アインツベルン邸。その玄関ホールは既に半壊していた。いや、まだこの範囲に留まっている事自体が奇跡と言える。
ギルガメッシュの放つ宝具の嵐、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)。それを撃墜するヘラクレスの射殺す百頭(ナインライブス)、その間隙を縫って接近して一撃を放たんとするセイバー、更にそれを飛び道具や伸びる光の槍でもって後方支援する横島。
そこには魔術師の入る余地はなかった。
如何に遠坂凛やイリヤが優れた魔術師といえど、あの中に飛び込めば即効で死体になれそうだし、かといって下手な遠距離攻撃も仕掛けづらい状態だった。
『WILD JOKER 巻13』
鋭い縁を持つ円盤、サイキックソーサーが飛来する。
単なる六角形ではなく、薄く薄く円状にして更に回転を加えて投げる事で鋭い切れ味を実現している。横島自身の元ネタは単分子鞭、モノフィラメントウィップだ。
これが複数、複雑な軌道を辿って四方八方から襲い掛かるが、それをギルガメッシュは宝具を更に射出して撃墜する。しかし、その結果として出来た間隙をついてヘラクレスの矢が飛来する。
ヘラクレスの弓矢には伝承において、十二の試練の一つ、レルネーのヒドラ退治で得たヒドラの猛毒が塗られているという。他ならぬヘラクレス自身もこれを騙された妻が衣類に塗った為に命を絶つ事を選び、或いは誤って射たヘラクレスの師であるケイローンがそのあまりの苦痛故に不老不死を神々に返却した、とされる程の猛毒である。如何に人類最古の英雄王ギルガメッシュといえど、まともに当たればたまったものではない。
しかもそれを避ける為に一瞬射出が止まれば、その隙をついてセイバーが斬り込んで来る。その勢い正に弾丸の如し。
「くーーーっ、こんな奴と真っ向やり合うなんてバビロニア神話のエンキドゥって奴の凄さが分かる!」
「同感です!」
かろうじて避けつつも放たれた宝具を弾きつつ、深追いを避け一撃離脱に徹し、セイバーが後退する。確かにその通り、英霊三体を同時に相手取りながらギルガメッシュは一歩も引かない。
これが三体といえど烏合の衆、乃至潜在的な敵というならば話も分かるが、彼らのコンビネーションは急造とは思えない程の動きを見せている。これは王として指揮官の経験豊富なセイバー、従軍経験もあるヘラクレス、除霊現場でサポートに回る事の多かった横島の三者がそれぞれに相手と仲間の双方を見つつ、戦況を分析して的確な動きをしているからである。
『英雄王と名乗るだけはあるという所か』
深い落ち着きの篭った声でヘラクレスも同意する。
「とはいえ、あんたに弓兵になってもらえてる時間も限られてるからな、どっかでケリつけねーと……」
実際、ヘラクレスを『弓』『兵』『化』出来たのは幾つかの条件が揃っていたからに他ならない。
一つは、横島がバーサーカーの真名を知っていた事。
一つは、横島がヘラクレスが弓を持つというイメージを有していた事。
一つは、ヘラクレスにアーチャーの属性があった事。
一つは、マスター(イリヤ)とサーヴァント(ヘラクレス)双方が文珠を自ら受け入れてくれた事。
これら複数の条件が重なって初めて、今回の一時的なクラス改変が可能になっている。当然だが、戦闘中に自分にとって相性のいいクラスに相手を変えてしまうような事は不可能である、念の為。更に言うならば、横島自身に使うにしても、シロや長老の、セイバーの剣技を知るが故に自分が剣士というイメージも持てないし、他のクラスも……まあ、せいぜいバーサーカーぐらいがせいぜいだろう。
話を戻すが、こうした複数の要因があってさえ聖杯の力を誤魔化せるのは僅かな時間である。いや、世界はその記憶においてヘラクレスがアーチャーである事に違和感を持っていないからいいのだが。
