インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「狩人の世界に現れし福音者達  第32話(エヴァ+HUNTER×HUNTER)」

ルイス (2006-08-23 23:20)
BACK< >NEXT

 草原に建てられた庭で、一人の女性がシーツを干していた。

「ミトさーん!」

「!」

 その時、自分を呼ぶ声がしたので女性――ミトは驚いて振り返ると、そこには、ハンター試験を受けに島から旅立っていたゴンが、見知らぬ少年と少女を連れて手を振っていた。

「ゴン!!」


「も〜! 帰って来るなら、先に教えてよ! 何にも用意してないわよ!」

 家の中で、ミトは冷蔵庫から色んなものを出して、キルアとレイのもてなしの準備に取り掛かった。

「いいよ、適当で」

「何言ってんの! 折角、お友達も来てるのに!」

「あ、お構いなく」

「適当で良いです」

 キルアとレイは言うが、ミトはさっさと料理の支度を始めた。そして、ゴン達が妙に汚れているのに気づく。

「そーだ、ご飯作ってる間にお風呂入んなさいよ。服も全部出しといて。洗濯するから」

「うん、後で」

「今! 10秒以内! いーち!」

「いつもあーか?」

「大体は」

 ミトに急かされ、ゴンとキルアは風呂場へ向かった。


「お〜! 総檜じゃん!」

 風呂に入ると、キルアは檜作りの浴室に目を輝かせた。

「気に入った?」

「もっちろん!」

 キルアは駆け出して湯船に飛び込んだ。

「ぷは〜! 極楽極楽!」

「親父くさ〜」

「そうか?」

「うん。まるでレオリオみたい」

 そう言われてキルアは真っ白に固まる。ゴンは、タワシで体を洗い始める。その時、ガラガラと浴室の扉が開く。

「「(ぶっ!!)」」

「…………これが檜の匂い」

 タオルで前を隠してはいるが、素っ裸のレイが入って来て、ゴンも思わず湯船の中に隠れ、2人は深く湯に浸かった。

「レ、レイ……?」

「??」

「な、何で?」

「ミトさんが……お風呂に入りなさいって」

「だからって男が入ってる所に来るか、普通!?」

「??」

 本気で分かっていない様子のレイにゴンとキルアは彼女の裸を見ないよう後ろを向く。その時、バタバタと駆け足が聞こえ、浴室の扉が開き、ミトが血相変えて入って来た。

「レイちゃん! 駄目でしょ、年頃の女の子が男の子と一緒にお風呂に入っちゃ!」

「でも、カヲルが『仲の良い男女は一緒にお風呂にも入る』って……」

「いや、それはまぁ間違ってはいないというか、微妙に危ないというか………と、ともかく駄目なの!」

「そう……」

 レイは残念そうに浴室から出て行った。

「カヲル、何教えてんだ?」

「アスカの苦労が分かる気がするね」

 決してお風呂だけではないであろうゴンとキルアは、顔を真っ赤にして言うのだった。


「レイちゃん、包丁使うの上手ね」

「はぁ……」

 風呂から追い出されたレイは、ミトの料理を手伝っていた。慣れた手つきでジャガイモの皮をむく。

「お料理好きなの?」

「別に……」

 レイ自身、別に料理するのが好きだとかそういう趣味はなかった。が、アスカ、カヲルと旅を始めた頃、野宿をする際、3人とも料理が出来なかった。アスカは誰かに作ってもらう事に慣れてたし、カヲルは何だか危険な気がして任せる事が出来ず、自然にレイが覚えるようになった。

 それに何より、料理をする事で彼との距離が縮まった気がしたりする。

「良し! じゃあ、2人で美味しい料理作って2人をビックリさせちゃおっか!」

 ニコッと笑いかけるミトに、レイは少し頬を染めてコクッと頷いた。


「じゃ、行って来るね!」

 食事を終えると、ゴンとキルアは森へ出かけた。2人を見送ったレイは、ミトにゆっくりするよう言われ、縁側に座って草原を眺めていた。行き交う人々が挨拶を交わしたり、楽しそうに立ち話をしている。

 風に髪を揺らされ、レイはこんなのどかな気分を味わうのは初めての事だった。

「(気持ち良い……)」

 ふと目を閉じる。風に乗って草木の匂いが鼻腔をくすぐる。レイは、ポケットから一枚の写真を取り出す。それは、アスカも持っている写真。仕組まれた3人の子供とその上司。

「イカリ……君」

 天空闘技場で電話越しだったが、彼の声を聞いた時、凄く嬉しかった。今、この同じ世界で生きてると実感出来た。『アヤナミ』と呼ばれた時、凄く胸が高鳴った。が、それ以上に気になったのは、彼の声は悲しみに満ちていた事だった。

