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「狩人の世界に現れし福音者達  第48話(エヴァ+HUNTER×HUNTER)」

ルイス (2006-10-12 15:31)
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「って事があったわけよ」

「ほ〜」

 黙示録と幻影旅団がアジトにしている廃ビルの屋上にて、卵をオーラを熱に変化させ、温めているマルクトにウィップとユーテラスがアスカ、レイが来た時の事を話した。

「でも、あのまま帰しちゃっても良かったのかしらね〜? 私もマギやスカイほどじゃないけど、仲間殺されて腹立たない筈ないし」

「…………無傷で帰して正解だよ。マインドも分かってるからこそ、帰したんだろ」

「「?」」

 マルクトの意味不明な言葉に首を傾げるウィップとユーテラス。

「(多分……マスターは……)」

 マルクトは赤く染まった空を見上げ、静かに目を閉じた。


「ん? 君達、何処かで会ったかい?」

 自分達の名前を呟いたアスカに、カジとミサトは不思議そうな表情を浮かべる。が、その言葉にアスカは、顔を俯かせ、拳を握り締めた。

 かつて憧れ、好意を抱き、子供だった自分が背伸びし、大人として見て欲しかった人、でも、いつの間にか死んでいて……。

 そして彼の隣にいる女性。上司であり、偽りの家族。けれど、一緒に住んでいて、楽しかった思い出もある。

「あなた達、黙示録か幻影旅団? それとも、そうじゃないの?」

 警戒するようなミサトとカジの目。それを見てしまったアスカの胸がドクン、と大きく鼓動する。すると彼女は、自分の体を抱き締めるようにして膝を突き、ガタガタと震え出した。

「!? アスカ!」

 思わず声を張り上げるレイ。カジもミサトも突然の事に驚くが、カジの方はアスカ、という名前に眉を顰めた。

「何で……何で覚えてないの……イヤ……誰も見てくれない……私を……」

「アスカ、この事は予想してた筈よ……しっかり気を持って」

「独りはイヤ……独りはイヤ……私……弐号機パイロット……」

「違う。貴女はもうチルドレンじゃない。貴女は……」

「誰も……誰もいない……どうして……どうして私を置いて行くのよ……」

 自分の声が届かないアスカに、レイは苦々しそうに目を細めた。

「(カツラギ一尉達が私達を知らないのは覚悟していた筈なのに……やっぱり、アスカのトラウマの最後の鍵は……)アスカ」

 震えるアスカの背中に手を回し、レイは彼女の体を強く抱き締め、まるで子供をあやす様に頭を撫でながら言った。

「今の貴女は独りじゃない……私とカヲルが……それに新しい仲間がいる」

「あ……」

 アスカはピタッと震えを止めると、急に体中の力が抜け、意識を失うとレイの体にもたれかかった。フゥ、と息を吐くレイ。

「(あの世界で……独りの時間が長過ぎた……)」

 目を覚ますと、誰もいない赤い世界。何よりも独りを恐れていたアスカにとって、それは地獄に等しかった。だが、彼女は強く世界を、人を、最も憎くて好きな少年を否定し、原初の海へと溶ける事は無かった。

 誰よりも人との接触を望みながらも拒絶するという心の矛盾が、彼女の葛藤と抑制になっていた。

 レイやカヲルと出会い、そして少年との再会という目標が今まで彼女の心を強く締めていたが、かつて慕っていた人物達からの冷たい視線に、乱されてしまった。

「(私の読みが甘かった)」

 悔しそうに唇を噛み締めるレイ。すると、突然、カジが寄って来て、アスカの体を抱きかかえた。

「! 何を……」

「このままって訳にはいかんだろう。俺達のホテルで休ませよう」

「ちょ、ちょっとカジ君!?」

「安心しろよ。この娘達は幻影旅団でも黙示録でもない。いや、それどころか、あのリキって女を倒したのは、恐らくこの娘達だ」

 カジのその言葉に、ミサトだけではなくレイも目を見開いて驚愕する。

「君達の話が聞きたい。駄目かな?」

「…………」


「これで全員揃ったな」

 あるホテルの一室では、マフィアが依頼した殺し屋達が集合していた。その中にはクラピカ、マイサ、アイリス、そしてキルアの父と祖父であるシルバ・ゾルディックとゼノ・ゾルディックがいた。