「だけど、なーんかあいつまだ切り札隠してそうな気がするんだよな……」
そう、それが横島が踏み切れないでいる理由。確かに不利ではあるが、未だギルガメッシュからは余裕が消えてはいない。それはすなわち現状をひっくり返す余地のある何か、おそらくは別の宝具があるからだ。
「切り札、ですか」
セイバーも考え込む。実の所、前回の聖杯戦争においてはギルガメッシュが全力を出した所を自分は見たとは言えない。実際問題として第四次聖杯戦争におけるパートナーであった衛宮切嗣は他のマスターが全力を出し切れない状況に持ち込んで『勝ち易きに勝つ』を実行してきた。それこそ人質を取り、隠れ家であるビルを吹き飛ばし……実際自分が宝具を撃ったのもただ一度だけ、ギルガメッシュに匹敵する強敵、征服王イスカンダルことアレクサンダー大王との戦いのみだ。
しかも、イスカンダルはその後他ならぬギルガメッシュと連戦を行う事態になり、敗れ去る事になった。内心、セイバーはこれにも切嗣がそういう状況に追い込んだのではないかと疑っている。
ただ、結果としてギルガメッシュの宝具の全容がセイバーには分からない。
『いずれにせよ、そう余裕はない。残念ながらこちらにな』
ギルガメッシュの宝具はそう大量の魔力を消費するものではないのだろう。実際問題として、《ゲート・オブ・バビロン》とは鍵剣で蔵への直通通路を開く宝具であり、中身である宝具を射出しているだけで、実の所発動も何もしていないのだからコストパフォーマンスが高いのは当然と言える。
一方こちらはと言えば、イリヤの魔力は確かに大きい。
だが、迎撃の度に《射殺す百頭》を使えば当然と言えば当然だが消耗も激しい。更に横島の宝具である文珠の効果も然程持続はしない。セイバーの宝具は未だ使用されていないが、衛宮とのリンクが繋がっていない、魔力の供給が為されていない状態だから、下手に最大火力を使ったが最後、現界し続けていられなくなる危険がある。まあ、この辺りはさすがにイリヤらには秘密にしてあるが。
更に横島もまだ全てを明らかにしていないものの、サイキックソーサーと栄光の手の双方を使いまくっている状態だ。
受肉しているギルガメッシュがどの程度の魔力を有しているのか、自分で魔力を生み出せるのかと言った疑問点はあるが、もしそうならば現代の魔術師よりも神代の住人であるギルガメッシュの方が大量の魔力を生み出し保有しているのは簡単に想像出来る。
実際、セイバーやヘラクレス自身、生前よりは保有魔力が減少している事であるし。
「拙いわね」
後方のマスター組もその辺りは理解している。一番消耗が激しいのはイリヤスフィールだ。
《十二の試練》は然程魔力を消費するような宝具ではないが、《射殺す百頭》はさすがにそうもいかない。かといって使わなければそれはそれで厳しい。元々、バーサーカーというか英霊ヘラクレスという規格外の英霊召喚とその維持自体が相当とんでもない話なのだ。
ではどうする?
イリヤは今は魔力供給で精一杯だろう。士郎は魔術に関してはへっぽこ……いや、ここに来る前に彼の工房とも言える蔵で見たあれを考えるとそう割り切れないのも確かなのだが、今この状況で介入出来るような魔術のストックはあるまい。
実の所、方法は一つしかない。自身の宝石魔術だ。特に、長年力を篭めて来た十の宝石のいずれかであれば、ギルガメッシュにダメージを与える、それは可能な筈だ。セイバーみたいなとんでもなく強力な対魔力を持っていなければ、だが。
「問題はタイミングよね……」
見ている範囲であっても英霊達の連携は互いにタイミングを合わせての鋭いものとなっている。切り込み役であるセイバーにはおそらく自分の魔術程度では効果はないだろうし、そういう意味では巻き込んでもおそらく大丈夫だろう、という意識はある。
