「悪い、待たせた」
「いえ。それほど時間は経ってませんので。……随分と重装備ですね。」
「熱烈な歓迎受けるだろうからな。一応この位はやっておきたかったんだよ」
そう答える俺の背中には、以前使った草薙剣や布都御霊剣、他にはハルペーやカリバーン、デュランダル、後ついでにタンキエム。腰には今剣や、ジャモジョヨのクリスなど加護を与える短剣を指した、完全装備の状態である。
「以前には見なかった剣もありますね。」
「こっちの鎌剣は、メデューサの首を刈ったとされるハルペー。再生能力を妨げる効果がある。んで、こっちの剣はカリバーン。アーサー王の選定の剣だ。単純に破壊力が高いからな。後は、聖遺物が入ってるデュランダルに、敵が戦意を失うって逸話があるタンキエム。ついでに、持ち主を傷から守る加護が込められたクリスって所か。」
「……節操がないですね。」
「石橋を叩いて渡ると言ってくれよ。」
つい苦笑してしまう。
「さ、行くか。」
「えぇ。では、行きます。」
リコがそう答えると、扉に書かれた召喚陣が光を放つ。
さて、いよいよ突入だ。
ある英霊?の物語
第9話 迷宮に、潜ってみよう(パート2)
「……大丈夫ですか?」
「……一応は。てか、よく平気だな。リコは。」
「慣れてますから」
ふらふらする頭を揺すって、目眩を取り払う。
何と言うか、エレベーターに何度も乗った後のような、足元の不安定さを感じてしまう。
「慣れ、ね。俺も慣れるかね?」
「後数回は逆召喚をしますので。嫌でも慣れると思いますよ。」
うへ。聞いただけで、目眩がしてくるよ。
「そりゃ、ありがたいことで。で、ここはまだ一階だよな?」
「はい。とりあえず、ここから10階位までは普通に歩くしかありません。それ以降なら、逆召喚で幾らか短縮できます。」
「ふ〜ん。ちなみに、最下層は地下何階?」
「83階です。」
………帰りたくなってきたよ、既に。あはは。
「シロウさん、今からでも帰った方が……」
「いや。絶対に帰らない。」
リコの言葉を途中で遮る。そうだ、この位でくじけてたまるか。
「そういや、リコは準備しなくていいのか?」
「……そうですね。予め呼んでおきましょう。ぽよりん、ネクロノミコン」
その声に応え、スライムと本がリコの傍に現れる。
「あれ?そう言えば、その二つって同時に出せるのか?」
確かゲーム中では同時に出せなくて、微妙に困った記憶があるんだけど。
「今は出せます。前は出せませんでしたけど。」
「その理由は?」
「2人とも出すと、エネルギーを大量に消費するんです。今はマスターがいるので大丈夫ですが。」
なるほど、つまりゲームで使用してたのは、契約以前の状態な訳ね。んで、ゲームである以上そうそうキャラの特性は変化しない、と。
「てか、二人?」
などと思ってると、目の前のスライムが体を震わす。
「ぷるぷるぷる(また会ったな、青年よ。)」
「あ〜、うん。昨日ぶり。ぽよりんで、いいのか?名前。」
「ぷるぷる(それでいい。本来の名前は人では発せないのでな。)」
さいですか……てか、また幻影が見えるし。まぁ、ここまで人格あれば人と見なしても許せる、か?
「ぱらぱら(こんにちは、坊や。こうして話すのは初めてよね?)」
「……で、こっちもなのね。」
「ぱらぱら(あら?どうかした?)」
宙に浮かんだ本がページをめくるたび、声らしきものが頭に響く。あれか?テレパシーってやつか?
「いや。えっと初めまして、でいいか?俺はエミヤ シロウ。お宅は……」
「ぱらぱらぱら(ネクロノミコン、でいいわ。よろしくね、坊や)」
にっこりと黒髪の妖艶な女性が微笑む幻影が見える。う〜ん、どっちも美形か。
と、ネクロノミコンがぽよりんの方へと体を向ける。
「……ぱらぱらぱら(……久しぶりね。昨日はろくに挨拶もしなかったけど、元気にしてたかしら?)」
昨日って……あぁ、イリヤとの模擬戦か。
「ぷるぷる(あぁ。お前も変わりないようだな。安心した)」
男性の顔に笑みが浮かぶ。
「ぱらぱら(安心、ね。貴方の口からそんな言葉が出るなんてね)」
「ぷるぷる(……そうだろうか?)」
女性がからかうように笑うのを見て、男性の顔が少し不機嫌そうになる。
「ぱらぱら(えぇ。ただ、そのむすっとした顔をするのを見ると昔と変わらないって感じるわ)」
「ぷるぷる(人をからかうのは止めてほしいものだな。第一、たかだか千年程度で、そうそう人格が変わるものでもあるまい)」
「ぱらぱら(怒らないでよ。もぅ……本当、そんな所が貴方わしいわね。)」
「って、何でいきなりアダルトムードなトークかましてるんだお前らは!!」
とりあえず、色っぽく微笑むネクロノミコンに突っ込みをかます。
「そもそもどういう関係だお前らは!!?」
「(どうって言われても、ねぇ……坊やはどんな関係だと思うかしら?)」
すっと細い指先で俺の顎を撫でながら、美女は微笑を浮かべて宙から此方を見下ろす。
……落ち着け、俺。これは単なる幻影。相手は本、相手は本……
「(あらあら。硬くなっちゃって……うふふ、お姉さんのことき・き・た・い?)」
だ〜〜〜〜!!!耳元で囁くな、息が!! 息が!!! 何でか感じられるし!!!
