼びかけにサイゼルはすぐに意識を戻すことが出来たのだった。
「私は・・・そうだ・・・ヨコシマッ!」
何故ハウゼルがここにいるのか疑問には感じたが、それ以上の関心事がサイゼルにはある。
ズキズキと痛む頭を押さえながら、なんとか視界の隅にヨコシマの姿を捉える。
だが、ヨコシマは何があったのか分からないが、額と鼻から血を大量に流して気絶中。
「・・・・・・ちぃっ、これまでね・・・・・・ユキッ!!」
「アイアイサー!ったく、遅すぎデスよ、サイゼルさまー」
苦々しげに呻くサイゼルに、主の意を得た使徒ユキ。
天井スレスレまで飛び上がり、一気に残っていた魔力のほぼ全てを使って呪文を詠唱し始めた。
「いけないっ!」
咄嗟にハウゼルは人間の少年の側まで下がり、炎の力を持った魔法障壁を張り巡らせる。
サテラはサテラで人間の言う玉座の方にランスとその他二人の人間がいることを察してはいたが・・・そこまで面倒を見る必要はないと判断した。
どうせ『あの男』が使徒ごときの魔法で死ぬわけがない。
「氷雪吹雪ッ!!」
ユキの力ある言葉によって解放された魔力が、極寒の嵐となって謁見の間に吹き荒れる。
視界がほぼ白色に埋め尽くされた中、サイゼルの声がハウゼルの耳に届く。
「どうせリトルプリンセスの護衛にアンタ達が来たんでしょう?好きにすると良いわ。けど・・・私の邪魔をこれ以上するなら、たとえ妹のアンタでも許さない。そのつもりでいなさい・・・・・・」
「な・・・それはどういう意味っ?」
サイゼルの真意が分からないハウゼルには、姉の言葉が矛盾しているようにしか思えない。
だが、サイゼルはハウゼルの疑問に答えることなく、使徒と共にあっさりと飛び去っていってしまった。
再び窓ガラスをぶち破って・・・。
「だから、なんで貴様らはいちいち窓をぶち破って出ていくんだっ!!どうせならもう割れた所から出て行きやがれ!!」
「ダーリン・・・それはちょっと怒るところが違うと思うの・・・」
―バラオ山脈 魔人のアジト―
魔法ビジョンが映し出す映像は、既に全てが終わった後のものとなっている。
サイゼルもユキもとうに逃げ去った。
「・・・・・・・・・・・・」
すぐ傍で控えている使徒に無言で指示を下す。
ラインコックはいそいそと魔法ビジョンを片付けた。
「・・・・・・のどがかわいたわ」
「はい、カミーラ様。ワインにいたしますか?それとも少々御時間を頂きますが、新鮮な血液も―――」
絞るのに時間が掛かるらしい。
具体的に何を絞るかについては言及しないが。
「・・・ワインでいいわ」
かしこまりました、と下がっていくラインコック。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
余計なところで邪魔が入った・・・苦々しくカミーラは毒づく。
ホーネットの小娘がリトルプリンセスを護衛するために魔人を派遣するであろうことは予想していたが、思っていた以上に早い対応だったと言える。
(・・・・・・まぁ、いいわ)
楽しみが無くなったわけではない。
むしろ増えたようなモノだ。
まさか、あの『甘ちゃんハウゼル』が来るとは思わなかっただけに、サイゼルがこれからどう動くかも見物である。
それにサイゼルが見せかけた不穏な様子も、カミーラにとって与り知らぬコトであったため気になることで あった。
そしてあの少年・・・。
煩悩だか性欲だかを高めることで日光を抜き放ち、戦闘力に変換するとは・・・日光の使い手をこれまで何人か知ってはいたが、これほど奇妙な人間はいなかった。
・・・それにサイゼルも随分とご執心のようだ。
(あの少年の血を啜るのも・・・余興としては面白いかも・・・・・・ね)
容姿こそカミーラの好みから外れはするが、若く生命力に溢れた男の血はカミーラに大きな力を与える。
今すぐ、ではつまらない。
ゆっくりと・・・じわじわと追い詰めて・・・そして最後はサイゼルの目の前で引き裂いてやるのも良い。
魔人とはいえ取るに足らない小娘だが、獲物を横取りされた時の顔を見てやるのもさぞ面白かろう。
ケイブリスの命令(ケイブリスはひたすら低姿勢でお願いをしてきたのだが)で人間界へ赴いたときは屈辱にまみれた気分ではあった。
あの下衆の近くにいるよりはマシ・・・そう己を押さえつけてリトルプリンセス捕獲に出向いたのだ。
だが、今は違う。
ケイブリスに感謝する気などこれっぽちもないが、お陰で面白い玩具を見つけたのだ。
