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「.hack//Splash login_5(黄昏の腕輪伝説+.hackシリーズ)」

箱庭廻 (2006-10-22 20:33/2006-10-22 22:18)
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 ザ・ワールド。

 全世界で2000万人を超えるプレイヤー数を誇るMMORPGだが、その中でも高レベルと呼ばれるPCは驚くほど少ない。

 その割合はおよそ0.1%。

 単純に考えれば2万人はいる計算になるが、1000人のプレイヤーに対して1人の割合と言えばどれだけ数が少ないか分かるだろうか?

 その中でも特有の名称――すなわち【二つ名】で呼ばれるプレイヤーはその中でも一握りだ。

 それは実力であったり、特有の技能でもって名を知らしめたり、滑稽な格好で知られたりと様々なパターンがあるが、その中でも確固たる実力を持ったモノたちがいる。

 【蒼天】

 【蒼海】

 【月光】

 【無双】

 そして――【蒼炎】

 最強に近く、最高へと達しようとするモノたち。

 その中で最近名を上げてきた者がいる。

 それは【神拳】の字で呼ばれる者。

 最強を目指す拳闘士。


【.hack//Splash】
   login_5 拳聖凰花 舞い散るサクラの如く


【θ 深き 光悦の 回廊】


 BATTLE MODE OFF


 戦闘終了の文字がディスプレイに現れる。

 ジャコンッ!

 腰部に備えた双剣が格納される音を聞きながら、ボクは息をついた。

「……ふぅ。こんなもんかな?」

 周りに転がる【グラディエーター】や【リビングデット】たちの死体が光に還元されていく様を見ながら、ボクはなくなったHPを回復しようとスクリーンパネルを呼び出す。

「あれ? もう一個だ」

 大量に買い込んでおいたはずの【癒しの水】の残り残数に眉をひそめた。

 ザ・ワールドにおいて回復アイテムの消費は激しい。

 それもエリアとのレベル差が激しければ激しいほど湯水のように使う。

 さすがにレベル10――いや、今レベルアップしたから11か。で、エリアレベル23のダンジョンは消費率も桁違いになる。

 一撃で瀕死になるからしょうがないけれど、幾らあっても足りないぐらいだ。

「……もうこれ以上は進めないな」

 回復アイテム無しで、これ以上は無理だ。

 仲間のサポートでもあれば別だけど……

「仲間……か」

 いつも隣に居た仲間たちを思い出す。

 きっと彼らなら連絡すれば協力してくれるだろう。何名かはこの四年間でゲームから遠のいているけど、まだプレイしている仲間がいる。

 笑って、応えてくれる。

 一緒に冒険してくれる。

 でも、出来ない。

 迷惑をかけたくない――いや、そんな独りよがりな理由で連絡しないわけじゃない。

 そんなこといったらオルカやマーローに……特にブラックローズに怒られるだろう。

 だけど、これはしかたないんだ。

 ボクが連絡しないのは見張られているから。

 ヘルバから言われたことが事実だとすると、彼らと共に行動することは危険だ。親しい友人だと知られてはいけない。

 ただ注目されるならばいい。それで彼らから危険が遠ざかるのなら。

 心配なのは、それから正体がバレること。

 “今だに腕輪を持つボクの存在の露見”。

 だから、今回はボクが動かなくちゃいけない。

 手助けを求めるのは限界に達してからでも遅くない。

 まだ一人でも戦える。

 だから、ボクは……


 ――メールが届きました。


「ん?」

 ディスプレイ隅に出てくる受信メッセージのアイコン。

 スクリーンパネルを操作して、発信者を確認すると――

「レナちゃんから?」

 その内容は新しい仲間が出来たので紹介したいとのことだった。

 そして、これから一緒に冒険しないかという誘いのメール。

「この間は行けなかったからなぁ……」

 回復薬が切れたから、一旦ルートタウンで補給しないといけないし。

 新しい仲間っていうのも気になる。

「行ってみよ」


 ボクは精霊のオカリナを使って、ダンジョンから脱出した。


【△ 水の都市 マク・アヌ】


 そこはまるで魔窟だった。

 うけけうけけ、と泣き喚く彫像。ケタケタと震える観葉植物。不気味な杖や奇妙な武具たちが各所に生え揃うその空間はまるで魔界。

 それがこのレアハンター、ミレイユの【ホーム】だった。

「なんか失礼な目で見ていない?」

 いえ、ちっとも。

 ジロリとミレイユに睨まれたので、俺は慌てて首を横に振った。

「それはともかくとして。しっかし、面白い話だね〜」

「だろ?」

「ワタシ的にあんまり面白くないけどね」

 ブツクサと膨れるレナを見て、苦笑する。

 この間……といっても、一週間ぐらい前にあった出来事を、俺はミレイユに話したのだ。

 高レベルモンスターに襲われたこと。

 一回死んで変な場所にいったこと。

 そこで銀髪の少女に助けられたこと(キスの件はレナが怖いので秘密にした)

 そして、そこで少女に腕輪を貰ったということまで。

「んで、どう思う?」

「ん〜、そうだねぇ。もしかして、「限定シナリオ」なのかも?」

 限定シナリオ?