「早速だが、以来は幻影旅団と黙示録の抹殺。今夜再開されるセメタリービルでの競売及び周辺地域に奴らが、また来るかもしれん。警備を兼ねて奴らが現れたら始末してくれ」

 スキンヘッドの小太りな男性――ゼンジが、殺し屋達に説明をする。

「やり方とか詳しい事は、そっちで勝手に決めてくれていい。こちらの要望さえ全うしてくれれば文句はねぇ。何か欲しいものがあれば言ってくれ」

「そのビルの詳しい見取り図を用意してくれ」

「周囲の地図もだ」

「連絡の際の呼び名を決めておこうか」

「色でいいだろう。俺はブルーと呼んでくれ」

「俺はレッドが良い」

「………まるでゴッコじゃの」

 殺し屋連中の会話に対し、ゼノがポツリと呟いた。

「ん? 何か言ったか? お前ら何色にするんだ?」

「シルバ」

「ゼノじゃ」

「シルバーに……ゼノ? ゼノって何色だ?」

「2人ともただの本名じゃ」

「俺の名を呼ぶのは自由だが、指図は受けない。俺達のやり方でやる」

 シルバのその言葉を聞いて、他の殺し屋連中はザワつく。

「シルバにゼノ……まさか、ゾルディック家!? 誰も本当の姿を見た事が無いという伝説の……」

「別にワシらは普段、変装も潜伏もしとらんのだがのぉ」

「もしかしてゾルディックってのも暗号名じゃなく、本名なのか?」

「そうじゃ。何なら名刺やっとこか? 住所と電話番号も載っとる。もし、殺したい奴がいたら連絡暮れ。3割引で請け負うぞ?」

 割とフレンドリーな会話だが、凄みのあるゼノに対し、殺し屋連中は萎縮する。すると、ゼノの名刺をヒョイッと後ろからマイサが取った。

「へ〜。これがゾルディック家の人間の名詞か〜。3割引って気前いいのね、お爺ちゃん」

「お前さんも殺し屋か?」

「まさか。ただのハンターよ。ただし、お金さえ払ってくれれば、ゴミ拾いから暗殺まで、何でもするわよ」

 ニコッと人懐っこい笑顔を浮かべるマイサ。ゼノの視線は、彼女の連れのアイリスへと向けられる。

「そっちの娘っ子は?」

「ん? アイリス? そうねぇ……私の切り札、かな」

 そんな会話を聞きながら、クラピカはシルバとゼノの2人を見る。

「(彼らがキルアの家族……なるほど。明らかに他の者より威圧感が上だ)」

 他の者達も殺し屋として決してレベルが低い訳ではないが、自分達と彼らの差を感じ取り、萎縮してしまっている。

「(何とか対抗出来そうなのは……この2人と、あの女性か)」

 クラピカは、チラッと自分の前のソファに座る2人の殺し屋とマイサを見る。そして、その中の一人が言った。

「別に良いじゃん、呼び名なんて。だって呼ぶ事なんて無いもん。1人1人が好きにやって良いんじゃないの?」

「同感だな。互いに流儀も思考も違うんだ。無理に足並みを揃えても事はあるまい。俺も勝手にやらせて貰う」

「しかし、相手はあの旅団と黙示録だぞ。単独でやるにはヤバ過ぎる」

「万全を期すには最低限の協力が必要だろう」

「あんた達はどう思う?」

 殺し屋の一人がクラピカとマイサの意見を訊く。

「拙い連携は混乱を招くだけだ。誰かの協力が必要な者はコミュニティーの人間を使えばいい」

「殺しにおいて団体行動は効率を下げるだけ。迅速で正確に殺るなら、少人数で動くべきね」

「各々の裁量で動いた方が揉める事も無いだろう? 私は1人で十分だ」

「6対4だ。決まりだな」

「まぁ組みたい奴は組めば良いさ。オークションの開始は9時だったな」

「ああ。ビルの内部まで我々が送ろう。お前らの事を知ってるのは、コミュニティーでも一部の人間だけだ」

 そうして、殺し屋達は部屋から出て行く。


 ホテルのロビーでカヲルとヴェーゼは、クラピカとノストラードを待っていた。2人はソファに座ってテーブルを囲んでいる。

