音がした葛の方向に歩いて、見ると蒼と白色が入った着物の一部が
奥の方で見え隠れしていた。
「………」
ホムラは自らが誰かに見られているのは感じていた。
『俺は誰かに見られている? この小さな家の中で、トゥスクルさんではない
』
ホムラは誰かから確実に見られているのは感じられた。
正確には睨まれていると言った方がいいか?
アルルゥは葛から逃げるように出ると直ぐ裏の部屋に隠れて真紅の青年を
睨むように見ていた。
その視線をホムラが感じていた所に、一瞬だけだが顔が隠れてみていたアルルゥが
ホムラとの視線を合わせてしまった。
「… … … …」
ホムラは直ぐにその顔立ちとトゥスクルが先程言った言葉を思い出して
考えをまとめていた。
『あの娘…そう、エルルゥと仮面の男に言っていたな』
ホムラと一瞬でも顔を合わせてしまったアルルゥはまたおくの部屋の方に引っ込んでしまった。
「……?」
隠れる時もホムラは後ろ姿だけを見えてしまった。
『エルルゥではない…、日によって色違いの着物を着ているものと思っていたが、体の体型が小さい、あの…少女は…いったい』
そう考えこんでいると、トゥスクルがホムラに声をかけてきた。
「…妹のアルルゥは人見知りが激しい子なんじゃ、ただ心根はやさしい子だから、
ホムラよ気をわるくして、すまんのう」
トゥスクルは優しい言葉で、ホムラに語りかけると、ホムラも
それに応じて、声をかけた。
「いいんですよ…自分のような、人が行き成り家にやってくれば当然の反応ですよ」
トゥスクルはホムラの言葉を最後まで聞くと、
「そうかい…それなら安心だね、これアルルゥ、聞いているんだろ
早く出てきてホムラに村を案内しなさい鷲はもう一人の方を見なくちゃいけないからね」
トゥスクルがアルルゥが隠れている部屋の方向に向かって語り終わると。
蒼と白色の着物を着た小柄な少女が此方にむかって歩いてきた。
ホラムはその少女の見ていた。
『アルルゥとトゥスクルさんは言っていたな、それに耳や顔の形がエルルゥに似ている妹か何かだろうか…』
「…んっ…」
行き成りの言葉を発した少女は、ホムラの着ていた服の裾を引っ張っていた。
「えっと…トゥスクルさん、俺はいったいどうすればいいんでしょうか?」
ホムラも行き成り裾を引っ張ってきた少女の接し方に戸惑っていた。
その間も少女は裾を引っ張り続けていた。
トゥスクルはその光景を見て、ため息をついていた。
「…はぁ…」
「アルルゥ…行き成り、服の裾を引っ張って連れて行こうとするでない、それにホムラゃ…少しは分かってもらえるとたすかるんだけとね」
トゥスクルの言った言葉をホムラが理解するのにそれほど時間がかからなかった。
「もしかして…君が村の案内をしてくれる、アルルゥかい」
ホムラは吹くの裾を未だ引っ張っているアルルゥ?に優しい言葉で確認をしてみると。
「…………」
コックリ。
言葉を話してくれない代わりに、服を引っ張るのをやめて頷いてくれた。
「…そう…ありがとう、自分はホムラ、よろしくアルルゥちゃん」
ホムラは自己紹介をアルルゥにすると。
再び頷き、少しだけ顔を赤くしていた。
コックリ。
「…………」
アルルゥは再び裾を持つと、ホムラもそれに合わせてか、
ゆっくりとあせらずに家の出口の方向に向かってアルルゥと共に歩いていった。
家の外に出ると、昼過ぎたはずなのに、外では何かの作業をしている音が、青空いっぱいに広がっていた。
カン・カン・カン ギッコ・ギッコ ・ギッコ
それに混じり何かが大声で誰かを怒っている声が響いってきた。
「…あ・ん・た!! いったい…何時まで寝ているんだい、さっさと起きて、仕事をしな!!」
「ン…ゲッ…カァちゃん…なんで此処へ」
「なんではないだろ…あんたが…ちゃんと人様の役にたっているか見に来たのに、寝ているとはいいご身分だね」
バキ・バキ・バキ
カァちゃんと呼ばれた存在は、握りこぶしを造り両方の指を鳴らしていた。
「いっ… … … そのなんだ… 待ってくれな」
「だめに決まっているだろ…あんたが変な家建てた、お陰で見事なまでに
倒れてしまたんだからね!!」
あんたと呼ばれた存在も、何とかごまかそうとしているが…
ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには別の声も聞こえていた。
「何時ものことだに」
「オヤジ、観念、する」
「がんばれーー」
様々な声が聞こえてくる、そちらの方に行こうと足を進めようとしたが、アルルゥに着物の裾を引っ張られて。
「…………」
「行くなって言いたいのか」
コック
アルルゥは黙って頷き、別の道から村の色々なところを案内してもらった。
その間、今まで判らずにいた、疑問を聞いて見ることにした。
「アルルゥちゃん…その動く尻尾と耳は、本物なのかい?」
「///…………本物……」
迷いも無く…当然のごとく、アルルゥはホムラの質問に即答した。
「そっ…か… ありがとう」
ホムラは質問に答えてくれた、アルルゥの頭に左手を乗せて、アルルゥの頭を撫でていた。
「……んっ……」
アルルゥその行為が良かったのか、その後も機嫌よく案内をしてくれた。
村はずれの何かを作っていた後や、森に行こうと歩き出すと、
「えっ」
「アルルゥちゃん、いったいどうしたんだい、」
一生懸命アルルゥの小さな体の力をめっいっぱい、使い着物の裾をひっぱり森に行こうとするのを阻止していた。
「………」
「わかった、それじゃあ、他の所を見て回ろう」
「… …」
その夜…家に帰ってきた、エルルゥにアルルゥがお仕置きされたのは言うまでも無い。
少し変更しました
ホムラの個性を表す表示で『俺』にしました
俺はよくオボロが使っていますが ホムラは漢字で オボロがカタカナにします
それでは七話少しだけ 時間が飛びます。