「そのキャラには“ザ・ワールドにおける最後の謎”に繋がるドットハッカーズの限定シナリオが組み込まれるってことだよ」

 はっ?

「ってことは……このキャラでゲームやっていけば」

「“最後の謎”って奴に辿り着ける……まあ、アングラっていうか噂話程度だけど、そんな話が一時期騒がれてたよ」

「いや、それって考えられるかも……」

 そういって、レナが俺の右手に目を向けてくる。

 いや、正確には黄昏の腕輪に。

「だって、シューゴのその腕輪って変じゃない? この間のモンスターのレベル下げちゃったり、いきなり光ったり。明らかに普通じゃないよ」

「うーむ」

 限定シナリオ。

 謎の腕輪。

 そして。

「結局……最後の謎ってなんなんだ?」

「――さあ?」

 ゴケッ!

「そこまでは知らないよ」

「――おおい!? ここまで引っ張ってきておいて!」

「なんせ“最後の謎”だし?」

 いや、理由になってないぞ。

「まあ噂が一人歩きしているようなもんだからね。実態までは誰も知らないんじゃない? そのドットハッカーズたち以外はさ」

「ふうむ」

 謎は深まるばかりだ。

 どちらにしろ、この腕輪が鍵になりそうだなぁ。

「そういえばさ」

「ん?」

「オウルさんって、その腕輪のこと知ってなかったけ?」

「あ」

 そういえば……


『一応ね。……昔見たことがあるんだ』


 たしか、そういってたよな?

「オウルさんなら何か知ってるかも? さっきメール送ったから、もうすぐ来るはずだし」

「そうなんか?」

 いつの間に送ったんだ、レナ。

 ――ピロリロリン。

 古めかしい電子音と共になんか手紙らしき物体が現れ、クルクルとミレイユの頭の上を回り出した。

「なんだ?」

「あ。メール、ボク宛だ……ええと凰花からだね」

 凰花?

「ボクの仲間。けっこう頼れるだぁ――って!?」

「ど、どうした!?」

 いきなり奇声を上げたミレイユに振り返ると、ミレイユはいきなり周囲に飾っておいた奇妙なオブジェ群を集めだす。

「ど、どうした!?」

 ――ギランッ!

 ヒッ!

 なんか目の色違ってるよ!!

「【Δ 桜舞う 並木の 憩い】で、トレード大会が行われるんだって!! 急ぐよ!」

 そう叫ぶと、ミレイユは大量のアイテムを持ったホームの扉を蹴り開け、飛び出した。

 台風みたいだなぁ。

 ――と思った瞬間。

「はぅわっ!!!」

「うわあっ!!!」

 叫び声が聞こえた。


【△ 水の都市 マク・アヌ】


 回復アイテムと呪符系アイテムの補給を終えて、ボクはマク・アヌのホーム地帯を歩いていた。

「ええと確かここらへんだと思うけど……」

 レナちゃんから送られたメールに載っていたホームアドレス――つまり現実での住所を頼りに探しているのだけれど、これが見当たらない。

 あんまりホームを使っている仲間はいなかったから、ここら辺は慣れていない。

 唯一覚えているのが、ミストラルの使っていたホームぐらいだ。

「……そういえば、ミストラルのホームもここらへんだったかな?」

 もうプレイを止めてしまった大切な仲間

 懐かしい記憶に、ついつい口元が緩んでしまう。

(……最近思い出してばっかだなぁ)

 そう思って、ボクは空を見上げた。

 造り物の空を。

 “彼女”も見ているだろう、空を。

 これを壊させやしない。


 ――バタンッ!


「ん?」

 ドアを開けるような物音が聞こえて、ボクは振り返った。

 その瞬間見えたのは――

「へっ?」

 視界を覆う影、影、影。奇怪な顔をしたオブジェ群の塊。

 その巨体が

「はぅわ!!!」

 どこからか聞こえた女の子の声と共に

「うわあ!?」

 どかんっと直撃した。

 ボクの上に。

「もうー! もう何するんだよ!」

 そ、それはこっちの台詞だと思うんだけど……

 なんとかコントローラーを操作して、アイテム?の山から抜け出す。

 そして、ボクはぶつかってきた少女であろうPCに向き直る。

「まったく。危ないから気を付け……」

 そこで、ボクは言葉を止めた。

 ――思いがけない人物の顔を目にして。

「うん? なんなのだー?」

「……なんでここに?」

「ほえ?」

 そう首を傾げる少女の顔。そして、その外装は昔の仲間――ミストラルにそっくりだった。

 でも、彼女は……黒川さんはもうゲームを止めているはず。

 なんで?

 まさか、カイトとブラックローズ以外に配られた外装?

