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「ある英霊?の物語 第10話(Fate+DUEL SAVIOR)」

柘榴 (2006-10-26 14:41)
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 「汝ら、盟約を完遂せよ」

 「(心得た、マスターよ)」

 「(了解、微塵に砕いてやるわ)」

 リコの声に応える二人の使い魔。

 ぽよりんは、その身を巨大化し、何体ものモンスターをその身の内に取り込み、噛み砕き。

 ネクロノミコンはその身から、巨大な怪物の手を幾数も放ち、モンスターを言葉どおり微塵に砕いていく。

 「派手だよなぁ、やっぱり……」

 で、俺はというと、リコの横に並んで、それを眺めているわけなのだが。

 「シロウさんも、存外派手だと思いますが?」

 「そうかぁ?」

 言って、あぶれたスケルトンへと、黒鍵を矢の代わりにして、黒塗りの弓で打ち出す。

 頭蓋の中心に当たる黒鍵。それは間を置かず火を放ち、スケルトンの体を焼き尽くす。

 同じようにあぶれたスケルトンに黒鍵を打ち込み、土葬式典の餌食にしていく。

 「俺は、地味だと思うぞ?」

 「十分派手ですよ……」

 ふっと苦笑するリコ。

 それに俺は、にやりと笑みを浮かべて返す。

 「ま、何にせよ、これでこの階もあらかた片付いたな」

 「えぇ。この階を終えたら、また逆召喚です。覚悟しておいてください」

 はいはい、了解ですよ。つ〜か、あの召喚直後の、目眩さえ何とかなればなぁ……

 「(マスター、次行くんでしょう?早く行きましょう)」

 「(だから、私の上に乗らず自分で歩いてくれと言っているだろう……)」

 「(この方が楽なのよ)」

 「(お前はそうだろうな……)」

 そういう割りに、ぽよりんは本気でネクロノミコンを下ろそうとしない。

 何だかんだ言って、ラブラブだな。

 で、先を行くぽよりん達の後を追って歩き出したのだが。

 「そういや、ぽよりんって本名は人じゃ話せないって言ってたけど、モンスターは話せるのか?」

 ふと、疑問に思ったので聞いてみる。

 「(厳密に言えば、人でも話せる。)」

 「ん?つまり、ただ単に特殊な言語ってだけか?」

 「(いや、それほど難しい言語ではない。実際、何人かの人間は、私の本名を話していたこともある)」

 何だそりゃ?さっきと矛盾してないか?

 「じゃあ、何で人じゃ発せないなんて言ったんだよ?」

 「(話すにはSUNチェックが必要なのだ)」

 「イアイアハスター!!?」

 そっち方面で無理なのかよ!! そりゃ相方の名前はネクロノミコンだけどさ!!

 「(また懐かしい名前が出たな……)」

 「お前ら旧世界の支配者だったんかい!!」

 「(旧世界って言っても精々数千年前よ?まぁ、あの頃は若かったから、色々と無茶してたってだけよ。それに、そう呼ばれた本体と、私たちはまた違うから)」

 どういうこと?

 「(ん〜、そうねぇ。貴方たち英霊に近い存在って言えばいいかしら?私たちは、大元から分割された魂がそれぞれの世界で、その世界で望まれた形で知識とか、外見とかを移植されて形作られる訳。だから、大本の私と今の私は似て異なる存在なのよ。どこかの世界では、全く違う幼い姿の私もいるそうだから、レスで勘違いした人も全然大丈夫よ♪)」

 と、カメラ目線で答えるネクロノミコン。

 どこ向いて喋ってるんだ、お前。てか、レスって何だ?

 「(私の場合は、ほとんど大元と変わらない姿だがな。色が違う位か)」

 「(そうね。今も這いよってるし。あれ?)」

 ………あはは、あれなの?ぽよりんの大元って?

 「(どこかの世界では、アザ=トゥースがやたらと出没するそうだな)」

 「(らしいわね。確か、ススム君だったかしら?その子と仲良くやってるそうだし)」

 わ〜い、貧血少年もいらっしゃるのね。つか、本当に突っ込み所満載だなおい。

 そんな俺らが今居るのは、地下33階。

 まだまだ先は長いです。


 ある英霊?の物語

 第10話 迷宮に、潜ってみよう(パート3)


 「しっかし、本当に広いな……ここ、本当に地下か?」

 「この世界の全ての歴史が、ここに納められてるそうですからね……」

 何気なく辺りを見渡す大河の言葉に、ベリオが返す。

 「……ぉお!師匠〜、こっちに来てくだされ〜!」

 「お?どうした、カエデ?」

 「これを見てくだされ……」

 そう言って、手にしていた本を見せるカエデ。

 「こ、これは!!?」

 途端、目をくわぁっと開き、本に書かれている文字を凝視する。

 「………全く分からん」

 「……………ライテウス、力を借りるわよ……」

 言いざま、グローブに魔力を集中しはじめるリリィ。

 「ま、待て待て!基本のボケだろうが」

 「状況考えてボケなさいよ!」

 「俺は、少しでも皆にリラックスしてもらおうとだな……」

 「リラックスどころか、無駄な精神力使うだけよ!!」

 と、いつも通りのじゃれあいを始めるリリィと大河。

 彼女は気付いているのだろうか?