「クラピカの奴、本当に殺し屋チームに参加して大丈夫なのかしらね?」

「本人が良いって言ったのなら良いんじゃないかい」

「…………私らの任務はボスの護衛よ。けど、アイツは旅団の一人を殺ったみたいだし、今回の暗殺の件も迷わず承諾した。何で、そこまで……」

 神妙な表情を浮かべるヴェーゼに対し、カヲルは笑顔を浮かべたまま答える。

「さぁね〜。色々考えられるよ。旅団を倒して名を上げる」

「アイツがそんな功名心高いかしら?」

「じゃ、より強き者を求め、戦うファイターなのだ」

「絶対違うと思う」

「旅団のファンで自分が入る為にアピールしてる」

「だったら殺す必要ないじゃない」

「じゃあ、もう私怨とかそんなんで良いよ」

「それが妥当な線ね……誰の力も借りず一人でやる辺り……何で、それが投げやりな言い方なのか、この際、置いとくけど」

 私怨にしても何にしても、あそこまで執着するクラピカの考えは理解出来ない、とヴェーゼは首を横に振った。

「強い想いは理性を狂わせる。良くも悪くも……ね。そして、それは念の強さに大きく影響する」

「クラピカの幻影旅団に対する想いは、それぐらい強いって事?」

「ま、そういう事だね」

「カヲル、ヴェーゼ」

 と、そこへクラピカとノストラードがやって来た。2人はソファから立ち上がり、彼らを迎えた。

「センリツ達から連絡は?」

「ああ、ボスの買い物に付き合わされて大変だそうだよ」

「娘の願いは最優先事項で叶える。オークションに参加出来なかったのなら、それ以外で発散させてやれば良い」

 そう言って歩き出すノストラード。その背中に、クラピカ、カヲル、ヴェーゼの3人は冷たい視線を向ける。そこへ、ゼンジが突然、ノストラードに声をかけて来た。

「よぉ、ノストラード。調子はどうだ?」

「まぁまぁだ」

「まぁまぁだ……か。偉くなったもんだぜ、なぁ?」

 ゼンジは、ノストラードを挑発するかのような態度で、他のマフィアに言った。

「つい、この間まで片田舎の一組長だった野郎が、今じゃ十老頭直系組頭の俺達とタメ口きけるんだからな。ところでノストラードよ、手は大丈夫か? ちょっと見せてくれよ」

「手?」

「揉み手のし過ぎで火傷したそうじゃねーか。指紋もねぇって噂だぜ」

 完璧にノストラードを馬鹿にし、ガッハッハと他のマフィアと大笑いするゼンジ。その彼にノストラードは逆に、フッと笑みを漏らして言った。

「男のジェラシーは見苦しいぜ」

 その言葉に、ゼンジは怒りの表情を浮かべ、そのままノストラードに殴り掛かろうとした。

 バキッ!!

「ぐあああぁぁぁ!!」

 が、彼の拳はノストラードに当たる前に何かにぶつかる音がして、拳から血が噴き出した。

「ゼンジ!?」

 他のマフィアが慌てて彼の下へ駆け寄る。

「大丈夫ですか? これで血を拭くと良いですよ?」

 拳を押さえ蹲るゼンジに、カヲルが笑顔を浮かべてハンカチを差し出す。彼は顔を上げてカヲルを睨み付けた。

「テ、テメー、何しやがった?」

「は? 僕は何も?」

「このっ……!」

「おい、やめろゼンジ!」

「こんなガキ相手するより早く治療しろ!」

 呻き声を上げて連れて行かれるゼンジ。カヲルはヤレヤレと肩を竦め、ノストラードに向き直る。

「余計なお世話でしたか?」

「いや、あの嫉妬豚にはイイ薬だ……自分の無能を棚に上げて俺の成功を妬む奴が多くて困る。奴らは何も分かっちゃいねぇ。今の時代、最も重要なのは情報だ。その中で究極の情報は何だと思う? 『未来の情報』、即ち予知だ。的中率100%の予知、予言を自在に駆使すれば世界を牛耳る事も可能!」