とはいえ、打ち合わせなしで仮にも味方のサーヴァントを巻き込んで魔法をぶち込めば、後でこじれる危険もあるし、増してやもし万が一セイバーの対魔力を打ち破りでもしたら同盟が崩壊しかねない。
そうでなくとも、自身の魔術は狙いが甘い。セイバーが踏み出した先の地面を間違えて砕きでもしたら、それこそ終わりだ。
『これがサーヴァントの戦い』
幾度見ても慣れぬ。遠坂凛はじっと戦場を睨んだ。
英霊達の戦闘は趣を少々変えていた。
セイバーの斬撃と他二人の支援という形は変わらない。ただ違うのは横島が防御に回り、ヘラクレスが攻勢防御に回った事にある。撃ち落すのではなく、傾けたサイキックソーサで逸らす。上級のAランククラスの宝具には一枚では足りないからそうした強力な力を感じる武具に対しては複数を重ねる。
更にその間隙を縫い、ヘラクレスが弓を射ち込む事でギルガメッシュの態勢を崩し、射撃への集中度を削ぎ、セイバーの斬り込みを楽にする。セイバーにもサイキックソーサの防御をかける事で更にそれを容易にする。
除所に、だが着実にそれはギルガメッシュを追い詰めつつあったが。
「成る程、さすがと言おうか…」
だが、ギルガメッシュはあくまでこの戦闘を楽しんでいた。
「ふむ、さすがはと言っておこうか」
一旦距離が開いた時、一息入れるようにギルガメッシュは言った。
「だが、そろそろ終わりにしよう」
『だが、そろそろ終わりにしよう』
そう言われた瞬間、三体のサーヴァントは咄嗟に動きかけて。
エルキドゥ
『天の鎖』
突如出現した鎖によってヘラクレスが絡め取られた事によって急ブレーキをかけた。
「これは……っ?」
鎖一本一本は細い。だが、それは複数空間から突如として出現し、ヘラクレスを拘束している。それが見た目どおりのものではない事はヘラクレスがもがいてもびくともしない事で証明されている。
天の鎖、それは女神イシュタルによって遣わされた天の雄牛を束縛する為に編み出されたと言われる鎖である。それにギルガメッシュの親友の名がつけられているのは、この雄牛退治の後、ギルガメッシュと彼のいずれかが死なねばならない運命を課せられ、エンキドゥがその命を落とした為である。
「バーサーカーーーーっ!?」
「…!そうか、あれが神話の鎖なら…」
後方でもイリヤと遠坂凛がその状況を見ていた。
「神格が高い程、抜けられない…!」
ヘラクレス、セイバー、横島。三者の中で最も神格が高いのは間違いなくヘラクレスである。何せ、彼の父はギリシア神話の最高神ゼウスであり、彼自身も死後に神の座に加えられたという英雄なのだ。
セイバーは竜の因子を、横島は魔族の因子をそれぞれ持っているが、ここでは関係ないので除外する。
いずれにせよ、ここに戦場のバランスは崩れた。
攻撃自体はヘラクレスに飛来していない。当分抜け出せないヘラクレスよりも先に動ける二人を仕留める事を優先するのが先決と見たのだろう。ただ、彼らもヘラクレスより、こらまでより前に出ている。ヘラクレスの位置にいては巻き添えで彼がやられかねない。
次第に追い詰められる中、開いた間隙で。
「………」
セイバーは黙って、後方、マスターである衛宮士郎を見た。そして横島を見やった。
「横島」
「ん?」
突如呼びかけられて、横島は思わずセイバーの方を見た。
「後はお願いします」
風が吹いた。
セイバーの手元から轟々と音を立てて、風が吹きほどけてゆく。
風王結界。その手に持つ剣の鞘というべき風が解け、その真の姿を現す。それは……。
「黄金の、剣」
星によって鍛えられし幻想。最強の聖剣の一つ。
「あれが……セイバーの真の宝具」
