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「狩人の世界に現れし福音者達  第28話(エヴァ+HUNTER×HUNTER)」

ルイス (2006-08-17 03:19)
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「またアンタ達? アタシらに何か用?」

「まぁ、そう邪険するなよ。君達と戦いたいんだよ」

「嫌よ。アンタ達みたいな小物狙いの雑魚と戦っても意味ないもの」

 しっし、と言い張るアスカに能面の男――サダソは突っかかって来る。

「やだね。君達とは絶対に戦うからね……確か、君達が登録したのって5月27日だよね? 俺の期限が5月29日だから、君達に合わせてやるよ」

 その言葉に、アスカ達は目を細め、嫌そうな目で3人組を見る。

「まぁ良いけど……返り討ちにしてやるわよ」

「楽しみにしてるよ。まぁ、勝つのは俺達だけどね」

 そう言って、その場から去って行く3人組。アスカ達は、眉を顰めて顔を見合わせた。

「何処から、あの自信が湧いて来るのかしら?」

「さぁ……?」

 コクッと首を傾げるアスカとレイ。カヲルは、静かに微笑を浮かべていた。


「へぇ……君達の所にも来たんだ」

<ああ。俺とゴンとアンタ達で、よっぽど勝ち星稼ぎたいようだぜ>

 その日、カヲルはキルアと電話していた。シャワーを浴びた後なのか、カヲルは髪が少し濡れて、腰にタオルを巻いている。

「で? 試合の約束したのかい?」

<する訳ないじゃん。無視した……けど>

「けど?」

<アイツら、ひょっとしたらズシに何かするかもしれない>

 妙に歯切れの悪いキルアの口調に、カヲルはフッと笑みを浮かべる。

「なるほど。彼を人質にして、君達を試合に引っ張り出して、あわよくば、わざと負けるよう脅す気だね」

<俺とゴンは6月9日と10日まで試合禁止だからな〜>

 自分はともかく、ゴンがそれを破れば今度こそ破門になり兼ねない。が、カヲルはフッと笑って言った。

「キルア君、君がわざわざ手を下すまでもないよ」

<あ、分かった?>

「こういう汚れ役は専門家に任せたまえ」

 そう言って電話を切ると、カヲルはフゥと息を吐いて鏡を見る。

「貧乏クジも引かされ続けると癖になるねぇ〜」

 台詞は愚痴そのものだが、妙に楽しそうなカヲルだった。


 ゴンとキルアと一緒に訓練を終えたズシは自分の部屋に帰る途中だった。アスカ達の訓練など必要にならないぐらい、今日中に“練”をマスターした。

 自信を喪失してしまいそうになったズシは早めに特訓を終わらせた。その時、急に何かに掴まれたような感覚に陥った。

「(声が!? 息も!? 一体……)」

 声も出ず、呼吸も出来ないズシ。その後ろには、サダソが洗礼によって失った左手の袖口から、オーラで作った手でズシを掴んでいた。

 やがて、酸素不足でズシが意識を失うと、サダソが支えた。

「やれやれ……此処まで卑怯な手を使うと逆に清々しいね」

「!?」

 その時、声をかけられてサダソが振り返ると、カヲルが笑みを浮かべて立っていた。

「目的の為に手段を選ばない気持ちは結構。実に人間らしくて僕は好きだ……が、胸くそが悪いね」

 キッと目を鋭くさせ、サダソを睨み付けると彼は怯み、オーラの左腕でズシの体を再び掴んだ。

「お、おっと……それ以上、近付くなよ。この子がどうなっても良いのかい?」

「どうぞ、お好きに」

「な!?」

 笑顔で言って、サダソに近付くカヲル。サダソは更に下がる。

「人質を傷つけた時点で君の命運は決まる。一つ、教えてあげようか? 人質は自分を有利な立場に置く道具ではなく、一歩踏み外せば落ちる所まで落ちる細いロープなのさ…………ちなみに僕は時と場合によっては多少の犠牲は厭わないんでね」

