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「狩人の世界に現れし福音者達  第18話(エヴァ+HUNTER×HUNTER)」

ルイス (2006-08-03 14:49/2006-08-31 10:12)
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「まぁ座りなされ」

 ヒソカが入った応接室では、畳の上に卓袱台があり、ネテロが向かいの座布団に座るよう促した。

「まさか、これが最終試験かい?」

「全く関係がないとは言わんが、まぁ参考までにちょいと質問する程度じゃよ」

 そう言われて、ヒソカはネテロの向かいの席に座った。

「まず、何故ハンターになりたいと思ったのかな?」

「別になりたくはないけど、資格を持ってると色々便利だから。例えば人を殺しても、面積になる場合が多いしね」

「なるほど。では、お主以外の11人の中で、一番注目しているのは?」

「…………99番」

 少し間をおいてヒソカは答える。

「405番も捨てがたいけど一番は彼だね。いつか手合わせ願いたいなぁ」

 くっくっく、と笑うヒソカにネテロは別の質問をした。

「ふむ……では最後の質問じゃ。11人の中で今、一番戦いたくないのは?」

「…………それは405番、だね。99番もそうだが……今はまだ戦いたくない、という意味では405番が一番かな。ちなみに今、一番戦ってみたいのはアンタなんだけどね」

「うむ、ご苦労じゃった。下がって良いぞよ」

 殺気を込めてネテロに言うヒソカ。が、ネテロはサラッと受け流し、書類の方を見る。

「(食えない爺さんだな。まるで隙だらけで毒気抜かれちゃったよ)」

 挑発してみたが、それにも乗らないネテロに、ヒソカはすっかりと戦闘意欲をかき消されてしまった。


 53番ポックル。

 一番注目しているのは?

「注目してるのは404番だな。見る限り、一番バランスが良い」

 今、一番戦いたくないのは?

「44番とは戦いたくないな。正直、戦闘では敵わないだろう」


 96番アスカ。

 一番注目しているのは?

「405番と99番かしらね。前者は面白いし、後者は実力見て」

 今、一番戦いたくないのは?

「ん〜……98番かな。嫌いだけど、一番戦いたくないわね」


 97番カヲル。

 一番注目してるのは?

「405番ですね。彼の天性の何かには興味があります。それに301番も少々、気になりますね」

 今、一番戦いたくないのは?

「96番と98番ですかね。ツレ、というのもあるけれど女性とは戦いたくありませんし」


 98番レイ。

 一番注目してるのは?

「………99番と405番」

 今、一番戦いたくないのは?

「………96番」


 99番キルア。

 一番注目してるのは?

「ゴンだね。あ、405番のさ。同い年だし……後、96番と98番……女なのに何かメチャ強え〜し」

 今、一番戦いたくないのは?

「53番かな。戦っても、あんまし面白くなさそうだし」


 191番ポドロ。

 一番注目してるのは?

「44番だな。いやでも目に付く」

 今、一番戦いたくないのは?

「405番、96番、98番、99番だ。女子供と戦うなど考えられぬ」


 294番ハンゾー。

 一番注目してるのは?

「44番だな。こいつが、とにかく一番ヤバいしな」

 今、一番戦いたくないのは?

「勿論、44番だ」


 301番ギタラクル。

 一番注目してるのは?

「99番」

 今、一番戦いたくないのは?

「44番」


 403番レオリオ。

 一番注目してるのは?

「405番だな。恩もあるし合格して欲しいと思うぜ」

 今、一番戦いたくないのは?

「そんな訳で405番とは戦いたくねーな」


 404番クラピカ。

 一番注目してるのは?

「良い意味で405番、悪い意味で44番」

 今、一番戦いたくないのは?

「理由があれば誰とでも戦うし、なければ誰とも争いたくはない」


 405番ゴン。

 一番注目してるのは?

「44番のヒソカが一番気になってる。色々あって」

 今、一番戦いたくないのは?