「ネクロノミコン。その辺にしてください。」
「(は〜い。マスターのご命令じゃあ、ね。)」
くすくす笑いながら、ネクロノミコンが俺から離れる。
「(……ちなみに、お姉さん、経験豊富よ?そんじょそこらの娼婦なんかメじゃない位、ね♪」
その直前、そんなたわけたことをほざいた挙句、胸を強調するようなポーズで下から見上げてくれましたよ、えぇ。
おまけに服装が肩紐だけで吊るしてあるシースルーってあーた……
……………ごめんなさい、ちらっと奥が見えました。何もつけてなさげでした。
「………(チャキ)」
「どうしたの?イリヤちゃん。突然召喚器出して?」
「いえ……ただ、無性に手入れをしたくなったんです。ふふ、ふふふ……」
「な、何だこのプレッシャーは……オヤシロモードの未亜にも勝るとも劣らない……」
「……お兄ちゃん?どうしてそこで私が出てくるのかな?かな?」
「ち、違う! 違うぞ未亜!! 俺はあくまで比喩として……」
「それでも、そんな風に悪し様に言われると、私悲しくなるんだけどな?な?」
「とか言いながら、ジャスティ取り出すな〜〜!!!」
「「ふふふ、ふふふふふふふふふふ………」」
ゾクリ
「な、何だろう、この悪寒は……」
「(あら、人の体見て悪寒だなんて失礼ね)」
「いや正直眼福でしたけどね!ってそういう事言うと余計に悪寒酷くなるから今は勘弁!!言えば言うほど危機レベルが上がってる気がするから!!」
「(……あら♪面白そうね、それって)」
言って、しなだれかかるように俺に抱きついてくるネクロノミコン。
や〜め〜て〜!!実体無いから、感触味わえないのに、危険度は天井知らずで上がってる気がするから〜〜〜!!!
「(その辺にしておけ。シロウが困っている)」
「(あら?もしかして妬いてる?)」
「(ああ。そういう事は俺だけにして欲しいものだな)」
全身黒尽くめの男性が、真顔でそう言い放つ。
それを聞き、きょとんとするネクロノミコン。
「(……ふふ、ふふふ。あははははは……ごめんね、坊や。そういう事だそうだから。お姉さんの手解きはまた今度ね)」
そう言って、あっさりと俺から離れ、相手をぽよりんへと変えるネクロノミコン。
と、とりあえず、助かった……よな?
「………はぁ〜〜……つ、疲れた……」
「すみません、迷惑を掛けました。」
「いや、そんな気にしなくてもいい。原因は俺にもあるし。」
目線をぽよりん達に向ける。普通に見ると、ただ本がスライムにくっついてるだけ。
しかし後に見える幻影は、豊かな胸を背中に押し付けるようにしながら、にこにこ笑ってる女性と、それを無表情に受け入れる男性の姿。
「…………」
「どうしました?がっくりと肩を落として。」
「いや……俺が知ってるのと大分違うもんでな。」
そもそもこいつら喋らないし。
「で、まじであれって何?」
「………はぁ。その、彼らは言ってみれば私のペルソナです。」
「ペルソナ?」
あの青○金剛とか、アガー○ラームとかの?
「彼らは私が書の精として過ごしてきた際の経験や、知識といったものが集まって作られたものなのです。」
「………あれが、ねぇ……」
にしても、本体とキャラ違い過ぎないか?いくらなんでも。
あぁ、でもペルソナと主人格が違いすぎるってのは、割とあるか。スパロボでよく隠しボスになるクールな奴も、使い魔はやたらとお喋りな鳥だったし。
「けど、リコ的にはいい訳?何かどうみても恋人同士っぽいんだけど」
「もう、長いことああでしたから。今更ですね」
苦笑するリコ。その言葉に俺も苦笑で返してしまう。長いこと、か……年数はミレニアム単位か?
「(行かなくてもいいのか?時間が押しているのだろう?)」
「あ、あぁ。そだな。んじゃ、行くか。」
言われて、急いでいたことを思い出す。いかん、いかん、一連の流れに気を取られすぎだ。
そうして、横並びになりながら俺達は歩き出す。
「で、ここの階段ってどこにあるんだ?見た感じ、それらしいものはないけど?」
周囲の風景は、ちょっと古めかしい図書館といった感じだが、階段などといった地下に下りれそうなものはない。
「一応、封印されている場所ですからね。隠されています。大丈夫です、仕掛けがある場所は知っていますから。」
それなら安心。隠してあるスイッチ探せ、とか言われても俺には盗賊技能なんてないからな。
「(いい加減、離れてくれないか?動きづらい)」
「(私は動きやすいわよ?)」
「(私に乗ってるのだから当たり前だろう……)」
「(いいじゃない。男は頼られて幾らのものでしょう?)」
ネクロノミコンはぽよりんに乗っかりながら、そんなことを話している。
「お前ら、俺が言うのも何だが、もう少し緊張感持てよ」
「(がちがちに固くなっても仕方ないでしょう?坊やこそ、さっきはあんなに固くなってたじゃない。)」
ぐ……確かにその通りなのだが。何か、当分はこのネタでこいつにからかわれそうな気がする。
「(それに、いざとなったらきちんとするわよ。そこら辺は考えてるから安心なさい。)」
「(それは私も約束する。……済まないな、シロウ。無用な心労をかけてしまっているようだ)」
「いや、きちんとやってくれるならいいけどさ……てか、お前も大変だな。」
まだ会ったばかりなのだが、ネクロノミコンはどうも人をからかうのが楽しいと思ってる節がある。
そんなのと長いこといるのだ。根が真面目そうなぽよりんは色々苦労も多いだろう。
「(もう慣れてしまったからな。それに、こう見えて、二人きりの時は意外と純情なところを見せるからな。)」
「(ちょ、ちょっと!!いきなり、何言い出すのよ!!?)」
「そう言えば、前に恋愛小説のラストで、少し涙ぐんでいたそうですね。確か、離れ離れになっていた恋人たちが、ようやく出会えたシーンでしたか?」
「(な、どうしてそれを!!?まさか、あなた!!)」
「(あの時の顔がとても可愛らしかったのでな。そういう一面があることを知っておいて欲しかったので、マスターに話しておいた)」
「(もう!止めてよね。イメージ崩れるから、黙っててって言ったのに!!)」
うん、そう言いながら頬を染めてる辺り、大分イメージ変わってるんだけど。
「(ほら!坊やにも変な風に思われてるみたいじゃない!)」
こちらの様子を見て、そんな風に声を荒くするネクロノミコン。
「(そういう所も含めて、私はお前が好きなのだがな。)」
「(……しれっと真顔で言わないでよ。恥ずかしいわね……)」
ちょっとそっぽを向きながら、さっきより強くぽよりんに抱きつく。何だかんだ言って嬉しいのか?
