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「.hack//Splash login_7(黄昏の腕輪伝説+.hackシリーズ)」

箱庭廻 (2006-11-04 01:25/2006-11-04 14:16)
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【Δサーバー 水の都市 マク・アヌ】


「これ預かっててくれない?」

 そう言われて、渡されたのは見たこともない可愛らしい生き物。

 手の中に収まる小さな命。

 例えプログラムでも一生懸命生きている命。

 でも。

『ぶひ〜……』

 手の中の生き物さんは酷く弱っていて。

「あうー、大変デス……」

 私はオロオロと悩むだけだった。


【.hack//Splash】
   login_7 大切な命


【Δサーバー 水の都市 マク・アヌ】


 桜舞う並木でのイベントバトルから数週間が経った。

 結局ボスを倒した後、俺たちは質問を浴びせてくるPCたちから逃げるようにログアウトした。

 数日間はBBSなどで色々と騒がれてたみたいだけど、一週間もすればすぐに書き込みも少なくなって、すぐに立ち消えてしまった。

 WEBでの話題なんてこんなものかと肩をすくめたぐらいだ。

 そして、俺は別段注目されることなくマク・アヌのベンチで座っていた。

「あー」

 そんなうめき声を上げながら、俺は振り上げた右手を見上げていた。

 黄昏の腕輪を見つめる。

(確かに……形が変わったよな……)

 思い出すのは数週間前の記憶。

 あの馬鹿でかいドクロに腕輪を突き出した瞬間、一瞬だけだが確かに形状が変わった。なんというか、竹とんぼみたいな三角錐の形状にだ。

 今はもう元通りだけど、一体なんなんだこの腕輪?

 前はまったく光ろうともしなかったのに、あのバトル以来たまに使えるようになった。

 まるで……

「成長してるみたいだ……」

 そういった自分の言葉に、ゾクリと背筋が冷えた。

 その時だった。

「シューゴっ!」

 突然目の前に現れるレナの顔。

「うわわわっ!」

 思わず俺は驚いて、後ろからひっくり返る。視界が回転した。

 どかっ。

「……なんとなく痛ひ」

「あちゃ。なにやってるのよ」

 見て分からないか、我が妹よ。

「ひっくり返ってる」

「そりゃ見れば分かるって」

 まあ当たり前だな。

 よっこしょ、といいながら、俺は身体を起こした。

「ふぅ、腰が痛むぜ」

「まだ中学生でしょ? 腰を痛めるには早ーい」

 気分だ気分。

 って、それよりも。

「それにしても遅いな、ミレイユたち。もう約束の時間だよな?」

 待ち合わせのマク・アヌ広場前に来て、そろそろ五分。

 約束の時間になってもまだ現れない三人。

 どしたんだ?

「確かに遅いねー、ちょっとメール確認してみるね」

 そういって、レナはスクリーンパネルを取り出して、操作し始めた。

 ううむ。相変わらずパネル操作は上手だな、レナは。

 携帯メールすらおぼつかない俺にはうらやましい限りだ。うん。

 ……ふふふ。

「どしたの、シューゴ?」

「いや、不器用な自分を再発見しただけさ、気にしないでくれ。……んで、なんかメールあったか?」

「うん。ミレイユと凰花は遅れるって。あとオウルさんが……」

「ん? オウルの奴がどしたんだ?」

「なんか急な用件が入って、今日行けそうにないんだって」

「むむむ、またか。ドタキャンはよくないぞ」

 ちょっとだけ残念そうな顔を浮かべるレナを見て、俺は腕を組んだ。

 知り合った時からそうだったけれど、オウルとは時間が合うことが少ない。誘ってもけっこう遅刻してくることが多い。

 とはいってもずぼらなわけではなく、なにか用事を済ませてからやってくるといったことが会うたびに感じる印象だ。

 それでいて来た時には嫌な顔一つせずに冒険を一緒にしてくれるし、この前のバトルでも見たけれどその強さと的確な判断力はかなりやりこんでいるベテランだということを感じさせる。

 ……なのに、俺たちと大差ないレベルなんだよなぁ。

 不思議だ。

「アイツ……普段なにやってるんだろうな?」

「んー、何してるんだろ?」

 まさしく謎だな。

 他人のプライベートを探る趣味はないが、ちょっち気になるお年頃です俺。

「まあ待ってるのもなんだし、レベル上げでもしに行く?」

「んー、そだな。レベル上げにいくか」

 強くなるのに損することはない。

 この間みたいに指を加えて見物っていうのはもうイヤだしな。

 そう考えて、俺はベンチから腰を上げた。

「あの……スミマセン」

 ん?

「ちょっといいデスか?」

 掛けられた声に振り返ると、そこには見知らぬ女の子。

 それは緑色の帽子と衣装で揃えた金髪の可愛い女の子PCだった。

 ――ズギュンッ!

 その瞬間、何かが俺の心を貫いた。

(がふっ!)

 心的描写吐血。

 思わずリアルで胸を押さえる。

「どしたの?」

「き、気にするなマイシスター……」

 こ、これが心のトキメキってやつか?

 な、中々やるじゃねえか……

「アノ……その人どうかしたんデスか?」

「ええと、持病の癪なんで気にしないでください。っね?」

 な、なんか目が冷たくないかい妹よ?

「どうもはじめまして、私はレナ」

「あ、ワタシHOTARUいいマス。どもデス」

「お、俺はシューゴ。どうもこんちは」

 ペコリと礼儀正しく三人で頭を下げる。

「それで何のようですか? トレードかなにか?」

「イエ、アノ……」

 レナの言葉にHOTARU――ほたるちゃんでいいか。が、困ったように首をプルプルと横に振る。

 トレードじゃないんか?

 んじゃ一体……

「ん? なにそれ?」

 その時、俺は彼女の手に抱えられている物体に気が付いた。

 茶色くて丸っこくて、なんか毛が生えてる?