 その様子こそが、漫才にしか見えないと言う事に。

 「カエデさん、何が書いてあるの?」

 「いや、拙者にも分からぬので、師匠なら知っているかと……」

 未亜の問いに、あっけらかんと笑いながら話すカエデ。

 同じボケをかます辺り、自称弟子を公言するだけはある。

 「皆さん、もう少し真面目にやってください!イリヤちゃんの事を忘れてるんですか!!」

 ベリオの声が響き、それにはっとして全員の視線がイリヤへと集中する。

 そう、そもそもイリヤが、シロウ達が先にこの地下図書館へと入ったことを知らせたのだ。

 シロウの姿が見えないだけで、泣き喚いていた事はまだ記憶に新しい。

 そんなイリヤの心情を考えれば……

 「大丈夫です。ベリオさん、心配してくれて有難うございます」

 「イリヤちゃん……」

 「皆がリラックスしている方がきっと早く追いつけますし、それに、シロウさんなら大丈夫です。だって、シロウさんは強いですから」

 そう言って、ほんわかと微笑むイリヤの顔に、全員がほっとした顔を浮かべる。

 いや、全員ではない。一人だけ、違った表情を浮かべる者が居た。

 「そうね。ま、大河よりは安心といえば安心ね」

 「どういう意味だ、それは?」

 「あんただと、後先考えずただつっこんで自滅しそうだってことよ」

 「お前が言うかぁ?」

 「だから、二人ともいい加減にしてください!」

 またじゃれあう大河達をベリオは止めに入る。

 「わ、分かってるわよ……」

 「へ〜い」

 流石にばつの悪い表情を見せるリリィと、全然悪気が感じられない大河。

 「さ、早く行きますよ。こうしてる間にも、シロウさん達は先に進んでるんですから」

 そんな委員長の声に、全員がぞろぞろと図書館の奥へと足を進め始める。

 「う〜ん……」

 「どうかしたでござるか?未亜殿」

 「え?あ、うん。何でもないから。気にしないで」

 ぱたぱたと手を振ってそう答える未亜に、はてな顔を浮かべながらも、先頭を歩く大河達に追いつこうと、足を速めるカエデ。

 答えた未亜は、最後方を歩くイリヤにもう一度視線を向ける。

 その顔はいつも通りの笑顔。

 (やっぱり、何か変だよね……)

 いつもと変わらないイリヤの態度、しかし、そこに感じる微妙な違和感と既視感。

 そう。どこかで、あんな顔を見たような気が……

 そう考えるが、いまいち答えが出てこない。

 「……気のせいだよね。多分」

 そのため、未亜は自分の気のせいであると思うことにした。

 (でも、何か気になるんだよな……)

 未亜の考えを知ってか知らずか、イリヤは変わらぬ笑顔を浮かべて後を歩いている。

 「それにしても、シロウもリコも水臭いな。俺達より先に行っちまうなんて」

 「全くよ。第一、導きの書を手にした者が最も救世主に近い存在となるのよ?」

 イリヤの報告を受け、ミュリエル学園長は即座に救世主クラス全員を招集した。

 その際に明かされた事実。それは、この地下図書館に召喚術士の祖が書いたとされる、導きの書が封印されている事。

 そして、その書こそ、神が世界を決めるもののために、ありとあらゆる知識を書き記したとされるものと同じものである事が語られた。

 「ある意味、抜け駆けよね」

 「ん〜、しかし、リコ殿は単に導きの書を召喚陣の修理の為に欲したのではござらぬか?」

 そう。召喚の塔が破壊されたことにより、この世界に呼び出された者たち、言い換えれば救世主クラスの面々は帰る術を無くしてしまったのである。

 ただ、召喚陣を書き直せばいいというものではない。召喚陣は送還陣も兼ねており、それぞれの救世主候補が呼び出された世界と繋がっていたのだが、元が壊されたため、その繋がりが途切れてしまっている状態なのだ。

 そして、それをどうにかするための方法が書には書き記されている、という事なのだが。

 「でも、それだと、リコはどうしてここにそれがあるって知ってたのかしら?学園長の話だと、ここはずっと封印されてたわけですし」

 「リコはよく図書館に行ってたし、司書さんの手伝いとかしてたからそれで偶然見つけたんじゃないか?」

 と、大河の談。しかし、そう言っている大河の顔は少し汗をかいている。流石に書の精云々は話せないらしい。

 「それにしても、よ。何でわざわざ私達を置いていくわけ?」

 「……きっと、皆が好きだからですよ。」

 そう、後から語るイリヤ。

 「リコちゃんは皆が好きで、危ない目に合って欲しくなくて、呼ばなかったんだと思います。シロウさんも、きっと同じ理由です。」

 「そこで、シロウだけが先に行くっていうのが、既におかしいっていってるの。あんな、破滅に味方する奴がいるなんて言ってる奴と……」

 「リリィ」

 それ以上は言うな、と咎めるベリオ。

 「わ、分かってるわよ……けど、淋しいじゃない。仲間だと思ってたのに、そんな風に変に気遣いされると……」

 ふいっとそっぽを向くリリィ。その頭を大河は軽く撫でる。

 「お前、やっぱりいい奴だな〜」

 にししし、と笑う大河。他の面々も似たような微笑ましい顔を浮かべている。

 「な、何よ!!私は救世主クラス筆頭なのよ!!?み、皆を守る義務ってものが……」

 「元、でござるけどな」

 「今は順位も滅茶苦茶ですものね。一位が最下位に負けたりして」

 「リリィもいいとこ三位位だもんね」

 「あんた達〜!!」

 「「「きゃ〜。リリィ(殿)が怒った(でござる)〜」」」

 きゃいのきゃいのと騒ぐ面々。それを、やはりにこにこ笑って見つめるイリヤ。

 と、そのイリヤから不意に声が掛けられる。

 「皆さん、何か居るみたいですよ?」

 その声にそれまで追いかけっこしていた全員が、表情を変え、臨戦態勢に入る。

 「………ようやく、来たって所か」

 「みたいね。大河とカエデは前衛、ベリオは中衛で、いつでも回復魔法掛けれるようにスタンバイしといて」

 声を掛けられた面々が頷くと、即座に召喚器を取り出す。

 「未亜は私と一緒に、後衛から敵の集団を一気に薙ぎ払う。イリヤは……」

 「私も、前に出て……」

 「駄目。あなたの防御力は買うけど、盾にしかならない。あなたは最後衛で、後から来る奴の足止めだけしといて。倒すのは、私達でやるわ」

 現時点でのイリヤの使い道はそれしかない、リリィはそう考え、イリヤの発言を却下する。

 「当たらない砲弾に、意味はないわ。分かったわね?」

 「……分かりました」

 きついようだが、リリィとしてもこれが精一杯の譲歩だ。本来は連れてくるのも避けたかったが、イリヤの熱意に仕方なく連れてきた次第だ。
それならば、少しでも使えるように動いてもらわなくてはならない。