「それについては同感です。」
「右に同じ。てか、実は結構性格悪いのか?ぽよりん」
「(むぅ……そういうつもりはないのだがな……)」
困った顔を浮かべるぽよりん。
自覚無しなのね。というか、ある意味素直クール?無駄な属性を持ちおって……
「(……む)」
ふと足を止めたぽよりん。
「……どうかしたか?」
「(どうやら、最初の歓迎が来たようだな)」
その声に、俺も周囲の様子を伺う。
確かに、姿は見えないけど、何かに見られてる感じがする。
「数は……」
「(20って所ね。全員で掛かればそんなに時間は掛からないわ)」
言いながら、ぽよりんから離れ身構えるネクロノミコン。と言っても、宙に浮かんでページがめくれてるだけだけど。
「分かるのか?」
「(これでも、実戦経験は山ほど積んでるのよ。それこそ、数えるのも馬鹿らしい位ね)」
心強いお言葉で。
「シロウさん、前衛をお願いしてもいいですか?」
「あぁ。その代わり、戦闘の指示はお願いする。」
「おおまかな指示でいいですか?」
「あぁ。それで十分だ。」
言いながら、両手に使い慣れた双剣を投影する。
そして、書棚の影から姿を現すモンスター達。
構成は、スケルトンと獣人が数体ずつか。後にも前よりは数は少ないけど、何体か出てきてる。囲まれた形だな。
「(影にまだ隠れてる奴もいるから、気をつけて。)」
「了解。それじゃ、行くぞ!!」
まずは一角を崩す。
弾かれたように走り出す。それに合わせてネクロノミコンから一筋の光線が放たれる。
光線が当たり、のけぞる獣人。
走り出した勢いのまま、跳躍してその喉笛に飛び蹴りをかまして、ぶち倒す。
不意に飛び込んできた俺に群がるように動き出すモンスター達。けど遅い。
足蹴にしてる獣人にきっちり止めを刺しておき、とりあえず近場のスケルトンに莫耶を振るう。
流石に骨なのでちょっと手ごたえは硬いが、力技で剣を振り切る。
背骨が絶たれたため、体を構成できず壊れるスケルトン。2匹目っと。
そうして、モンスターの群れの中、ひたすらに俺は剣を振るい続ける。
時折、ネクロノミコンから援護として光線や爆弾が投下され、それを喰らう、あるいはそれに気を取られ隙が出来た奴からどんどんなぎ倒していき、瞬く間にモンスターの数が半分以下に減る。
「リコ!そっちは大丈夫か?」
「問題ありません。」
セットされたアンカーに吹き飛ばされたスケルトンに止めをさして、リコは事も無げに言う。
あちらの方は、ぽよりんがリコの護衛をしながら、隙を見てリコが倒すというパターンのようだ。
「(坊や!後!!)」
「おっと!!」
ネクロノミコンの声に反応し、慌てて後からの剣での攻撃を避ける。
ふと、不意に昔のことを思い出す。
そういえば、前もこんな風に後から刺されそうになったな……
あの時は、今みたいに助けてくれる人なんて居なかった。周り中全部敵だった。
あの時は確か……
「……いい度胸してるな、おい」
あの時と同じように、突き出してきた腕を掴み、顔面に体重を乗せた拳を振るう。
「上等だ。おら、掛かってこいよ。隠れてる奴らも全員出てきな。まとめて相手してやる。」
倒れたそいつの顔面を踏みつけながら、辺りを睨み付けると、ぞろぞろと隠れてた奴が出てくる。こんな所まであの時と一緒かよ。
なら、俺はあの時と同じようにするだけだ。
一度足を上げて、転がってる奴の顔面を躊躇無く全力で踏みつける。
動かなくなったそいつを目にして、びびるそいつ等。この程度でびびるなら、喧嘩売ってくんじゃねぇよ。
「おら、ぼっとしてんじゃねえよ!」
ゆっくりと近づき、がら空きの腹に蹴りをかます。っと、ここだと殴り倒して終了じゃなかったな。
そう思って喉笛に持っていた剣を突き刺す。
「おい、俺はいいからリコ手伝え。」
「(大丈夫なの?結構いるわよ)」
「うるせえな。こんな雑魚1人で十分だ。」
むしろ1人の方がやりやすい。
「(じゃあ、任せたわよ)」
いいからさっさと行け。
頭の中がからっぽになっていく。昔の俺に戻っていく。
「はは、はははははは!さぁ!次にやられたい奴はどいつだ!!?誰が俺をぶっ殺すんだ!!!?」
笑いながら双剣を投擲して、破裂させる。巻き込まれたモンスターの内二匹が頭が無くなった状態になる。
ふと頭を誰かに強打される。
「………痛ぇな、おい。殺すぞ?」
言って、そいつの棒を分捕り、逆にそいつの横っ面をフルスイングする。ゴキリと首が折れる感触。これで何匹目だ?
「ぼっとしてんなぁ!!さっさと次来やがれ!!」
そうして巻き起こる虐殺。
相手が何だろうと気にもせず、武器を、拳を振るい。
相手に何をされようと、気にも留めない。
護るものはなく、守ることもない。ただひたすらに暴力を振るい振るわれる宴。
赤い服を着た奴が俺へと突っ込んできて、目の前で急停止する。
赤くなるそいつの体。何かを放とうとするように体に力が込められる。
「……遅ぇよ、だぼ」
顔面を引っ掴み、地面へと頭から押し倒す。
「じゃあな。お休み」
言って、そいつの腹に腰につけてた短剣を突き刺すと、しばらくぴくぴくと動いた後、そいつは生命活動を止めた。
「次は……何だよ、終わりか。」
辺りを見回すが、もう掛かってくる相手は誰もいない。
リコの方もどうやら全部片付いたようだ。
「シロウさん、大丈夫……じゃなさそうですね。待っていてください、今治します。」
駆け寄ってきたリコがそう言って、治癒の魔法を唱え始める。
「(随分とやられたな……)」
「(様子がちょっと変だったけど、どうかしたの?)」
「別に。死ぬわけでもない。」
「(……坊や?)」
うっせぇな。誰が坊やだ。
「(……シロウ)」
「あ?何だよ?」
ペシ
「………あ?」
頬に軽く痛みが走る。といってもそれ程痛くはなく、その為、頭が一瞬思考を停止する。
「(落ち着け。もう終わっている)」
そう言われ、頭の熱が下がっていく。
「……あ、あぁ。うん、そうだなぁ!!!?」
と同時に痛みが思い出したように体に走る。こっちは物凄い痛みだけど。
「いたたたた……って、何で俺こんな怪我してんだよ。」
「(何でって、そりゃあ避けようとともしないんだもの。当然でしょ?)」
「は?……うぁ、もしかして、俺昔の気分でやってたかも。」
答えながら、地面に腰を下ろす。あ〜、無茶苦茶痛い。
「昔、ですか?」
「うぃ。俺、前は結構喧嘩よくしてたもんで。その時はもう、とりあえずぶっ飛ばす以外何にも考えてなかったからなぁ」
「(危険だな、その行動は。いつ死んでもおかしくないぞ)」
「………前は、別にいつ死んでもよかったからなぁ」
惜しいものなんてなかったし。
マモルモノガナニモナカッタ。ジブンノイノチサエモドウデモヨカッタ。
何でそこまで荒れてたか、いまいち思い出せないけど。
「今は違うぞ。正直死ぬのは勘弁したいし。じゃなきゃ、こんな重装備しないっての」
「(当然でしょ。第一、そんな風に戦われたら一緒にいる方がはらはらするわよ)」
「いや、今回は偶々昔と似た状況があったもんでつい……」
「(つい、で命を落としてしまっても、やり直しは効かないのだぞ。)」
「(今度こんなことあったらその場で殴ってでも止めるからね)」
「はい。どうも済みませんでした」
確かにそうだよな。
前は一人だったからどってことなかったけど、今は違うんだから。
しっかし、こんな色々つけてるのに傷負うって………本当に避ける気無しで戦ってたんだなぁ。ちょっと自己嫌悪。
「(マスターからは何かないの?)」
「いえ。もう反省しているようですし。」
「(その割には何か言いたそうだな)」
「いえ。ただ、貴方の戦い方を見て、ロベリアを思い出しただけです。」
は?ロベリア?