 それとも――。

「人の顔を凝視して、なに?」

 声もそっくりに、目の前の少女は頬を膨らせた。

「いや、昔の仲間にソックリだったから……ごめんね」

 ボクはその女の子に謝った。

「じゃ、ボク急ぐから!」

 そういって、ミストラルにそっくりのPCは走っていった。

 その背を思わず、目で追ってしまう。

「似すぎているよね……」

 もしかして。

「“深鈴ちゃん?”」

「あー、オウルさん!?」

「っ?」

 ボクが心当たりの名前を呟いた時、背後から聞き覚えのある声がした。

 振り返ると、先ほどの少女PCが飛び出してきたと思われるドアの前に立つシューゴとレナの姿。

 ボクは気を取り直して、二人に手を上げる。

「やぁ、メールを見て来たよ。新しい仲間が出来たんだって?」

「いや、それが……」

「?」

 苦笑を浮かべるレナに、肩を竦めているシューゴ。

 なんだろう?

「いや、それが」

「今飛び出して行っちゃって」

 は?


【Δ 桜舞う 並木の 憩い】


 舞散る桜。

 生い茂るのは枯れることのない満開の桜たち。

 ザ・ワールドでも名物となっている観光エリア。

 毎年細かくなっていく桜のグラフィックに、多数の見物目的のPCたちが集う憩いの場。

 その設立には知り合いの剣士が関わっているとかいないとか……ってそれはどうでもいいとして。

「おおー! きれいだなぁ」

「本当ー」

 後ろで楽しげな声を上げる二人の態度に苦笑する。

(やっぱり、まだ慣れていないんだね)

「本当にここのエリアだって言ってたの?」

「は、はい! 確かにここだって言ってました。ログにもちゃんと」

「わかった。ありがとう」

 なら、間違いなさそうだね。

 そう考えて、ボクは不意にエリアの奥へと目を向けた。

 そこにはお祭りなどでよく見る出店らしい建物とそれに集まる無数のPCたちの姿。

(あそこがトレード会場かな?)

 活気溢れる様子で動き回る人々の動き。

 あの中で一人のPCを探し出すのは骨が折れそうだ。

 しかし。

「……“ミレイユ”って言ってたよね、そのPC」

「おう」

 シューゴがうなずいて、同意する。

 ……なるほど。

 ミストラルとミレイユ。似ている名前、単なる偶然の一致ってわけじゃないようだね。

(……今度あったら聞いてみるかな?)

「んー、まだトレード大会が終わるまで時間掛かるみたいだしね。いっそ桜でも見物してみる?」

「見物?」

 くいっと首を捻るシューゴ。

 その子供っぽい態度に苦笑しつつ、ボクは上へと指を向けた。

「そ、こんな見事な桜は見逃すと失礼だと思わないかな」

 そういって、ボクは上を見上げた。

 降り注ぐ桜の花びら。

 さんさんとまるで雪のように降り注ぐ花びらの風は、見事としかいいようがないぐらいに綺麗だ。

 四年前とは比べ物にならないほど美しくなった世界。

 それに目を向けないのは、ちょっと失礼かもしれない。

「ちょっとまってて」

 そういって、ボクは近くのNPCによる出店で買い物をすると、シューゴたちの下に戻る。

「ほら、ゴザもあるし」

「……なんか本格的に花見だなぁ」

 まあね。

 苦笑しつつ、シューゴと協力してゴザをひくとその上に座る。

 直接地面の上に座っても外装が汚れるわけじゃないけど、ここは雰囲気作り。

 って、ん?

 まだ二人が立っているのを見て、ボクは手招きした。

「二人とも座ったら?」

「おう」

「は、はい」

 ボクの誘いに車座になって座るシューゴたち。

 そうすると、もう仮想現実だということを忘れて本当に花見をしているかのような錯覚に陥る。

 のんびりとした時間の経過……

 それは最近味わえなかったもの……誰か他人と一緒に味わう喜び。

 静かな時間が少し流れた。

「なぁ」

 そんな時、シューゴが声を発した。

 振り返れば少しだけ真剣な眼差しを浮かべている。

「なに?」

「あんた……この腕輪のこと知ってるのか?」

 ――予想はしていた。

 その質問が来ることを。

 だから、ボクは平然と応える。

「うん。一応ね」

「……この腕輪って一体何なんだ? もしかして、ドットハッカーズに関係しているのか?」

「――何故そう思うの?」

「この腕輪をくれた女の子がそういってたんだ」

 ――アウラ。

 予想はしていた。予測もしていた。

(やはり、彼女に選ばれたのか)

 想像していた答えに、ボクはしばし目を閉じた。

(……相応しい人が現れたんだね、アウラ)

「そうか。関係しているといえば関係しているだろうね、その腕輪は――」

 そういって、ボクは大きく息を吸い込んだ。

「ドットハッカーズのリーダー【カイト】が着けていた腕輪なんだから」

「え?」

「マジで?」

 ボクの言葉に目を丸くする二人。

 どうやら知らなかったみたいだね。まあ、カイトが腕輪を持っていることを知っているのはドットハッカーズの皆ぐらいしか知らないことだし。

「もしかしてアンタ、ドットハッカーズと知り合いなのか?」

「――違うよ。遠目に見たことがあるだけ、話したこともあまりない」

 ボクは嘘をついた。

「なーんだ」

「残念だったね」

 しゅるるるという効果音が聞こえそうな感じで、落ち込んでいく二人。

 そ、そんなに残念だったの?

