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▽レス始

「WILD JOKER 巻11(GS+Fate)」

樹海 (2006-08-22 21:29/2006-08-23 04:07)
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そして。
 アインツベルンの城へと向かうその日を俺達は迎えたのだった。 

 ただし、その前に俺達はとっても厄介な騒動を片付けねばならなかった。


 『WILD JOKER 巻11』


 衛宮士郎。彼の朝は早い。通常ならば目覚まし時計も必要なく自然と暗い内に目がすっきりと覚め朝食の支度を開始する。朝の弱い作者としては羨ましい話である。 
 だが、さすがに昨夜はあれこれと精神的に騒々しい話が多かっただけあって知らぬ内に体以上に心に疲れが溜まっていたのだろう。土蔵で寝ていた彼が目を覚ましたのは……横島による一撃だった。
 「起きろおおおおおおおっ!」
 「のわああああああああっ!」
 寝てる最中に、それも熟睡じゃないある程度目が覚めかけてる時に、いきなり傍で大声で叫ばれたら誰だってびっくりする。衛宮士郎もその例に洩れず、飛び起きた。慌てて周囲を見回して、そこが見慣れた土蔵である事を確認すると共に傍らに立つジージャン姿の青年の姿に目を止める。
 「あれ、横島さん?」
 「おう、目覚めたか?」
 なにやら不機嫌そうな声で答える横島だが、文句はこちらこそ言いたい。
 「一体何ですかいきなり!」
 「うるせえっ!もてる男は敵じゃあああっ!」
 が、あっさり返されました。
 は?という顔で首を捻る士郎に横島は。
 「さっさと行けよ。凛ちゃんと桜ちゃんだったか?玄関で睨みあってるぞ」
 とだけ伝えて、さっさと土蔵を出て行った。
 しばらく考えて。
 「ああ!?」
 ようやく理解した士郎は慌てて土蔵を出て玄関へと走っていった。

 玄関では想像通りの光景が展開されていた。
 間桐桜。親友の間桐慎二の妹であり、自分が以前に怪我をした折からずっと通って最近ではすっかり今1人の虎の姉と共に衛宮邸の一員となった後輩の少女である。その少女と遠坂凛が睨み合い……それをセイバーが我関せずとでも言いたげな雰囲気で佇んでいた。 
 その桜の顔に、衛宮士郎を見て安堵と不安の表情が広がる。
 「あの……先輩、これは…」
 その視線はちらちらと遠坂凛、セイバーの両者に向けられている。そりゃそうだろう、想い人の家に何時ものように行ってみれば昨日はいなかった学園のアイドルであり色々と複雑な思いのある遠坂凛と、明らかに日本人ではない、けれど美少女が玄関で迎えてくれれば、そりゃあ不安にもなるというもの。
 んな事は気付いてない鈍感な士郎ではありましたが、とりあえず玄関で話すのも何なので上がってもらいました。

 と、そんな深刻になりかねない場面があったはずなのに、今俺の目の前では。
 「こら美味い、こら美味い!」
 「む、ヨコシマ。それは私のです!」
 「あー駄目だよう!それ私のーー!」
 三匹の飢えた獣達による激しいバトルが展開されていた。
 「「「………」」」
 とりあえず彼らが衛宮邸にいる理由に関しては。

ケース1:遠坂凛
 「うちも古いでしょう?ガス系統だと思うのですがお風呂とかが不調になってしまいまして。この際なので最新のにリフォームしようと思ったのですが、そうなるとガスが使えないので家にいられなくて……修理するにしてもすぐとはいかないのでホテルにでも泊まろうかな、と思って荷物持って歩いてた所を衛宮君に出会ったんです」
 「あ、ああ。結構大きな荷物持ってたんでどうしたのかな、って思ってさ」
 にっこり微笑まれて、慌てて話をあわせる。本当の顔を見た後だとギャップが凄い。
 「それで事情を聞いた衛宮君が、『それならうちに泊まったらいい』と言ってくれまして」
 「むー…確かに士郎なら言いそうだけど…」
 「同級生とはいえ男子の家という事で悩んだんですけど、結局お世話になる事にしたんです」
 「むー…分かった、そういう事情なら仕方ないよね」

