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「Revenge For The Destiny〜本編〜第2話(ナデシコ+オリジナル+色々)」

九龍 (2006-10-21 13:25)
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注)この話を読む前にRFTD外伝を読んでいない方は先にそちらをお読み下さい。


   Revenge For The Destiny


               〜本編〜


            第2話「闇の妖精」


テンカワ、ルリ、両名の失踪から5年後、アステロイドベルト……そこにある資源採掘用小惑星基地『アクシズ』で小規模の戦闘が起きていた。仕掛けているのは統合軍の残存艦隊。そしてそれを反地球連合軍組織『ミルヒシュトラーゼ』の無人兵器『バッタカスタム』と木連製の無人戦艦が迎撃をしている。だが、戦況はどう見ても統合軍が圧倒的に有利だった。無理も無い、彼ら『ミルヒシュトラーゼ』に残っている有人戦艦はナデシコCだけ、機動兵器に至っては有人機は1機も残ってないのである。おまけにバッタや無人戦艦も誰かが統制している訳ではなく、ただパターンどおりに動いているだけ。始めこそ善戦していたものの、すぐにパターンを解析され、バッタバッタと落され始めていた。
その最中、アクシズ内部のドックに係留してある白亜の戦艦『ナデシコC』の内部に1組の男女が居た。2人の名は『マキビ=ハリ(17歳)』と『ラピス=ラズリ(16歳)』反地球連合軍組織『ミルヒシュトラーゼ』のトップの2人だった。2人ともコンソールに向かって何か操作をしている。

 「よし、こっちは後は送信すれば終わり。ラピス、そっちはどう?」

 「………ダメだわ、ファイアーウオールが多すぎてシステム掌握なんてとてもじゃないけど無理……」

 「そっか……」

それだけ話して黙り込む2人。しばらく黙った後、不意にラピスがハーリーの方を向いて話しかけた。

 「ゴメンね、こんな事に巻き込んじゃって……ほとんどあたしの勝手で始めようとした事だったのに……」

 「そんな事、気にしなくていいよ………それより、受け取って欲しい物があるんだ…はい、これ。開けてみて」

泣きそうになっているラピスの言葉に答え、その後そう言いながら一つの小さな箱を渡すハーリー。それを開けると、そこにあったのは……。

 「………!!!ハーリー、これ……」

 「前、欲しいって言ってただろ?給料の3か月分には全然届かないけど、さ……受け取ってくれるかな…?」

それに入っていたのは、2頭のイルカを模ったプラチナのリングだった。この戦いが起こる少し前、2人で街にデートに言った際にラピスが見つけた物である。その時は2人の持ち分を全てあわせても足りなかったので泣く泣く諦めたのだが、そのすぐ後ハーリーは両親に土下座までして頼み込み、彼が今まで稼いだ中からその分だけ出してもらったのだ。

 「うん……ありがとう、ハーリー……」

 「好きだよラピス……いや、好きなんて言葉じゃ追いつかないくらい、愛してる……」

そのまま1つに重なる2人の影。するとその時、


ヴィーッヴイーッヴイーッ!!!


 『あのー、いい雰囲気の所悪いんだけど、連中がそろそろ外壁にたどり着きそうだよ』

警報と同時に彼らの真横にナデシコCに搭載されているオモイカネ型第3号AI『スクナヒコ』のウインドが開かれ、真っ赤な顔をして慌てて離れる2人。ハーリーは少し残念そうな顔をして、ラピスに至っては露骨に不機嫌そうな顔になる。

 「まったく、少しくらいゆっくりさせてくれてもよさそうなもんだけどねぇ…」

 「まったくだわ……さて、せっかくハーリーがプロポーズしてくれた事だし、ブーケを投げてあげようかしら(ハート)」

 「そうだね、一緒に盛大な花火もあげようよ」

不機嫌そうな顔を一変させ、悪戯っ子の様な微笑を浮かべてそう言うラピス。そしてそのまま艦長席につく。そしてハーリーも同じような表情でオペレーター席に着く。

 「ハーリー、グラビティブラスト発射準備」

 「グラビティブラストエネルギー充填率上昇…50%…75%…100%突破、準備よし。いつでも行けるよ」

 「さっき作ったメールを地球、月、火星、木星の全てのメディアに送信!!その後正面ゲートを開放して、外に出たらすぐにグラビティブラストを拡散モードで発射して!後はそれで出来た穴を突破して木星方面に向かうわ!!」