「うー、憧れのドットハッカーズへと繋がる手がかりを見つけたと思ったのにー」

 あ、憧れ?

 しぼーんと落ち込むレナの態度に動揺していると、シューゴがひそかにその理由を教えてくれた。

「ああ。レナってばドットハッカーズのリーダーに憧れてるみたいなんだ」

 ええ!?

「憧れの勇者様……」

 勇者!?

 勇者って――勇者ってなに?

 そんな代名詞初めて聞いたんだけど!?

「ねえ、シューゴくん」

「ん?」

「ドットハッカーズって世間からどう言われてるの? 確かボクが知っている限りだと単なる高レベルパーティだったはずだけど」

「んー……なんでもWEB界での伝説の勇者パーティだとかなんとか」

(――ブッ!)

 なにそれ?

 そんな扱いになってたの、ボクら?

 し、知らなかった。

「おーい、どうしたんだ? なんか頭抱えて……」

「いや、咳き込んだだけだから心配しないで……」

 平常心だ、平常心。

 落ち着くんだ、ボク!

「……ふぅ」

「――ワン」

 え?

 ワン?

 声が聞こえた方向に振り返ってみると、そこにはボクらのゴザに乗るように座り込む真っ白い犬が居た。

 って犬?

「おおー、見ろ見ろレナ! 犬コロだ犬コロ!」

 その姿にシューゴが目を輝かせる。

「ほんと。NPCかな?」

「珍しいね……犬のNPCだなんて」

 猫ならともかく、犬のNPCなんて初めて見た。

 この世界、ザ・ワールドにおいて基本的に人間以外の種別はモンスターだ。例外は泉の魔神とプチグソだけ。

 それ以外の現実世界の動物にあたいするものの動物は居ないはずなのに……。

(知らないうちにバージョンアップで追加されたのかな?)

「きゃ〜、可愛いなぁ可愛いぃ」

 そんなことを考えているうちに、犬に突撃したシューゴが戯れている。いや、じゃれあっているといったほうがいいか。

 その姿はまるで子供のようだ。

 いや実際のところ、リアルでもまだ子供なのだろう。年を取れば取るほど、仮想現実だと分かっていも分別のある行動をとる……積極的になれない。

 ――まあ例外もあるけど。

「動物好きなんだね、シューゴ」

 独り言のつもりで呟いたつもりだったけれど、返答が返ってきた。

「私たちマンション暮らしで、ずっとペット飼えなかったから……」

「そうなんだ」

 その反動が、あの可愛がりなんだね。

 微笑ましいなぁ。

「おーい、レナぁ」

「なーに?」

「なんかアイテム持ってないかぁ? 餌とか、そういうの!!」

 んー? プチグソのえさじゃだめだろうしなぁ。

 猫ならエノコロ草でもあげればいいんだろうけど、犬ねぇ。

「なにかあるかな?」

 特にプレゼントするアイテムを思いつかなかったボクは、レナに尋ねる。

「えぇと……なんかあったかな?」

 レナはスクリーンパネルを表示させると、じっとアイテムリストを見始め……不意に何かを取り出した。

 それは――

「首輪?」

「この前のイベントで手に入れたんですけど……シューゴ付けてみなよ!」

 レナがシューゴの元へと移動し、ボクもゴザから立ち上がった。

 そして、三人で犬の首に首輪を付けてあげる。

「おおー」

「可愛い可愛い」

「ビシッとするね」

 心なしか、犬も嬉しそうだ。わおんとシューゴの顔を舐めた。

「おお、愛い奴だのぅ」

 ああ、なんか悶えてる悶えてる。

 そんなシューゴの横で、犬はとことこと歩き出した。

「ん?」

 そして、数メートル離れた位置で立ち止まる。

「――ワン!」

 びしっと前の手足で、何か……指してる?

 それも地面に。

「掘れってことかな?」

「犬の恩返しって奴だな!」

 ――いや、ここ掘れワンワンだと思うよ。

 ザクザクザク。

 シューゴが取り出した双剣で地面を掘り始める。その作業は……妙に早い。

 なんか手馴れてるね?