「う〜ん……96・97・98・99・403・404番の6人は選べないや」


「う〜む、なるほど。思ったより偏ったの〜」

 受験生全員の面接を終え、ネテロは筆をサッと流す。

「これで良し、と。おい、皆見てみぃ。組み合わせが出来たぞえ」

 ネテロの考えた決闘の方式を書いたボードを見せられる試験官達+マーメン。そして皆、それを見て表情を顰めた。

「会長……これ、本気ですか?」

「大マジじゃ」

「(確かに本気の目だ)」

 余りにも異様な組み合わせだったが、本気のネテロに何も言えなかった。


<皆様、お待たせ致しました。間もなく最終試験会場に到着します>

 放送がかかり、飛行船はハンター委員会が貸し切ったホテルに到着した。受験生は、3日間の休養が与えられ、それぞれ体力を回復させ、広いホールへと集合させられた。

「さて、諸君。ゆっくりと休めたかな? 最終試験は1対1のトーナメント形式で行う」

 整列する受験生達の前で、ネテロが最終試験の説明を始めた。そして白い布の被さっているホワイトーボードに手をかける。

「その組み合わせは……こうじゃ」

 布を取り払うとトーナメントの組み合わせが露になり、皆、目を見開いて驚く。


 第1試合:98番vs44番

 第2試合:96番vs97番

 第3試合:405番vs294番

 第4試合:404番vs第1試合で上がって来た者

 第5試合:53番vs第3試合で上がって来た者

 第6試合:403番vs第2試合の上がって来た者

 第7試合:191番vs第4試合の上がって来た者

 第8試合:99番vs第5試合の上がって来た者

 第9試合:第6試合で上がって来た者vs第7試合で上がって来た者

 第10試合:301番vs第8試合で上がって来た者

 第11試合:第9試合で上がって来た者vs第10試合で上がって来た者

 余りにも不公平なトーナメント表だった。

「さて、最終試験のクリア条件じゃが、至って明確。たった1勝で合格である」

 ネテロの提示したクリア条件に皆が驚愕する。

「つまり、このトーナメントは勝った者が次々抜けていき、負けた者が上に登っていくシステム!」

 つまり、この表の頂点は不合格者を示す……それは、不合格者は、たった1人、という事だ。

「しかも誰にでも2回以上、勝つチャンスが与えられている。何か質問は?」

「組み合わせが公平でない理由は?」

「うむ、当然の疑問じゃな。この取り組みは今まで行われた試験の成績をもとに決められている。簡単に言えば成績のいい者にチャンスが多く、与えられているということ」

 その説明にピクッとキルアが反応し、異論を言って来た。

「それって納得出来ないな。もっと詳しく点数のつけ方とか教えてよ」

「駄目じゃ」

「何でだよ!?」

「採点内容は極秘事項でな。全てを言う訳にはいかん。まぁ、やり方ぐらいは教えてやろう。まず審査基準。これは大きく3つ……身体能力値、精神能力値、そして印象値。これから成る」

 ピッと指を3本立ててネテロは説明する。

 身体能力値は敏捷性・柔軟性・耐久力・五感能力等の総合値、精神能力値は耐久性・柔軟性・判断力・創造力等の総合値を示すものだそうだ。

「だが、これはあくまでも参考程度。最終試験まで残ったのだから何をか言わんやじゃ。重要なのは印象値! これは、即ち前に挙げた値では図れない“何か”!! 言うなればハンターの資質評価といったところか。それと諸君らの生の声とを吟味した結果、こうなった。以上じゃ!」

 それを聞いて、キルアはギュッと拳を握る。

「(試験の結果なら俺の方が上の筈。資質で俺がゴンに劣っている!?)」

「戦い方も単純明快。武器OK、反則なし、相手に『まいった』と言わせれば勝ち! ただし、相手を死に至らしてしまった者は即失格! その時点で残りの者が合格、試験は終了じゃ。良いな。それでは最終試験を開始する!!」

 そうネテロが宣言すると、黒服にサングラスをかけた男達の一人が前に出る。

「第1試合!! レイvsヒソカ!!」

 名前を呼ばれ、レイとヒソカが出る。

「「レイ」」

 が、途中、アスカとカヲルに呼ばれて振り返った。

「アタシは、アンタと戦いたくないんだから。とっとと勝って抜けなさいよ」

「そういう事だね」

 2人の声援を受け、レイはフッと笑うと中央に向かって、ヒソカと対峙する。

「それでは……始め!!」

 立会人が手を交差させると、ヒソカはトランプをレイは棒を構える。先に仕掛けたのはレイだった。ヒソカがカウンターでトランプを投げて来ると、それを棒で叩き落とさず、指で挟んで受け止めた。

「!」

 それに驚くヒソカだが、その間にレイは棒で地面を突き、体を回転させてヒソカの顔面に蹴りを放った。勢い良く吹っ飛ぶヒソカ。レイは棒を四つの短い棒に分割し、態勢を立て直すヒソカに向かって投げ付ける。