 「了解。メール送信開始……終了。続いて正面ゲート開放開始…開放完了。ナデシコC発進!!」

そしてドックから漆黒の宇宙へと躍り出るナデシコC。それに気づいた統合軍の戦艦が砲門を向ける。が、しかし……

 「か、艦長!!敵艦が…!!」

 「何?うおおおおおおおおっ!!?」

生き残っていた無人戦艦と、

 「隊長!!こ、こいつら急に動きが…うわぁぁぁぁぁ!!」

 「落ち着け!!編隊を乱すな!!うぉ?おわぁぁぁぁ!!」

バッタが敵に向けて特攻を開始したのである。その急激な変化についていけず、次々と撃破されていく統合軍艦隊。そこにナデシコCのグラビティブラストが追い討ちをかけるように撃ち込まれる。

 「グラビティブラスト、拡散モード!!撃てーーーーーっ!!」

グィィィィ……ドグォォォォォォォォォォン!!!

辛うじて生き残った船や機動兵器を喰らい尽くしていく黒い奔流。そして、宙域に動く物がなくなったのを確認してから移動を始めるナデシコC。だがそこに、一抹の油断が出来た。

 「……おのれぃ…魔女めがぁ…統合軍軍人の意地を見よ!!!」

ブィィィィ…バチバチ……ゴワァァァァァァン!!!

満身創痍ながら生き残っていた戦艦が一隻だけいたのである。そしてその船が放ったグラビティブラストは無防備になっているナデシコCに後ろから直撃した。

ドガガァァァァン!!!!

 「キャァァッ!!」

 「うわあっ!!」

突然の衝撃に椅子から投げ出される2人。早くこの宙域を離れようとディストーションフィールドの強度を下げてエネルギーの大半を推進器に回していたのが仇となった。ブリッジ内に次々と各所に甚大な被害が出た事を示す警報ウインドウが現れる。そして被害は最悪の場所……ジャンプユニットにも出ていた。

 『ジャンプユニット損傷…暴走してる!!全ての状況が5年前の物と酷似…ランダムジャンプ発生確率ほぼ100%……』

スクナヒコが最悪の事態を告げる中、ラピスとハーリーはお互いを抱きしめあい、覚悟を決めていた。

 「はは…奇遇だね、結局最後があのテンカワさんと一緒だなんて…」

 「そうだね……ねぇハーリー、何があっても…ずっと一緒にいてね…ずっと、一緒に……」

 「当然じゃないか……もう僕には君しかいないんだから……」

そう言って2人が唇を重ねた瞬間…

 『ジャンプ、開始します……』

シュパーーーーーーーン!!

一瞬の閃光と共に、ナデシコCは消えた。そしてその後、彼らを見た者はいない……時に、西暦2206年。木連軍の火星侵攻から実に十年の時を経て、ボソンジャンプをめぐる、後に『ボソン十年戦争』と呼ばれる戦争はその幕を閉じた。その後は、以前書いたとおりである。ボソンジャンプはチューリップを解してのみの使用しか出来なくなった。A級ジャンパーが1人もいなくなってから、彼等にとってもっともまともに生活できる環境になったと言うのは、皮肉と言う他無い……。


To Be Continued……


後書きと言う名のトークプレイス

(九龍、以下(九)ちぃーす、九龍ですー。

(ラピス、以下(ラ)どうも、ラピス=ラズリです(ペコリ)でも、ここだと私とハーリーの年齢って違うんですね。

(九)はいな。いやー、他のSSだと大概君ってハーリーと同い年なんだけどさ、どうしても劇場版の時で10歳弱程度にしか見えなかったし。ちなみにフィルムブックで確認した限りじゃ彼の方が11歳。で、君は年齢不詳。しかしTVの時のルリちゃんでさえ11歳だった事を考えたらいくらなんでも10歳にも満たない子を戦場に連れてくる事は無いだろうし…と言う訳でこの年齢になった。

(ラ)何か大して変わらない気が…で、次はとうとう私とアキトの涙の再開?

(九)そーなんス。ついでにナデシコ出発直前まで行きたいけどなぁ…少々前置き…と言うかプロローグ的な話が長くなりすぎだしてるし(汗)

(ラ)確かに。本編とか言いながらいまだにこの時代のナデシコキャラ出てきてないしね(グサッ)

(九)ぐへっ、それ痛いっス。とりあえずナデシコ出港までさっさと行かないと…電波が来すぎて混線しちまう。つーかすでに混線気味だし(汗)

(ラ)ならとっとと書く!!あまり遅くしてると相転移砲の的にするわよ!!?

(九)とか言いながらもうすでにナデシコ(Yユニット装備)でスタンバってんじゃんかー!!遅くしなくてもする気満々だろ実は!!(脱兎)

(ラ)あ、逃げられた……チッ…と言う訳で皆様、また次回お会いしましょう(ペコリ)

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