・始めに
今回、無事に帰国できたことをここに報告させていただきます。
彼の国での経験は、今まで自分が持っていた情報がいかにある国にとって都合のよいものであったかが解かる旅でした。
その経験をこれからの自身の暮らし、また、この作品の中でも活かして生きたいと思います。
今回の話は、出国する前に、なんとなく書き連ねていた作品ですので、色々とハッチャケていますが、その辺は皆様の大いなる愛でご容赦を。
では、短編をどうぞ。
追伸:これはあくまでネタです。本編で採用するかどうかは、神のみぞ知る?です。
「くそ!!」
コックピットを襲う衝撃に耐えながら、シンは悪態の言葉を口にした。
モニターを確認するとインパルスの両膝から下の損失の表示が赤々と表されていた。
フォースシルエットのスラスターを噴かし、何とか体勢を整えようとするが、無重力空間ではない地上での脚の持つ役割は大きく、バランスを上手く取ることができずに大地にその身を預けるしか出来なかった。
「くぅ!!なんなんだよあれは!!」
無様に着陸した際に生じた振動が体を犯すのを感じながら、シンは眼前に立つ敵を睨みつけながら叫んだ。
その敵は巨大であった。
通常のMSの大きさが20メートルに満たないのに対して、それは優に通常のMSの五倍近い大きさを誇っていた。
だが、大きさは問題ではなかった。
大きなものなど金と技術があれば作ることが可能だ。
だが、何より納得できないのが、ソレが宙に浮いているということだった。
ソレは、その巨体から想像できるとおり自重は数百トンはあるだろうに、ソレは悠々と宙に浮きこちらを睥睨していた。
「くそ!!まるで、あれはまるで、SRWに出てくるバン○レストオリジナルの機体じゃないか!!」
そのシンの言葉が示すように、宙に浮く機体はかつての世界で何度か戦ったことのある外宇宙の戦士の駆る機体に類似していた。
「だー!!何であんな機体が出てくる!!というか、どうして俺だけが戦闘中よ!!」
『フェイスのアスランの機体は既に中破され、レイとルナマリアのザクも同様。ステラのガイアは小破で現在ミネルバで補給整備中だ。肝心のミネルバはエンジン出力が上がらず後方で援護射撃に専念しているのが現状だぞ』
「現状説明ありがとう、よ!!」
インフィの言葉に悪態をつくと同時にペダルを思いっきり踏み込み、生き残ったスラスターを噴かせて敵が繰り出した攻撃をかろうじて回避する。
相手は遊んでいるのか、こちらに致命傷を与えるような攻撃を繰り出さずにいた。
「遊んでるのか?!舐めるな!!ミネルバ、レッグフライヤー、ソードシルエット射出!!あのふざけたデカ物を三枚に下ろしてやる!!」
相手の態度から油断を見取ったシンは、その隙をつくべく反撃の一手を打とうとその準備をしようとした。
だが、かえって来た声は無情なものであった。
『……整備班より通達。「いつものレッグフライヤーは在庫切れ」だそうです!!』
「「「「「「「…………何―――――――――?!」」」」」」」
メイリンからのその報告を聞いた瞬間、通信を繋げていた者達の声が唱和した。
「なぜに?!」
『整備班から「いつも景気よく壊すから、いつものの修理と補給が間に合わなかったんだよ」とのことです』
「NOーー!!」
メイリンから聞かされた理由に、シンはコックピットで叫ぶしかなかった。
『待てメイリン。「いつもの」はないんだな。では、「いつもの」以外はあるのか?』
「おいおい、レイ。言葉遊びじゃ『あるそうです』な、ってあるのかよ?!」
再び驚愕の声を上げるシンを無視して、タリアの命令が響いた。
『シン!それと換装しなさい!!』
「……了解!メイリン!!」
『了解!G・レッグフライヤー、射出!!』
「は?」
聞きなれない言葉に疑問の声を上げるシンの目に、ミネルバからいつもと型の異なるモノが射出されるのが映った。
それは、通常のレッグフライヤーより大きく、なぜか、馬のような機首がついていた。
「……はい?」