『ぶ、ぶひぃ……』

 な、何か鳴いたぞコレ?

 もしかして生き物か?

「なんだこのブサ可愛い生き物は?」

「【プチグソ】だね」

 ――プチグソ?

「ザ・ワールドで飼えるペットみたいなものだよ。育てれば立派な乗り物になるんだよ」

 ほー。

 それは知らんかった。中々奥が深いな、ザ・ワールドは。

「プチグソさんいうデスか? どもデス、プチグソさん」

 そういって、ほたるちゃんは腕の中のプチグソに話しかける。

 中々に微笑ましい光景だ。

 だけど、一つ気になることがある。

「なあ、なんかそのプチグソ……顔色悪くないか?」

 なんか見るからに土気色の顔色をしているんだが、それが平常なのか?

 っていうかよく聞くと声もなんか弱々しいし。

「……具合ワルイです」

「病気なの?」

「ハイ。ソウみたいデス。でも、ワタシビギナー……治し方シラナイ……」

 そういうとほたるちゃんは顔を曇らせる。

 それで大体事情は読めた。

「俺たちに治し方を聞きにきたってこと……か。レナ、知ってるか?」

「んー。私もそんなにプチグソに詳しいわけじゃないんだけど……ねえ、一つ聞いていいかな?」

「なんデスか?」

「――予防注射、受けさせた?」

 そのレナの言葉に、ほたるちゃんはしばし首を傾げると、プルプルと首を横に振った。

「もしかして打ってないの?」

 そう問いかけたレナは、少しだけ目つきを鋭くした。

 どうしたんだ?

「……ワカラナイデス」

 分からない?

「ワタシ、預かってるダケデスから……」

 預かってる?

 ほたるちゃんのプチグソじゃないのか?

「プチグソさんの世話頼まれたデス。デモ、病気になって……」

「…………」

「レナ?」

 ほたるちゃんの言葉を受けて、レナが腕を組んだままなんか考え込んでいる。

「どした、レナ? なんか考え込んでるけど……」

「んー。ちょっとね。取り合えずプチグソ牧場に行ってみましょう、確かあそこならプチグソの診断も出来たはず――」


「その必要はナッシング!」


 その時、突然割り込んできたのは謎の声。

「は?」

「へ?」

「ふ?」

 その声に振り返る俺たち。

 そして、その場に立っていたのは金髪の巻き毛に奇怪な鎧を纏い、中世の貴族のような様相をした男PCとそれに跨れた同じようなカッコウのデカプチグソ。

 一言で言えば。


「ボンジュールゥ? 麗しきマドモアゼルあーんどしょぼくれたボーイ。何かお困りのよ」


 ――変な変態なので見なかったことにしよう。

「じゃあプチグソ牧場に行こうぜ」

 視界を戻し、俺は記憶に残るプチグソ屋への方向へ足を向ける。

「待て待て待てい! 人の挨拶中に背を向けるな!!」

 ――俺たちの前に回り込む先ほどの変態。

ちっ! ごまかしきれなかったか。

「人の挨拶中に無視するのはネチケット違反だよ、ボゥーイ?」

 その気色悪い巻き舌口調は止めろ。

 寒気がする。

「ええと、私たちに何か用ですか?」

 レ、レナ! そんな奴と話したらダメだぞ!?

 昔から教えてあるだろう。怪しい人からは話しかけられても無視するようにって!

「キッシッシ。麗しいレディ、僕はあなたたちのお役に立てるかもしれませーん、というわけで失礼」

 ひょいっと、謎の変態PCに奪われるほたるちゃんのプチグソ。

「ア!」

「なるほどなるほど」

 そして、変態がそのままジロジロとプチグソ相手に診断らしき行動を始める。プチグソの口を開けたり、目を見たり、ぺたぺたと触ったり、その髪の毛に櫛を通したりって……オヒ。

 しばし怪しげな行動が続く。

(な、なぁ。レナ。コイツ信用出来るんか?)

 ボソリと小声でレナに訊ねる。

(んー、どうだろ? 変な人だとは思うけど、悪人というにはキャラが濃いよね……)

 それは同感。

 でも、なんかどこかで見たことがあるような気がするんだよな。こういう奴……どこだっけ?

「んー、分かったぞ」

「OH?」

「取り合えずおめでとう」

 そういってにこやかに笑みを浮かべる謎PC.

「な、治るのデスか?」

「んー」

 ビシッとピースサインを出し。

「こりゃ死ぬわ。しかも余命一時間って感じ?」

 そのまま十字を切られた。

「OH!?」

 しかも黙祷付きっておい!

「ま、まてこら! テメエ適当こいてんじゃねえだろうな!?」

「む! 失敬な。僕は事実を述べたまでですよ?」

 やれやれと肩を竦める変態PC。

 なんかこいつ、やることなすこと感に触る。

「まあ【不死鳥の羽】ってアイテムがあれば完治も可能だけど、なにげにレアアイテムだからねぇ。助けるのは無理なんじゃなぁい?」

 ぴきっ。

「キッヒッヒ。まあこれに懲りたら、今後はもっとしっかりとプチグソを育てるんだねぇ。病気にかからせるなんてビギナー以下ですよ?」

 ……ぶちっ。

「テメエ……言いたい放題言わせておけば」

「む。僕はテメエじゃありませんよ」

 見ているだけでむかつく動きで、手に持っていたバラを取り出す変態。

「僕の名はコミヤン三世! 麗しき世界の使者にして、誇り高き僕のことを人は孤高王と呼ぶ!! ――ちなみにこいつ(騎乗しているプチグソ)はオスカルね」

「アッモーレ!」

 っていうか。

「お前、もしかして同じクラスの“小宮山”じゃねえか?」

 胸を張っていた変態PCことコミヤン三世が、後ろのめりに転げ落ちた。

 ――ズゴンッ!!