そう呟いたのは誰だったか。
余りに美しいその幻想に見惚れる。
「……それがセイバーの宝具なのか」
「その通りだ、横島」
横島の呟きに答えたのはギルガメッシュだった。
「最高の幻想の一つ、聖剣エクスカリバー。それを見るのは十年ぶりだな、アーサー王よ」
一瞬間があいた。誰もがその名を理解出来なかった為だ。
「え?アーサー王?え、でもアーサー王って男じゃ……」
「……そうです」
衛宮士郎の漏らした声は事の外よく響いた。その声を遮るようにしてセイバー、いやアーサー王は答えた。
「私の名はアルトリア・ペンドラゴン、もしくはアーサー・ペンドラゴン。アーサー王と呼ばれたブリテンの王です」
アーサー王。
騎士伝説の原型とも言えるその名は余りに有名だ。円卓の騎士と呼ばれる騎士達を従え、最期は多くの騎士を失い、反旗を翻した騎士モードレットを討つも自らも倒れた聖剣エクスカリバーを携えた騎士王。ブリテンの赤き竜。それが……まさかこんな少女だとは誰が思うだろう。
「……う……」
横島の呟きにちらりと視線を向ける。何と言われるのだろうか、騎士達が自分から離れていった時のようにののしられるのだろうか、それともアーサー王な訳がない、嘘つきと言われるのか。だが。
「羨ましいぞ、ちきしょおおおおおおおおおお!」
「……は?」
横島の口から出た咆哮はさすがに予想していなかった。
「あの、羨ましいとは……」
「だって、そうだろう!こんな可愛い子が上司だなんて!俺の生前の上司も確かに美人やったけど!あの人ちょーっと手出したら半殺しにされるんやでーーー!風呂覗こうとビルの外壁登ったら4Fから叩き落されるし!」
「当り前でしょうがああああああっ!」
その答えは後方からのガンド、いやここまで固形化して物理的な打撃を与えるようになればフィンの一撃と呼ぶべきか、その雨あられだった。まともにその弾雨を喰らって、しかし即座に起き上がって、凛に抗議して……睨まれて小さくなっている。
「く、くくく……」
抑えきれない笑い声、直後にギルガメッシュは大笑した。
「くく、面白いぞ、横島。お前のクラスは道化師か何かか?」
「あーかもな?俺のクラスはジョーカーだぜ」
暗くなっていた雰囲気は気付いてみればすっかり明るいものになっていた。先程までの殺し合いの追い詰められた殺伐さは最早どこにもない。そんな中1人鎖に縛られたヘラクレスが妙にシュールだった。
「ふむ」
笑いを収めて、ギルガメッシュは顎に手を当てて少々考えた様子だった。
「良かろう、笑わせてもらった褒美だ。ならば我も最高の一手でお相手しよう」
そう言って、一本の剣を取り出した。
いや、それを剣と言って良いのだろうか。それは通常の剣や刀とは異なり、刃がなかった。形状としては三本の筒が刀身を構成し、赤く塗られ、表面には文字ともとれる模様が刻まれていた。
セイバーがエクスカリバーを構えた時。その前に差し出された手があった。
「……横島?」
「まあ、ここは俺に任せておいてくれよ」
そう言って、ぼそぼそと囁かれた言葉にセイバーは身を固くした。
「そいじゃ頼んだよ〜」
あくまで軽く。横島は告げて、前へと歩み出した。
「わり、待たせたな」
「くく、何、構わぬさ。セイバーとやり合うのも楽しいが、お前とやり合うのは何が出てくるか分からぬ分それはそれで面白い」
「そりゃどうも」
言いつつ、真紅の大剣を取り出す。当然、ちらりと遠坂凛に視線を向けて確認を取るのも忘れない。
ギルガメッシュはそのまま剣を構え……円筒は回転を始めた。
この剣の名を乖離剣エア。天地を分けたと伝承を残す神の名を冠した剣である。シュメールの神話にもその名前はともかくエア神が天と地を分けた短剣を持ってウルリクムミを倒したと……あれ?短剣?