 「ぞろぞろと出てきたな……」

 大河のその言葉通り、つい先程、この場でシロウ達が相手にしていた数の2倍ほどのモンスターが現れる。

 「うっしゃあ!行くぞ、皆!!」

 「「「「了解!!」」」」

 大河の激によって戦闘が開始された。


 遂に始まりました。

 皆がモンスターへと攻撃を仕掛ける中、私は最後方でそれをぼんやりと見つめている。

 本当なら、私も参加しなくてはならない。けど、リリィさんの言うとおり、当たらない砲手に意味はないんですよね。

 その事に、申し訳なさと悔しさを感じる私。

 でも、表の「私」は違う。

 これで、私は傷を負うことなく、シロウさんの元に近づける。

 あの人たちが傷を負おうが、死に掛けようが、私には関係ない。

 そう考えている「私」。

 だから今も、笑ってそれを見ていられる。

 「くぉのおおおおお!!」

 「雷神!!」

 大河さんが斧を振るい、カエデさんが上空から一直線に敵に落ちてくる。

 「シルフィス!!」

 「ジャスティ!!力を!!!」

 「パルス・ロア!!」

 皆が皆、モンスターを必死に薙ぎ倒す。

 それが滑稽に見えて仕方ない。

 だって、シロウさんは追いついて来る事なんて望んでないのに。

 それなのに、少しでも早く追いつこうとしている。

 第一、救世主だってリリィさんが何だかんだ言ってたけど、なる人は決まってるんだ。

 シロウさんがそう言ってたんだから。

 だから、彼らの努力は無駄でしかない。

 これは私が単にシロウさんに追いつきたいから、皆を使っているだけ。

 あぁ、可笑しい。あんなにも一生懸命になって。

 「私」の考えがずっと頭の中に響く。

 凄く、イライラする。こんな私が物凄く嫌になる。

 なのに、止められない。だって、私の願いと「私」の願いは一緒なんだから。

 言えない私、出来ない私。でも、「私」はそれが言える、出来る。

 だから、止められない。「私」が表に出てきたのがその証拠。

 そんな事を考えている内に、戦闘が終わる。

 皆が全部のモンスターを片付けてしまったみたいだ。

 結局、私は何にもしなかった。

 今回は、偶々そうだったんだ。そう考えるのに。

 この次も、精々頑張って露払いになってね。

 「私」はそんな風に考えてる。

 あぁ、嫌だ。凄く嫌だ。

 早く、シロウさんの所に行きたい。そうすれば、「私」も奥に引っ込んでくれる。

 そう考えながら、リリスを消す。

 その瞬間、不意に誰かに押し倒される。

 誰?

 頭の中が真っ白になる「私」。

 ふと見上げれば、それは一本の棒を持ったモンスター。どうやら、隠れていたらしい。

 「私」の中に、痛みが走る。頭を打ったみたい。

 「私」が蓋をしていた思い出が頭を走る。

 駄目、思い出しちゃいけない。

 暗い、暗い闇の中。

 荒くて、■い息。

 無遠慮に■をまさ■る手。

 気■ち悪■声。■■ち悪い体■。

 駄目、駄目駄目。

 思いながら、リリスを取り出し、モンスターの頭を打ち抜く。この距離なら、幾らなんでも外さない。

 けど、それがいけなかった。

 倒れるモンスター。それが、更に蓋を開けてしまう。

 ■がっていた何かを■む。

 そ■をやたらめ■たら振■回す。

 一瞬■きを止めるそい■の腹の下から■け出し、もっともっともっと。

 何度も何度も何度も、そ■を■いつの■に振り■ろす。

 ■かなく■るそいつ、でも■は止ま■ない。

 ■度も何度も何■も■度も何度■何度も。

 ぐしゃり。■が潰れる音。

 ぐし■り。頭が潰■る音。

 ベキ。■が折れる■。

 ぐしゃり、ぐしゃりぐ■ゃり■しゃり、ぐしゃりぐしゃりぐしゃりぐ■ゃりぐしゃ■ぐ■ゃり■■ゃりぐ■■■■■■■■■■■■■■■…………

 ■がそれを真っ■に染■る。手が、■り締め■痛み■痺れ■くる。

 荒■息。鳴り■まない■動。

 それは、いつまでも、いつまでも終わらない、■■の■。

 気がついたとき、そこには、血に塗れたそれと、動かなくなった■■しかなかった……

 「や、やぁ………嫌ぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 そして、「私」はあの時と同じ絶叫をあげた。