 他人を拒絶した時とも、一人一人が傷つけ合おうと元の世界を望んだ時とも違う。何か深い悲しみのこもった声だった。

「(何が……貴方を……)」

 変えたのだろう……答えが出ぬまま、レイの意識はまどろみの中へと沈んでいった。


 広大な敷地に建てられた屋敷の門の前にクラピカは着ていた。新しいクルタの民族服を身に纏い、右手には5つの鎖が巻かれている。

「千耳会から紹介されて来たクラピカという者だが」

 インターフォンを押して言うと、門が開き、クラピカは中に入る。庭には番犬が何匹がいて、クラピカを見ている。

「ようこそいらっしゃいました」

 屋敷の前には執事の老人が立って、クラピカを屋敷に迎え入れる。屋敷の中を案内され、ある部屋の前までやって来る。

「こちらでお待ち下さい」

 部屋の中には、7名の男女――恐らく皆、面接を受ける為に来ているのだろう――が、いた。その中の一人を見て、クラピカは目を見開く。

「カヲル!?」

「や♪」

 ソファには、水色の肘まで捲くったチャイナ服に黒いズボンを穿いているカヲルが鼻唄を歌っていた。

「何でお前が此処に?」

「いや〜、蛇の道は蛇、というか」

「?」

「何だ、知り合いか?」

 訳が分からぬままソファに座ろうとしたクラピカに髭面にリーゼントの筋肉質な男性が話し掛けてきた。

「そ。同じ釜の飯を食っていた友達です」

 ニコッとお得意のアルカイックスマイルを浮かべるカヲルは、チラッと既に驚愕も冷め、本を読んでいるクラピカを見る。以前とは比べものにならない、妙な威圧感を感じた。


 以前、パソコンのハンターリストで発見した『ゲンドウ・ロクブンギ』……それについて調べたが、ナーヴ社という世界でも有数の大企業の社長で、また三ツ星の称号を持つハンターという事しか分からなかった。

 果たして、それが自分の知る彼の人物なのかどうか、それを調べる為、カヲルは裏の仕事にも精通している斡旋所『千耳会』を尋ねた。

「どうやら念は使えるようね……ハンター証も本物だし、合格よ。どんな仕事がお望み?」

 顔中にピアスをしたインパクトある女性が尋ねて来たので、カヲルは自分の要望を言った。

「ナーヴ社と関わりのある所で、伸び盛りなのが良いね」

「また難儀な……ナーヴ社は世界トップレベルの企業よ。ハンター歴0年の貴方を本社は勿論、そこと関連する事業の雇い主なんて、そうそういないわよ」

「ま、出来る限り頼むよ」

 無論、カヲルも最初はナーヴ本社に入社しようと試みたが、求人募集の項で『大卒またはハンター歴5年以上』というものがあったので、出来なかった。よって、此処は外堀から攻めていこうと言う事になり、且つ成長期である事業なら、より早くナーブ社に近付けると考えた。

「あら、1件だけあったわ。マフィアだけど、政界とかにもかなり食い込んで来てるわ」

「そこで構わないよ。詳細は?」

「ノストラード組……雇い主は人体収集家よ。どうする?」

 人体収集家、と聞いてカヲルは眉を顰める。

「OK……構わないよ」


 人体収集家、と聞いてカヲルは何となくクラピカも来るだろうと予感していた。ハンター歴0年で雇い、尚且つ裏世界にコネの強い人物は、クラピカには打ってつけなのだろう。

「しっかし、いつまで待たせる気だ……ふわぁ〜」

 先程の髭面の男が大きく欠伸を掻くと、褐色肌の長髪の男が皮肉めいた口調で言って来た。

「ふん、待ってるのも仕事の内だぜ。多少、我慢出来ねぇようじゃ、この世界でやっていけねぇ」

「んだと?」

「ヤメロヨ、オメーラ。見苦シスギテ気持チワリーンダヨ」

「「何ぃ?」」

 2人の男が聞こえた別の声に反応する。その先には、真っ赤な足元まである長い髪に、オレンジ色の瞳をした少女が、包丁を持った赤い服を着た人形を持って座っていた。服装は何故か黒いゴスロリだ。パッと見、12歳前後という所で、この中では最も子供だ。