えー、とりあえず神話にも出てくる凄い剣なのである。剣の形をしていないとか言ってはいけない。それに……。
その破壊力が強大である現実の前には全く関係ない。
乖離剣エアを構成する三つの円筒が高速で回転し、柄から余剰のマナが噴出する。その力が集結してゆく様は大嵐−タイラン。
横島の手にする大剣に炎が集束してゆく。より正確には大気中のマナが炎という形に変換され自らの主の元へと集っていくのだ。その様正に炎嵐−ファイアストーム。
その光景に僅かに目に驚きを持ちつつ、セイバーはヘラクレスに駆け寄った。
「む?」
位置的にギルガメッシュからは横島の背後、二体のサーヴァントや彼らのマスター達が見える。その視界の中で距離を取るようにセイバーがヘラクレスに駆け寄り……直後、天の鎖が『緩』んだ。
「なに?」
ギルガメッシュは不信な声を上げた。当然だ、拘束宝具というものは早々簡単に解除されるものではない。如何にギルガメッシュが乖離剣エアを回し、横島に意識を向けていてもヘラクレスのような神性の高い相手に勝手に解けたりするものではない。
となれば、答えは一つ。セイバーが何らかの形で宝具を使ったのだろう。宝具を解除しうる宝具があればその効果に対抗可能なのは世の摂理というものだ。すなわち弱肉強食。
緩んだ隙を逃さず、ヘラクレスは一気に天の鎖から逃れ、そのままバーサーカーとセイバーは一気にマスターの所まで跳んで彼らを抱えてこの場を離脱する様を見つつ、『賢明な判断だ』と自らのどこかが告げていた。
そう……ここはもうじき消し飛ぶ。
「横島、どうやらセイバー達は逃げたようだな」
笑みを浮かべつつ、ギルガメッシュは呼びかける。
「ああ、これで遠慮なくぶちかませるな」
横島がセイバーに告げたのは何点かある。
一つはセイバーに文珠を渡し、ヘラクレスを脱出させた点。当初は『解』ける念を込めるつもりだったが、鎖がばらばらになるようなイメージに繋がる可能性があった上、幾らなんでも宝具相手はそりゃ無茶だと考えた故により効果がありそうな、『緩』むという念を込めた次第だ。
セイバーに文珠という切り札の一つがばれるリスクはあるが、文珠の効果は千変万化。ばれたらばれたで使い方がある。
加えて、セイバーには衛宮から魔力が流れていない故に宝具を使えるのか、使ったら消えるのではないか、そうした確認を取りかけたのだが、これはセイバーの身体が緊張した事で確信が取れた。
故に彼が何とか出来るからとこの場を引き受けた。
代わりにヘラクレスを脱出させて、マスターらを離脱させるよう頼んだのだ。
見捨てたのではなく、計画通り。それでこそ、とギルガメッシュは彼らしい自信に満ちた笑みを表情に浮かべた。見た目ではない、魂の有り様こそ英霊の本質。我が目に狂いなし。なれば後はこやつがエアの一撃に耐えるだけの力を持つか否か。これにて消し飛ぶならばそれまでの男。
最早言葉は無用。
ただ自分の最高の一撃を放つのみ。互いにただひたすら己の力を高める。
「ゆくぞ」
そしてギルガメッシュの言葉と共に。互いにその一撃を解放した。
エヌマ・エリシュ
『天地乖離す、開闢の星』
レーヴァテイン
『全て焼き尽くす業火の源』
最強格の宝具同士の激突が大地を揺るがせた。
『おまけ』
【《弓》《兵》《化》すなわち英霊のクラスチェンジについて】
前回ので賛否両論だったこの文珠の使い方について、設定をば少し
今回、ヘラクレスをバーサーカーからアーチャーに変えた訳ですが、これには幾つかの条件を満たす必要があります
1、横島がバーサーカーの真名を知っていた
2、また弓を持つ姿を想像出来た(この場合、ヘラクレスが弓の英雄であるイメージを持つ事が出来た)
3、バーサーカーがアーチャーの属性を持っていた
4、マスターとサーヴァント双方が受け入れに同意した
以上の四点を満たす事で、聖杯の用意した7つのクラス枠、今回の場合、バーサーカーという枠に流れ込むヘラクレスという存在とそれに供給される魔力を一時的にアーチャーの枠に流れを変えてクラスを変更した、としています
裏を返せば、これらを満たせなければ失敗するという事でもあります
ですから、『偽アサシン』佐々木小次郎に『剣士化』や、『ランサー』クー・フーリンに『狂戦士』と言う方法であれば成功の可能性がありますが、『セイバー』アーサー王に『魔術師』という文珠を用いてもまず成功しません
また、あくまで一時的なものであり、強引に変えた流れはそう時間の経つ事なく元に戻ります。すなわち、一時的にクラスを変えてもそれは持続しません
『後書きっぽい何か』
衛宮士郎が活躍してない
言われればその通り、もっとも彼の魔術について彼自身がまだ全然分かってないので前に出れないのも一つなのですが
以下に物語の中で疑問に思われている点に関して回答してみたいと思います。
1、横島は最強か?