疑問の声を上げるシンの耳に呼びかける声が飛び込んできた。
『シン!』
「ステラ?どうした?」
補給を受け終わったのだろうか、モニターに映るステラにそう思いながら尋ね返すと、驚く言葉を返してきた。
『シン!!今が駆け抜ける時!!!」
「へ?」
『応!!!』
突然のことに呆けた声を上げるシンを無視して、インフィが了承の返事を返すと同時にインパルスは壊れたレッグフライヤーを分離すると同時に、飛んできた新たなるパーツと合体をするのだった。
その合体した姿は、まるでケンタウロスのようであり、また、騎乗した武神のように見える様相であった。
その姿をミネルバ経由のカメラで確認したシンは、胸中で(や、やばいだろ、これ)と思いながら、自身も惚れ込んでいた機体の真似が出来ることに心が躍っていた。
そのシンの耳に、さらにミネルバから通信が飛び込んできた。
『シン!!特性の斬艦刀があるぞ!』
その単語を聞いた瞬間、シンの中で何かが弾けた。
「ステラ!!」
『うん!』
モニターに映る―どうもG・レッグフライヤーの機首に乗り込んでいるようだ―ステラに声をかけ、その返事を聞き、ミネルバからわたされたそれを握り締めた瞬間、高らかに宣言した。
「我が名はシン、シン・アスカ!!運命を斬り拓く剣也!!」
その叫びに答えるように、インパルスの機体色が黒に統一された。
その姿はまさに黒馬に跨る剣士。
そして、戦場にシンの声が響き渡る。
「我が斬艦刀『EX・エクスカリバー』の一撃、その身で受けよ!!」
従来のエクスカリバーより縦横共に大きいそれを構え、シンは啖呵を切った。
「轟け!!インパルス!!衝撃の如く!!!」
『駆けろガイア!!その名の如く!!』
シンとステラの声が響くと同時に、ガイアインパルスはその身を走らせた。
敵から放たれる攻撃のことごとくをかわし、敵機に肉薄する。
そして、渾身の一撃が振るわれる!
「奥義!!!斬艦刀・一刀両断!!」
ガイアインパルスのスピードを載せたその一撃は、敵機を難なく両断することに成功するのだった。
両断され焔の華となる敵に目を向けながら呟いた。
「我が太刀に断てぬ物無し」
「うん。ステラとシン、最強」
一人感慨にふけていると、聞こえるはずのない声が肉声で耳に入ってきた。
「………え〜と、ステラさん?いつのまにこちらに?」
そう尋ねるシンの声を無視し、ステラは自身のパイロットスーツの止め具を外しながらシンに迫ってきた。
「シン」
「はい?」
「今こそ共にイク時」
「……どこに?!」
「融合合体?」
「ちょ!ま、まて!落ち着け!!」
「大丈夫、一緒に気持ちよ―」
ドス!!
「って、夢落ちかよ!!」
ミネルバの自室のベッドより、頭から落ちた体制でシンは胸に湧く無常感を解消するために叫んだ。
なにか、酷くもったいないような、ほっとするような落ちにシンは首を振りつつもう一度寝なおすことにするのだった。
なお、後日、整備班長のエイブスよりガイアシルエットを申請するかどうか尋ねられたシンが土下座をし、申請しないように頼み込んでいる姿が見られたらしいが、それはまた別のお話。
―後書き―
冒頭でも述べましたが、無事に帰国することが出来たANDYです。
あれです、帰国する時に限って出国審査や金属探知機、荷物のX線検査に引っかかるのは一種の呪い何でしょうか?
日本に帰国したら北がミサイル、などかなりの事件が起きているようでビックリです。
帰国したら、ストライクノワールなるものが販売されているようですね。
まだ購入していないのですが、模型誌等の紹介ではなかなかの良作のようで。
また、ミナ様天も発売していてうれしい限りです。
このままアウトフレームも発売してもらいたいものです。ブラストシルエットや各種ウィザード付きでw
さてさて、今年の夏も暑そうですが、体調には気をつけて皆さんも乗り切りましょう。
今回もレス返しは休ませていただきます。
指摘のあった誤字等は後日修正したいと思います。
では。