「おっ、なんか出てきたぞ!」

 歓声を上げるシューゴの元へと集まる。

「レアアイテムかな?」

「なんだろ?」

 じっと覗き込んでみた。

 ……………なんか白い物体。

「あれ?」

「これって」

「――ホネだね」

 白骨化した人骨っぽいものが埋まっていました。

「ギャースッ!!! け、けけっけけけ警察呼べ! 警察ぅ!?!」

「おおおお、落ち着いてお兄ちゃん!! こ、これゲームだから」

 ――【気付けソーダ】を投げつけたほうがいいかなぁ?

 明らかにステータス異常【混乱(リアル)】に陥っている二人に、ボクはそう考えた。

 初々しいなぁ、ははは。

「ヴ〜〜!」

「ん?」

 犬が発掘した白骨死体に吠え出した。


 BATTELE MODE ON


 おや?

「なんだ!?」

「せ、戦闘!!」

 ディスプレイに映る戦闘開始の文字を、他の二人も見たらしい。

 動揺を忘れて、集まってくる。

「ど、どこだ?」

 そうシューゴが叫んだ時、地面が微かに動いた。

「――下だッ!!」


 ザシュ! ザシュ! ザシュッ!


 生える。生える。生える。

 大地から、地面から、突き出される槍の如く白い骨の腕が生え揃う。一面がホネで出来た花畑のように次々と生える、生える、生える。

 ァア〜! ァアア〜!

 生えた腕は花弁の手を広げ、怨嗟の声を上げて蠢く何かが起き上がってくる。

 ――【スケルトン】!!

「ぬおお! そこかしこから春の息吹っていうか、なんで骨が出てくる!?」

 その疑問に、ボクはこう答えた。

「……桜の下には死体があるっていうし」

「蘇る理由になってねえ!!」

 確かに。

 しかし、数が多いな。

「……ひの、ふの、やっつ。十数体ぐらいか?」

 ざっと目で見て、数を計算する。

 ――スケルトンたちのレベルは大体10レベル前後だったはず。

 シューゴとレナを戦力に入れればなんとかなるかな?

「シューゴくん。君たちのレベルは!?」

「4だ!」

「同じです」

「ボクは11。ちょっとまずいね」

 4と10レベルでは勝てないとは言わないけど、ビギナーにはきつい。

 しかも、よく見れ見れば同じスケルトンでも色が違う。呪紋での一撃殲滅を避けるためだろうか、それぞれ属性が違うようだ。

「他のプレイヤーは」

 チラリと他にいたであろうPCたちは、スケルトンたちの標的が自分たちにしか向けられていないことに気付いているらしく、見物しているようだ。

 向こうからすれば降ってわいたショー扱いだろう。

 ――援護は見込めそうにない。

「しょうがない」

 スクリーンパネルを開いて、ボクは快速のタリスマンを取り出した。

「あんまり目立ちたくなかったんだけど……」

 ――パキィンッ。


 その表面がひび割れると同時に発動開始。

 これでタリスマンが完全に砕け散る数分間の間、移動速度と反応速度が上昇する。

「君たちはそこにいて」

「お、おい。一人で倒すつもりか!?」

「うん。ビギナーを手助けするのが、ベテランの役目だからね」

 右手を横に、左手を横に。

 足をかがめて、ただボクはこう告げる。

 事前登録した短縮言語――ショートカット・ワード。


ウエポン・セレクト!!!


 ジャコンッ!!

 銃の撃鉄音にも似た爆音と同時に出現したのは双剣の柄たち。

 腰部を中心に、孔雀の翼の如く広がる剣柄の翼。

 それは電子の世界から具現化し、物質化したデータの刀剣。

 ボクの刃。

「双剣」

 ボクはその中の一つを掴み。

「――雷帝!!!」

 電光と共に抜き放つ。

「いくよ」

 聞こえる歓声、目の前から発せられる怨嗟の声。

 その二つに挟まれながら、ボクはただ刃を走らせた。


【Δ 桜舞う 並木の 憩い】


 それはまるで翼のようだった。

「ウエポン・セレクト!!!」

 ジャコンッ!

 目の前のオウルがそう叫ぶと共に、その背中からまるで孔雀のような金属の翼が出現した。

 それは剣の柄。

 五対の双剣の柄によって構成された剣翼。

 オウルは滑るような手つきで翼の一片を掴むと、まるで魔法のように剣へ変えた。

「いくよ」

 その言葉と共に、残光のようにオウルの姿が消える。

 いや、駆けた。

 双剣を携え、滑るような速度でスケルトンどもの懐に飛び込んでいる。


 “雷舞”

 ――ELEMENTAL HIT!!


 その文字が画面に浮かぶと同時に、オウルの目の前のスケルトンが電光と共に両断される。

 回るようにスケルトンの胴体を切り裂いたオウルは回りながら、腰部へと手を回し。

 ジャコンッ!

 再び突き出された剣柄の翼から紅の光が現われ、


 “炎舞”

 ――ELEMENTAL HIT!!


 紅蓮の斬光がスケルトンの頭部を焼き払い、

 ジャコンッ!


 “邪舞”

 ――ELEMENTAL HIT!!