 それは、本当に突然だった。

 周りのモンスター達を全て倒し、ほっとしていた大河達の耳に絶叫が響く。

 「や、やぁ………嫌ぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 その声と同時に、吹き荒れる突風。

 「な、何だぁ!!?」

 まだ、武装を解除していなかったのが幸いだったのだろう。

 両手を盾にして、風から顔面を守るようにした大河の腕が風で切り裂かれる。

 「な、何だよこれ!!?」

 「きゃああああ!!」

 「未亜!?」

 自分へと吹き飛ばされてくる未亜の体を、大河は慌てて受け止める。

 「大丈夫か!?」

 「う、うん、ありがとうお兄ちゃん……」

 未亜の方はただ風の勢いで吹き飛ばされただけらしく、大した怪我は無い。

 それにほっとしながら、大河は他の面々に視線を向ける。

 「皆、大丈夫か!!?」

 「せ、拙者は大丈夫でござる!」

 風を避けるように地面に伏しながら応えるカエデ。

 「リリィ!!」

 「私も大丈夫!今、そっちに行く!!」

 少し離れた場所でリリィも魔力による障壁を張りながら、大河の方へと、ゆっくりと近づいている。

 「良し!ベリオ、全員でそっちに向かうから、集まったら障へうぉわぁ!!」

 目の前に突然飛んできた本を慌てて避ける。見ると、幾つかの本棚が風の勢いで倒されてしまっている。

 「ベリオ!障壁張って、動かないでくれ!!未亜、行くぞ!!」

 「う、うん!!」

 その声に応えながら、大河に引かれながらベリオの元へと向かう未亜。

 「っく……大河くん、早く入って!!」

 「おぉ……ふぅ〜、助かった〜」

 「ベリオさん、大丈夫ですか?」

 「……あんまり長時間は無理だと思います。」

 そう話すベリオの顔に汗がにじむ。相当に疲れるのだろう。

 「カエデさんとリリィが来たみたいです。一瞬開けますから、気をつけて……」

 「おう。」

 答え、ベリオと未亜を後から支える大河。

 解かれる障壁。それまで防がれてきた突風が大河達を襲う。

 「くぅ……急げ、二人とも!!」

 「わ、かってるわ、よ!!」

 「くぅぅぅぅ……」

 二人が、障壁の範囲内に入った事を確かめると、ベリオはすぐさま再度障壁を張りなおす。

 「ふぅ〜〜……いやはや、驚いたでござる」

 「同感……で、何がどうなってるんだ?」

 「原因はあれよ」

 リリィの指し示す方向に視線を向けると、そこには白い何かを噴出しながら、大声で叫ぶイリヤの姿。

 「違う!違う違う違う違う違う違う!!!!!!」

 彼女の声に呼応するように、白いオーラのようなそれはより一層噴出し、室内の空気はやたらめったらかき回される。

 「あの子の魔力で、この部屋一帯のマナがかき回されてるのよ」

 「つーことは、イリヤちゃんを止めればいい訳か?」

 「……出来るなら、ね」

 言って、ライテウスをイリヤの方に向けるリリィ。

 「お、おい、リリィ?」

 「ちょっと黙ってて。ベリオ、障壁全開で張っててよ」

 「わ、かりました……」

 「はぁああああああああ!!!」

 ライテウスから魔力が立ち込める。

 ライテウスの特性、それは周囲のマナ操作。

 その力を全開にして、吹き荒れる突風を抑えようと、リリィが力を込める。

 「くぅ……嘘でしょ……?抑え、られない……」

 ベリオの元へ来る前も、障壁を張りながら試みてみたが、抑えられなかった。

 全力でやればあるいは、と思っていたが、どうやら考えが甘かったらしい。

 (普通、逆でしょ!!)

 リリィが心のうちで毒づく。

 今、現状で起きていることは魔術師にとって、普通は考えられないことだ。

 魔術師の魔力とは、すなわち己が取り込めるマナの量だ。

 それ自体は操れないマナを、己が内に取り込み、自分が操作しやすいように変化させて操るのが魔術。

 確かに、上級の魔術師、例えばミュリエルなどは魔力の高さゆえそれが周囲のマナさえ巻き込み、強大な威力の魔術として行使されるが、それとて自身の魔力と同量程度のマナでしかない。

 まして、ライテウスは召喚器。そのマナ操作の特性は如何に高位の魔術師でも、競い合うということが無理なはず。

 にもかかわらず、今現在、この空間のマナの支配権はイリヤが握っている。

 こんな状況では、イリヤを止めに入ろうにも、周囲のマナに邪魔されて近づくことすら出来ないのがオチだ。

 「どういう、魔力なのよ……」

 ふと、そこで一つの疑問が湧く。

 これは、本当に魔力なのか?

 いや、魔力には違いないはずだろう。ただ、これだけの量の魔力を放出すれば、幾ら何でもすぐに空になってしまうはずだ。

 (もしかして……これが、根源の力?)

 リコが何時だか言っていた事。救世主の本質は、根源の力を操ること。

 もし、これがそうだとするなら、召喚器から汲み上げた根源の力を魔力へと変換し放出しているのなら、自分が押し負けているのも理解できる。

 (……待ちなさいよ。つまり、あの子の方が私より救世主に近いって事?)

 見るからに錯乱した、そんな状況で使っているにも関わらず、これほどまでの圧倒的な力を発揮し、自分の全力さえも押し返す。

 それすなわち、イリヤの方が、救世主としての素質を秘めているという事。

 「冗談、じゃない……私は、リリィ=シアフィールド!魔術師ミュリエル=シアフィールドの娘、お義母様の技を受け継ぎ、救世主に最も近い存在!!」

 自らを鼓舞するように、リリィが声を張り上げる。

 「ぽっと出のあんたなんかに、負けてたまるも」

 「うりゃ」

 ベシ

 そのままの勢いでプッツンしそうなリリィの頭を、大河が小突く。

 「何時からお前が、一番救世主に近い存在になった?」

 「お、お兄ちゃん、今はそういう事を言ってる場合じゃないと思うんだけど……」

 未亜の顔に、一筋の汗が浮かぶ。

 「わ、私も、同感です……結構、一杯一杯なんですけど……」

 ベリオも汗をだらだら流しながら、突っ込みを入れる。現時点で一番頑張ってるのは、間違いなく彼女だ。

 「何を言う!?最も救世主に近いのは、この俺、当真 大河様だぞ!!」

 「そんなくだらない事言うために、あんたは……」

 大げさに胸を反らす大河に、魔力弾の一つでも叩き込もうかとリリィが考えていると、大河が言葉を続ける。

 「それに、目的が違うだろうが。今は力比べの時間じゃない、今しなきゃならないのは?」

 「……へ?」

 そう言われ、当初の目的を思い出すリリィ。

 「………シロウ達に追いつく事」

 「そう。んで、その為にイリヤちゃんを早く大人しくさせなきゃいかんって事。目的を履き違えるな」

 上出来とばかりに、リリィの頭を撫でる大河。

 「お前一人じゃきついんだったら、俺達も力を貸す。その為のチームだろう?」

 リリィとベリオの肩に手を置きながら、大河が明るくそう言うと、二人の体に力が流れ込んでくる。

 「だから、一人で無理するな。お前らがしんどい時は、俺が後から支えてやる。何時だってな」

 「……大河……」

 「……大河くん……」

 「ま、何と言っても俺は未来の救世主様だからな!」

 おちゃらける大河に苦笑を浮かべ、二人は再度イリヤに視線を向ける。

 マナの暴走はより一層強くなっているが、先程よりもずっと体が、何より心が楽になっている。

 「なら、精々力を寄こしなさい、大河。あんたのちっぽけな力でも、足しにはなるわ」

 「くっ、相変わらず、素直じゃない奴め…あぁ、そうそう。一つお前の言葉に抜けてる言葉があったぞ?」

 「何よ?」

 「救世主に最も近い大河様にべた惚れな、魔術師リリィ=シアフィールドって」

 「……馬鹿」

 ぷいっと顔を背けるリリィ。その顔は大河からは見えないが、真っ赤になっていることはばればれだ。

 「さぁ!行くわよ、大河!!」

 「おぉ!!ベリオも頼んだぞ!!」

 「はい!!」

 力強く返事をするベリオ。そして、再度三人は吹き荒れるマナへと立ち向かうのだった。

 「………どうでもいいでござるが、拙者たち置いてけぼりでござるな」

 「………作者の陰謀かな?」

 そんな二人の発言は無視したい。


 (全く……何が、べた惚れよ…………確かに、そうだけどさ。)