「アウチ!」

 おうおういい反応だな、おい。

「どうやら当たりみたいだな」

「え? 本当に小宮山くんなの?」

「Why?」

 レナとほたるちゃんが不思議そうに首を傾げてくる。

「ね、ねねネットでリアルのことは言うな! 大体誰だ貴様は!! 名を名乗れ」

 うん? にっぶいなぁ、こいつ。

「俺だよ俺。国崎秀悟。マジでわからんかったのか?」

「ちなみに私は怜奈だよー。覚えてる?」

「……国崎? 怜奈?」

 キョロキョロと俺たち二人を見比べるコミヤン三世。

 まさかゲーム内で知り合いと出会うとは思ってなかっただろ。

 俺もだが。

「ぬぬぬ、確かにそのむかつく態度とムダにえらそうな態度は国崎秀悟、貴様そのものだ!」

「……どんな評価だ、テメエ」

「そして」

 そういって、ジィーとコミヤン三世の視線がレナに移る。

 あ、なんか嫌な予感。

「大体半年ぶりなのだが、元気そうだねレナちゃん」

「あ、はぁ。どうも」

「しかも、清純そうなイメージとは異なってそんな派手な外装とは、なんかもう心がときめ――」


 めごしっ!


「ごへっ!」

 俺は間髪居れずに、コミヤン三世の頭部に踵落としを叩き込んだ。

「な、何をする国崎秀悟!!」

 すぐさま復活するコミヤン三世。

「はっ、テメエがレナにいやらしい目を向けるからだ!」

「ただ褒めただけだろうが!!」

 そういって、俺たちはぐわしとつかみ合う。

「うるせえ! 妹に色目を使う奴は全員敵だ!!!」

 ドゲシッ!

「あ!? テメエまだ治ってなかったのか、このシスコン!!」

 バキッ!

「妹思いと言え!! 大体家族を大切に思って何が悪い!!」

 ボグッ!

「そんな綺麗な言葉でまとめられるほど優しい性質かお前!」

「なにをぉ!」

 ウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラウラウラウラウラウラウウラウラウラ!!!

 飛び交う拳。

 燃え上がる心。

 互いを突き動かすのは信念。

「これで!」

 激闘の果てに繰り出したのは、自らがもっとも信頼する右ストレート。

「終いだ!!」

 そう叫んだ瞬間、相手が繰り出したのは――右ストレートだと!?


 ドゴンッ!


 そして、突き刺さる互いの拳。

「く、クロス……」

「カウンターだと……」

 紅く染まるHPゲージ。

「ふ、ふふ。相変わらずいい拳してるじゃねえか……小宮山」

「く、くく。お前もな相変わらずいい根性してやがるぜ……国崎」

 ガシッ!

 お互いの顔面がボコボコになるぐらいになったころ、俺たちは改めて友情を確かめ合った。

 ……あれ? 外装って汚れないんじゃなかったけ? まあいいか。

「この決着はまた明日リアルで付けよう、国崎」

「味噌汁で首を洗って待ってやがれ、小宮山」

 ニヤリと笑みを浮かべあう。

「サラバだ、アディオスアミーゴ」

「アッモーレ!」

 そういって、コミヤン三世はログアウトしていった。

「いずれ奴とは雌雄を分かつ必要がありそうだな……さて。レナ行こうか――」

 そういって、振り返った先に見えたのはいつの間に集まっていた見物人。

 二人の姿は見えない。

 あれ?

「あ。ここに居た女のPC二人なら付き合ってられないから、先行ってるよと言ってましたよ?」

 あれぇ?

 れなー、お兄ちゃんの愛と激闘は無視ですかー!


【Θ 高山都市 ドゥナ・ロリヤック】


 マク・アヌにプチグソ牧場はないので、俺はΘサーバーにあるルートタウンへと移動していた。

 高山都市というだけあって突き立つ山頂に寄り添うように建物が建造されており、その山々を通行するのには細い木で出来た橋だけ。

 ゲームだから落ちる心配はないといっても、この高い景色は心臓に悪い。

 テクテクと一歩一歩踏み知れるように移動し、俺はようやくプチグソ牧場へと辿り着いた。

 だが。

「あれ?」

 牧場の前に立っているのはほたるちゃんだけだった。

「ア、シューゴさん!」

「うう、またしてごめん。レナはどこいったの?」

「レナさんナラ、プチグソさんの治し方を探しに行きマシタ。他のサーバーの牧場を回ってくると……」

「ということは治し方が分からなかったの?」

「イエ。治せるアイテムのダンジョンが分かったんデスが……」

 分かった?

【Θ 炎立つ 煉獄の 谷間】というエリアのダンジョンにあるらしいデス。でも、レベルが高すぎるデス……」

「幾つ?」

「28デス」

 28!?

 ええと、今の俺のレベルが14だから……14レベル差か!?

「ほたるちゃんのレベルは?」

「3デス」

 本当に初心者なんだな。

「ソレだと攻略は無理だから、他の方法を探してクルってレナさんガ……」

「探しに行ったわけか」

 コクンと頷くほたるちゃん。

 その顔はとても辛そうだ。

 いや、辛いんだろう。治せる方法が見つかったのに、手が届かないなんて。

 理不尽過ぎる。

「くそっ、こんな時にミレイユたちや、オウルが居れば……」

 あいつらのレベルなら28のダンジョンでも進めるだろう。

 オウルならきっといい方法を思いついてくれるに違いない。

 なのに。俺ときたら……

 ――また役立たずになるのか。

「……プチグソさん」

 ほたるちゃんがプチグソを抱きしめる。

 一番辛いであろうほたるちゃんが、ただじっと耐えている。

 それなのに、俺はただこの場で立っているだけなのかよ。

「くっ」

 俺は膝を叩いて、唇を噛み締めた。

 何も出来ない自分に苛立つ。

 そんな時。

 目に飛び込んでくるのは、右手の腕輪。

 黄昏の腕輪。

「まてよ」

 もしかして、これならなんとか出来るんじゃないか?