 振り下ろされた黒い閃光が立っていた三匹目のスケルトンを粉砕した。

 そうして、ようやくオウルは一端足を止める。クルリと回転していた足を、ブレーキでもかけるように停止した。

 走り出して三匹倒すまで、僅か数秒足らず。

 息を呑む暇もなかった。

「す、すげぇ」

 同じ双剣士とは思えない動き。

 そして、強さ。


 わぁあああああああああああ!!!


 ――上がる歓声。

 ――上がる拍手。

 みれば、遠くから見物していたほかのPCたちが口笛や拍手をしている。

「凄い……あの人“ウエポン・マスター”なんだ」

「ウエポン・マスター?」

 レナの口から聞きなれない単語が飛び出してくる。

「さっきオウルさんがウエポン・セレクトって叫んだでしょ? あれって多分ショートカットワードだと思う」

「ショートカットワード?」

「いわゆるショットカットキーの言葉版。事前登録した言葉で、直接武器選択のメニューを呼び出しているの。さっきの腰から出てきた双剣は武装変更用のパネル。それで即座に武器を交換してる」

「武器交換して、意味があるんか?」

「マニュアル読んだでしょ!? このゲームは武器が違うと使えるスキルも違うの!」

 そういえばそうだったな。

「複数の武器を用意して、敵に合わせて即座に武器変更して戦う人をウエポンマスターって言うんだよ。ベテランでそういうのが居るっていうのは知ってたけど、見るのは初めて」

「じゃあ、俺も出来るんかな?」

「……戦闘中に武器替える自信ある? しかも間違わないで。悠長にやってたらすぐ死んじゃうんだよ?」

 な、ないです。

「あっ、また倒した!」

 視線を戻してみると、オウルがまた違う武器でスケルトンを切り裂いているところが見えた。

 本当凄えなぁ。

 いずれ俺もああやって戦えるんだろうか?

『ァア〜!』

 ん?

 振り返ってみると、そこには武器を振り上げた骸骨の姿。

「――なっ!」

 取り逃がしたスケルトン!?

 咄嗟に双剣を抜いて、受け止めようとするが――

「ワンッ!」

 べゴシャッ!

 上から飛び降りてきた白い物体に潰されるスケルトン。

 それは先ほど出会った犬だった。

「危ないところだったな」

 へ?

 どこからか聞きなれない女の声がした。

「おーい、レナ何か言ったか?」

「え? 何も言ってないよ?」

「じゃあ、誰が……」

「私だ、私」

 そういって、手を上げたのは目の前の犬。

 …………

 …………へ?

「もしかして、あなたPC?」

 レナの言葉に、犬が二コリと笑みを浮かべた。

 ま、マジっぽい。

「見物しているつもりだったが、面白そうなバトルだ」

 そういって、犬の全身が光を発していき。

「参加しないわけにはいくまい」

 次の瞬間には――綺麗なお姉さんになった。

 紫色の服装に、グラマラスなお姉さま……って、なんやねん!?

「い、犬が人間に!?」

「へ、変身したぁ!?」

「フフフ」

 元犬――じゃなかった、見知らぬ女性は二コリと笑みを浮かべる。

 お、おお。美人だぁ。

 って!

「う、後ろ!?」

『ァア〜〜!』

 お姉さんの後ろから飛びかかるスケルトンの姿。

 くそっ! 間に合え――


 ビッ。


「へ?」

「なっ」

 その時、俺は自分の目を疑った。

「ぬるいな」

 だって、目の前のお姉さんの手の指の間でスケルトンの剣が止められている。

 しかも、後ろも見ないで。

「こんな攻撃では赤子一人殺せないぞ?」

 必死にスケルトンが剣を抜こうと足掻いているのだが、その剣は固定されたみたいにまったく動いていない。

 対するお姉さんは涼しい顔のまま、ゆっくりと振り返る。

「攻撃というのは」

 ピシっ。

 ――ひび割れるスケルトンの剣。

「こうするのだ」

 バキィィンゥッ!!

 スケルトンの剣が砕けると同時に、お姉さんの手が掻き消える。

 “拳砲”

 ――ドゴンッ!!

 砲撃のような爆音。

 そして、スケルトンが……消えた?

「あれ? スケルトンはどこにいった?」

「散った」

 砕け散ったのかよ!?

 どんだけ攻撃力あるんだ!?