 内心で、大河の言葉を肯定するリリィ。

 (仕方ないじゃない、気がついたら、あの馬鹿でスケベで鈍感で、節操なしでちゃらんぽらんで、優しくて強くて暖かくて、そんなあいつに惚れちゃったんだから)

 何時から、とか、何が、とかは分からない。しかし、気がついたら、どうしようもなく好きになってしまったんだから。

 触れられてる肩から、体温と一緒に、力が流れてくるのを感じる。それにまるで大河の想いまで一緒に流れてきているように感じてしまう。

 (背中預けられるって、こんなに心強いものなんだ……)

 『それは、貴方が背を預ける人が貴方にとって、最も愛する人だからです』

 不意にリリィの頭の中に響く声。

 (あなた……もしかして。)

 『お久しぶりです、リリィ、我が主。こうして言葉を交わすのは、何年振りでしょう』

 そう。ずっと昔。義母に内緒で、地下室に入ったとき見つけたお友達。

 (ライテウス……)

 『はい。やっと、声が届いたのですね』

 (どうして……)

 『誰かに力を借りる、誰かと共にある。その素直な気持ちが声を届かせてくれたのでしょう』

 言われて、自分がどこか意固地になっていたのに気付く。昔はもっと、どんなことにも素直に耳を傾けられていた。

 (じゃあ、ずっと、私に?)

 『はい。貴方の声は聞こえるのに、私の声は届かない。それは少し寂しいものでした』

 (……ごめんね、ライテウス。)

 力を借りるだの、何だの言っていたけど、それをどこか当たり前に感じていた。ライテウスは自分の道具だと、そんな風に感じていた。

 『貴方が望むなら、私は幾らでも力を貸します。それが、私の使命なのですから』

 (……ありがとう、ライテウス。後で、一杯話をしましょうね。今まで話せなかった分、何年分も)

 『はい。……さぁ、リリィ。言ってください、貴方の望みを。』

 (力を貸して。貴方の持っている力の全てを)

 『承りました、我が主よ』

 その言葉と共に、ライテウスから莫大な力が流れ込んでくる。それは今まで受けていた補助とはうって違う、人の身では考えられないような力。

 (これが、召喚器の本質……根源の力)

 得も言われぬような高揚感。それと同じ力が、大河からも流れてくる。

 (行ける……これなら)

 集まる力を、マナ操作に全て向ける。向こうが根源の力を使おうが、こっちは自分とライテウス、そして大河の三人がかりだ。負けるはずがない。

 (さっさと押さえて、正気に戻ってもらうからね、イリヤ!)

 不敵な笑みを浮かべて、リリィはイリヤを見つめるのだった。


 (ふふ……大河くんらしいですね)

 まさかあの場面で、あんな風にリリィを宥めるとは考え付かなかった。

 (リリィも、顔真っ赤にして……あれじゃあ、態度で丸わかりですよ。)

 何だかんだ言って、リリィは大河くんが大好きでたまらないのだ。

 (私も、そうなんですけどね……)

 大河くんだけが気付いてくれた。もう一人の私に。

 そして受け入れてくれた。

 (きっかけは、多分それなんだと思う……)

 今までずっと、申し訳ない気持ちだけで一杯だった。

 自分は罪深い存在で、その贖罪の為だけに生きていこう、そう思っていた。

 この世界に来て、救世主としての資質を見出され、仲間が出来ていっても、その想いが消えなかった。

 (でも、今は違う)

 流れてくる力と共に、大河くんの気持ちの気持ちも流れてくる。

 (私は、一人じゃない。一人で、抱え込まなくてもいい)

 愛する人にそう想ってもらえる、何て幸せなんだろうか。

 この幸せを失いたくない、自分と同じように大河くんを愛する人たちと歩んで生きたい。

 だから……

 (力を貸して、ユーフォニア)

 『それで良い。自己犠牲の心は確かに美しい。が、それは残される者たちの想いを無視することにもなる』

 頭の中に響く声。

 『存分に振るうが良い。私の力は、常にお前と共にある』

 (ありがとう、ユーフォニア)

 流れてくる二つの力に感謝しながら、障壁を張る力を強める。

 「……綺麗……」

 「ベリオ、その羽……」

 大河くん達の声に、視線を背中に向ける。そこには、金色の光の羽が見えた。

 (これって……)

 『案ずるな、これが真の私の力。お前はただ、力を振るうことを考えればいい。皆と共に在る為の護る力を』

 (……はい!)

 その言葉に顔をほころばせ、私は力を振るう。

 この羽は、皆と共に生きるための、自分を責め続けたあの暗い闇から飛び立つための、翼なのだから。


 「私は、私は……嫌、嫌嫌嫌、嫌あああああああぁぁぁぁぁぁ……」

 「私」の泣き叫ぶ声がただ響く。

 やっぱり、壊れてしまった。

 あれは「私」にとって、見てはいけないパンドラの箱。

 中にいる筈の希望は、ただ私というもう一人の自分を創る逃避でしかなかった。

 シロウさん。

 シロウさん。

 もう、無理なんです。

 私じゃ、「私」を止められない。

 「私」は私に変われない。

 貴方が居ないと。

 「助けて、助けてよぉ………シロウさん、シロウさん……」

 「私」が泣きじゃくる。シロウさんを求めて泣きじゃくる。■■■■■を求めて泣きじゃくる。

 「もう、嫌だよ……守って、私を守って……■■■■■しかいないの。■■■■■しか側に居て欲しくないの。■■■■■にしか、触られたくないの……」

 『………辛い?』

 不意に「私」に問いかける声。

 この世界に来るとき、聞いた声。

 「辛いよぉ……■■■■■、■■■■■………」

 『……うん、分かった。なら、少しだけ、眠ってて……』

 地面に顔をこすりつけ、嗚咽する「私」に、それはそっと優しく語り掛ける。

 『目が覚めたら、■■■■■に会えるから……』

 「………本当に?」

 『うん……だから、少しだけ眠っていよう。大丈夫、怖い夢なんか見ない。■■■■■が夢の中で守ってくれるから……』

 「………あぁ………」

 その言葉に心を奪われ、「私」は意識を手放す。

 『……ごめんね、少しだけ体を借りるね……』

 それが私に謝ってくる。

 (うぅん、いいの……私には、見てることしか出来ないから)

 『………出来ないじゃないよ。』

 (………うん、分かってる。)

 やらないだけなのだ。

 (でも、今はその勇気が無いから。)

 私も「私」と同じ。シロウさんが居ないと、何も出来ない。

 (………ねぇ、リリス)

 『………何?』

 (どうして、私に力を貸してくれるの?)