 まだ発動も不安定、使える時も使えない時も分からない。

 でも。

「ほたるちゃん」

「エ?」

「【Θ 炎立つ 煉獄の 谷間】のダンジョンにあるんだよね? その薬」

「あ、ハイ」

「――俺が取ってくるよ」

「エ!? でもレベル大丈夫デスか?」

「正直言って足りない。でも、もしかしたらなんとか出来るかもしれないんだ」

 そういって腕輪を掲げる。

 詳細も信用も出来ない謎だらけの腕輪。

 だけど、その力だけは信頼できる。

「じゃ、待ってて」

 そういって、微笑んで俺は背を向けた。

 目指すはカオスゲート。

 そこからダンジョンへ向かう!

「マ、まってくだサイ!!」

「グエッ!?」

 そう思って走り出そうとした瞬間、襟首を掴まれた。

「ワタシもいくデス!」

「え!?」

「プチグソさん助けるのに、ワタシがやらないのはギに反するデス! 知り合いもよくいってマシタ!! ワタシも手伝いマス!」

「……でも、ほたるちゃんはレベルが……」

「それはシューゴさんも同じデス」

「途中でやられるかもしれないよ?」

「頑張ればカツです!」

 プチグソを抱きしめ、ほたるちゃんは真正面からそう言った。

 これは諦めてくれなさそうだ。

 責任重大だぞ、俺。

「分かった。じゃあ、二人で行こう。でも決して無理しないこと!」

 よくオウルが言っている口癖を真似する。

「ハイデス!!」

 微笑むほたるちゃん。

 この笑みを悲しみに歪めたくない。

 レナもそうだけど、女の子が泣くのは苦手だし。

「じゃあ、ちょっとまって」

「――Why?」

「急がば回れ。ちょっと魔法屋でアイテムを買ってくる」

 今回は失敗が許されない。

 腕輪だけに頼ってたらやられるのは目に見えてる。

 絶対に成功させるぞ!

「ハイです! ならワタシも」

 そういって、ほたるちゃんがパネルを取り出した。

「先に行っててクダサイ。知り合いにメールしておきマス」

「他に仲間がいるの?」

「ハイ! とても頼れるヒトデス!」

 そういって、ほたるちゃんは微笑んだ。


【Θ 炎立つ 煉獄の 谷間】


 転送された先にあったのは険しい岩場のフィールドだった。

 そこらじゅうに奇妙な石像があり、ゴロゴロと石が転がっていて歩きにくそうなエリアだ。頭文字に炎という文字もあって、火山帯でも近くにあるのか煙がそこらじゅうから吹き出ている。

 ……いかにもって感じだな。

「ココのダンジョンの奥に薬があるデス!」

「待って」

 そういって、走り出そうとするほたるちゃんの手を掴んで止める。

「こういう時こそ慎重に進むんだ。というわけで【妖精のオーブ】!」

 取り出したオーブから、クルクルと小さな妖精が飛び出てくる。

 しばらく空を舞っていた妖精はキョロキョロと回りに目を向けた後、こちらの耳に何か囁いてきた。

 ――妖精さんがマップを調べました。

 そして、ディスプレイ画面の隅に現れる詳細なマップ画面。

 モンスターの現れる魔法陣の位置や、ダンジョンの位置が浮き上がってくる。

「こっちだ」

 指を指し、ダンジョンのあるであろう方角を指し示す。

「ハイです」

 そういって、俺たちは歩き出した。

 敵と戦っても勝ち目はないので魔法陣や乗り越えられそうにない障害物などを避けて、最短であろうルートを進み出した。

 時々転んだり、うろついている野良モンスターから身を隠しながら進むこと数分。

 ようやくダンジョンの入り口に辿り着く。

「ふぅ、ここまではなんとか無事に辿り着いたな」

「このオクにアイテムが……」

「アイテムはアイテム神像のところだよね?」

「ハイ」

 なら、妖精のオーブを使いながら最短ルートで向かう。

 アイテム神像があるエリアなら、ミレイユに教えてもらったコツがあるから見分けが付く。

 そして。

「オウルの物まねみたいだけでなんだけど――快速のタリスマン!」

 魔法屋で買い込んだ倍速アイテムをここで使用する。

 取り出した俺とほたるちゃんの分、二つが同時にひび割れる。

「コレは?」

「移動速度が上がるアイテム。これでなんとか逃げ切る」

 よほど足が早いモンスターじゃなければ、なんとか振り切れるはず。

「じゃあ、行くぞ!」

「いきマス!」

「ブヒィ……」

 三者三様の言葉を発して、俺たちはダンジョンに侵入した。


【Θ 炎立つ 煉獄の 谷間】


 転送された先に、見覚えのある姿はなかった。

「フム。一足遅かったか?」

 メールが届き、慌ててやってきたのだが一足遅かったようだ。

 おそらく先に行っていることだろう。

「誰かに手助けがあれば、ダンジョンまでは辿り着けるか」

 急げばまだ間に合うかもしれない。

 たとえ無駄骨になろうとも、それはそれで幸いだろう。

「行くか」

 ゆったりと歩き出す。

 ダンジョンの位置はすでに使用した妖精のオーブで捉えた。

 あとは――


『ガァアアアアアアアアアアアアアアア!!!』


 地面が揺れる。

 目の前に降り立った一体の獣――【ケルベロス】。

(これらを始末せんと進めんか)

 チャキッ。

 手元の愛刀に手をかけ、鍔を鳴らす。

「無駄な殺生は好まんのだが」

グルルルルルルウゥゥゥウウ!

