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▽レス始

「狩人の世界に現れし福音者達  第44話(エヴァ+HUNTER×HUNTER)」

ルイス (2006-09-24 13:51)
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「マスターも甘いのか優しいのか……」

 一応、変装の為、サングラスをかけてマインドと並んで歩きながらレインは呟く。マギは、先を歩いて「リキ〜!」と叫んでいる。通行人達は、マインドの翼を見て、奇妙なコスプレと思ってるのか奇異な視線を送る。が、3人は気にしないで歩く。

「両方さ。マスターは、基本的に心の弱い人間だからね……」

「? どういう事だ?」

「マスターは異様に恐れている。自分を慕ってくれている者に捨てられる事を。だからこそ、それを大切にする……捨てられないようにね……故に恐ろしい」

「恐ろしい?」

 分からない様子のレインに、マインドは意味ありげな笑みを浮かべたまま頷く。

「あの人は……捨てられるぐらいなら、その人間を殺す。捨てられる前に殺す。そして、その力は余りに強過ぎる」

 それを聞いて、レインはサングラスの奥でマインドを睨む。

「それは、マスターが俺達に逃げられないよう首輪を付けている、とでも言っているのか? 俺はマスターの犬になった覚えは無いぞ」

「マスターにとって、他人とは自分という存在を肯定する為の道具……それ故にリキが死んだのなら、道具が一つ失ったに過ぎない」

「馬鹿を言え……」

 チラッとレインは、先を歩くマギを見る。少なくとも、少年がマギやウチル、そして自分達に向ける優しさは本物であると彼も分かっている。その事に対し、マインドはコクッと頷いた。

「そうだね。その事はマスターも無意識だと分かってる。マスターが私達に注ぐ優しさは決して嘘偽りじゃない。けれど、先に言った脆弱な心が生み出す殺意も決して嘘偽りじゃない……昔、一度だけマスターが言ったよ。『怖い』ってね」

 少年自身、捨てられそうになった時に起きる殺意は、昔からあるモノで止められないものだと自覚していた。他人を誰よりも慈しみながら、その死に対し余りにも無感情である自分に恐怖していると、マインドは言う。