 『………私も、言えなかったから、かな』

 (何を?)

 『………ありがとう、と、ごめんなさい』

 そう言って、リリスは淋しげに笑った。


 おまけ


 「3」

 「2」

 「1」

 「どっか〜〜〜ん!!」

 「皆〜、なぜなにアヴァターの時間だよ〜〜♪」

 「……」

 「?どうしたの、説明のお兄さん、そんな苦虫噛み潰したような顔して?」

 「誰が説明のお兄さんだ、というか、その格好は何だ?」

 「あ、皆〜、元気〜。皆の(おっきい)お友達、犬ミミイリヤだよ〜〜♪」

 「さらっとスルーかよ……てか、カッコ内消せ。むしろ読者の方が大きいお友達だ」

 「シロウさ、もとい、お兄さん駄目だよ〜。そんな作者自身のセルフ突っ込みみたいな発言は」

 「書いてる本人が、ダメージ受けてるから問題ない。いい歳して、きらりんレボリューションって、面白くない?とか思ってるんだから」

 「わ〜い、作者M属性なんだね。むしろ、身体はネタで出来ている〜、って人なのかな?」

 「さらっと毒を吐くな。本編の黒モード引きずってるぞ」

 「は!?いけないけない、私は皆のお友達、清楚で可憐で、合言葉はわふぅ、なマスコットキャラ、犬ミミイリヤちゃんなんだから」

 「自分で言うな、自分で。……さて、今回急遽追加された、このおまけ『なぜなにアヴァター』は作者が本編で上手く書ききれなかった独自設定について説明する場だ」

 「は〜い、おにいさん。今回の独自設定って何ですか?」

 「あぁ、魔力についての説明だな。こういう説明は、だらだら地の文で書いているとうざったくなるだろうという事で、会話形式で説明しようというわけだ」

 「(本編読み込み中……)うん、読みづらいね。お兄さん」

 「作者も気にしてるんだから、許してやれ。さて、本編中、魔力に関しての説明があったが、これはマナを水と考えてもらえば分かりやすいだろう」

 「水?」

 「そう、ここに用意したこの無色透明な水、これがマナだ」

 「ふむふむ。それで、魔力っていうのは?」

 「うん。これをまずコップに移し変える。このコップの大きさが、作者の言っている魔力量だな。で、これにこぅ、絵の具をちょっと垂らし……かき混ぜる……」

 「水が赤くなったね。」

 「これが、個々人が使う魔力、ということになる。今回は赤を使ったが、あくまで例えであり、その色、というか性質は人それぞれだということを忘れないように」

 「は〜い(ぴこぴこ)」

 「うん、いい子だ(ナデナデ)」

 「わふぅ♪」

 十分ほどナデナデタイムに入ります。少々お待ちください………

 「……随分長く撫でてしまったな」

 「本編ではご無沙汰だったんで、凄く幸せです。やっぱり、■■■■■はてくにしゃんです♪」

 「はい、さらっと爆弾発言と伏字使わない。で、魔術とは先程作ったこの水をこう……(だばだば)流す行為を差す」

 「はい、お兄さん!」

 「ん、何だ?」

 「シロウさんやイリヤちゃんの魔術回路は、どう説明するんですか?」

 「ん、いい質問だ(ナデナデ)」

 「わふぅ〜(パタパタ)」

 二十分ほどナデナデタイムに……

 「………で、話を戻すが」

 「ふわぁぁ〜〜〜〜〜(トリップ中)」

 「………向こうは放って置いて、魔術回路とは作者見解として、少量の水でも十分な魔術としての働きをするための、圧縮放出機だと考えている。別な言い方をすればゴムホースの口を押さえているといえばいいだろう。これなら汚れを水で流すとき、水が少なくてもどうにかなるだろう?」

 「………あふぅ……(ぽっ)」

 「…………無視無視。で、シロウ達型月世界の人間がどうしてこういった魔術回路を作るに至ったかは、型月世界はマナが他の世界に比べ、圧倒的に薄かったんだろう。そのため、他の世界は魔力を増やすのに、わざわざ面倒な装置を体の中に作ったりせず、容器を大きくする方を選び、型月世界は少ない中でやりくりするために、命がけの装置を作るほうへと向けられていったというわけだな」

 「…………あ、駄目……そこは……」

 「いい加減に戻ってこんかい!!(スパーン)」

 「はぅぅぅぅぅぅぅ……い、痛いですよ、お兄さん〜。初めてがSMプレイなんて〜〜」

 「……約束された……(エクス……)」

 「お兄さん!それじゃあ、途中にあったマナを操る云々はどういう理由なんですか!!?」

 「…………まぁ、いいだろう。その説明をするには場所を変えなくちゃいけない。というわけで、移動だ」

 「は〜い、それじゃあCM!チャンネルはそのままでね!!」


 閑話休題(それからどした?)