 吼え猛る獣を見て、オレは諦める。

「そうは言っていられんか」

 一歩踏み出す。

 振るうはただ一刀。


 ――群雲。


【Θ 炎立つ 煉獄の 谷間】


 飛び交う刃の間を飛び込む。

 床と斬撃のギリギリハーモニー! 避ける避ける、避けますよ!?

 目覚めろ新感覚!

『グゥオオオ!!』

『GaAAAAA!』

 なんて冗談言ってる場合じゃねぇぇええええ!!!

「逃げぇええええええ!!!」

 ゴロゴロと転がりながら、その横をすり抜ける。

「ハイィ!!!」

 先に逃がしておいたほたるちゃんが逃げるのを見ながら、俺も走り出す。

 ズシン、ズシンと追ってくる足音。

「うひぃぃいいい!! まだ追ってくるよぉお!!」

「しつこいデス!! モンスターさん!」

「階段は! 階段はまだかぁ!!」

 叫びながら走る俺たち。

 頑張って頑張ってアイテム神像がある地下三階まで辿り着いたのだが、そこで待ち受けてたのが大型モンスターのオンパレード。

 足が遅いのはいいんだけど、その攻撃は物凄く心臓に悪い。

 っていうか、なんかもうトラウマを負いそうだ! 大型大っ嫌い!!

「危ないです。シューゴさんっ!!」

「え!?」

 ほたるちゃんの声に我に返ると、そこに見えるのは巨大な彫像みたいなモンスター【ムーガーディアン】

 なっ、マズ――

「【吊り男のタロット】デス!」

 オレの前に飛び出たほたるちゃんが、カードのようなアイテムを掲げる。

 その途端、ビクンと動きを止めるムーガーディアン。

 その横をすり抜ける俺たち。

「やるね、ほたるちゃん!」

「テヘ。これならレベル低くても関係ナイデス!」

 よっしゃっ、このペースならなんとか進めそうだ!


 ――ガンゾット。


 そう考えた瞬間、床が揺れた。

 ――ヤバイ!?

「ほたるちゃんっ!!」

 咄嗟にほたるちゃんを突き飛ばす。

「え!?」

「ぶひぃ!」

 驚く一人と一匹の顔を見ながら――床から突き出た石柱が俺を貫いた!

 HPゲージがレッドに染まる。

「ガッ!」

「シューゴさんっ!!」

「うぅおおおおおお!!」

 腹を貫く石柱に双剣を突き立てるが、中々壊れない。

 そんな俺の前に迫ってくるのは――先ほどのムーガーディアン。

 もう麻痺が解けやがったか!

「先に行くんだ! ほたるちゃん!!」

「そ、ソンナ置いていけないデス!」

「行くんだ! 俺がやられても全滅しない限り平気だ!」

 そう叫び、俺は再び双剣を石柱に突き立てる。

 ビキッ!

 石柱にヒビが入る。

 ガラガラと壊れる石柱によって、自由になる俺の身体。

「行くんだぁ!!」

 そう吼えて、俺はほたるちゃんから背を向けた。

「――死なないでクダサイネ!」

「大丈夫! 身体の頑丈さと逃げ足なら自信があるから!!」

 ほたるちゃんの言葉にそう返す。

 そして、ほたるちゃんが走っていく気配を感じながら……俺は目の前に迫ってくるムーガーディアンに立ちはだかった。

『RUXUUIWIOWIIWIEIEIWIEIEWIWEIE!』

「何言ってるか、わかんねえけどな!」

 こっから先は!

「通さねえ!! ――腕輪よ!」

 ブルンと右腕の腕輪を振るう。

 そして、俺の意思に応えるように輝き出す腕輪。

 OK!

「吼えろ!」

 迫る迫る迫る。

 ムーガーディアンの刃。

 その刃に立ち向かうように、俺は腕を差し出す!

「データドレイン!!」

 ――叫んだ刹那、迸る閃光。

 光は振り下ろされるムーガーディアンの腕を差し止めて、その全身に侵食する!

 パリィィインツ!

 ムーガーディアンの装甲が弾け飛び、その中から現れた【カカシ】が現れた途端逃げ出した。

 そして、その途端役目を終えたように輝きを失う腕輪。

「はっ、やれば出来るじゃん。俺」

 ニヤリと笑みを浮かべ。

 ズシンッ!

「この調子で行くぜ」

 ――逃げたカカシを踏み潰し、現れる後続のモンスターを睨んだ。

 腕輪はもう使えない。

 だけど、数十秒でも稼げればそれでいい。

 ほたるちゃんがアイテム神像まで辿り着ければ俺たちの勝ちだ。

「来いよ!」

 双剣を構え、俺が吼える。

 そして、モンスターたちが一斉に俺へと襲い掛か――


 ――群雲。


「相変わらず漢だな」

 ピタリとモンスターの動きが止まり。

「しかし」

 ズルリとその上半身がずれて。

「こんなザコに手間取るとは」

 モンスターたちが一斉に崩れ落ち。

「お前らしくないな――“カイト”」

 その向こう側に佇んでいるのは“日本刀を携えたサムライ”。

 眼帯を付け、新緑の腕と茶褐色の着物を着けた大柄の男PCの姿。

「……だ、誰だアンタ」

「ん? 違うPCか?」

 抜き出していた刀を滑るような手つきで鞘に納めると、そのサムライは口元を緩ませてこう言った。

「オレの名は砂嵐 三十朗。HOTARUというPCを探しているんだが、知らないか?」

「へ?」


【Δ 水の都市 マク・アヌ】


 私はやってきたミレイユたちに事情を説明していた。

「はぁ? シューゴが炎の谷にいった?」

「そうみたい……」

「ぬぬぬ、シューゴのレベルは確か」

「私と同じ14」

 私がそう告げると、ミレイユと凰花の二人が眉を潜めた。

「もう少し待っていてくれたら、ヘルプに行ったんだが……」

「あのバカ。死体になったら意味がないでしょうに……」

 あちゃーとミレイユが頭に手を置いて呆れ、凰花が肩をすくめる。

(……兄さんのバカ)

 何で行く前に一言でも連絡してくれなかったんだろうか。

 せめて私も一緒にいったのに。

「だから、ゴメン。一緒に助け――」

「じゃ。さっさと行こか」

「ああ、友の窮地だ」

 私が言うよりも早く、二人がそう言った。

 揃って笑みを浮かべてくれる。

「レナも行くんだろ?」

「うん」

 待っててね、兄さん!