 カヲルに迫られ、サダソは大量の汗を掻いて退く。

「念は心が弱いほど脆くなる。君のような脆弱な心の持ち主など恐ろしくも何ともない」

「う……」

「安心したまえ。そんな手を使わなくても、キルア君とゴン君は君達と戦う。僕らも戦おう……さぁ、選びたまえ」

 カヲルは目を獣のように細くし、不気味なオーラを放つ。

「わ、分かった。彼は解放する。だ、だから今日の事は見なかった事にしてくれ!」

 そう言い、サダソはズシを放してカヲルに渡す。カヲルはズシを背負うと、ヤレヤレと肩を竦めて背を向ける。

「ね? 上手くいったでしょ?」

 ニコッと笑いかけて言うと、曲がり角の影からスッとキルアが姿を現した。

「アンタ、最悪の場合、本気でズシ見捨てる気だったろ?」

「さてね」

 クスッと笑うカヲルをキルアは鋭い眼光で睨み付ける。

「そんな怖い目で見ないで欲しいなぁ。僕は君が思ってるよりは、良心を持ってると思うけど?」

「…………そうかな」

 フッと笑うカヲルと、いまいち微妙な表情を浮かべているキルアは並んで帰った。


「は? もう“凝”覚えたの?」

「うん!」

「楽勝」

 翌日、ゴンとキルアは“凝”をマスターした事を告げに来た。余りの上達スピードにアスカは、アイスキャンデーを落としそうになる。

「凄いスピードね……驚いたわ」

 とても、そうは見えないがレイも練乳かけたカキ氷を食べながら言う。

「ねぇ、アスカ達の所にも電話かかってきた?」

 ふとゴンが真剣な顔で尋ねて来たので、アスカも真剣な顔で頷いた。

「ウチは、リールベルトとか言う車椅子野郎だったわ。『君らの友達と明日からも仲良くしたかったら、今度の俺達との試合、こっちのシナリオに従って欲しい』とか言って来たわね〜」

「どうしたの?」

「『知るかボケ』って電話切ってやった」

 そう答えるアスカに、ゴンとキルアは表情を引き攣らせた。ズシが無事だったから良かったものの、もしカヲルが助けなければどうしてたのだろう? まぁキルアも動いていたので大丈夫だとは思うが。