「それってあの暗黒騎士とかって、元の白の主?」
「知っているのですか?」
「まぁ、一応物語に出てきたしね。」
しかし、あいつとかよ……暗に俺ってイカレキャラって言われた気分。
「彼女も自己を省みないで、常に前線で戦っていましたから。」
「その言葉だけ聞くと、まるで正義の味方みたいだな。」
自分を省みず、味方を護るってか。ま、あいつがそんなキャラなわけが……
「実際そうでしたよ?」
「(そう言えば、そうだったな)」
「(可愛い子だったわね)」
おい。ちょっと待て。
「あいつって性格ばしばしに歪んだ、嫌な奴じゃなかったのか?俺が知ってるあいつはそうだったぞ?」
どこをどうやったら、ロベリア=可愛いになるんだ?
「彼女がそうだったと?」
「あぁ。さっき話した物語にそいつも出てくるけど、無茶苦茶ヒス持ちって感じの性格最悪キャラだったぞ。」
「………だとしたら、月日とあの事がそうしたのかもしれませんね。」
痛ましげなリコの顔。
あの事?
何があったんだ?
「おい、一体何が……」
「治りましたよ。」
言われて、体の痛みが消えている事に気付く。
「待てって。まだ話が終わってないぞ。」
「続きは、歩きながらでも出来ます。急がなくてはいけないのでしょう?」
確かにそうだが……
「階段の隠し場所はすぐそこです。さぁ、行きましょう。」
それ以上、続ける気はないとでも言うように、リコは背を向けて歩き出す。
「……一体何があったって言うんだよ」
そう呟いて、俺はリコの後を追った。
「で、何時になったら話すんだ?」
「また、その話ですか?」
「歩きながらでも話せるんじゃなかったのか?」
階段を下りながら俺はリコに問いかける。
先程の会話の後、数回ほど戦闘をし、階段を見つけ降りる、という事を繰り返したのだが、リコは全く話してはくれなかった。
「今はそれよりも、先を急ぐことの方が重要ではないのですか?」
「それは分かってる。ただ、こんな風にすっきりしない状況で、最下層まで行っても満足に戦えるかどうか分からないから、聞いてるんだよ。」
「屁理屈ですね」
「それでも、理屈は理屈だ」
自分でも屁理屈だとは思うが、聞いておかなくてはいけない気がするのだ。
「(………マスターよ。話してもいいのではないか?)」
それまで、頑として黙っていたぽよりんが不意に口を開く。
「ぽよりん……」
「(何もあの事が言えないというのなら、無理に話さなくてもいいだろう。ただ、ロベリアや他の千年前のパーティーの人となり程度なら、話しておいても問題はないはずだ。)」
「(そうね。少なくとも、彼には聞く権利があるんじゃないかしら?どうも、千年前の皆も今回の事に関わってくるみたいだから)」
「ネクロノミコンまで……」
「(シロウもそれでいいな?)」
「……了解した。実際、ルビナスやロベリアも、今回の件で復活するからな。どんな奴だったか位は知っておきたいし。」
「………仕方ありませんね。」
そう言ってリコがその場に腰を下ろす。
「少し長くなります。腰を下ろしてください。」
「あいよ。」
言われて俺も同じように腰を下ろす。
「とりあえず、ここまでくれば逆召喚で、幾らか時間は短縮できます。ただ、この話の分、逆召喚の回数が増えるので覚悟しておいてください。」
くすりと嫌な笑みを浮かべるリコ。くそ、仕返しか?
「まず、何から話しましょうか……」
宙を見上げるリコ。そうだな……
「千年前のパーティーってどんな奴らだったんだ?性格とか、職業とか。」
「では、そこから話しましょう。」
そうして、リコの口からかつてのメサイアパーティーの事が話される。
「まずパーティーは魔術師ミュリエル、王女にして言霊使いアルストロメリア、錬金術師ルビナス、そして暗黒騎士ロベリアの4人で構成されていました。」
「言霊使い?」
そういや、アルストロメリアだけはゲーム中でもどういう技能の持ち主か明かされてなかったな。
「言霊使いとは、魔術師に似て非なるもの。魔術師が魔力を媒体に現象を起こすのに対し、言霊使いは特殊な高速圧縮言語と己の意志力を以って、幾つもの現象を操るものです。」
「何か、凄いなそれ。言ってみれば魔力が無くても、似たような事が出来るってことだろ?」
「えぇ。ですが、言霊使いは魔術師以上に特殊な才能を持ち合わせなければいけません。その為、その術を修めるものはひどく稀なのです。」
「ふ〜ん……ちなみにその才能って?」
「そうですね……まず、圧縮言語が話せる才能です。これは、言ってみれば超絶な早口言葉とでも思ってください。そして、それを大量に言い続ける為の肺活量と言った、二次的な才能。更に、己の中に現象をリアルにイメージできる想像力、といった所ですね」
「想像力?」
「はい。圧縮言語は、直接世界への命令をするための呼び水。魔力といった、二次的なものを介さずに現象を引き起こすのですから、どんな非現実的なものでも、自身の中に現実として起こせるという、強くはっきりとしたイメージがなくてはいけないのです。」
「ん〜、何か極論すると、マシンガントークする頭天然な奴が向いてるって感じだな。」
まさか、そんなことはないだろうけど。
「実際、アルストロメリアは幼いイメージの人でしたよ。パーティー内で一番若かったですし。」
「(そうだな。よく、3時間位意味も無く話を聞かされた)」
前言撤回。
「仮にも王女だろ、そいつ……イメージががらがら崩れる」
いや、あのクレアのご先祖様なんだ、ある意味当然か?