ケース2:セイバー
 「実は私が本来訪ねてきたのは切嗣でして」
 「え?切嗣さん?」
 セイバーが上手く合わせてくれるかと思ったが、いきなりそっちから来た。なんでセイバーが親父の名前を知ってるんだ?と思ったが、虎があっさりと食いついてきたので黙っておく。後で聞いてみよう。
 「はい。私の父と切嗣が古くからの友人でして。まあ、何年かに一度ふらっと来てしばらく滞在してまた何時の間にやら帰っているというような間柄でしたが」
 ふむふむ、と興味深そうに頷く藤ねえ。桜もへーって顔になってる。
 「ですが、先日父が亡くなりまして。私も来た折には可愛がってもらっておりましたので、『その内遊びにおいで』と言ってくれていたのですが。最近切嗣が顔を見せていなかった事もあり、父の亡くなった報告がてらこちらに来てみたのですが……まさか切嗣も亡くなっているとは思いませんでした。おくやみ申し上げます」
 そうして一礼したセイバーに藤ねえも、『あ、いえ、こちらこそ』と言ってきちんと頭を下げた。桜もつられて下げてるけど。
 「それで事情を知ったシロウが泊まる事を勧めてくれまして。折角なので切嗣の墓参りを含め、長くても二週間とかかりませんが、しばらく滞在させて頂く事になりました」
 「はあ、成る程」
 「申し遅れました。私、アルトリア・セイバーと申します。セイバーと呼んでください」
 「セイバー家のアルトリアちゃん?むーでも、そういう場合アルトリアさんとかせめてセイバーさんって呼ぶべきじゃないの?」
 藤ねえとて教師の端くれ。それも英語教師だ。まあ、確かにそうだよな。とはいえ、それなら俺がセイバーって呼んでも大丈夫そうだ。いや、ついうっかり呼び捨てにしちゃいそうで……。しかし、本当に何時の間にそんな設定考え付いたんだろう。
 「いえ、こちらでは頭にMrやMissをつける習慣もありませんし。さん付けも違和感を感じますので呼び捨てにしていただいた方がこちらとしてもありがたい」
 結局終始セイバーのペースで話は進み、親父の事について質問してみた藤ねえにセイバーが的確な答えを返した事もあり、すっかり打ち解けた様子だった。うーむ、セイバー親父の事どこで知ったんだ?ただ、桜はずっとうつむいたままだった……どうしたんだろう、気分でも悪いんだろうか?

ケース3:横島
 「あーなんだか女性ばっかの所に申し訳ないっす。実は俺、全国をあちこち旅行して回ってまして」
 「旅行、ですか?」
 「ええ、まあ。別に自分探しを気取ってる訳でもないんですけど、何せまだこの年っしょ?金ないから貧乏旅行で〜」
 うーむ、なんつーか場を明るくさせる奴だな、こいつって。
 「で、この街に辿りついた時点で路銀が殆どつきちゃって。行き倒れかけた所を拾われたんすよ〜」
 「へ〜そうなんだ」
 「まあ、申し訳ないっすけど、しばらく泊めてもらってその間に日雇いのバイトでもして金貯める事になった次第で」
 結局、横島が男性という事もあったのだろう。案外あっさり話しは通った。まあ、遠坂やセイバーがいる訳だし、士郎がいいならOKとの藤ねえの台詞で結論が出た。

 で、まあ話が終わった後でこっそりセイバーに親父の事を知ってるのか聞いてみて、びっくりした。セイバーは前の聖杯戦争で親父のサーヴァントだったというのだ。……偶然って怖いな、俺にはそう感じられただけだった……この時、これがどれだけ異常な事を内包しているかなんて魔術だの聖杯戦争だの英霊だのに関する知識のない俺には全然分からなかったんだ。
 桜には(危険な事もあって)しばらく来ないように言おうとしたのだけれど、ね…遠坂さんがいるなら私も住みます!等と宣言されちまいまして。凛には反対されたものの、家主である士郎が桜の譲れません!てな視線に反対しきれる訳もなく、けどそれを認めると何かと拙い訳で……とりあえず慎二の了承が得られたら、という事にしてもらった。そう言った時桜がうつむいてしまったが……肉親の了承は得ないと……さすがに拙いだろうから。藤ねえも『そうだよう〜やっぱり家族には一言言っておかないと』と後押ししてくれて……とりあえずこの場は収まった。