 私はそう決心して、カオスゲートの方へと振り返った。


「その必要はないぜ」


 瞬間、目に飛び込んできたのは三人のPC。

 ほたるちゃん、見知らぬサムライ形のPC、そして――

「お兄ちゃん?!」

 見慣れた兄のPCがボロボロながらもそこに立っていた。

「ミッションコンプリート。シューゴは無事に任務を達成しましたってな」

 え?

「へ? ってことはアイテムを」

「手に入れたぜ、不死鳥の羽をな」

 シューゴが笑って、ほたるちゃんを前に出す。

 その頭の上に乗っているプチグソの顔色は――

「元気になってる」

「ハイ! シューゴさんとレナさんのお陰デス!」

 そんな私は何もしてないよ。

 頑張ったのはお兄ちゃんの方だよ。

「レナさんもイッショウケンメイこの子のためにガンバッテくれました。だからカンシャするデス」

「そうかな?」

「ソウデス!」

 私はためらいながらも微笑んで、ほたるちゃんの笑みに応えた。

「よかったねー、ってアレ? 凰花どしたの?」

「……いやちょっとな」

 凰花さん?

 ミレイユの言葉に、目を向けてみるとなにやら難しい表情を浮かべている凰花さんが映った。なんか目線が、サムライさんの方へと向いている。

 知り合いなのかな?

 あとそういえば、あのサムライさん誰なんだろ? なんかホタルちゃんと親しい感じみたいだけど。


「あー、こんなところに居た!」


 その瞬間、飛び込んできたのは見知らぬ女性の声。

 私たちが振り返ると、そこには見覚えのない女剣士PCの姿。

「探したんだよー、もう待ち合わせの場所にいないんだから」

 私たちの視線も気にせずに、女剣士PCがほたるちゃんへと歩み寄ってくる。

 もしかして、あの人!

「あ! プチグソさん返すの忘れてました!」

「そ、ありがとねぇ。返して私のプチグソ」

 女剣士PCがほたるちゃんに向かって、手を差し出す。

「ハイデス」

「――ちょっと待って!!!」

 私はそのほたるちゃんの手を掴んだ。

「なんデスカ?」

「なによ、アンタ?」

 いぶしかるような目線を受けながらも、私はその女剣士PCを睨み付けた。

「アンタ。このプチグソの飼い主?」

「そうだけど?」

「じゃあ、一つ聞きたいんだけど――なんで病気のプチグソを他人に押し付けたのよ!?」

「ハイ!?」

 皆が仰天する様子を感じながら、私は女剣士PCを睨み付けた。

 よくよく考えればおかしかった。

 預かった途端病気になったプチグソ。

 そして、小宮山くんが出した余命一時間というあまりにも早い病気の進行。

 気になって牧場で調べて見たら、あの病気は予防接種を受ければ掛からない病気だと分かった。

 予防接種は多少お金が掛かるけど、マトモな飼い主なら真っ先にする行為だ。

 むしろ基本中の基本だと言ってもいい。

 なのに、ソレにかかった。

 しかも、もう死に掛けるほど病状が進んだ状態で。

 それはまさしくロクに世話もしないで、放置していたという証拠だ。

「どうなのよ!」

「……」

「答えなさい!」


「うっざいなぁ」


 なに? 今なんていった?

「たかがゲームでしょうが、そこまで目くじら立てなくてもいいじゃん?」

「は?」

「まあ病気っぽかった状態で預けたのは事実だけどさ、治ったからもうチャラじゃない? もう水に流してさ」

「アンタ……何言ってるのか理解してる?」

「はぁ? 大体なんでアンタに説教されなきゃいけないわけ。アンタ何様のつもり?」

 こ、こいつ。

「大体プチグソなんて死んだら、新しいの飼えばいいじゃん。それをぎゃーぎゃー騒ぎ立てて恥ずかしくないの?」

 ふざけ――


「ふざけんな、テメエ!!!!」


 私が掴みかかるよりも早く、シューゴの拳が女剣士PCを殴り飛ばしていた。

「なにすんだよ!」

「ふざけんな。そいつを助けるのに、どんなにほたるが苦労したのか知ってんのか!? 初心者だぞ!! 初心者がレベルが20以上も差のあるダンジョンにもぐって、なんども死に掛けながら必死に助けたんだぞ! テメエにそんなことが出来んのかよ!!!」

「あぁ? 勝手に苦労したのはテメエだろうが」

 そういって、女剣士PCが柄に手をかける。

 こいつ!

「喧嘩売ってんなら――」


「喧嘩売ってるのはアンタだよ」

「それに手をかけるなら」

「黙ってはおられんな」


 私たちの前に立ち塞がるようにミレイユと凰花、そしてサムライさんが立つ。

「弱いもの虐めは嫌いだが、仲間に手を出すとならば黙っていないぞ」

「同じく。女子を斬るのは信条に反するが、外道は見ておられん」

 凰花が拳を、サムライさんが刀に手をかける。

「ちっ、仲間ごっこしやが……え?」

 悪態を付いていた女剣士PCの動きが、二人を見た途端止まる。

「なっ、まさか……神拳に……【無双】!? なんで二つ名持ちがこんなところにいるんだよ!?」

 ――無双?