「…………俄かには信じられないな」

「嘘偽りの無い優しさだからこそ、気付かないんだよ。気付いてるとすれば……アクアかな」

「アクアが?」

「彼女は私達の中じゃ一番、マスターと付き合い長いからね……」

 その分、普段から何を考えてるか分からない時がある、とマインドは付け加えた。


「ただいま……」

「レイ!!」

 レイがゴン達の部屋に入って来ると、急にゴンが駆け寄って来た。

「どうしたの?」

「コレ見て、コレ!」

 そう言って、ゴンが差し出したのは、13名の写真の載った用紙であった。それを受け取り、レイは、その中の一人を見て目を見開く。

「これは……」

「幻影旅団と黙示録だよ。マフィアが、そいつらに一人20億の賞金かけてる」

 ソファに座りながら、キルアが、グリードアイランドを落札する金を手に入れる為に、彼らを捕まえると説明した。

「しかも有力情報に賞金出すってゴンの奴、質屋でハンターライセンスを担保に1億も借りたんだぜ」

「1億……」

「俺らはアスカかレイに借りろって言ったのに……」

「ヤダ! そんなの俺、全然、辛い思いしてないじゃんか!」

 自分を追い込んで手に入れなくては意味が無い、と言い張るゴンに、レオリオとキルアは、ハァと重い溜息を吐くが、レイは小さく微笑んでゴンを見つめる。

「で、朝になったらサザンピースの競売目録(カタログ)買いに行くんだと」

「何しろカタログだけで1200万ジェニーするからな。その後は、こいつ等の情報待ちだ」

「もし、全員捕まえたら260億だよ!」

 そう、目を輝かせるゴンに、レイは用紙を見ながら首を横に振った。

「無茶ね。全員捕まえても240億よ」

「「「へ?」」」

「この女性……私とアスカが殺したわ」

 写真の中の一人の女性を指して言うレイに、3人は驚愕する。

「殺した……って、アスカは!?」

 そういえばアスカの姿が見えないので、ゴンが声を上げると、レイは隣の部屋を指差す。

「部屋で休んでるわ。私の傷を治療するのに“代替の治癒【フィードバックヒール】”を使ったから……」

「“代替の治癒【フィードバックヒール】”? 何だ、そりゃ?」

 まだ念に詳しくないレオリオが尋ねると、レイは少し心配そうに隣の部屋の方の壁を見て答える。

「他人の自己治癒力を強化させて、どんな傷も治す“発”の一種よ」

「何ぃ!? アスカの奴、そんな便利な能力持ってんのか!? って、事は何だ? ハンター試験の時とか、その能力使えば俺ら、もっと簡単に試験クリアー出来たんじゃねぇのか!?」

 ウガ〜、と頭を抱えて怒鳴るレオリオに、レイは冷たい視線を向ける。

「本当にそう思う?」

「は?」

「便利な念……それは裏を返せば厳しいリスクを意味しているのよ」

「厳しいリスク?」

「“代替の治癒【フィードバックヒール】”は、傷を治す代わりにアスカ自身、その分、痛みをその身に受けるのよ」

 そして、それは痛覚だけなので、どんな傷薬も意味は無く、アスカ自身の気力で痛みを抑え込むしか方法は無いと、レイが説明する。

「私も戦ってる最中、傷を受けたわ」

 そう言い、レイは先程まで着ていた服を見せる。ちなみに今のレイは、白いTシャツにジーンズとシンプルな格好をしている。彼女の服は、肩から胸にかけて刃物で斬られた跡がクッキリと残っており、それを見てゴン達は、どれだけ深い傷なのか想像しただけで表情を顰める。