「アスカ、今度あの片腕無い奴と戦うんだろ?」

「まぁね。最初は、試合棄権しようと思ったけど……」

 アスカはアイスを口に咥えたまま、ニヤッと笑みを浮かべて言った。

「アイツ、私を中途半端に怒らせちゃったわね〜」

 ゴゴゴとゴンやキルアとは比較にならないほどのオーラを出すアスカに、彼らは恐怖で冷や汗を浮かべ、ゴクッと唾を飲み込んだ。

「あ〜あ……やっぱ人質取ったのが裏目に出たね、彼ら」

「アスカ、怒らせると面倒だものね……何処かの誰かさんは身を以って実証してくれたし」


「へっくしゅん!」

「お、何だマスター、風邪か?」

 とある廃墟で一人ウォークマンを聞いていた少年がクシャミをしたので、その横でノートパソコンを弄っていた眼鏡の小柄な少女が尋ねる。

「いや、誰か噂……」

「誰かが噂してるなんてベタな事ほざきやがったら鼻でスパゲティな」

「……………」

 先に凄い事を言われてしまい、少年は鼻を擦る体勢のまま固まる。少女は見向きもせず、カタカタとノートパソコンを弄る。

「ねぇ、マギさん……」

「何だ?」

「まだ3ヶ月以上あんのに、こんなに早く来てくれたのは凄く嬉しいんだ」

「感謝しろよ。アタシゃ他の面子と違って心が優しいんだ」

「心の優しい人は、マスターに対して暴言吐いたりしないよね、普通?」

「あん? 人間の心は皆、醜いもんだ。アンタも良く知ってんだろ?」

 そう言われ、少年はキラキラと純粋な子供みたいな表情で泣く。

「ねぇ、暇だから世間話とかしない?」

「株の情報は逐一チェックしてんだ。邪魔したら、寝てる間に右耳に牛乳、左耳に硫酸流し込むからな」

「え? 何? その全く関連性無いの……ってゆーか、そんなのされたら死ぬからね」

「じゃ、右に火薬で左に硫酸な」

「や、それ悪化してるから」

「じゃあ、邪魔するな」

「あの……僕、一応、“黙示録”の首領で……」

「火薬と硫酸」

「…………すんません。一人でオセロでもやってます」

 少年はスゴスゴと下がって一人寂しくオセロをしていた。

「(うぅ……何故かマギみたいな気の強い女の子に逆らえない……何故?)」


「へっくしゅん!」

「おや? アスカ君、風邪かい?」

「ん〜……誰か噂……」

「誰かが自分の噂してるなんてベタな発言したら笑ってあげるわ」

 シャリッとカキ氷を食べながらレイが言い放つと、アスカは青筋を浮かべた。しばらく皆が静まり返り、カヲルがゴンとキルアを促して部屋から出て行った。そして、扉を閉めるとドタンバタンという激しい物音が室内から響く。

「うげ……マジで喧嘩してるし」

「止めなくて良いの?」

「流石に喧嘩に巻き込まれて死ぬなんて末代までの恥だしね。代わりに行ってくれるかい?」

「「遠慮しまーす」」

 賢明な判断だ、とカヲルは笑って頷いた。


 で、あっという間に5月27日が来た。

<さて、注目の一戦です! 僅か2日で200階クラスへやって来たアスカ選手の初陣と新人ハンターの異名を持つサダソ選手の試合です!>

「(新人ハンター? トンパの親戚か何かかしら、こいつ?)」

 アスカはリング上で対峙するサダソを見て、プッと噴き出した。

「始め!!」

 審判が手を交差させて開始の合図をすると、アスカはサダソに向かって突っ込んで行く。

「(速……!)」

 見えない左手で掴まえようとしたサダソだったが、アスカが速過ぎて無理だった。そして、アスカはサダソの首を掴むと、グッと持ち上げた。

<な、何とアスカ選手! サダソ選手を片手で持ち上げました〜!>

「アタシはカヲルほど自分の感情を抑えるの苦手なのよね……人の友人、拉致ろうとした奴、完膚なきまで潰す!」

 ギロッとアスカが以前のカヲルのように鋭い眼光をぶつけて来て、サダソは「ひ!?」と声を上げる。

「ま、待て! ちゃんとあの小僧は返しぶっ!!」

 言い訳する前に、サダソの顔面にアスカの蹴りが入る。

「まだまだ」

 ニヤッと笑い、首を掴み、脚を上げたままアスカは器用に脚を左右に振って、サダソの顔面に蹴りのビンタを喰らわせる。次第にサダソの顔面が赤く腫れ上がり原型が分からなくなって来ている。頬骨や鼻の骨が砕ける音が会場内に響いた。

「これで……終わり!!」

 パッとサダソの首から手を離し、彼が地面に落ちる前にアスカは鳩尾に蹴りを放ち、彼は勢い良く天井に吹っ飛ぶと、そのまま天井を突き抜け、上の階に出て、その階の天井に体をめり込ませた。

「サ、サダソ戦闘続行不可能とみなし、勝者アスカ!!」


 〜レス返し〜

 流刑体S3号様
 で、所詮娯楽レベルの敵は、今回のアスカのように呆気なくやられる訳です。
 最初は、シフの能力名は、幽遊白書にのっとり、“水兵【シーマン】”にしようと思いました。“憎悪の猛魚【ブラッドフィッシュ】”が傷口から具現化されるのは、その名残です。
 はい、出ました黙示録のロリっ娘マギちゃん。ちなみに外見年齢10歳です。でも、性格最悪です。


 希望様
 シンジの能力は既に考えたのですが、何か無敵な感じのする能力なので、ちょっと使って良いのか迷ってます。


 夢識様
 現在、シフはまっすぐヨークシンに向かわず、優雅にティーブレイクです。
 ウボォーとリキ(元ゼルエル)……最強の強化系能力対戦になるでしょう。


 ショッカーの手下様
 ツンデレというかアレです、アレ。好きだけど、尊敬は出来ないってヤツです。
 怖いキルア君の出番はありませんでしたが、アスカとカヲルの怖さは楽しんで頂けたと思います。

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