「もしかして、筆不精だったっていうのも?」
「いちいち書くより話すほうが楽そうでした。ただ、その会話が行ったり来たりするので、聞いてるほうはかなり疲れます。」
「(不思議と、憎めない子だったけどね)」
苦笑するネクロノミコン。あんたも振り回されたことがあるんだね、あはは。
「ちなみにやっぱり召喚器は持ってたんだよな?」
「はい。メイシードという召喚器を持っていました。」
言って、ひどく嫌そうな顔をするリコ。
「ど、どうした?そんなひどいもんだったのか?」
「えぇ。ある意味、最悪の召喚器です。本人にとっては、最高のものだったでしょうが」
どんなのだよ、それは……仮にも赤の精がここまで嫌な顔をするものって。
「………どんな召喚器か聞いてもいいか?」
「………きです」
「は?」
「だから、拡声器です」
「覚醒、気?」
字が違う。つか、それって……
「メガホン?」
「はい。ちなみに、全力を出すとオプションでスピーカーも出てきます。」
「そんな夏とか冬に歌を歌うような召喚器壊してしまえ!!!」
「それも物語に出てきたのですか?」
「って歌ってたんかい!!!?」
「はい『あ〜♪終わらな〜い〜、あのな〜つ〜♪い〜つまで〜も〜……』」
「それ以上は歌わなくていい!!!」
くそ!!!よりにもよってあれかよ!!?確かにサバイバルでいたけどさ!!てか、あいつもある意味救世主候補だったのか?
「けど、そこまで最悪だったのか?それって」
確かに傍迷惑なのは間違いないけど、そこまでひどいものとは……
「特性が酷すぎたのです。効果は完全催眠でしたから」
「……えげつねぇ……」
何だよそれ。最強じゃないか。
「ただ、相手が自分の言葉を理解しないといけない、また声が届かなくてはならないという条件はありましたが。」
「つまり、モンスターには効きが悪いってことか?」
「……モンスター相手に使ってくれるならまだマシです!!」
バン!!と床を叩くリコ。
「今でも忘れません!ある夜、皆が寝静まった時、何を考えたのか夜中に召喚器を取り出した挙句、寝言で『ハンバ〜グ〜、山のようなハンバ〜グ〜』などと言ったために、他の全員で夜通しハンバーグを作らされたのですよ!!!しかも辺りには人気も無いような場所だったから、肉を調達するにもそこらの獣を狩って、わざわざ捌くという手間まで!!!」
「(あの時は大変だったな……一晩中ひたすら挽肉を捏ねていた……)」
あぁ、ぽよりんの背中に哀愁が……幻影の着ている黒いコートも微妙に煤けてるし……
「そうして作った挙句、完全催眠の反動で全身筋肉痛で動けなくなっている私たちを尻目に、『夢みたいだ』などとほざいきながら、起きて早々目の前でハンバーグを貪りはじめたんですあの女!!ようやく動けるようになった頃にはもう無くなっていて、血の涙を流したのはあの時くらいです!!!」
「血涙ってあ〜た……」
「目の前で全て食べられたんですよ!!!あんな、あんな極悪非道な、う、うぐ、うぅぅぅ……」
「お、落ち着け!分かったから!!お前の気持ちはよ〜く分かったから!!!」
当時の状況を思い出したのか、ぼろぼろと涙を流すリコ。しかし、ハンバーグでここまで涙を流す赤の書って一体……
「うぐうううううう……ずび〜〜〜〜……すみません、取り乱しました。」
いいけどね、ただ俺のマントで鼻をかまないでくれると嬉しかったかな……
「てか、さっきの反動って何?」
「メイシードの効果による催眠は、効果を受けている最中は身体能力が飛躍的に向上するのですが、それが解けると、反動で全身が泣きたくなるような筋肉痛に見舞われるのです。」
どこのバイオリン持ちだ、アルストロメリア。
「その後……」
「まだあるのか!?」
「はい。その後も似たような事が何度も続いたため、マスターであるルビナスが急遽特製の耳栓を造り、どうにかその騒ぎは収まったのです。」
「特製の耳栓って……」
「ただ、しばらくはロベリアが被害にあっていましたが。」
「何で!!?」
「マスターが耳栓をあげるのを遅くしたので。『あの可哀そうな顔をする所なんか凄く可愛い♪』と」
「……哀れだ」
夜な夜な訳の分からない命令で動かされ、翌朝全身筋肉痛で動けなくなってるロベリアの様が見えるようだ。
「今話しに出てきたから聞くけど、ロベリアってどんな奴だったんだ?」
「そうですね……例えばこんな事がありました。ある町に立ち寄った時です。」
「ほぉほぉ」
「4人で洋服を買いに行った時の事です。他の3人が白や紫の服を買っている中、ロベリアは黒一色の服を買っていました。」
「そういえば、そんな事も言ってたな。自分は黒しか似合わないって」
「はい。他の仲間から勧められたりしたのですが、ロベリアは頑として受け入れませんでした。その夜です。宿屋のある一室で、明かりが点っていました。その部屋をそっと覗くと……」
「覗くと?」
「ロベリアが、真っピンクなミニスカートのゴシックロリータを着て、鏡に映る自分を見つめていました。」
「……………………」
「そして、鏡の前で様々なポージングをし、その後『やっぱり似合わないよね……』と淋しそうに呟くと、着ていた服を捨ててしまったそうです。」
「…………ちなみに、そんなに似合わなかったのか?」
「いえ。ただ本人が自分の体中の傷を気にしていたので、あまり露出の高くない、見た目も地味な服装を一生懸命選んでいただけです。それと身長が高く、スタイルが良かったので、どうしてもそういう格好をするとエロチックさが出てしまい……」