「ア、アスカの奴、これだけの傷の痛みを肩代わりしたってのか!?」

「ええ」

 それを聞いて、ゴンは表情を厳しくすると、唐突にレオリオの腕を掴んで部屋から出て行こうとする。が、レイに肩を掴まれて止められた。

「どうするつもり?」

「レオリオに痛み止めでも打って貰う! 少しはマシに……」

「やめておきなさい」

「でも……」

「誰にも見られたくない筈よ」


「〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!」

 暗い部屋の中、ベッドの中でアスカは胸を押さえて蹲っていた。歯を食い縛り、苦痛の声も上げず、辛そうな表情を浮かべる。

「こ……んな痛み……あの時に比べたら……!!」

 頭を貫かれ、体中を貪られた痛みに比べれば、堪えれる。アスカは、ベッドを殴りつけ、シーツを掴んで枕に顔を埋めた。

「堪えてやる……! どんな痛みだって……!」


「アスカはプライドも高いし、まだ付き合いの浅い、あなた達に苦しい姿を見られたくない筈よ」

「レイは……信じてるんだね」

「?」

「アスカなら、堪えられるって」

 そうゴンに言われ、レイはキョトンとなるが、すぐに微笑んで頷いた。

「そうね……」

「なぁレイ」

「何?」

「さっき、便利な念って、裏を返せば厳しいリスクを意味してるって、どういう事?」

 その質問に対し、レイは説明すると共に実際に見せようと思い、ライターを取り出し、火をつけると手を沿える。すると、火が強く燃えた。

「念は制約と誓約、そして覚悟……精神が強く影響する。アスカは全てのオーラを脚に集中させ、同じ対象を蹴り続ける事で、威力が強化される」

「「(それでか……)」」

 ゴンとレオリオは、キルアの家で試しの門を蹴り破った時、アスカが妙にコンコンと軽く蹴っていたのを思い出し、納得がいった。

「リスクを上げる事で念は強くなる……これは念の基本的な性質よ。そして“発”……即ち、自分の念能力を決める時には、この性質を良く考えて決めるのよ」

「リスク……」

 レイの説明を受けて考え込むゴンとキルア。そこへ、ポンとレオリオが2人の頭に手を載せてきた。

「ほれほれ。今は、そっちより先にグリードアイランド落札する為の金だろ? 明日はカタログ買いに行くんだから、早く寝ろ」

「はいはい……どわぁ!?」

 チェ、と舌打ちしてキルアはベッドに入ろうとすると、突然、悲鳴を上げた。

「…………どうしたの?」

「な、何でレイが俺のベッドで寝てんだよ!?」

 何故かレイはキルアのベッドで、さも当たり前のように寝ているレイに驚愕する。

「…………私に今のアスカと同じ部屋で寝ろと?」

 確かに誰が悲しくて、悶え苦しんでる人間の横で寝たくは無い。っていうか、眠れない。

「だからって俺のベッドで寝るなよ!」

「…………ベッドで寝たいの? じゃあ詰めるから入れば良いわ」

「いぃ!?」

「え!?」

「ぬぁんだとぅおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!?」

 キルアは顔を真っ赤に、ゴンは表情を引き攣らせ、そしてレオリオは凄まじい形相で驚愕する。

「そ、それじゃあ遠慮なく……」

 恐る恐るベッドに入ろうとするキルアだったが、ガシッとレオリオが服を掴んで来た。

「くぉらキルア……テメー、俺でさえ経験した事の無い女の子と添い寝を、先に体験する気か? おぉ!?」

「レ、レオリオ、目が据わってる……」

「こういうのは年長者に譲るのがスジってモンだろが?」

「レオリオだったら、嫌がる女の子に無理やり迫ってるオッサンじゃねぇか!」

「違う! 寂しい思いをする女の子を優しく慰めてやるお兄さんだ!!」

「あの……レイ、もう寝てるんだけど?」

 とっくに寝息を立てているレイを他所に、激しく口論するレオリオとキルア。ゴンは、2人の間に割って入る事が出来ず、自分のベッドに入り、寝る事にした。翌朝、キルアとレオリオはソファの上で、互いの足を頬にめり込ませ、顔を赤く腫らしたまま寝ていた。


 翌日、サザンピースのカタログを買ったゴン、キルア、レオリオ、レイの4人は露店で賑わっている所へ来た。ちなみにアスカは静養中である。

「? 何だろ? 品物全部に変な紙が付いてる」

 ゴンは、露店に並んでいる紙に名前と値段が書いてあるので、疑問を口にすると、レオリオが答える。

「此処は値札競売市だよ。白紙の値札に買い手が金額を記入していくんだ。んで、規定時刻までに最高価格を書いた人が落札するんだ。ほら、人気の品はこんな風に後からどんどん価格が書き直されていく」