 で、食事と相成った訳なのですが……。
 本日は凛が押しかけたんだから食事位は作らないとね、と腕を奮い、中華粥をメインに中華系の朝食。和食洋食に関しては士郎・桜の二人でカバーされていたものの中華に関してはまだこの家にはなかったと喜ぶ虎を尻目に勃発したサーヴァントによる聖杯戦争ならぬ食卓戦争。慌てて参戦した藤ねえを加えた三者による食いっぷりに残る三人は呆然としていた。
 「は〜食った食った」 
 「美味しかったです。ご馳走様でした凛」
 「うう…負けた」
 昨晩は軽食程度で済ませた為に、まさか本格的な食事でこんな風景が展開されるとは予想だにしていなかった魔術師二人+桜はそれでも気付いてみれば自分の食事はきっちり終わらせていた。ビバ・日常の習慣。

 「ってそろそろ藤ねえと桜は学校に行かないと」
 桜は弓道部の朝練があるし、こうしてる姿を見るととてもそうは見えないが、教員である所の藤ねえは教員会議もあれば、弓道部の顧問である以上弓道部で何か事故でもあった時を考えると不在という訳にもいかない。かくして、帰宅部の俺らとは違い一足先に出発と相成る訳だ……御免藤ねえ、俺今日学校さぼります。

 そして

 「準備はいい?」
 衛宮家の玄関で遠坂凛が皆を振り返って確認する。
 凛はフル装備済だ。何かに備え、貴重な宝石を体の各所に隠している。セイバーと横島は何時も通り、というか彼ら英霊は必要なら自分本来の装備を即座に呼び出せる為、敢えてこれ、という用意は必要としない。残るは衛宮士郎だが……彼はというとごく普段着のままだ。いや、これから行く場所が森の奥にある家というのは聞いているからそれ向きの格好はしているのだが……特に魔術礼装などを用意している訳ではない。もっとも、用意するものがない、というのもあるのだが。
 実の所、士郎自身が魔術関係の装備を用意する、いやそもそもイリヤとの戦闘を想定した準備を整えるという事には凛も期待していなかったので、工房に何か使えるものはないか、と衛宮の工房、土蔵を見せてもらったのだ。
 そこで彼女が見た物は……予想外の物だった。
 案内した士郎にがーーーっと噛み付くように叫んでいたが、士郎が何も理解していない事を悟るとかなり考え込んでいた。まあ、とりあえずそれに関してはイリヤスフィールの本拠地から帰って来てからにする事にしたらしい。
 『土蔵は逃げないけれど、イリヤスフィールの事は時間がないのよ』


 さて、アインツベルンの城は……大変だった。
 まず森まで来るのに一苦労だった。何分郊外の森だ。タクシーを捕まえたのはいいが、心配して本当にここで降ろしていいのか何度も確認された。帰りは……まあ携帯で呼ぶしかないだろう。ふとイリヤがどうやってここから冬木市内までやってきているのかふと疑問に思った。
 さて、ここからが長かった。
 セイバーと横島は……さすがにサーヴァントというべきか。全然疲れた様子も見せず歩いてくんだが……人はそうはいかない。遠坂曰く『疲れた状態で向こうに到着という事態は避けたい』との事で、結局休み休み進む事になった。

 「横島は慣れているのですね」
 休み中、周囲を警戒するセイバーからそう声を掛けられた。
 「ん?」
 「いえ、森の中での様子です。英霊ですから普通の人間より体力があるのは当然でしょうが、歩き方等を見る限りこうした場所での移動に経験があるとみました」
 「ん〜まあ、俺の生前、こういう場所での移動とか結構あってさ。それも重い荷物しょって…」
 実際、美神さんの所で働いていた頃、最初の頃は俺に霊能力なんてなかったから荷物持ちとして雇われていた事を思い出す。除霊は場所を選ばずだから森とか山の中を選ばず。おキヌちゃんの時もそうだったし、他にも妙神山とか険しい山を数十キロの荷物背負って踏破なんて事はザラだった。化け猫の美衣さんとケイの時は森+山の中を歩き回って……そういえば二人とも元気にしてるかな……。
 そんな昔の事を思い出す横島のその顔は……凄く穏やかで。思わずセイバーも見惚れる顔だった。……そんな真面目な顔が何時も出来ていれば彼の生前も大分変わったものになったと思うのだが。いや、或いは彼の父がそうであったように、より彼が人生経験を積め事が出来ていれば、或いは彼の父が美神令子を口説いた時のように……その先に美神令子と横島忠夫という二人の人生があったのかもしれない。