「………それはそれで、ありだと思うのは俺だけか?」
「はい。実際、パーティー内でもそう思われていました。ロベリアはお色気担当でしたから。」
「………また突っ込み所満載な事を……」
「ですが、マスターが『あんな風に打ちひしがれるロベリアが可愛いのよ♪』と。ちなみに、先程の覗いた様子も幻影石で保存用、観賞用、布教用と幾つか保存していました。」
「またお前か、ルビナス……」
つ〜か、聞いてると、ロベリアがどんどん可哀そうに思えてくるぞ。
『貴方がそんな(可哀そうな)役割を演じてくれていたことに、私達(主に私)はいつも感謝していたわ……』
今、ふとそんな言葉が浮かんだぞ、おい。
「てか、そんな風なら人気そこそこあったんじゃないか、ロベリアも?」
「それについては彼女たちのファンクラブについて、語らなくてはなりません」
「そんなものまであったんかい……」
ある意味楽しそうだな、千年前。
「彼女たちのファンクラブはそれぞれ4つの派閥がありました。一つは『ルビナスファンクラブ』、これはまぁ普通のファンクラブですね。行く先々でそこそこ人員が増え、構成員もそこまで熱狂的というわけではありませんでしたが、数は最も多かったです。」
ごめん、さっきの話のせいか、外面に騙されてるって感がしないでもない。どこぞの歌姫の如く。絶対あいつ腹黒だって。
「次が『ミュリエル応援隊』、構成員はルビナスほどでは多くはありませんでしたが、年齢層が最も幅があった派閥です。どうも、息子、あるいは孫の嫁にしたい、という方々が多かったようですので。」
「つまり、庶民的だったと?」
「はい。ミュリエルはパーティー内で最も常識派で、物腰も垢抜けた感じがなかったですから。」
今と大違いだな……
「ここからが、大分毛色が違ってきます。『アルストロメリアLOVEチーム』、ここは人員は他の二つより更に少なかったですが、熱狂的なファンが多く、ハッピ、メガホン、ハチマキ、ブロマイドなどなどグッズが最も多く作られ、また販売されたチームです。行く先での講演会などでは、このチームが主導となって開催を企画していました。ノリは、アイドルのコンサートのようなものでしたが。」
………何か、既に頭が痛くなってきたんだけど。てか、ブロマイド?コンサート?
「まぁ、アルストロメリア本人が、そういうお祭り騒ぎを好む人でしたから。」
「だろうな……で、最後は?」
「最後が『ロベリア親衛隊』、これは構成員が最も少なかったのですが、最も強烈なメンバーで構成されていました。彼らはロベリアを、ある種崇拝していたのですから。」
「崇拝?」
どこの新興宗教だよ。
「彼らは『高貴にして神聖なるロベリア様に、濫りに近づくことを禁ず』として、決して表には出てこず、ひたすら裏で行動を行っていました。そのメンバーは、どれもロベリアに命を助けられたもの達です。」
「命を?」
ちょっと興味深いことが出てきたな。
「はい。ロベリアは自分の故郷が滅ぼされたこともあってか、破滅に脅かされる人を助けるためには、自らの体さえも厭わない戦い方ばかりしてきました。そんなある意味聖女のような行動が彼らの目には、ひどく眩しく見えたのでしょう。」
「…………イメージが、どんどん変わっていく……」
どこまで変わるんだろう。このイメージ。
「そんな彼らでしたから、自分たちが彼女に近づくのは恐れ多いことだと感じたのでしょう。また、それを他の一般の人にも影から指示をしていた為、彼女は自分が周りから嫌われていると思い込んでしまったようです。」
「あほか、そいつら……」
それでロベリアが捻くれたら本末転倒だろうが。
「また、ロベリアが先程言ったお色気担当なイメージで見られ、俗世の欲望に塗れるのを極端に嫌い、そういうイメージをひたすらに潰していったこともあります。時には犯罪とも取れる行動で。」
「………何か、ここまで聞いた時点で、ロベリアが捻くれた原因が分かった気がするぞ。俺。」
そりゃ、周囲に人が近づかないわ、ルビナスにいぢられるわじゃ、捻くれるだろ。普通。
「いえ。それらは前々からありましたが、それが直接的な原因ではありません。そういったこともありましたが、彼女はやはり人を、何より仲間を愛していましたから。」
「じゃあ、一体何が原因なんだよ?」
「………それは………」
「(シロウ、それは聞かない約束だったはずだ)」
ぽよりんがそう言って俺を咎める。
「……そういや、そうだったな。悪ぃ、リコ。」
「いえ……ただこれだけは言わせてください。マスターもミュリエルもアルストロメリアも、決してロベリアを嫌ってはいませんでした。いえ、むしろ好きでした。特にマスターは恐らく仲間の中で一番ロベリアを好きだったと、憧れていたと思います。自分にはない、その心の有り様に」
「…………信じるよ。」
真剣な眼差しのリコの言葉に、嘘はない、と俺は思う。
ただ、それで何となく分かった。きっとルビナスは本人が良かれと思った事で、ロベリアを傷つけてしまい、そして、ロベリアは変わってしまったのだろう。
それが何かは分からない。多分、封印したことではないと思う。
「行くか、リコ。長々と話させて悪かったな」
「いえ。………行きましょう。」
いつかは、リコもその事を話してくれるかもしれない。
ただ、それを聞いた時、いや、今既に。俺はロベリアを倒す気が大分失せてしまっている。
どうすればいいのだろうか?