「(つまり有能なのは娘の能力であって、貴方自身も無能……と)」

 自分の考えを述べるノストラードに、カヲルは冷めた視線を向け、嘲笑を浮かべる。

「俺は、まだまだ上に行く。敵も増えるだろうが、お前達の働きには期待している。十分な見返りは用意するつもりだ」

 そう言い、ノストラードはホテルから出て行った。


「ま、大したもてなしは出来ないが寛いでくれ」

 カジ達の宿泊しているホテルに案内されたレイは、ソファに座らされる。対面には、カジとミサトが座っている。すると、隣の部屋の扉が開いた。

「特に異常は無いわ。しばらくすれば目を覚ますでしょう」

「(アカギ博士……)」

 アスカを診てくれたリツコを見て、レイは微妙な表情を浮かべる。かつては、彼女に対し、嫉妬の対象として見られていた記憶が蘇る。

「さて、とりあえず何から訊こうか……とりあえず君達は何者だ?」

「レイ・アヤナミ…………ハンターよ。プロの」

 そう言い、レイはハンター証を見せる。

「へ〜、今年卒業したばかりの新人なんだ」

 レイのライセンスの番号を見て、彼女が、まだハンター歴0年だと分かったミサトは、それで良く幻影旅団や黙示録と関わろうとした事に驚いた。

「私達もハンターよ。NERVEという会社に所属してるわ」

「(NERVE……あの人と同じ名前の人の会社)」

「NERVE本社第一情報部主任のリョウジ・カジだ」

「同じくNERVE本社第一技術局局長及び医療センター所長のリツコ・アカギよ」

「で、アタシはNERVE本社第一戦闘局新人育成顧問のミサト・カツラギよ」

 それぞれ3人が名乗ると、レイは、在りし日、彼らと過ごした日の事を思い出す。以前と変わらないような職場に階級。まるで昔に戻ったようだが、今は、まるで違う状況だった。

「君達は黙示録の首領を知ってるのか?」

「!?」

「君達が殺した黙示録の一人……彼女は、少し前に俺達が拘束してね、盗聴器と発信機を取り付けていた。その時の会話を聴いていたんだが、君達の口ぶりからすると、そう考えてね……どうだい?」

 カジの質問に、レイは顔を俯かせ、膝に手を置いて答えた。

「…………それは……」

「知ってるわ」

 その時、部屋の横から声がした。4人が振り返ると、そこには寝ていた筈のアスカが疲れた顔をして立っていた。アスカは、ミサト、リツコ、そしてカジを一瞥し、複雑な表情を浮かべると、レイの隣に座る。

「平気?」

「大丈夫よ……もう取り乱したりしない」

 そう言ってレイに笑いかけ、アスカは3人を見据えて言った。

「私達は黙示録の首領を知ってる。でも、念能力も何でこんな事をしてるのかも何も知らないわ」

「そう……ねぇ貴女、アタシとカジ君の名前を知ってたけど何で? 何処かで会った事ある?」

 ふとミサトがアスカにそう質問すると、彼女は目を閉じて答えた。

「ええ……会ってるわよ。本当に昔……ずっと昔よ。まさか、その2人が今、同じ会社に入ってるなんて思わなかったけど」

「え? ちょっと待って……今、思い出すから」

「おっかしいなぁ〜。君みたいな可愛い娘を忘れる筈ないんだが……」

 2人は思い出すように額に指を当てて、ウンウンと唸る。アスカは苦笑すると、「無理に思い出さなくも良い」と言った。

「でも私は覚えてる……本当に」

「そう……悪いわね、思い出せなくて」

「いいわよ」

 本当に記憶に無いんだし、と心の中で付け加える。

「どちらにしろ君達の目的は黙示録の首領か……俺達も黙示録と幻影旅団の首領を捕まえるよう上から命令されてるんだが……その辺は目的が一緒だな。どうだい? 俺達と……同盟を結ばないか?」


