ソポクは村の復興を手伝っているはずの
自分の夫、テオロの様子を見に来ていたが、
案の定、テオロは仕事の途中で昼寝をしていた。
それを見つけたソポクは昼寝をしている
テオロに近づこうとした時、夫が寝ている。
場所の左側の方から、妹と称してもよいほどの
エルルゥが苛立った顔で村の道を歩いているのが見えた。
『また…アルルゥ絡みだね…あの子は自分の姉を虐めるのを何かの遊びだと思っているからね』
ソポクは長年エルルゥ姉妹とともに育った経験があるので、エルルゥが怒る言動などをある程度は把握していた。
そのため、ソポクはひとまず寝ているテオロを置いとき、未だ自分に気づいていないエルルゥに声をかけることにした。
「エルルゥゥゥゥ、なに怖い顔しているんだい、そんな顔じゃ捕まる相手も捕まらないよ!!」
「えっ!!」
エルルゥはいきなり声をかけられた事で驚いていた。
『この声はソポク姉さん…もしかして、アルルゥを捜しているの分かっちゃたかな』
エルルゥは恐る恐る、声の方を見てみるとそこには、エルルゥが姉と呼ぶ人物が真っ直ぐに立っていた。
「ソ・ソポク姉さん……いったい何のようですか?」
エルルゥは明らかに言動がおかしかった。
そんなエルルゥの心情を分かっているようにソポクはゆっくりとエルルゥの所へ歩いてきた。
『どっどっ……どうしょうぅぅぅ〜、アルルゥを捜していて、なんで〜ソポク姉さんにあうのよ〜』
とエルルゥが考えているとソポクはエルルゥに近づき話しかけた。
「どう〜せアルルゥ絡みだろ、違うかい??」
エルルゥはソポクが問いかけると、
「ひゃ!!」
声を上げてびっくりしていた。
ソポクもエルルゥの反応をみて確証が確信に変わった。
「また…アルルゥに何かを言われたね、エルルゥ」
ソポクが話しかけると。
「そうです……その…アルルゥが……」
それ以来エルルゥは黙ってしまった。
この様子をみたソポクはある一つの考えが浮かび上がった。
『この様子…もしかして…春が来たのかね、だとしたらいったい相手は誰だ』
そこでソポクはエルルゥに聞いてその反応を見る事で決めようとした。
「もしかして、エルルゥ…アルルゥにからかわれていた内容は恋の話じゃないか?」
「!!!」
このソポクの問いかけにストレートに反応した、エルルゥを見てソポクは
「…そうかい…やっと、奥手のエルルゥにも春が着たんだね、で相手はだれだい?」
「だれって…そんな///、ただなんとなくほっておけない人なんです」
そんな会話している最中アルルゥだけが知っている裏道を使い、トゥスクルが待っている家に戻っていた。
アルルゥが家路につくあいだ、トゥスクルがいる家の中で少しだけ問題が起きていた。
問題とは仮面の男に痛み止めを多く飲ませるために、手持ちのツェツェ草が足りず、トゥスクルは
一度仮面の男から離れて薬を多く置いてある、奥の部屋に消えていった。
これを見た仮面の男は、少し痛む体を無理やり起こして、そのまま外の方へ、
ふらついた足取りで、出て行った、そこへ奥の部屋から薬草を煎じた物を持ってきた、トゥスクルは
仮面の男だけがいないことに気づき、手に持っていた薬湯を玄関の入り口にある釜戸に置き
外へ出てみると案の定ふらついた、足取りで外に出て行こうとした仮面の男をトゥスクルが引き止めた。
「いったい、そんな体で何処へ行こうとする」
トゥスクルの言葉が、仮面の男に突き刺さり、仮面の男は此方をみて黙り込んでいた。
「黙っていると余計わからないが、お前さんの体はまだ完全に癒えたわけではないよ」
「……」
「だんまりかい……別に今無理して出て行くことは無いとおもうよ、せめて癒えるまでいなさい、途中でたおれられたら余計に
手が掛かるだけだからね」
仮面の青年はしばし考えるとようやくその重い口を開き、目の前の老婆に話しかけた。
「……しかし…私はこれ以上…貴方方のやっかになるわけには…」
この言葉に普段温厚のトゥスクルが切れた。
「…このばか者が!! 迷惑をかけているその意識があるのなら、これ以上余計な迷惑をかけないでおくれ、今はただ体を癒すことだけに専念
してほしい」
これ以上トゥスクルは仮面の男に言葉を書けるつもりは無く、仮面の男も再び収まっていた痛みが再び感じ始めた。
「うっ・・・」
「ほれみろ、まだ痛みが引かない体でいったいどこへ行こうとするんだい」
トゥスクルはそういい残して、自らの家の釜戸に置いてあった、痛み止め入りの薬湯を取りに戻りその薬湯を痛みが続いている
仮面の男に飲ませると。
「……」
「痛みは引いたようだね…ただ今お前さんが動いたせいで余計に、直るのが遅れた程度だけどこれはお前さんが起こした行動の結果、しかたないことさ」
仮面の男は痛み止めをくれた老婆をふたたび見ると老婆の家に入りそのまま布団が置いてある場所まで、戻るとそのまま床についてしまった。
どうやらトゥスクルが痛み止めとして飲ませた薬湯の一部に時間が経つと眠くなる薬がはいっていたようだ。
ホムラが隣から見ても分かるように完全に仮面の男は眠っている。
それから暫くしてからアルルゥは無事にエルルゥの魔の手から?逃げ延びて家に戻っていたが、
未だ自らの家に運び込まれた、二人の男性を家の中に在る葛の中に隠れて、
トゥスクルとホムラは会話を静に聞いていた。
「それにしてもトゥスクルさんの薬は良く効きますね、もしかしてその変な質問ですが、記憶を取り戻せる薬なんかもあるんでしょうか?」
ホムラがこのような質問をしたのは、先の一軒で優秀な薬師と分かったからである。
トゥスクルはこのホムラの質問に驚きはしたが静かにその質問に答える事にした。
「残念だけど、失った記憶を取り戻す薬なんて無いんじゃ、これだけは自然に思い出すまで待つしかないのさ」
「……そうですか……」
ホムラはトゥスクルの言葉を聞いて残念そうにしていた。
そんなホムラを見ているトゥスクルは
『……これは如何のぅ……先程までの元気な青年だったが、今はまるで
死を待つだけの患者を見ているようにおもえるのう、…仕方ない…
さっきアルルゥが帰ってこちらを見ているようだし、この者の気分転換に村を案内させるかこれ以上気がめいると治る者もなおらなくるね』
「…そんな顔をする出ない…ホムラよ良くお聴き…何時かは記憶は思い出すんじゃ、ただ今はその時でないだけさ
それよりも、孫に村を案内させるから、少しは体を動かしなされ」
ホムラはただトゥスクルの言葉を無言のまま聞いていると。
「……これ…そこに隠れている、アルルゥや…この者に村を案内せい」
トゥスクルはホムラの後ろにある葛に向かって言うと。
ガッタ……ガッタ…ガッタガッタ…ガッタン。
トゥスクルの言った方向の葛が動き、何かが葛の中から飛び出して、素早い動きで
家の奥の方に引っ込んでしまった。
「???」
ホムラは何かが葛から出てきた事が分かったが、余りにも素倍動きでその姿を性格に捉える事が出来なかった。
後書き〜
シヴァさん
付けか教えていただきありがとうございます
お陰で何とかできそうです
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