「待っていろシューゴ、レナ。早々に食い尽くす」

「へ?」

「なんでアタシたちの名前――」

 俺たち聞き終わるよりも早く、そのお姉さんはスケルトンと戦っているオウルの下へと走っていった。


 それからはもう虐殺というしかない。

“拳砲”

 拳を繰り出せば、スケルトンが水平に吹き飛び。

“乱壊襲”

 地面に手を付いて、回し蹴りを出したと思ったら周囲のスケルトンが全て粉々に吹き飛んで

“八閃貫撃”

 いきなりスケルトンの手足が、瞬く間に砕け散ったりなど。


 双剣を繰り出すオウルと手足を繰り出すお姉さんの二人は一分と経たずに十数体のスケルトンを全滅させた。

「あ、ありがとうございます。強いんですね」

「お前もな」

 そういって、握手する二人。

 パチパチパチパチパチ。

 他のPCたちの拍手や喝采もあって、何かのショーの後みたいだ。

「す、凄かったねぇ、シューゴ」

「そうだな〜」

 もう完全に見物してただけだし。

 ……いつか俺もあんな風に戦いたいな。

「――【神拳】だ!」

 その時、どこかのPCが叫んだ。

「――神拳の凰花! すげぇ! 二つ名持ちが来てるぜ!!」

「マジで!?」

「すっごい、初めて見るよ! 壊し屋凰花!」

「最強の拳闘士だ!! 間違いねえよ!」

 他のPCたちが次々と声を上げてる。

 ……神拳? なんだそれ?

 あと凰花ってどこかが聞いた覚えが……

「おーい」

 ん?

 聞き覚えのある声に振り返ってみると、他のPCたちの人ごみの中から抜け出てくる見覚えのある姿――ミレイユだ。

「なんの騒ぎ〜? もうトレード大会まで響いてきたんだけど?」

「いや、それが……」

「倒してきたぞ」

 凰花と呼ばれていた女性がいつの間にか戻ってきていた。

 ってあれ? オウルは?

「あ、もみくちゃにされてる」

 レナの言葉に目を向けてみると、オウルは見知らぬPCたちに囲まれていた。見る限り、名前やメンバーアドレスとかを聞かれているみたいだ。

 その比率に女性が多いのがなんかムカつく。

「あー、凰花じゃん!」

 意識をよそへと向けていた俺だったが、そのミレイユの言葉で元に戻した。

「知り合いなのか?」

「ボクの古い仲間だよ☆ どうりで騒がれるわけだね〜」

 そういって、ミレイユががばっと凰花に抱きつく。

 仲がいいなぁ。

「うふふふ、ミレイユが新しい仲間を自慢するもんだから見に来たよ。どうも初めてまして、シューゴ、レナ。私は【人狼族】の凰花だ」

「人狼族? そんな職業あったっけ?」

 レナが首を傾げて、俺の方を見る。

 いや、お前が知らないのに俺が知ってるわけないじゃん。

「バージョンアップで追加された隠し職業だ。高レベルの拳闘士だけが、特殊アイテムでなれるレア職業だ」

 なるほど〜。

 隠し職業か。んなもんもあったのね。

 すっげえベテランなんだな。凰花って。

「私のことは凰花と呼んでくれ。これからはよろしくな、シューゴ、レナ」

「は、はい!」

「お、おう!」


 ――凰花のメンバーアドレスを取得しました。


 おお、また仲間が増えたなぁ。

「そういえばさ、レナ」

 ミレイユが首を傾げて、レナに話しかけた。

「なに?」

「オウルって人どしたの? 見当たらないけど」

「あ」

 俺らは思わず振り向いた。

 そこには姿も見えなくなった人ごみの山。

 ――生きてるかなぁ?


【Δ 桜舞う 並木の 憩い】


 ようやくの思いで、ボクはなんとか生還した。

「し、死ぬかと思った……」

「ご、ご苦労さま……」

 全員からメンバーアドレスや名前などの誘いを断るのは本当に大変だった。

 なんとなくだけど、スポーツ選手や芸能人の気持ちが分かった気がする……

「大丈夫か?」

「ま、まあね」

 しばし深呼吸をして、体調を整える。

 よし。

「じゃあ、紹介するね。こちらが呪紋使いのミレイユで、さっき仲間になった人狼族の凰花さん」

「レアハンターのミレイユだよ、欲しいものがあったら言ってね☆ 手に入れたからなら教えるからさ」

「人狼族の凰花だ。強さには自身がある。改めてよろしくな」

「それでこっちがオウルさん。私たちが冒険始めたばっかりのころに、助けてもらったの」

「双剣士のオウルです。どうぞよろしく」

 そういって、ボクは手を差し出した。

 順々に握手する。

「よし、これで挨拶は終わり! これからは仲間だな」

「そうだね」

 仲間か。

 何度やっても、新しい仲間が出来るっていうのはうれしいな。

「んじゃ、親交深めにどっかダンジョンでもいこうぜ!」

「さんせーい」

「戦いにいくなら反対する理由はないな」

「そだね」

「どこにいく?」

 ボクは笑って、そういった。

 久しぶりの仲間。

 孤独ではない戦い。

 少しだけの、休憩なら。

 ――許されるよね?


                   くだらない


 ――その瞬間、

 ――聞こえたのは。

 ――悪意に、

 ――満ちた、

 ――声。

 まさか!?