 「え、えーと、ところであとどの位の距離があるのでしょうか?」
 セイバーが少し慌てて問いかける。まあここまで横島が先導してきたのだから当然である。
 「な?えーとちょっと待ってくれ」
 言いつつ、横島は自らの内のひのめに呼びかける。
 『おーい、ひのめ。あとどん位かかりそうだ?』
 実の所、横島が案内してきたというのは事実とは少々異なる。より正確にはイリヤから教えてもらったのはひのめであり、自らの内に納められたひのめの指示に従って横島は歩いてきたに過ぎない。
 『えーと……あと1時間位かな』
 「あと、1時間位かな」
 「……まだそんなにあるの」
 横島の言葉に疲れた声を洩らしたのは凛だ。まあ、そうだろう。結構歩いてきて少し休もうという段になってまだあと1時間あるとなると精神的な疲労が案外馬鹿にならない。これが山であれば山頂が見える、つまりは目標が見えるからまだ張り合いが出るというものだが、森となると視界が効かないので余計疲れを感じるという次第だ。


 「……や、やっと着いたわ…」
 そしてその光景は。
 突然として森の中に現れた。
 「……城っすね」
 「城、だな」
 「城ですね」
 それは西洋の城だった。何故日本の森の中にとか、どうやって持ってきたんだ、とか色々思う所はあるが、その西洋の城は厳然としてそこにあった。
 「金あるんすね〜」
 そう言いつつ、横島はレーヴァテインを抜き出す。それは皆の前で1人の少女へと姿を変えた。
 「ってお前その服どうした!?」
 目の前に現れたひのめの服装は何時もと変わっていた。えー…所謂。
 「「「ゴスロリ?」」」
 そう、黒系統の所謂ゴスロリと呼ばれるタイプの衣装だったのだ。
 『えへへ。似合う?』
 「え?あーうん、に、似合うけど…」
 いや、確かに可愛い。こういう服装は着る子を選ぶものだが、ひのめには実によく似合っている。横島にしてみれば、『夕べの準備はこれか!』という思いが強い。実の所、ひのめの衣装は全て霊力というか魔力というかそういう類のもので構成されていて(というか、ひのめのこの姿での身体を構成している力自体がそうなのだが)、きちんと本人が認識さえしていれば、その形状は自由に変えられる。
 『ほら、イリヤって 何というか……イメージが白でしょ?だからそれに合わせて黒い服にしてみたの』
 ふむ、と考える一同。
 何となくだが、理解は出来た。確かに彼女は雪、とでも言うのだろうか、白の少女というイメージが確かにあったような気もする。ある意味炎の存在であるひのめとは正反対とも言えないでもないが、まあ、似た者同士というのは却って相手が気に食わないというケースを耳にする。そういう意味ではむしろ正反対の存在たる方がいいのかもしれない。
 「ま、いいか。似合ってるし、失礼な服装って訳でもないし」
 結局、横島のその言葉が締めくくりとなった。

 『来たよ〜イリヤちゃん〜』
 「いらっしゃーーーい、ひのめーーー」
 入るなり、待ち構えていたのだろう、イリヤが抱きついてきた。ひのめもまた、抱き返す。 
 「お嬢様、そのように軽々しく…」
 「セラうるさい。イリヤ喜んでる」
 苦言を言おうとしたイリヤの背後に控えていた侍女の片割れがもう片方に口を塞がれる。おーい、口だけじゃなく鼻まで塞いでないか?何だかじたばたもがいてるんだが…。何というか、片方に比べてもう片方は余り顔には出さないタイプみたいだな。まあ、イリヤを大事に思ってるのは間違いないみたいだけど。

『士郎視点』
 さて、まあまずは森抜けてきただろうから一休みして!とのイリヤの言葉に甘えさせてもらう事にして、テラスへと移動した。いい香りの紅茶と菓子類がきっちり用意してある。思わず『解析』してみたが、うわ、このカップとか相当いい品物だなあ……。成金のイメージするそれとは違う、しっとりと落ち着いた感じの中にさりげなく高価な物を使用する、そんな感じだった。
 ひのめはイリヤと談笑しながら食べてる。
 セイバーはきちんと作法を守りながら食べてるけど……何だか物足りなさそうだな(苦笑)横島は…おお、案外マナーしっかりしてるじゃないか。遠坂は言うまでもない。むしろ俺が大変だ。周囲がマナーをきっちり守ってみせているだけに、こちらとしてもうろ覚えのテーブルマナーって奴で何とか……。
 まあ、お茶とお菓子は美味しいんだが……。