 もしかして、最強のサムライ無双の砂嵐 三十朗!?

「ふむ。ずいぶんな扱いになっているな、オレも」

「なるほど。道理で気になるわけだ。最強の二つ名持ちとはな。……で? それを知ってもなお、私たちに戦いを挑むか?」

 ジロリと凰花が女剣士PCを睨む。

「く、くそ! 二つ名持ちと戦って勝てるかよ!!」

 女剣士PCはあとずさりながら後退すると、背を向けて逃げ出した。

「ばっかみたい! たかがゲームなのにさ!」

 そういい残して、走り去る女剣士に。

「テメエが言うたかがゲームで人に迷惑かけてんじゃねえ!!」

 兄はそう吼えた。

「ふむ。まあこれで少しは懲りただろう」

「どこかのフィールで出会えば瀕死ギリギリに削って、ダンジョンにでも放り込めばいい。逃げ出そうとすれば何回でもな」

「……さり気なく怒ってるね、凰花。せめてステータス異常も追加しないと駄目だよ」

 怖いことを言っている三人は置いといて、私はほたるちゃんに振り向いた。

 ほたるちゃんは……泣いていた。

「ほたるちゃん……」

「この子、愛されてないデスか? カワイソウデス……」

「そんなことないよ」

 私はほたるちゃんの手の中のプチグソの頭を撫でる。

 苦しそうな顔色一つ浮かべる事無く、むしろ安らぎに満ちた寝顔。

「これからほたるちゃんが一杯愛してあげればいいんだよ」

「ワタシガ?」

「そ。この子もそれを喜んでるはずだよ」

 私は微笑む。

 誰かが愛してくれば、それだけで幸せになれる。

 そして、このプチグソは愛される資格があるはずだ。

「ワタシ……ビギナーデス……」

「うん」

「でも、イッショウケンメイそだてれば幸せになれるデスカ?」

「ああ。なれるよきっと」

 兄さん。

「きっとレアに育ってくれるよ〜」

 ミレイユ。

「いや、きっと強く育つに違いない」

 凰花。

「心を込めれば、それに応える。刀も命も同様だ。お前にはその心がある」

 砂嵐さん。

「だから、きっと幸せになれるよ」

 私は微笑む。

 何度でも何度でも。

「アリガトウ、ミナサン。ワタシがんばるデス!」

 そして、ほたるちゃんが微笑み。


「ブヒィ……」


 プチグソちゃんが可愛らしく寝息をたてた。


おまけ

「そういえばお前さん方、誤解しているようだが」

「なんだ?」

「あの……ワタシ、オトコですよ?」

「なんだって――!?」

 この日、神は死んだ。

 俺的に。


あとがき

 外伝は後回し。
 よくよく考えると今やる必要はないと考え直したので、すいません、本編です。
 後々まとめて1と2を出します。


 と、戯言はここまでにしておいて。
 ようやく腕伝メンバーがフルキャスト揃いました。
 ちょっとだけ肩の荷が降りた感じです。
 なんていうか砂嵐の居ない漫画版はやっぱりハーレムだなぁと感じました(外見上は)
 コミヤン三世とシューゴがなんかいい喧嘩友達化してます。実はけっこう好きなんですよ、こいつ。後半なんか漢だ! って感じで(漫画版だけですが)


 次回は、一方その頃のオウル編。
 そして、もっとも皆様が推測に迷われたであろう【魔女】の登場です。

 魔女と勇者。
 彼女とカイトのファーストコンタクトはいかなるものになるのか、その詳細は描き出すまで私にも分かりません。
 ただ一言言えるのは、彼女は今後における重要なキャストになりえるということだけです。
 多分それほどお待たせせずにお届け出来ると思います。

 どうかお楽しみにw


 ついに7回目のレス返し。
 幸運の数字ナンバー7。レスを返される方、レスを下さる方に幸福がありますようにw


>レギオン様

 どうも初めまして、レギオン様。
 毎日確認してもらってありがとうざいます!
 皆様の感想がとても励みになりますので、今後ともビシビシ感想を入れてもらえると嬉しいです。
 これからも頑張ります!

“だけどそこはやっぱりヘルバ、かなり特殊な能力が付いていましたね。”
>アフターフォローもばっちりです。けっこう自分としては好きなキャラなので、今後とも端々でサポートしてくれると思います。


>SS様

 逃がしてください(笑) というのはジョークとして。
 かっこいいと言われて、とてもうれしいです。
 完全に対ウィルスバグ専用の装備としてノートゥングは設定しております。
 理不尽な最強装備にはしたくなかったので。これからもオウルは己の限界まで技巧を凝らして、戦い抜いていきます。
 ゲームをやっていて出来そうな技やテクニックなどをドンドン使っていきますので、どうかお楽しみにw

“主人公? オウルじゃなかったら誰さ・・・?”
>シューゴも主人公ですよw 
今のところはオウルが完全に見せ場を奪っていますが、今後シューゴたちも成長します。そして、お互いを補えるパートナーとして頑張ってくれるはずです。
 最初から誰もが強いわけではなかったのですから……


>ロードス様

 .hack世界は天才児が生まれやすい傾向にあるようですね。ミレイユといい、冥王のキス事件の犯人といい。もう子供だと言っていられません。

“オウルのかっこよすぎる姿が想像できる・・・”
>それはありがとうございます。出来るだけ想像しやすいように、今後とも頑張ります。

“しかしオウルが出てくることによってオウルに関係する敵とかもでるようになるかな〜”
>ううむ。作ったばかりのキャラに何の因縁がw 取り合えず原作よりも敵は強力に、そして陰湿になることは間違いありません。
 そして最強の敵が……(秘密w)
 お楽しみに!!