 「で、ここは大浴場だ。マナ操作に関してはここで説明しよう」

 「は〜い(スク水犬ミミイリヤ)」

 「………………………何のつもりだ?」

 「読者サービスです♪」

 「………(頭遺体、もとい痛い……)で、マナ操作に移るわけだが」

 「さらっとスルーしましたね。」

 「これ以上突っ込むと血管切れそうだからな。まず、ここに先程の説明にも使ったコップがある。」

 「赤い水が入ってますね。」

 「で、これをこの大浴場の浴室に流すと……まぁ、大して色は付かんな。」

 「量が少なすぎますもんね」

 「では、今度はこのバケツ一杯に作った色水を流すと……」

 「あ、ちょっと全体が赤くなりました。ちょっぴりですけど。」

 「これが、高位の魔術師がマナに及ぼす作用というわけだ。厳密にはもっと色々あるわけだが、簡単に説明するとこうなる。」

 「なるほど、高い魔力はマナに影響を与えるってこういうことなんですね」

 「そう、んで、ライテウスについて説明すると、この浴室に直に絵の具を流し込む行為と言えるな。」

 「確かにそれだと色が付きやすいですね、わざわざ一度水に溶かさなくていいんですから」

 「そ。ちなみに、本編でリリィとイリヤが拮抗というか、イリヤが勝っていたシーンだが……」

 「作中では根源の力って書いてましたけど、どういうことですか?」

 「作者の中では、根源の力=何にでもなるものという扱いになってる。それをイリヤは魔力、まぁ色水に大量に変換し、それをどばどば浴室に流し込んでいた、というわけだな。」

 「どうして魔力だったんでしょう?」

 「体が一番使いやすく、かつ根源により近い方向に持っていったんだろう。ちなみに大河は魔力なんて持ってないし、使い方も分からんから、汲み上げたとしても、筋力や耐久力に全部持っていかれるだろうな」

 「へぇ〜〜。勉強になりました。」

 「うん。この説明で、読者の皆さんも納得してくれることを切に願っている。それでは、長くなったが、今回の説明『なぜなにアヴァター』を終了する」

 「皆〜、まったね〜〜〜」

 「………………」

 「………………………………」

 「………………………………………………で、何でまだカメラ回ってるんだ?」

 「えっと、これで終了だと、オチが弱いので………(いそいそ)」

 「何を用意している?」

 「大浴場なんですし………………折角だから、背中、流すね?」

 「そのネタ引っ張ってくるんかい!!元ネタ作者分からんだろうが!!!てか、何時の間にか、俺全裸だし!!?」

 「ね……」

 「や、止めろ!頼むから止めろ!!俺の理性の為にも!!!」

 「どうして、すずを避けるの……?」

 「そこでいらんボケをかますな!!」

 「む〜〜〜〜………えい(マウントポジション)」

 「な!?くそ!!抜けない!!何で!!?」

 「うふふふ、じゃ〜ん(リリス取り出し)。根源の力って筋力にも回せるんですよね?」

 「何で自在に操ってるんだお前は!!?」

 「おまけですから♪うふふ、さぁ、綺麗にしましょうねぇ。……その後、汚しちゃってもいいですよ(ぽそり)」

 「やめ!うぁ!む、胸!!?くぁ!ぷにって!!ぷにって!!!あ、やめ、そこ!あぁあああああああああああああああ!!!!!!!」


 その後、彼がどうなったか知るものはいない。


 あとがき

 あれぇ〜?イリヤメインだったはずなのになぁ……気がつけば、リリィやらベリオが出張ってる……何で?

 というわけで、第10話でした。すみません、今回の尻切れトンボなので、次回も続きます。

 ちなみに、今回遅くなった理由ですが、引越しやら、転職やら、ネット環境がいかれるやらと、色々な事が重なりまして、えぇ。

 ぶっちゃけ、今回の投稿も友人に頼んで送ってもらってたりします。あっひゃっひゃ(笑う所か?)

 で、そんな状況だった中、何故かパソゲー借りてやってました。すんません。

 ちなみに借りたのはプルトップのプリンセスワルツやらゆのはなやら。凄いね、プリンセスワルツ。まるでお姫様版Fat(げふんげふん

 いや、面白かったんですよ。ルンルンとかいい味出してるし。アンジェラとか清白とかの戦い方は非常に作者好みだし。ただ、最初の印象はどうしても、ねぇ……

 次回は、イリヤの暴走の続きと、カエデ、未亜の視点ってとこですかね。

 あ、ちなみに、今回ベリオが翼生えましたけど、あれは特性と召喚器の元になった人に関係してます。つか、全部の召喚器にあ〜だこ〜だ特性考えてるんだから、暇人だよなぁ、俺……。

 とりあえず、この図書館編は後3、4話って所ですね。

 早いうちに次回投稿しようとは思ってるんで、(予定は未定ですけど)どぞよろしく。


 ほんでは、レス返し。逝ってみよ〜〜。


 

 >カミヤ様

 え〜、作者の書くロベリアは本編とはかなり違うキャラなので、その辺はご容赦くださいw伏線は、今後どうにか回収していくので、お付き合いくださいませ。


 >シヴァやん様

 あ〜、作者も本編では盾代わりにしか使ってなかったんでwまぁ、使い勝手微妙でしたからねぇ。コンボにもあんまり組み込めないし。
>ロベリアルート
え?狙わない方が無理なんですけど。作者内だとw


 >突発感想人ぴええる様

 ども、こちらこそはじめまして。
 アルストロメリア、気に入ってもらえたみたいっすね。俺の場合、キャラをどこか壊さないと気が済まない人間みたいなんで、その辺で好き好き出てくるよな、と思ったりするんですけど、受け入れられて安心しました。


 >九重様

 そして、今回もいつの間にか更新されてると言う罠。ふっふっふ
主人公は過去設定が一応あるんですけど、友人に話したら
 「あ、そりゃ歪むわ。普通」
 と返されるような、イタ〜い過去があったりなんかします。その辺は終盤で明かされる予定。

 ぽよりんとネクロノミコンは、書いてて楽しかったっすw同様にアルストロメリアも。いや、やっぱギャグキャラは楽しいわ

 次回はもうちょい早く書き上げますね。


 >ナッシュ様

 今回も非常にお待たせしました。
ロベリアは本編とかなりギャップあるキャラになっちゃいましたが、何というか、彼女ってそんなに悪い人でも無いんじゃないかなぁ、と思ったりするんですよ自分。
まぁ、大分性格は違いますけど、それがどうして本編みたいになったかっていうのは、書いていくつもりでいますので、楽しみにしててくださいませ。