「っ!」

 四つの棒は、ヒソカの両腕両脚に当たり、彼は一瞬、表情を顰める。

「うお! レイの奴、あのヒソカ相手に押してるぜ!」

「いや、相打ちだよ」

「あん?」

 レオリオがレイのペースの試合に歓喜の声を上げるが、キルアの言葉に眉を顰める。

「(あの一瞬で……)」

 レイは、ポタポタと血の流れる右腕を押さえ、ヒソカを睨み付ける。先程、蹴りで吹っ飛ばした瞬間、ヒソカはレイの右腕をトランプで切り裂いていた。もう少し深ければ、神経までいっていたかもしれなかったので、冷や汗を浮かべる。

「くくく……そういえば……」

 ヒソカは立ち上がりながら、レイの血のついたトランプをペロリ、と舐めて笑みを浮かべた。

「君達3人の中で、君とは戦った事が無かったな〜」

「…………そうね」

「くく……君も実に美味しそうだ」

「…………貴方とだけは死んでもイヤ」

 ニコニコ笑うヒソカにレイは言い捨てた。その言葉に、アスカは少し表情を引き攣らせる。

「くくく……さぁ、僕を楽しませておくれよ」

 バサッとトランプを広げ、ヒソカはレイに向かって投げ付ける。大量のトランプが彼女に襲い掛かるが、レイはライターを出して火をつけると、大きく振るう。すると、炎がトランプを焼く尽くそうとしたが、トランプは燃えずにレイの体を切り裂く。

「くっ!」

 体中のあちこちに切り傷を付けられ、レイは表情を歪め、膝を突く。

「!」

 が、不意に気配がしてハッと目を見開くと、天井からトランプが降って来た。トランプは、レイの背中に突き刺さり、彼女は床に崩れ落ちる。

「レイ!!」

 思わず声を上げるゴン。が、レイの体が微妙に揺れ出し、炎になって崩れた。

「(火の人形か……)」

 ヒソカは、それを見て目を細めると、背後にレイが立っており、ライターの火を彼の首筋に当てていた。

「前から思ってたんだが、レイのあのライターって何なんだ?」

 レオリオが、ふと今までのレイのライターを使った技(?)を見て、疑問の声を上げる。

「さぁな。一種の超能力……だろうか」

 流石に火の人形まで出され、クラピカも眉を顰める。

「君……“ヨハネ”を探してるんだって?」

 ヒソカはレイの方を見ずに、笑みを浮かべながら尋ねる。

「だから何?」

「“ヨハネ”が半年後、ヨークシンに集結するのは?」

「知ってる」

「そう……くく。この勝負、僕の負けでいいよ。まいった」

「!?」

 突然、ヒソカが負けを宣言し、レイを初め、他の受験生達が驚愕する。

「そ、そこまで! 勝者、レイ!」

 立会人がレイの勝利を宣言した。レイは、去って行くヒソカを睨みながら尋ねる。

「何を……考えてるの?」

「こんな試験で君と決着をつけたくないだけさ。それに……君を生かしておけば“ヨハネ”の首領に近付けると思ったからさ」

 その言葉にピクッと反応し、レイはヒソカを睨みつけるが、ゴン、レオリオ、アスカが駆け寄って来て、彼女に合格の賛辞を上げた。

「レイ、やったね! 合格だよ、合格!」

「おう! 合格第1号だぜ!」

「やるじゃない」

 3人に揉みくちゃされ、レイは無表情でとりあえず「…………ありがと」とだけ応えるのだった。


 〜レス返し〜

 拓也様
 レイは火種さえあれば、火を操れます。ライターは大体、使い捨てが多いです。でも、結構ストック持ってます。
 そういったのは、外伝とかでいずれやってみたいですね。


 エセマスク様
 炎を使って酸欠を起こす、ような展開も考えてたんですが没りました。何だかんだでお互いを一番良く知り合ってるアスカとレイ。でもまぁ、そこにシンジが絡めば、マジで仲悪くなります。女の友情って、そんなもん?
 では、レオとボトルシップをしながら次回の執筆も頑張るッス。


 髑髏の甲冑様
 今回、炎の分身体が出ました。火さえあれば何でも出来る、のがレイの強みです。
 すんません、バキ知りません。まぁ、良く逆立ちで指立て伏せして汗で水溜り作るような漫画キャラとかいますが、そんなもんです。
 あ〜、すんません。アスカもレイも戦いたくない相手同士なので、戦いませんでした。でもまぁ、女の戦いは、これからもボチボチ出て来るので宜しく。

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