テオロ登場
エルルゥはハクオロに肩を貸して、一緒に家から出ててきて
暫く集落が全体的に見える街道に入った時には息を少し切らしながら
額に汗が少しだけ垂れて、声を出した。
「…はっん…よい…しょっと」
ハクオロはエルルゥのこの声を聞いて、疑問に思ったことを
言葉として口に出していた。
「肩を貸してくれるのは助かるが、やはり重いだろう」
それにたいして、エルルゥは意外な言葉をハクオロに返した。
「…いえ、全然平気ですから、それに慣れていますし」
そういいながらハクオロに肩を貸してくれているが、ハクオロから診れば
『にこやかにそう言ってくれているが、息が少し上がっているみたいだな、
それにこの道には木が生えているお陰で木陰が出来ている、エルルゥを少し休ませるか無理をさせても余計に危ないだけだ』
と思い。
エルルゥに声をかけた。
「エルルゥ少し休もう…先程から歩き続けでは疲れているだろう」
「えっ【辺境の女は強いんですよ】」
エルルゥは逆に心配されていることに気づき、変な声を出してしまった。
『どうしよう…ハクオロさんが心配で案内していたのに、逆に心配されるなんて
おばぁちゃんが知ったら逆に怒られる…よし』
「いえーーーーーーーー本当にまだーーーーーー大丈夫ですからっーーーー」
その終わりの言葉をエルルゥが言う前に、エルルゥの体が膝に力が入らずに
カックン
「えっ!!」
エルルゥも自分自身が吃驚するほどに疲れている事がハクオロにも知られてしまい。
「あっのうですね…これは…その…」
それ以降エルルゥは黙り込んでしまった。
『恥ずかしいよ///どうしょう』
とエルルゥが考えていると。
ハクオロが言葉をかけてきた。
「その…私も疲れているようだ…そこの木陰で一緒に休憩しないか?」
「えっ…それじゃ、木陰で少し休みましょうか」
ハクオロはエルルゥの横顔を見ると、喜んでいる事が分かるぐらい表情が豊かだった。
『ふふ…』
エルルゥはハクオロに横顔を見られている事が分からずに、
ハクオロの方に顔を向けて。
「ゆっくり下ろしますから、」
エルルゥの優しい言葉と行動で、ハクオロと一緒に木陰で座り込んだ。
「------ッッ…ふぅ、ありがとう、やはり体に無理をさせてしまったかな」
ハクオロのお礼の言葉に、エルルゥは少し間を置き、返事をした。
「いえいえ」
ハクオロの返事に答えたエルルゥも、朝から昼近くになるまで大の大人一人を肩に半分担いだ状態で
今まで案内していたお陰で、疲労は極限まで達していた。
そんな時に、木陰で休んでいるハクオロに声をかけられた。
「そんなところに立ってないで、エルルゥも座ったらどうだい、ずいぶんと案内をしてくれたお陰で疲れているだろう」
エルルゥもその言葉に動揺した事で返事があいまいになっていた。
「…あっ、はい。それじゃあ……っと」
エルルゥはゆっくりと、ハクオロの隣の木陰に座りこんだ。
その時エルルゥは一瞬気が抜けた事で変な声を上げてしまった。
「……はふ~~~~♪」
その気の抜けた声と表情を見た、ハクオロは
『ふふっ…やはり疲れていたんだな』
ハクオロの表情もいつの間にか笑っていた。
『此処は本当に気持がいい、休憩場所はいい所だな』
そんな事をハクオロが考えていると、街道の道から一人の男性が斧を持って、エルルゥとハクオロの所にやってきた。
「よっ…あんちゃんが村長の所に運び込まれた変な男か」
「えっ!!」
「ひゃ!!」
これにはエルルゥとハクオロも行き成り声をかけられた事で吃驚した事で変な声を上げてしまった。
ハクオロがその声をかけてきた男性を見ると、男性も此方が見ている事に気づいたのか
肩に乗せていた、斧を地面に下ろして、
「ア、アンちゃん…いや違うな、俺が運んだのは髪が赤い奴だったからな」
ハクオロはこの言葉聞いて。
『自分たちの事を知っている?…だがあったことはなかったはずだ』
と再び考え込んでしまった。
そこへ先程の男性がハクオロの顔に自分の顔を近づけて診ると。
「誰だ…っていうか、何だぁ、この妙な仮面を着けている男は??」
この言葉で考えていた事をいったん止めて、ハクオロは
『妙な仮面男ってもしかして自分の事か?』
と聞いていたので、少しだけ落ち込んでしまった。
エルルゥもどうやらこの男性と知り合いのようで、男性がハクオロに言葉を言うだびに
表情がころころと変わっていった。
だがエルルゥも伊達に【辺境の女】と自らを言っているわけではなく
一度深呼吸してから、
「あの~~テオロさん」
「んっ…エルルゥその男は…誰だ」
テオロと呼ばれた男性は、エルルゥに何かを聞いている様子だった。
エルルゥも少しだけ苦笑いをして。
「誰って、ほら、この間の時にテロオさんが運んだ人と一緒に倒れていた人ですよ」
エルルゥに言われてか、しばし考えこむテオロだったが
直ぐに答えが出たのかハクオロの方を見て。
「この間…ああ、村長んトコに担ぎ込まれた、もう一人のほうかい そうかい、あんただったのかい。
んで、最近は落人しか見ていなくてなすまねぇなあんたを落人となんかと勘違いしたようだ」
テオロの言葉に敏感に反応したのがハクオロだった
「えっ!!…落人までいるんですが?」
「たまーなここま他所よりかは平和だからな、時々流れてくるんだ
なんもねぇ小さな村だけどなみんなそれなりに暮らしているんだ
「何か修理中の家が多いですね」
ハクオロがテオロに質問すると、その質問答えるように
テオロは話してくれた。
「そんな時地震が起きてな、それで今は修理中の家が多いんだ」
「地震…」
ハクオロが地震と呟くと、何か伺うようにエルルゥは黙って此方を見つめていた。
「んっでよ…そんな時にエルルゥがアルルゥが居なくなって言ってよ森の奥に入っていってお前さんを見つけてきたんだよ」
「そうだったんですか」
ハクオロも自分が何処で見つかったのかこのテオロの話でようやく分かった用で少し安堵していた。
そんな所をアルルゥとホムラはハクオロ達が話している
街道の横道に隠れてその様子を見ていた。
「いいのか?アルルゥ見ているだけで」
ホムラはアルルゥに話すとアルルゥは首をたてに振り。
「……ん……」
と返事をして、アルルゥはその場を後にした、
ホムラもアルルゥと一緒にその場から立ち去った。
後書き~
久しぶりの更新 かなり遅れました
【】は本編では重要な言葉や圏の名前を話の中に入れるときに使います
【辺境の女】言わずと知れた、暴走状態のエルルゥを指す
既に暴走しなくてもなっている女性は、ソポクとトゥスクルです
テオロいわく歳取るごとに辺境の女として覚醒するようですね
実の妹のアルルゥからは【エルンガー】と呼ばれているほどですから^^;
ようやくテオロまでだせました、ソポクやヌワンギなど出せるのはいつになるやら