『凛視点』
 最初こそ緊張した。もし、何らかの薬でも仕込まれていれば私も衛宮君もここでリタイアだ。そうでなくてもここはアインツベルンの工房。相手の本拠地。魔術を仕掛けられても抵抗出来るかどうか。内心そう警戒して何時でも魔術抵抗を使えるよう宝石を手の内に仕込んでおいたのだが……。
 今の二人、ひのめちゃんととイリヤの二人は仲良く話をしている。年齢相応というのだろうか、明るい笑顔で話す二人は本当に同年代の少女にしか見えなかった。これで片方は伝説の魔剣の類だというのだから驚きだ。
 横島は凄く穏やかな顔で二人の様子を見ている。実の所、てっきり出てきたメイドさんに飛び掛りでもするかと思ったのだが……ひのめちゃんを本当に大切にしてるのね。
 何だか、漂う雰囲気を感じてる内に1人警戒してるのが馬鹿みたいに思えてきた。……まあ、偶にはこういうのもいいか。
 そう感じて、そっと宝石から手を放した。  


 お茶の時間もやがて終わりを迎える。
 『何して遊ぼうか?』
 「ゲームとかあるかな?出来れば皆で遊べるような奴とか…」
 「そのような低俗なものは御座いません」
 ひのめの問いと横島の問いかけにぶっきらぼうに答える…えーとセラって名前のメイドさん。うーん、何と言うか厳しい家庭教師ってイメージを漂わせている。大事なお嬢様が何でこんな連中と、って所だろうか?
 「でも、セラ街に出た時、玩具屋の店頭でゲームしてる」
 「リーゼリット、余計な事は言わないでよろしい!」
 が、あっさりと片割れのメイドさんに実情をばらされて激昂している。とはいえ、一方的にという感じではなく、そう、受ける印象は友達とか姉妹とか……まあ、そういう繋がりを感じさせるやりとりではあったが。 

 「んーこれが遊園地とかなら遊ぶ場所には困らんけど……いっそ街に皆で繰り出した方が良かったかな?」
 なんて横島が呟いた時。
 「うん、それでね!色々調べてみて、遊び場とかも作ってあるのよ!」
 イリヤが待ってました、とでも言う感じで、にぱっ、とでも言えばいいのだろうか。普通のどこか影を含んだような微笑みとは違う無邪気な笑顔でさっと示し、それが合図だったのだろう、セラとリーズリットがその先にあるカーテンをぱっと左右に開く。そこには……。
 「「「「風雲……イリヤ城!?」」」」
 ……えーと、一体今日ってどんな一日になるんだろう?

 
『後書きっぽい何か』
 さて、今回は原作での藤ねえ、桜の二人に彼らの滞在の理由説明の回及びイリヤの所へ到着するまでの話になりました。
 実の所、当初は到着した所から始めようかとも思ったのですが、どちらにせよ二人に説明する回も必要ですし、今後の展開も考えて、今回に持ってきました。
 最後のイリヤ城は……まあ、ホロウに出てきたお遊びですねw次回は遊びの場面と……そして戦闘の予定です。

 さて、恒例のレス返しをば。
>ながれさん
ありがとうございます!
そう言って頂けると凄く嬉しいです

>スケベビッチ・オンナスキーさん
当初は原作でも名場面と謳われる『冬の森』が登場する場面を出すか迷っていましたが、色々考えた結果、オリジナルの別の場面を出す事にしました。
バーサーカーも活躍致しますのでよろしく〜

>カタリナさん
ん〜……まず基本として『セイバールート』でもなく『凛ルート』でもなく『桜ルート』でもなく
私は『横島というサーヴァントの目から見た聖杯戦争』を基本として進めて行く予定です
実の所、原作でさえ三本のシナリオのそれぞれで魅力を引き出していった(ライダーなんて桜ルートに入るまではセイバールートの約束された勝利の剣VS騎英の手綱ぐらいしか見せ場が…)と思います。
セイバールートでセイバーを。凛ルートで凛とアーチャーを。そして桜ルートで桜とライダーを。それぞれにおいて衛宮士郎とイリヤスフィールの内面を。
果たしてどこまで私程度の力で引き出せるかは分かりませんが、出来るだけ士郎らの魅力も出していければとは考えています

>HAPPYEND至上主義者
うーん、イリヤによる横島誘惑ですか
これは現時点では未定です
ひのめは完全に滅びるまで横島と共にあるでしょうし、イリヤは……第三魔法が具現化出来れば或いは……
ただ、確かに横島の対霊スキルは高いですが、それだけでは勝てないとは言っておきます
実の所、横島は真っ向勝負という形で行けば弱い部類に入ります。それを対霊スキルと美神令子譲りのあらゆる物を利用する戦術眼を駆使して対抗している、という形です

 

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