 手書きのレトロ感覚が結構評判な値札市だが、金額の折り合いが付けば、規定時間を待たずに売ってくれる場合も多いとレオリオが説明する。

「まぁ競売と蚤の市が合体したみたいなもんだな」

「蚤の市っつーか、ガラクタ市っつーか、どれもこれも家の物置の中身、そのまま持って来ただけって感じ」

「まぁ一番庶民的な市の1つだからな」

 そうして4人は歩いていると、ふとゴンがあるナイフを見つけ、それを手に取った。

「どうした、ゴン?」

「おじさん、コレって」

「ん? 欲しいなら値札に幾らで買いたいか記入して」

 昼の12時までに他の買い手がいなければ、ゴンに売ると店主の中年男性が言う。キルアは、ゴンのナイフを見て、眉を顰める。

「(あのナイフ、まさか)レオリオ、交渉上手いだろ? 何とかアレ、今すぐ手に入れてよ」

 お宝かもよ、と小声でキルアが言うと、レオリオは「任せとけ」と頷いた。

「何だ、ゴン。そのナイフ欲しいのか?」

 するとレオリオは中年男性に交渉を始めた。

「なぁオッチャン。実は俺達、もう国に帰らなきゃいけねーんだ。コレ、今売ってくれねーか?」

「んー? まぁ他にまだ買い手もいないしな……金額によっては売っても良いよ」

「そうだな。結構、古そうだし100ジェニーで」

 余りに値切りすぎな金額に、キルアとレイは思わずこけそうになる。その時、ふとレイはある店の商品が目に留まった。

「ダメダメ。それじゃ売れないね」

「あっそ。じゃ、良いや、ゴン行こうぜ」

 そう言い、去ろうとするゴンとレオリオを中年男性は慌てて引き止めた。

「ちょっと待った!! 500でどうだ?」

「300ジェニー」


「間違いない、本物だ」

 キルアは300ジェニーで競り落としたナイフを見て言った。

「一体、何なんだ、これ?」

「ベンズナイフだよ」

 ベンズナイフ? と首を傾げるゴンとレオリオにキルアは説明した。

 ベンニー・ドロンという100年ほど前の大量殺人鬼のオリジナルブランドをベンズナイフと言う。刀鍛冶だったベンニーは、人を殺すたびに記念として番号入りのナイフを作った。その数は実に288本に及ぶ。そのすべては他の刀剣と同じ様に自分の店先で商品として売られていた。

『犠牲者の悲鳴や表情が俺にインスピレーションを与えてくれた』、と獄中で語った彼の作品には、当時から熱心な愛好家がいたらしい。

「犯罪者が製作したって事で正当な評価をされにくいけど、その反面、熱狂的なコレクターがいるんだ。隠れた名品だよ」

「で、幾らするんだ?」

「番号によって全然値段は違うけど、安くて500万」

「「マジ!?」」

 300ジェニーで購入したナイフが最低500万で売れると聞いて、ゴンとレオリオは驚く。

「でも良く知ってたな、ゴン」

「いや、そんなこと全然知らなかったよ」

「じゃ、何で?」

 あの中から、このナイフをピンポイントで選んだんだとキルアが質問する。

「う〜ん、チラッと目に入った時ね、な〜んか変な感じがしたんで“凝”で見てみたんだ。そしたら微かだけど、オーラが見えたから」

「ギョウ?」

「念の一種だよ。簡単に言うと、物凄く注意して見ること」

 レオリオに説明し、キルアは“凝”でナイフを見る。すると確かにナイフにはオーラが纏っていた。

「本当だ」

 そこでキルアは、ある事に気付いた。

「そうか……こんな方法があったか」

「え?」

「掘り出し物の探し方だよ!」

 キルアは、天空闘技場でウイングが、どの分野で活躍している人間でも、ずば抜けた才能の持ち主は、本人も知らずに年を使っている場合が多いと言っていたのを思い出した。

「このナイフみたいにオーラが漂っている品物を見つけ出せば、それは凄い天才が作った可能性が高いって事だ」

「そうか! その方法なら、鑑定の知識が無くても埋もれた逸品を見つける事が出来るね! それをもっとグレードの高いオークションにかけて高く売る! 名づけて念でぼろ儲け大作戦!」

 安直過ぎるネーミングに、キルアとレオリオは何も言わない。

「良し! じゃあ、俺は伝言サイトの情報チェックを担当するぜ! マジっぽいのがあったら、携帯に連絡入れる」

「俺達は早速、他の掘り出し物を探そうぜ。レイも手伝って……って、アレ? レイは?」

 そこでふと今までいた筈のレイの姿が見えない事に気付く3人。レイを探しに競売市に戻ると、彼女はある露店の前でしゃがんでいた。

「レイ! 何してるの?」

「ライターか、それ?」

 レイが手に持ってるのは、古ぼけたライターだった。ゴン達は、その店の商品を見てみるが、明らかにガラクタばかりだった。しかも、微妙に焦げてたりする。店主を見ると、薄汚いボロに身を包んだ青年だった。