「オウ、何ダテメーラ? 俺ッチノ可愛イうちるニ手ェ出スンカ? 相手ニナンゾ、コラァ?」

「に、人形が喋ってる……」

 少女――ウチルの口は動いておらず、人形が動いて話しているので、褐色肌の男性は驚く。

「けっ! どうせ腹話術だろう。辛気クセー、小娘だ」

「皆様、お待たせ致しました」

 その時、先程の執事の老人がやって来た。すると液晶テレビが天井から降りて来て、映像が映る。画面には、2人の女性に肩をもまれた、目の下に奇妙な模様を入れてる男性がいる。

<君らがライセンスを持っているか否かは問わない。要は、こちらの望むものを手に入れてくれるかどうかだ。オークション開催まで、後一ヶ月あるが、それまでに、これから渡すリストの中から一つ、どれでも構わないので探して来てくれ>

 そう男性が言うと、執事からリストの記録されているデータカードを受け取る。カヲルは、それを見て、ふと『クルタ族の眼球』という項目を見つけ、チラッとクラピカを見る。案の定、クラピカは怖い顔をしていたので、フッと笑みを浮かべる。

<それをクリアすれば正式に契約し、護衛と収集活動を担って貰う。では、健闘を祈る>

 男性の説明を聞き終え、髭面の男性が部屋から出ようとドアノブに手をかける。が、ドアノブを回そうとしたが、開かなかった。

「開かねーぜ?」

<一つ、伝え忘れたが……“強い”事が雇用の最低条件だ。この館から無事、出られる位、『最低』な>

 すると、扉の外からいきなり刃が突き出て来た。髭面の男性は後ろに跳んで避けると、扉が蹴破られ、剣と銃を持った黒ずくめの集団が入り込んで来た。

 数名は椅子やテーブルの影に避難し、またある女性は執事の老人を盾にして銃弾を防ぐ。カヲルはソファに座って、優雅に鼻唄を歌って、オーラの壁で銃弾を弾いていた。そして、クラピカは逆に前に飛び出し、ヒュッと右手を振るった。


 〜レス返し〜

 こるべんと様
 流石に、ネルフの人間がアスカ達を知ってたら、ハンター世界が壊れかねないので。知らないようにしました。けど、アスカ達がミサト達を見て、どう思うかは楽しみです。
 いえ、シンジもネルフ組の事は知りません。シンジの知った世界の真実とは、別の所にあります。


 ショッカーの手下様
 エヴァ世界のミサトやゲンドウは、前世と思ってみてくれて構わないです。そして、同じ会社の元で働いてるのは運命……というか、作者の都合です。
 リツコは今回は愛人ではなく、有能な部下、です。


 レンジ様
 この後、黙示録のメンバーも色々と出て来るので、お楽しみに。


 拓也様
 はい、運命という名の作者の都合です。ユイそっくりな人物は出すかどうか思案中です。
 覚悟、というのが良いヒントになりました。この覚悟なら、無敵な能力でもおかしくないかもしれません(作者的に)。シンジの能力が、これでハッキリと決まりました。


 明様
 でも、所詮は悪役面ですからね。いい事してても、そう見れないのがゲンドウの辛い所です。
 ちなみに今のゲンドウは、組織運営は有能ですし、世界の事を考えて行動してるめちゃ善人です。悪人顔で、とても良い人は私が好きなキャラです。クレヨン○んちゃんの園長先生とか。


 流刑体S3号様
 三ツ星は世界的偉業を成し遂げたハンターに与えられる、という事で頻繁に使われている飛行船が思いつきました。後、携帯電話とかですね。
 フユツキがいれば、この世界でもゲンドウの補佐になってるでしょう。出るかどうかは分かりません。


 髑髏の甲冑様
 どうも、お久し振りです。
 いや、雨の日だと逆に念で作った水が雨水に混じって効果を失います。それに、シズクの掃除機は、念で作ったものは吸えないのでシフから見れば相性抜群かもしれません。
 もう、バレてるのでマギはイロウルです。
 アクアもヒソカも、こういう危険なシーンをやらせるのが一番、面白いんですよね。
 主人公3人組、原作主人公組、幻影旅団、黙示録、更にネルフ組にゾルディックまで絡んでヨークシンは面白い展開になりそうです。
 お風呂ネタ、やっちゃいました♪

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

yVoC[UNLIMIT1~] ECir|C Yahoo yV LINEf[^[z500~`I


z[y[W NWbgJ[h COiq O~yz COsI COze