>Vin様
 どうも、はじめましてVin様。
 確かに白○悪魔も同然のかわしぶりでしたね、あのドレインハート避けは。
 でも、接近戦や不意打ちなどを食らったらさすがにカイトでも当たるでしょうw 人間、限界はありますから。
 今後ともお楽しみ出来るよう、出来るだけ頑張ります。

“今後の二人の成長も楽しみにしています”
>前回は確かに殆ど出番がありませんでしたね。でも、それはまだ未熟なためです。
 けれどシューゴはきっと目標を見つけたでしょう。
 先人の“勇者の背中を”。
 そして、レナもまた兄と共にいるために成長するはずです。
 彼らはまだまだ成長途中、これからが本番です。
 少しずつ、少しずつですね。


>シャミ様

 どうもはじめまして、シャミ様。
 オウル=カイトは結構ヒント出しすぎて、みえみえかとビクビクしていたので驚いてもらえてうれしいですw
 話はテレビ版基準という話ですが、これから段々変化していきます。
 どうぞお楽しみください。多分ビックリです。

“そういえばワイズマンてヤタ(スイマセン、漢字が出ません)ですかね?”
>多分そうなんじゃないかな? 初めてみた時自分のカンがそういいましたw 未来ですから、けっこういい感じに成長している風味ですね。
 そういえば、GUのハセヲを誘った友人がソラという説が……


>KOS-MOS様

 ええ!? そんな馬鹿な! ノートゥングはデータドレインの引き立て役のはずなのに!? それはきっと誤解ですw もう一度目を凝らせばシューゴが活躍しているはず!! くわっと目を見開いてくださいくわっと!

“だからシューゴ!! きみも主役? のはずだから今後、オウルみたいな活躍の機会があるはずだ!”
>ちゃんと彼にもオウルに負けないぐらいな活躍の場は用意しております。でも、まだまだ成長途中。これから彼らが輝いていきますよ、レナもねw

 今回もご感想ありがとうございました。
 今後も出来るだけ頑張らせてもらいます。


>白雨様
 レ、レナはすいません。本当ならちょっと活躍するシーンがあったはずなんですが、戦闘が凄まじいペースで走ったので殆ど出番がありませんでした。ああ、ブラックローズほどの積極性と高いレベルがあれば……南無。
 とりあえず彼女はシューゴと一緒に冒険するのが目的ですから、ぽんぽんレベル上げはしませんでした。これから成長していきます。

“シューゴの腕輪の形状が変わった?! ん〜、バクモンスターに対応したのかな?”
>それに関しては正解と答えておきましょう。
 何故変わったのか……それは(以下検閲削除)


>S.G様

 人の最後の敵は人。
 まだ未熟な子供は無知である故に、痛みを知らないが故に冷酷である。
 もっとも導いていくべきであり、もっとも恐れるべきは子供ということでしょうか?
 四年前の黄昏とは違い、戦うべきは人の悪意。
 彼らはどのように立ち向かうか、頑張って書いていこうかと思っています。

“今回は神剣ノートゥングの効果がでましたねー・・・・なんていうか・・・「何よりも最弱、そして最強」といった言葉がピッタリかなぁ? って思いました。”
>最低限にして、最大の効果。
 すなわち無力ではない力を、ヘルバはノートゥングに与えました。ただ純粋に世界を愛し、それに立ち向かう力を欲するであろうオウルのための剣です。
 最強となりえるかどうかは使い手次第ですね。


>グラム様

 どうもグラム様。
 今回も素敵なお言葉を頂けて嬉しい限りです。

 作中で描いているようにノートゥングのスキルの一つは【削除】です。古き神の槍より出力は劣りますが、ほぼ同質のものです。
 そして、最後のスキルは【破壊】。障害となる障壁を破壊するためのプロテクト・ブレイクの機能を宿しました。
 かの反抗の剣はただ護るべき人たちの障害を焼き尽くす刃となるでしょう。
 その刃が届く限り。


>ななし様
 権力に頼るのはちょっとw それで話が終わってしまう……というか、寺島さんと出会って陸(カイト)が寺島さんの父親に八つ裂きにされなかったのかとても心配してます。
 ちなみにオリジナル設定としてドットハッカーズのある一名とは特に親交を深めています(ヤスヒコじゃないよw)まあ完全に自分の趣味ですが、リアルサイドで出てきますのでお楽しみに。

“真摯な回答”
>あのような回答で納得していただけましたら幸いです。
 出来るだけ作中で説明できるよう今後とも努力するつもりですが、力不足故の不理解がありましたら今後とも指摘していただけるとうれしいです。
 ありがとうございました。


>TT様
 どうも初めまして、TT様w
 あの清き作品である黄昏の腕輪伝説にこんな真っ黒い部分を入れて、よかったのかとガタガタしていましたのでその言葉には薄明が見えましたw
 シューゴやオウル(カイト)に、誰のフラグが立っていくのかは書いていくうちに作者もわからない方向に進みそうな気がしますが、きっと満足させてみせます!(握りこぶし)

“同型PCならではの入れ替わりトラブルとかもあるしねw”
>いいかも。


>アッシャ様

 いえいえ、どうか落ち着いてくださいなw アッシャ様。
 これでビックリしていたら心臓が止まってしまいますよ? これからもガンガン面白い展開を目指しますので、どうか応援よろしくお願いします。

“蒼い焔・・・ぐふふふ・・・。やはりカイトにはそれが似合う。皆に号令をかけるのもまたツボです。”
>ノートゥングの蒼炎にツッコミを入れてくださる方が居て、一安心。
 ヘルバなりの小粋な演出エフェクトですね。号令のシーンはゲームでのリーダーぶりをイメージしながら書いてみました。 きっとゲームでもあんなふうに指示を出していたんでしょうね。


“それはそれとして・・・黒幕は暗いですね、予想の280%上を行く暗さですね。”
>これで280%ですか……
 500%超えそうだなぁ、先の展開と……自分の黒さで(マテ)

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