「おいおい、レイ。こんな所にお宝がある訳ないだろ」

「それよりスッゲー、お宝見つける方法があるんだ。レイも手伝ってくれよ」

「レイ?」

 レオリオとキルアは、レイを急かすが、ゴンは彼女はジッとライターを見ているので不思議そうに見つめる。

「お兄さん、コレ」

「え? ああ、そのライターかい……嬉しいな、買ってくれるのかい?」

 青年は、はにかむような笑顔を浮かべて言った。

「ねぇ、何でこんなに商品、焦げてるの?」

「ああ……実は会社をクビになった直後に、家が火事にあってね……妻や娘にも逃げられて……仕方なく、無事っぽいものをかき集めて売りに来たんだ」

「けど、こんなのどう見ても売れねぇよな〜」

「おい、レイ。行こうぜ。こうやって同情引いて、ガラクタ売るのも珍しくないんだし」

 そうキルアが言うと、レイは小切手に数字を書いて青年に渡す。何故、値札に書かないのかゴン達は不思議そうにする。

「え?」

「このライター……買わせて貰うわ。足りないかしら?」

 小切手を見て固まる青年。ゴン達は気になって後ろから金額を覗き込んだ。

「いぃ!?」

「よ、4お……!?」

「馬鹿! 声出すな!」

 思わず金額を叫びかけたゴンの口をキルアが塞ぐ。こんな所で金額を叫んだら、誰かが小切手を狙いに来るかもしれない。こんなひ弱な青年、襲われたら一溜まりも無いだろう。

「それだけあれば家族も家も取り戻せる筈よ。ただし、これは今、貰って行くわ」

「こ、こんなに……どうして?」

「このライターには……それだけの価値がある」


 人気の少ない公園の森に入り、ゴン、キルア、レオリオは、レイに説明を求める。

「で? そのライター、何?」

「“凝”で見てみなさい」

 レイはキルアにライターを投げ渡す。薄汚れ、ジッポータイプで、表面にそれぞれ“灼”“熱”と文字が描いてある。とりあえずゴンとキルアは“凝”で見てみた。

「「!?」」

 途端、2人は目を見開き、思わずキルアはライターを地面に振り払った。

「お、おい! どうした!?」

「な、何だよ……コレ」

「何でライターにこんなオーラが……」

 2人はライターを“凝”で見ると、それには、とてつもないオーラが纏っていた。しかもヒソカ、イルミ、アクアのようなドロドロした肌に纏わり付くような気持ち悪いオーラだ。

「このライターを作った人のオーラかな?」

「違うわ。前の持ち主のオーラよ」

 ライターを拾って答えるレイに3人は首を傾げる。

「私と同じタイプ……操作系の能力者よ。そして、これは死者の念」

「死者の念?」

 念というのは死ねば消えるとは限らない。それどころか死ぬ事により、逆に強まる念というのがある。深い恨み、未練などを持ったまま死ぬと、その念は恐ろしく強く残る、とレイは説明する。

「このライターには、本来の持ち主が死んで、より強力な念が込められているわ………下がってて」

 スッとレイが3人に下がるよう、手を振るう。3人は彼女から距離を取ると、レイはライターの火をつけてみた。その瞬間、凄まじい勢いで炎が飛び出し、帯のようになってレイの体に絡まる。

「ぐぅ……う!!」

「レイ!! うわ!?」

 予想以上に強い火力に、レイ自身制御出来ない。思わず助けようとするゴンだったが、炎が飛んで来て、迂闊に近づけなかった。

『燃やせ! もっと燃やせ! 樹を! 家を! 虫を! 動物を! 人を!!』

 レイの頭の中に不気味な声が響く。元の持ち主の念だろう。レイは唇を噛み締めると、手を伸ばし、ライターの蓋を閉じた。

「はぁ! はぁ!」

 荒く息を吐き、レイは膝を突く。死者の念の込められたライターが、此処までだとは予想せず、レイはライターを握り締める。

「(とても使いこなせる代物じゃない……でも……)」

 逆に自在に使いこなせる事が出来れば、強力な武器になる。レイは、何かを決意したかのように、目を鋭くさせ、そのライターを見つめた。


 名前:マルクト
 年齢:11歳
 血液型:A型
 身長:149cm
 体重:35kg
 出身地:不明
 念の系統:具現化。
 詳細:黙示録癸検8気六氾魅汽鵐瀬襯侫ン。口は悪いが真面目。黙示録一の苦労人。マギとは施設時代からの幼馴染。それ故、誰よりも彼女を大切な家族だと思っている。黙示録に入ったのも、彼女を守る為で、首領への忠誠心は薄い。が、マギが首領を慕っているので、彼も首領の命令は基本的に何でも聞く。黙示録内では伝達・送迎などが主な役目。が、本気を出せば、大都市を一人で殲滅出来る。