この物語の中で横島はジョーカーなのです
最強なイメージを持たれる方もおられるかとは思いますが、便利屋ではあっても最強ではありません
場を引っ掻き回し、最強のエースにも対抗出来る存在ではありますが、単体では最強ではありません
横島の強さは咄嗟の対応力と相手の得意な土俵ではなく、如何に自分のペースに、土俵に持ち込めるかにあると思います
剣だけではなく文珠を含めた術を、術だけではなく剣を。それで足りないなら口でもギャグでも何でも使う。それが横島かと思います。
基本的に相手が型にはまってりゃ枠の外の相手ってのは強敵になります。
ジャンヌ・ダルクが元は農民の娘だったのがあれだけの快進撃を成し遂げたのも、騎士達が卑怯として好まなかった大砲と言った兵器やら戦術やら何やら知らないから平気で使ったのも大きいらしいですからね
2、武器の効果について
乖離剣エアと聖剣エクスカリバーの対決はFateの華の一つですが
私はエアが勝利した理由を単純に魔力量の差と考えています
だって、どう考えても、エアよりエクスカリバーの知名度の方が高いですからねえ……
裏を返せば単体ではむしろエクスカリバー等の方が強力かと思われます
3、ギルガメッシュの行動に関して
ギルガメッシュのギャグ面に関してですが……
これはhollowを見て頂ければ、それなりに納得頂けるのではないか、と思います
花札入手時のギルガメッシュの場面を見れば彼だってギャグはする、とご理解頂けるかと
また、神話において彼は野人エンキドゥと親友関係を築いています
結局ギルガメッシュが友と認めるかどうかは外見ではなく、純粋に相手の強さを認められるかどうかだと考えています
少なくとも見た目とか顔でけなす事はないでしょう
さて、では恒例のレス返しをば
>ながれさん
毎度ありがとうございます
今回レーヴァテイン初お目見えです
>野良猫さん
>『聖杯』や『宝石剣』
横島がイメージ出来ないので無理です
見た目が判明しても、どういう原理かイメージ出来ませんので空っぽの見かけだけの代物を作るのが精一杯です
>『死者蘇生』
一時的にリビングデッドを作るだけなら可能です。記憶にそった反応や言動を返す見た目は『生きている』かのうような存在ではあるでしょう。所詮文珠が切れるまでで、誤魔化しの存在に過ぎないですが
>titoさん
まあ、横島自身は守れるなら見た目にゃ拘らんでしょうしね〜
ちょいとぐだぐだに見える場面があるかもしれませんが、私の力不足です。その点はまあご容赦頂ければと
>テラさん
『王財宝』でゲートオブバビロンもどき自体は可能です
ただし、射出する宝具がありませんが
ゲート・オブ・バビロン自体は蔵に繋げる門を開くだけで、射出される宝具はその蔵に収められている別物ですので、そちらはまた別に一つ一つ再現しなくてはなりません
まあ、文珠が幾つあっても足りませんなw
>タトゥーさん
そうですね
ギルガメッシュはstay nightでは後のシナリオになる程雑魚っぽくなってしまいましたが……彼だって格好いいですよ
hollowではギャグもありましたが、最後はきっちり締めてくれましたからね
>蓮葉零士さん
言峰はどちらかというと愉快犯な面を持っていると考えています。だからこそ、一陣営の突出は好ましくなく、混乱を招きたい所かと
ギルガメッシュも雑魚ではなく、1人の最強クラスの英霊としてきちんと出してやりたい所です。無論最後まで彼にはきちんと敵役として頑張ってもらうつもりです
>鳴臣さん
うーん、そう滅茶苦茶やってるという程ではないと思ったんですが……
結局ゼロから作ってる訳ではありませんので
あくまで、ヘラクレスが彼の別の面を出せるように力の方向性を変えただけなのです
まあ、神様に関しては古代の神様って結構酷いですよねwまあ、超越者ではなく、絶大な力を持つ人間味溢れる連中と言ってしまえばそうとも言えるのですが…
>通りすがりさん
はい、実際、あくまで文珠は力の流れを制御するのが一番大きな効果があるかと思います
そう極端な宝石剣とかそういうのを文珠で再現というのは出すつもりはありません
宝石剣を出すならあくまで……
>Raysさん
そう言って頂けるとありがたいです
まあ、実際アシュタロスが力の結晶の争奪戦時に世界の修正力を逃れる為に取った方法が『世界を変えるのやーめた』なんて宣言する方法でしたからねえ
GSってそういう意味では本当にシリアスとギャグが混じった話だと思います
他の方々に
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