「やれやれ」

 その頃、少年は路地裏でマフィアを一人、始末してスーツを奪い取る。

「やっぱりアロハじゃ目立つか」

 大きさが違うのでスーツの袖を捲くり、ズボンは裾を折る。眼鏡を外して、髪を結わえると路地裏から出た。あちこちに警察が立っており、その中にはマフィアも混じっている。オークションの行われるセメタリービルから半径1kmは武装警察とマフィアにより、治外法権地帯にある。そもそもヨークシンの市長がマフィアの子飼いなので、交通規制ぐらい難なく出来た。

 Prrrrr!

 その時、彼の携帯が鳴った。

「もしもし?」

<大切な暦が一部欠けて遺された月達は盛大に祝うだろう。喪服の楽団が奏でる旋律で霜月は高く穏やかに運ばれて行く。
 菊が葉もろとも涸れ落ちて、血塗られた緋の目の地に臥す傍らで、それでも貴方の優位は揺るがない。残る手足が半分になろうとも。
 幕間劇に興じよう。新たに仲間を探すもいいだろう。向かうなら東が良い。きっと待ち人に会えるから>

「…………は?」

<どうだ?>

「いや、クロロさん。どうだと言われても……何が?」

 いきなり変なポエムを電話越しで言われて少年は、どう返答していいのか戸惑う。

<100%当たる予言の詩だ。例の娘に占って貰った>

「あ、そうなの。じゃあ、そっちの目的は果たした訳だ」

<ああ。後は手筈通り……>

「OKOK」

 少年は笑顔を浮かべて頷くと、携帯を切る。そして、こめかみに手を当てて目を閉じる。

「(マインド、マインド……)」

【何、マスター?】

「(そっちの方は?)」

【とっくに出来てる】

「(OK。じゃ、ライテイが撃ったら、一気にやっちゃって)」

【了解。あ、マスター……後で話が】

「(ん、分かった)」

 少年は頷いてマインドとの念話を終えると、歩き出す。その表情は、これから起こる事を想像してか、冷笑で彩られていた。


「同盟?」

「ええ。今、アタシ達の部下が7,8名、ヨークシンに入って敵を探ってるわ。ただ戦力的に大きく期待は出来ない。かく言うアタシ達も戦闘において、敵よりも大きく劣っている」

 そこで、こちらとしては黙示録の首領の情報を2人に与える。が、その代わり幻影旅団と黙示録のメンバーの詳細を教えて欲しい、とミサトが提案した。

「確か君達の他に、もう2人。男の子がいただろう? 出来れば彼らにも、この事を話して欲しいんだが」

「…………」

「別に嫌なら断ってくれても良いわ。でもね……」

 ミサトは真剣な表情になってアスカとレイを見据える。2人はゴクッと唾を飲み込むと、ミサトは突然、テーブルに足を乗っけて叫んだ。

「今回の部下の費用、アタシの給料から引かれてるの!! これで、もし任務失敗なんて事になったら、アタシ、来月はエビチュ断ちなのよぉ〜〜!!!」

 ごつん×2!!

 余りにも馬鹿馬鹿しい事に対して絶叫するミサトに、アスカとレイは思いっ切りテーブルに額をぶつけた。

「ちなみに、これがミサトの主食であるエビチュよ」

 いつの間にかリツコが冷蔵庫を開けて缶ビールを一つ取って、飲みだした。

「って、リツコ! アタシの大事なエビチュを勝手に飲むな〜!」

「(変わってない……この女、ちっとも変わってない……)」

 けどまぁ、3人の関係は、比較的、良好なようで、“以前”のようなギスギスした雰囲気は感じられない。何処か羨ましく感じてしまうアスカとレイだった。

 その時、ニャ〜、と猫の鳴き声がした。

「あら、誰かしら?」

 猫の鳴き声が着信音なので、思わずアスカは吹き出しそうになった。

「はい? あ、マヤ」

「(マヤって……イブキ二尉)」

「(この分じゃ、あの2人もいそうね……)」

 何かもうミサト達が3人一緒に、ゲンドウ・ロクブンギという人物の会社にいる事を知ったので、別に自分達が知っている他の人間が、彼女達の部下でも驚きはしたが、意外とは思わなかった。