却って増えた悩みを抱えながら、俺は逆召喚の光に包まれていった。
宝具が更新されました。
ハルペー ランクB
メデューサの首を刈るために、アテナがペルセウスに授けたとされる鎌剣。不死を妨げる効果を持つ。
デュランダル ランクB
聖騎士ローマンがフランク王より賜った聖剣。その柄には、幾つもの聖遺物が埋め込まれており、持ち主の対魔力、耐久力をあげる加護を与える。
タンキエム ランクC
ベトナム伝承に登場する剣。この剣を抜き放つと、敵は戦意を無くし、逃げ帰るとされる。抜かなくとも、ある程度は効果があるが、軽い怯え程度のものである。
ジャモジョヨ王のクリス ランクC
インドネシア民話に登場する短剣。持ち主を武器による傷から守るとされる。ただし、これを盗まれると戦う事が出来なくなる、という逸話もある。
あとがき
で、第9話でした。今回で方向性がほぼ決まったロベリア像。果たして受け入れてもらえるでしょうか?ちなみにこの話を書いている時点で、作者内でロベリアのヒロインランクがやたら上がってますw
今回のお話で主人公ダメージ食らい過ぎじゃないか、と思った方もいると思いますが、主人公の装備はどちらかと言うと対魔術に寄っているので、物理的防御は大河よりちょっと劣るって所です。ゲームやった方なら、防御ゼロでただ殴ってると、気付かないうちにダメージ溜まってる状況が分かって頂けるかと。
次回は10話、今回出番の少なかったイリヤが出張ってきます。どうぞ、お楽しみに。
それではレス返し、行ってみますか。
>ナッシュ様
こちらこそ初めまして。シロウの突っ込みは、何か周りのぶっ飛びに負けそうになってます。頑張れ、主人公w
今回のお話は楽しめましたかね?次回も頑張りますので、よろしく。
>時守 暦様
待っててくれてありがとうございます〜〜〜♪てか、読んでるんですけど、レス返せなくてごめんなさい〜〜w
セルの親分ネタは個人的には結構気に入ってます。というか、放っておくとどんどん暴走するセル……次はどんな暴走するんだろう?
>ふと考えたのですが……
ん〜、多分ですけど、男は世界を作り変える事が出来ないっていうのを、知らなかったのでは?アヴァターでは結局真の救世主は一度も生まれてませんし。
じゃなきゃ、ハーレムルートの時、イムニティは大河が鎧と合体するの絶対止めてますって。
>アレス=アンバー様
楽しんでもらえたっすか♪
セルの剣はその内大きくなりますね。多分クレアがプレゼントでもするんじゃないでしょうか?それも、変な曰く付の奴でも。…・…そうして、またセルの変態度が上がっていく……
素粒子分解からの復活は……しそうだなwそれでなくても変な呪いとか自分にかけて半ゾンビ化しそうだし。
シロウとイリヤの関係は、まだまだ全部は書けませんね。気長に待ってやってください。
それでは、また。
>シヴァやん様
気付いたネタってどれどれなんでしょう?作者が改めて数えてみたら、7つか8つありました。てか、つくづくネタまみれなのね、俺の作品……
レべりオンは使えないですね。多分。
「クレアちゃんの初めては俺のも(ボグシャ)」
あ、気にしないでください。ただ、不穏当な発言しようとした馬鹿を黙らせただけですから。
>カミヤ様
待っててくれる人が居てくれて、とても嬉しいです。
イリヤの黒さに引くんじゃないかと、ちょっと不安でしたが受け入れてもらえてよかったですよ。
彼女が泣きを見るかどうかは、今後の話に期待しててくださいませ。
>くろこげ様
うぃ。増殖するのです。ちなみに、今回でもロベリア親衛隊なる良く分からん奴らが気付いたら出てきてましたw
ハルペーは、今回の話を見て分かるとおり投影できます。ただ、これで守護者戦が楽勝かどうかは……ふっふっふ。
読者の期待を、ある意味裏切り続ける!これぞメイドガイクオリティ!!(ぇ
>陣様
松風……懐かしいなぁ。全部読んでましたよ、あれは。個人的には与四郎が好きだったなぁ。
今回でもシロウ君が、少し昔の事を思い出しましたが、どうでしたか?実は、シロウ君もそれなりにイカレタ人でした。それを本人が覚えてるか、覚えていないかが二人の違いですかね。
守護者戦は次々回って所ですね。次回はイリヤちゃんが大活躍する予定です。
>監獄様
今回も最初はまともっぽい感じでしたけど、どうでしょう?というかどんな突込みがくるか、とても楽しみです(いや、監獄様のレスって凄く楽しいものでw)
しっとマスクは、存在してます。一応番外編でセルが被ってきたんですけど気付かなかったかな?まぁ、タキシード云々の方が、印象強すぎたか……
セルビウムは拳王の方がいい、と友人にも言われたのですが、そうすると洒落抜きに使い始めそうなので、流石に却下しました。殺意の波動使ってる時点で、どうかって気もしますけどねw
桜蘭高校ネタ、気付いてくれましたか。ちなみに、以前シロウが言っていた「いじける先輩」っていうのが、例のキングです。
核心には確かに近づいてますけど、まだまだ隠してることは一杯あるんですよねぇ。はてさて、全部書ききれるかな?
次回も頑張るので、よろしくお願いします。
>南瓜頭様
こちらこそ、初めまして。毎回、こんなくだらないお話を読んでくださって感謝しております。
>ファラリス!?
その通りです。まさか、これに気付くとは……そして、気付いてくる辺り、貴方もTRPG好きですねw
>樹海様
わ〜い、間違えた〜。すみません、ご指摘ありがとうございます。その内、そういう誤字、脱字全部直さないとな……
>イリヤと見せかけ〜
友人とのこれに関する会話で、
「イリヤの普段の状態は(木の本)さくら、キレると(間桐)桜なんだよ。OK?」(作者)
「同じ字なのに、やたらと違うな……」(友人)
てな、会話がなされていたりしましたw
>暇人好人様
えっと、初めましてでOK?
予め大量に突き刺しておくは確かにありですね。ただ、一対一ならいいですけど、多人数戦だと味方巻き込む可能性が……ギャグならありか?
今回もいくつかネタ入れましたけど、幾つ分かったでしょうか?
>鏡夜様
こちらこそ、お初に……(以下略 真似っこ?