                   死になさい


 ――BATTLE MODE ON


あとがき

 拳闘士スキルは乗っていないのでやむを得ずにオリジナル設定。
 皆様に受けいれられるといいなぁ。
 神拳は次回も戦力です。

 一見ほのぼのと思わせておいて、シリアスに移行。
 オウルとシューゴたちの温度差が激しいなぁと我ながら感じました。
 いや、腕伝世界にオウルが異常でしょうか?

 というわけで、敵からの接触開始。

 次回、オウルが剣を抜きます。

 タイトルは【斬れない魔剣】

 お楽しみにw


 遂に第五話。
 なんか一人前になった気がする(錯覚だ)レス返しです


>ロードス様

 バルムンクは仕事のし過ぎで世間から取り残されてますねぇ。
 意外と天然キャラなのかも?(いや、それは元からか)
 シューゴがどこまで強くなるかは今後の展開次第ですが、一応プランは立ててますのでお楽しみにw(クククと邪悪な笑み)

 それとミレイユの場合は、親御さんのプレイスタイルは知らないはずなのできっと遺伝ですねw
 おそろしや……

“バルムンクに突っ込むオルカかカイトの姿がみたかった……”
 それはすいません。でも、近いうちにご希望通りの光景があるかと……

 オウルとバルムンクが出会う時は近い……(かも?)


>盗猫様

 ナニカに喰われるのが怖かったので早速更新。
 好き放題に暴れさせてみましたw もはや勢いは三国無○。

 今後のシューゴパーティの主力なので、ガンガン戦ってもらおうと思います。


>knt様

 血は濃いってことですねぇ。
 オウルが出会った際にとったリアクションに関しては……秘密ですw

“そういえばあの首輪って装備アイテムなんでしょうかね、それともバルムンクの翼みたいにグラフィック付与のアイテムなんでしょうか。”

 グラフィック付与のアイテムだと自分は解釈しています。
 あと、黄昏の腕輪伝説において戦闘システムや大筋のシステムが変化していないところから見ると、ゲーム版の後のザ・ワールドはグラフィック面においてのバージョンアップに進んだと予想しています。
 じゃないと、カボチャでの制服類やまだ出てない話での浴衣などに説明が付きませんので。


“.hackersの外装にミレイユは該当するんですか?”

 ――該当するでしょう。でも、キャンペーンにはカイトとブラックローズの外装しか抽選者がおらず(むしろ用意されていない?)、その外見も当選者しか分からなかったと思われます。
 じゃなければ、ドットハッカーズの全メンバーはザ・ワールドで追い掛け回されていますね。

 ……まるで賞金首のようだ。


>kekko様

 たしか、「黄昏の碑文」は“叙事詩のような内容のWEB小説”だったと思います。

 形容するにも「WEB叙事詩」というのもおかしい気がしたので、WEB小説という表現にしました。ご指摘ありがとうございます。


>詠深様

 AIバスターは人気ありますねぇ。やはり知っている人は知っているのか!?
 自分も大好きです。


>SS様

 四本の理由は楽しめたでしょうか?
 このスタイルはG.Uのムービーから見て思いつき、発想はG.Uの武装変更システムから、出来そうな方法を考えてみました。

 魔女に関してはお楽しみとしかいいようがありませんねw


>白雨様

 プ、プレッシャー!? このプレッシャーはシャ○か!?
 ――って違いますね。どうも初めまして。
 ちゃんと作品は頑張って完結させようと思っていますので、ご安心を。

 なお、最終決戦は既に考えています。
 絶対に期待を斜め上に裏切ると思いますので、お楽しみにw

“オウルCPはブラックローズ以外認めない!!例外は、寺島かなつめだけだ!!”
 ……ガルデニアはダメですかw?

 “英弟は薔薇の弟君”
 ……まったく別なものを想像したのは自分だけでしょうか?

 “個人的にはアニメよりマンガの方が好きなんだよなぁ……”
 ……アニメだとは言った記憶はありませんよ(ニヤリ)


>S.G様

 バルムンクは同僚の方々に連れられて、たまに行っているんですよw
 何も知らないバルムンクはきっとそれが最近のスタンダートだと勘違いw

 “一日一時間じゃぁ出番も少なくなるんでしょうか・・・・(ショボーン”
 いえいえ、ちょっとプロット換算してみたら予想外に出番の量が多そうなのでバランス取りです。一応タイムスケジュール的に話を組み立てていますので、話の裏ではオウルは色んなところに行っているのです。
 それに出張りすぎるとシューゴが食われてしまう……
 予定している外伝の3本のうち、メインなのが2本も……


>ATK51様

 笑っていただいて大感謝。個人的にはあまりギャグのセンスがないなと苦悩していたところですから、そういってくださると頭が下がる一方です。
 個人的には“「俺の人生こんなんばっかりだぁ!!」”というセリフが気に入ってますね。

 CC社の上層部……どちらかというと現場の苦労や事故の深刻度を実感していないだけのような気がします。大人の選択というよりは大人の無責任でしょう。
 はてさていずれ騎士団はどうなることやら……

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