 能力名:“小さな王者達【インセクトウォーズ】”
 効果:念蟲を生み出す。
 発動条件:卵を具現化する。
 制約・リスク:幼虫、繭、成虫の段階を踏まなければならない。卵から直接、成虫を出すと、能力を付加できない。
        卵の状態で、オーラを熱に変化させて送り込むと、その時間によって大きさ、強さが変化する。


 1週間ほど時間をかければ、かなり巨大な念蟲を作れる。あの有名な蝶々の怪獣を思い浮かべてください。しかもオーラで具現化したものなので“隠”で見えなくする事も可能。


 〜レス返し〜

 髑髏の甲冑様
 今回はナーヴ3人組の出番は無し。次回、3人組も色々動く……予定です。
 今回、マルクトのプロフィールを載せました。次回はマギですかね。
 やれば出来る子……じゃなくて、やる時はやる! 黙示録の首領シンジです。今回、マルクトの能力も載せましたので、そちらを参照して下さい。
 リキの遺体は、ちゃんと埋葬しました。


 レンジ様
 楽観的だったシンジも、そろそろ本腰をあげて動きます。それに、そろそろ幻影旅団と黙示録のキャラも接点作りたいと思います。


 ショッカーの手下様
 マギ人気が更に上昇!? 彼女は黙示録内の癒し系になりつつある。でも性格は癒し系から程遠いです。


 夢識様
 覚えてない、という知らないです。シンジ、アスカ、レイ、カヲルは昔から同じ肉体のままなので、記憶を持ってて当然です。それ以外は、前世、とでも言いましょうか。なのでミサト達はアスカ達の事は知りません。


 rin様
 初めまして、感想ありがとうございます。
 首領っぽいシンジは随分と好評のようで嬉しいです。
 そうですね、黙示録の場合は転生、という形になるでしょう。記憶は継承されないです。今の黙示録のメンバーも使徒時代の記憶は無いですから。


 なまけもの様
 アスカとレイは本気を出さないとやられるに対し、リキは色々事情があって手加減した。そしてフロッピーが壊れてしまった。色んな偶然が重なった敗北です。
 確かに生死を問わず20億ジェニーを引き渡す条件ですが、ゴン達も、あんなアスカやレイを見て、軽く『死体でも良いから引き渡して』とは言えないでしょう。


 流刑体S3号様
 確かに強さの話題は後々、面倒になるので切り上げたいと思いますが、これだけは補足させてください。ゴンは、ジャジャン拳を使った時、幻影旅団が強いと認めたレイザーや、トップクラスのモラウを戦慄させる程の威力の使い手にまでなってます。アスカの“破壊する脚【クラッシャー】”も、それに匹敵するので、こと必殺技の威力だけに関しては陰獣より上だと思ってます。
 そうですか。ゲンスルーって弱いんですね。ビスケも認めてるから強いと思ったんですが。
 決して感情的にならないカヲルは、クラピカにとって良い安定剤になりそうです。
 マルクトの念蟲は、時間をかければ何処までも強力で巨大になります。シフの念魚は彼の作った念空間限定ですが、その中では、かなり強力です。


 シーバス様
 注意ありがとうございます。以後、気をつけます。


 エセマスク様
 マルクトの年齢は、今回プロフィールに載せたように11歳です。次回、調査・下準備チームの方も出ます。
 ある漫画のオカマキャラは言いました。男でも女でもない自分達は、誰よりも心が綺麗、だと。オカマは繊細なんです!
 アスカはダウンです。怪我しなくて、痛みだけなので、かなりキツいです。そしてレイは新しい力(武器?)を手に入れました。愛用品ではなく、死者の念が取り付いたライターです。


 拓也様
 クロロが指揮でシンジがチェロ。いいかもしれませんね。
 今のシンジは年齢的にはクロロと変わらないので、口で対応出来ますよ。

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