 >ためお様

 ども、ご指摘ありがとうございます。

 えっと、ヒロイン達が落とされてる理由ですけど、一応考えてはいるんですよ、えぇ(汗)
 ただ、それを今すぐ言えないというか、終盤でのネタ晴らしとして考えていたというか。
 ですけど、違和感を感じるというのはごもっともだと思います。それをどうにか解消できるようすぐに出来たらいいんですけど、何分まだまだ勉強中の身でして。生暖か〜い目で許してやってくれるとありがたいです。


 >ひげ様

 今回もお待たせしました。
 あぁ、第3部ネタですか。なるほど、納得。作者的には4部が一番好きですね。スタンドのバリエーションがあって、かつどうよそれ?って微妙なのも無く。側にいてくれ、料理人のスタンド!とマジで思ったりw
 ちなみに私の中での千年前のパーティーの強弱図は
 ルビナス(腹黒)>アルストロメリア(天然)>ミュリエル(普通)>ロベリア(苦労人)
 となっております。ロベリア、頑張れw


 >イスピン様

 …………偶に思う。
 どうして、読者は作者がネタを使おうとしていたことを、こうも読んでいるかのようなレスを返してくるのかと!!ガンパレネタ?使うに決まってるつ〜の!!何時とはまだ言えませんけど!!!そして被害に合うのはもちろんあの人ですよ、えぇ!!!(半分やけw)


 >詠深様

 ども、こちらこそはじめまして。
 スクエニ好きですか、作者も大好きです。特にツインシグ○ルとか守護月○とかの微妙に古い系列が。今後、その辺のネタが出てくる可能性もありますね。
 うぃ、ハー○ルです。むしろ、本編で一度だけやってた、二人がかりの演奏ですかね?
 んふふふ、どうでしょう?その辺は本編で明らかにしますので。

 >ショウゴ様

 こちらこそ、はじめまして。こんな作品ですけど、楽しんでいただけてるようですね。
 >超機人大戦〜
 ……あ〜、言われて見れば確かにそんな気が。いや、本当に自覚なく書いたんですよ、私。
 やっぱ、俺ってつくづくネタ人間なんだなぁ……あの二人も好きですけどね、えぇ。


 >七誌様
 本編でも書きましたが、勘違いしても全然問題ありません。ちなみに、この数ヶ月の間にちょっとだけデモベをやらせてもらいましたので、微妙にネタは分かったり。残念ながら、奉仕種族ではなく、巨乳おねいさんの方なんですよ。あっはっは。
 主人公がうっかりというか、作者がうっかりというか……大丈夫、どうにかしてみせる!!色々と!!w


>監獄様
 あっひゃっひゃ。相変わらず、監獄様のレスはいいなぁ。
 ネクロノミコンの性格は、ぽよりん登場時には既に決まってました。だから、出すのが楽しみで、楽しみで。
 アルストロメリアは結構反応いいですねぇ、ちなみに、ナナシがへっぽこなのはアルストロメリアの思考パターンが基礎になっているという噂だったりw
 千年前のは完全にネタです。つか、書いてる最中にこの辺はぽこぽこ出てきました。まぁ、本編に再登場するネタもありますけどw
 さて、今回はどんなレスが来るかな〜w


 >アレス=アンバー様
 やっぱり、地下でカリバーンは危険か……ま、どうにかしましょう。
 超機人は、何故か友人にもそう言われました。本当に考えてなかったんですけどねぇw
 >ぶっちゃけお笑いですか?
 お笑いですw貧乏くじは基本的にロベリアが引く体制のw


 >ミゼル様
 どうしてどいつもこいつもネクロノミコン=アル・アジフなんだと小一時間問い詰めたい!!(笑)
 あ〜、ロベリアは今は着てません。いずれ着せますけ、げふんげふん、イエナンデモナイデスヨ?
 ジャモジョヨって結構強いんですね、勉強不足だったな……。うぃ、後で修正しときます。


 >くろこげ様
 >ロベリアよ強く生きなさい
 ふと頭に流れた歌、「弱虫は庭に咲く、向日葵に笑われる〜♪」
 守護者戦は一応考えてますが、これはまだ言えないんです、えぇ、言いたいんですけどね。


 >なまけもの様
 従者コンビ、気に入っていただけたみたいですね。てか、素直クール好きですか……、大丈夫、作者も大好きです!!w
 >言葉遣いとかチンピラ〜
 そうそう。んで、基本の格好がリーゼントにぼんたんと咥え煙草で、う○こ座り、って何時の時代だ、主人公!!?半分はネタですよ?咥え煙草しながら、うろつきはしたでしょうけど。
 ロベリアは今の事件が終わった後、色々絡めていこうと画策してたりします。ふっふっふ。幸?ありますよ〜、多分w


 >カシス・ユウ・シンクレア様
 末永く幸せに、か……。いえ、あの二人、もう一緒に居る期間がミレニアム単位でしょうからねぇ。そのくせして、倦怠期無しかよ、と。作者自身が突っ込みたいw
 あ〜、ちょっと違います。イリヤはシロウの過去を厳密には知りません。書き方が悪かったかな。前回のレスは要は、二人とも色々過去があるんですけど、シロウはその記憶が抜けていて、イリヤはその記憶が多少あるけど、無理して忘れるようにしているって事です。説明が下手ですみません。

 >クーロン様
 むしろ頑張って三股に!!(誰とはあえていうまいてw)
 デモベは今斬魔の方は微妙にやってたりします。ネタを盛り込むかはとりあえずクリアーしてからですね。
 セルに関してですが、EN回復大は持ってるでしょうねぇ。後はAの称号2個取って鉢巻つけて、初手で必殺技打てるようにしてる可能性が高いかと。ついでに、オプションでSP回復持ちの激励やら愛やら持ってそうな人が、一緒に馬に乗ってたりw


 >Mania様
 ども、こちらこそはじめまして。
 発想力に敬意って……う、嘘だ!信じない、どうせそんなことをいっておきながら、後で鬼のような批判パッシングをするに決まってorz
冗談ですwいや、何と言うか、そういう賞賛に慣れてないものでして。ありがとうございます。
 >リコヤイムニティ
 ………んっふっふwさ〜ってと、番外編書かないとな〜w(邪笑)

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