「どうしたの? …………ええ、ええ分かったわ」

 何度か頷くと、リツコは携帯を切って、4人を見る。

「黙示録の首領が見つかったわ」

「「!?」」

 その言葉に、アスカとレイは目を見開き、カジとミサトの表情が鋭くなる。

「何処?」

「俺達に付いて来れば教えるよ。ただし、それは同盟を結ぶと取らせて貰う」

「返答は?」

 3人に見据えられ、アスカとレイは顔を合わせる。そして、互いに頷くとソファから立ち上がった。

「旅団で能力を知ってるのは1人、黙示録で知ってる奴は2人。それで良いなら教えるわ」

 その言葉に、3人はフッと笑みを浮かべ、力強く頷いた。

「OK。同盟成立だ。よろしく頼む」

 そう言い、カジがスッと手を差し出して来る。レイの方にはミサトが手を差し出して来た。2人は、その手をジッと見つめる。

「(また、この人達の世話になるなんて……)」

「(運命は皮肉……)」

 少々、複雑な想いではあるが、2人はその手をギュッと握り返した。


【黙示録全員に告げる。地上の星空に花火が散ると共に…………殺れ!!】


 〜レス返し〜

 デコイ様
 ウチルは今回出番なしですが、今、ノストラード組のホテルに言っても誰もいないんですよね。 
 で、アスカとレイはNERVE組と同盟を結びました。両者の目的は、共にシンジ(厳密にミサト達はクロロも)ですが、シンジに会えれば良いので、後は知らないです。


 ショッカーの手下様
 強化系ですから表情に出易い……あ、それは昔からですが。
 その内、ウチルの詳細を書きます。
 その台詞は微妙にカニを意識しました。


 Dちゃんす様
 ありがとうございます。訂正しておきました。


 海様
 ちゃんと理由がありますが、それは後ほど明らかになります。気づいてるのは、アクアにマインドとマルクト、後レインぐらいです。


 エセマスク様
 退職届は遊びで書いたんですけどね〜。何故か好評。
 ええ、スカイの背中でヨダレ垂らして寝てる写真です。
 確かに……シフはホストっぽいです。スカイはリキを女性、というより親友として見ていたのが強いですね。ちなみにスカイも強化系だったりします。


 夢識様
 カジ達とは同盟締結です。もっとも、シンジが見つかれば、同盟破棄かもしれませんが。


 髑髏の甲冑様
 それもしたかったんですが、リキ殺害発覚というのをしたかったので、ゴンキルが黙示録に絡むのは出来ませんでした。
 いいえ、単に今の自分の姿が良いからです。それもちゃんと理由があります。っていうか、シンジの行動理念の一つです。シンジに本当の姿はありません。


 流刑体S3号様
 犬とか猫だと人形じゃなくて、ヌイグルミ? 人形とヌイグルミって違うでしょうし……動物型は無理っぽいです。
 殺意、という点ならウィップもそうですが、スカイとリキが感情的に行動しました。ユーテラスは、基本的に穏健派なので。
 腕相撲の時のゴンの言い方は、私的には結構、正しいと思ってます。他人の為に――この場合、旅団に殺された人達――怒れるのは、彼のいい所ですから。
 そうですね……子供と思いましたが、逆に自分達も子供で危ない事をしてるので、不思議に思わないんじゃないでしょうか。
 はい。リキもちゃんとお墓作られています。


 拓也様
 う〜ん……一応、彼ら大人で、その道のプロですし、よっぽどの事が無いと取り乱さないです。たとえば、シンジの実力が、圧倒的過ぎる場合とか。

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