語り継がれてるんですよねぇ、主人公世界だと。シロウ君は昔は色々やってたので、勧誘はされたんですけど、辞退したという過去があったり。実は二人とも結構良いとこの生まれです。シロウ君はほとんど実家に寄り付いてませんでしたが。
ネタに気付ききれないのも、ある意味仕方ないかと。とりあえず、やたらと詰め込んでますから。それでも、楽しんでもらえたなら幸いです。
>蒼一様
どうも、こちらこそお久しぶりです。
シリアスは嫌いではないんですけど、気がつくとネタまみれのギャグを書き始めてるんですよねぇ。終盤はシリアスがたっぷりだから今のうちに、ネタ出しまくっておきますw
物語はハッピーエンド。やはり基本でしょう。色々と起こす予定ですけど、最後はハッピーエンドに終わらせるのは約束します。それがどんな結末になるか、最後まで付き合ってもらえれば嬉しいです。それでは。
>蓮葉 零士様
ファラリスの教えは、基本はそうなんですよね。ただ多くの信者はその辺を無視して、己の欲望に忠実たろうとしてるってのも割と事実です。シロウ君の言い方はかなり曲解気味ですが、何も知らない人が見たら、そう取れるって事で。気を悪くしたなら、済みません。
う〜ん、レーヴァテインってそういう逸話もあるのか。どうしよう……個人的には凄く出したいんですけどね……とりあえず参考にはさせていただきます。これからもご意見はどんどん出してくださいね。
>イスピン様
初、でいいですよね(あ〜、レスくれる人が把握しきれない。ある意味嬉しい悲鳴)
全話通して見ると、確かに突っ込みどころ多いでしょうね。ちなみに番外編も読んでいただけたでしょうか?あれは別括りにしてあるので、リンクしてませんが突っ込み所満載ですw
クレアは、最初はヒロイン第一候補だったんですけどね……今はセル君とワンセット状態wちなみに原案というか、初めの構想では主人公は金ぴかに憑依予定だったことも……金ぴかとクレア、う〜ん、ミスマッチw
タキシードは何故か不思議な力、秘めてますからね。てか、バトラーは俺も好きです。個人的にFate2次ではトップクラスのものだと思ってます。
読んでいてくれてるって分かるだけで、十分ですよ。これからも頑張りますので、お付き合いお願いします。
>七誌様
>傭兵科
というか、女っ気がかけらも無い男どもの巣窟?例えロリだろうと、女の子が訪ねてくるなどという事は、彼らにとって、天変地異に等しい出来事なのでしょうw
守護者相手を考えて、シロウ君もハルペー投影しましたけど、それで楽勝になるかどうかは、まだまだ分かりませんね。彼が知っている話とは、大分違ってきてますから。
>なまけもの様
ありがとうございます〜。今回もどうにか2週間で投稿できました〜。
シロウ君の場合、交渉=互いの損得のみの会話って考えがあるので、どうしても好印象云々を軽視しがちな所があったり。ま、言ってみれば、交渉下手ですね。サラリーマンには向いてないw逆にイリヤは感覚で相手がどういう人間か、何となく理解する所があるので、実は上手かったりします。こうして考えると、結構良いペア?
あはは、ソウイウコトをする必要は、必ずしもあるとは言えないですけどね(未亜とイムニティは、そういう事無しで契約してますし)ま、浮気は……どうなんだろう?(仮にもイムニティはヒロイン候補だしな……)
う〜ん、ちょっとネタバレですけど、イリヤの黒い部分は二重人格に近いものがあるんですよね。主人格は白い方です。この辺も終盤で色々明かされてきますので、楽しみにしててください。
>カシス・ユウ・シンクレア様
護りたい人がいる時、人は強くなれるんですよ(といっても、所詮ギャグキャラなんだよな……)
外伝は、とりあえず本編以上に無茶をするのは確定なので、楽しみにしててくださいw
セルとダウニー、彼らがどこに行くかは彼ら次第ですけど、主人公はどちらもどうにかしたいとは考えてます。前者は未亜エンドから、後者は……まだ、秘密ですw
シロウ君は自分の中で、無自覚に蓋をしている部分があるんですよね。それと関係ない、あるいは関係が低いことは思い出せるけど、核心は思い出せないって所です。イリヤは自分の蓋の中にあるものを知っている。けど、それは知っているだけであったり。わ〜い、ちょっとネタバレしすぎか?
色々と楽しみにしていてくださってるみたいで、書くほうも気合が入ります。期待は裏切らないようにしたいですね。
あ、ちなみに、イリヤはもっと甘えますし、セルはどこまでも逝くでしょうねw
>クーロン様
どもども、今回のお話も楽しんでもらえましたでしょうか?
シロウ君は、自分が周囲に及ぼす影響を結構軽視してる所がありますね。あくまで自分はこの話の脇役なんだからって。実際は相当なイレギュラーなんですけど。その辺は、もう少し痛い目見てから修正されるかと。
多分某技は間違いなくやりますね。恐らく破滅との戦いでは、がんがんやりまくるかとwやられる方は、嫌なことこの上ないだろうけどw
八葉は既に考えてあったり。作者もディアスさんは好きでしたからwただ、流石に神移からの連携は無理かなぁと。
このお話のシロウ君は、ホロウはやってませんね。残念ながら。でも体の方は知ってそうだな……いや、流石に聖骸布の投影は……ま、色々考えてみます。
>ひげ様
どうも、お久しぶりです。体調はどうにかなる位には回復したんで、大丈夫です。ご心配おかけしました。
今回も序盤はシリアスでしたけど、どうだったでしょう?後半は、メサイアパーティーがえらい事になってましたけどw
あ、悪霊!!?え、ネタですよね!?元ネタ分からん!!何にせよ、今回も楽しんでいただけたなら、幸いです。
>ミゼル様
どうも、今回はそれほど間を置かず投稿しましたけど、どうだったでしょう?
桜蘭高校ネタは分かりづらいかと思ったんですけど、結構気付いてくれる人が居るもんですねぇwちなみに、作者はこれを妹から借りて読んでます。キングが、良い味出してて好きですねw
イリヤは結構黒いですよ、ただ黒桜とちょっと違うのは、シロウを害するっていう考えが全く無いことですね。
>凛様
こちらこそ、初めまして。
え〜っと、宝具のランクに関してですが、作者としてはあまりAランクの宝具は出したくない、という考えがあります。一応Aランクというのは、その時点で宝具の中で最高峰の部類に入る訳で、そうそう転がってないと思うんですよ。
確かに布都御魂剣の認知度は、日本国内では歴史的に見て高いと思います。ただ、それがAランクに属するほどのものか?というと、少し考えてしまうんですよね。実際草薙剣をAランクにするときも、結構迷いましたし。
じゃあ、何を以ってランク決めるのか、というと、難しいですが「持っている力」+「歴史的に積み重ねられた幻想」で一応、決めています。
布都御魂剣は元々の持っている力はそれほどではないですけど、長年の人々の想いから新たに力が増えていき、Bランクまで昇華した、という考えです。
色々と突っ込みたいところはあると思いますが、とりあえず作者の中ではBランク以上にはしないですね。
長々とつまらない私見でしたが、どうかお気を悪くせず、これからもこの作品を読んでいただきたいと思っています。よろしくお願いします。