リトルプリンセスの捕獲も・・・まぁ、放棄するつもりは無いが、適当にやればいい。
(私を・・・退屈させては駄目よ、坊や・・・・・・クックッ)
カミーラの暗い嗤い声は誰の耳にも届くことなく虚空へと消えていった。
第十話 完
後書きのようなもの
煩悩全開パワー+『聖刀日光』による斬撃≒ランスアタック+『魔剣カオス』程度に思っていただけると分かりやすいかと。
ランスアタックも『本人でもなんだかよく分からない身体から溢れるパワーを剣に乗せて力任せに叩き斬る』という感じの説明だったので、コレがしっくり来るかと思います。
オチ・・・というか戦いの顛末に不満を覚える方が続出な予感です。
ただ筆者の中では今回の主役はカミーラ様なのですよ。
横島に目をつけていた、というのは8話後編で既に匂わせる台詞を言わせてましたしね。
そして日光さんが愉快な人になりかけているのがヤヴァイ。ファンの方から石投げられるかも・・・。
現在、午前1時00分
『戦国ランス』非常に面白いです。拙作にお付き合いしていただけるほどランス好きの方なら是非買いましょう。
ところでランスと横島の意外な共通点発覚。
いやぁ、あの自信の塊のような男がまさか『なんで俺なんかに惚れるんだ〜!!』なんて叫ぶとは・・・。
大いに笑わせて頂きました。
>titoさん
連載漫画のノリで『引き』を意識して作っているので自然とそうなっちゃうのです。全部、意図的です(笑)
>ラッキーヒルさん
横島からすれば、ランス=西条、程度の認識・・・というか考えなんです。
最初の接触時が『冒険者』として、成り上がりのカタチで『王様』ではあんまり『偉い』という実感が沸かないのでしょう、きっと。
近いうちにマリスに折檻されるかな・・・。
ハウゼルの使徒の設定がチラリとでも出ていれば出したのですが・・・オリジナル使徒はチラリと考えましたが、結局没にしました。
>スケベビッチ・オンナスキーさん
アレで本当に健太郎くん死んでたらどうなると思ってるんでしょうねぇ・・・。バッドエンドルート直行は間違いないのですが・・・。
>かくさん
正直、踏み台云々言われるのはしょうがないことと諦めました。
そもそも筆者にとってランス=プレイヤーというキャラではなく、ルドラサウム世界の登場人物の一人にしか過ぎない認識なんです。
ここら辺の齟齬が作中の扱いについて読者様の考えと食い違いが生まれる原因なのかな、と。
対して横島はGS美神の主役格といったところでしょうか。主人公はあくまで美神さんなんですけどね。
>Iwさん
今までメールを送っていただいた方にはすべて返信しておりますので、Iwさんのメールは届いていないようです。
普通のMSNのホットメールなんですけど、何か不具合でもあるんでしょうかね?
>ウェストさん
サイゼル&ユキはこのままのノリでいって欲しいですね。
横島って目上の人間に対する礼儀が極端と言うか、駄目な相手にはとことん駄目だったような気がします。
西条、教師、セクハラ込みなら神様に対してさえ・・・。百合子さんの躾が上手くいかなかったのでしょうか?
>ナインバンドさん
すいません。踏み台SSですいません。
筆者の力量では両方を立たせる表現が不可能・・・というかランスと横島のキャラが濃すぎてキツイです。
>おでんさん
元々リーザス国の騎士のハウレーンですら『貴様』よばわりでほぼタメ口でしたしね。
ヒューバートとか、男相手でもあまり礼儀にこだわった様子もないですし、むしろ媚びを売ったり堅苦しいタイプを激しく嫌う人間です、ランスは。
>ロムさん
踏み台SSと受け取る、受け取らないは、読者様それぞれということでしょうか。
踏み台SSと言われることに抵抗がなくなってきましたので、問題はある意味解決したと言えるでしょう(笑)
>御神冥さん
緑化病ですかぁ・・・随分と先の話になりそうですねぇ。というかソコまで書くのにあとどれ位かかるんだろう?
少なくとも横島くんが『アレコレ』することはないですが・・・。
>むくさん
両者の性格が破綻しないようには注意したいですね。
今後とも感想をいただけると嬉しいです。
>捨丸さん
筆者と読者様(全てではありませんが)のランスというキャラクターへの捉えかたの違いがようやく理解できました。
プレイヤー=ランスと見ることが出来ないということ。そこに齟齬が生まれる原因があったのかな、と。