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▽レス始

「霊能生徒 忠お!(16時間目)(ネギま+GS)」

詞連 (2006-06-10 18:33/2006-06-11 06:59)
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 抱きかかえたエヴァに負荷がかからないように、横島はふわりと着地する。
 振り向くと、ハーピーが自分の羽で小鳥の使い魔を作って消滅したところだった。恐らく、自分のことを仲間に伝えるつもりなのだろう。
 使い魔も始末しておこうかとも考えたが、下手に情報を堰き止め予測不能な動きをされるより、情報を与え矛先が自分に向くように仕向けた方が楽だと考え、そのまま見逃すことにした。
 ハーピーの霊基構造が崩壊し、肉体が完全に塵に変わったのを見届けてから、横島は自分の腕の中を見る。そこには、目を丸くしたエヴァの顔があった。

「怪我はないか?」
「う、うん。ない…」
「そ、そうか」

 いきなりの展開に驚いているのか、エヴァは普段とは打って変わった素直な態度で応じる。その態度に、横島はどうも調子が狂い、なんと言っていいか解からない。

「……なぜ、助けた?」
「は?」

 小さな沈黙を破ったのはエヴァの方だった。質問の意味が解からないという感じの横島に、エヴァは少し苛立たしげに繰り返す。

「なぜ、私を助けたのかと訊いている。私は敵だし手を下すのもお前ではない。あそこで私を見捨てたところで、誰も責めない」
「なんだ、そんなことか」

 横島は当たり前のことのように答えた。

「助けたかったからに決まってるだろ。どうしてそう思ったかは俺にもわからん」
「………バカが」

 エヴァはそっぽを向いて小さく呟いた。その頬は少しだけ赤く染まっている。横島はその物言いに、苦笑する。

「助けたのにその言い方はねーだろ。
 で、どうする?まだ勝負は続けるのか?」
「嫌味な奴め」

 目を背けたまま、エヴァは面白くなさそうに言う。
 ハーピーを斬った時に感じた横島忠夫の霊力はその精度や出力が、横島忠緒のそれに比べてレベルが違う。停電時は愚か、登校地獄が解けたとしても、勝てるかどうか解からないほどだ。まして今の状況で戦って、何とかなるような相手ではない。

「んじゃ、とりあえず俺の勝ちだな?」
「…わかったよ。だが、停電が続いていたなら私の勝ちだったんだからな!」
「はいはい、言い訳は見苦しいでちゅよ〜」
「ううう、うるさい!早く降ろせ!」

 腕に抱いたエヴァを、ひのめをあやす時の要領で揺らす横島の頬を、真っ赤になったエヴァが両手で思いっきり抓りあげる。だが横島も反撃としてさらなる恥辱を加えるために高い高いをしようと、エヴァの両脇の下に手を入れ―――そのタイミングが悪かった。

「横島、一体何が……」

 丁度、真名と刹那が駆けつけたのだ。さらに運のないことに、横島の指がエヴァのツボに触れてしまったらしく

「―――ぁンっv」

 どうにも色っぽい感じの声が出た。実に最悪のタイミングだった。


 ああ、宇宙意思よ。アンタそんなに俺が嫌いか?


 横島は怒りも憎しみもなく、ただ諦観のままに胸中で呟く。
 その瞳には、顔を真っ赤にして固まった刹那と、真名が構えたライフルの銃口が写っていた。
 威嚇射撃も警告もなく

「私の戦場に変態は無用だ」

 真名の冷たい言葉と銃弾が、それぞれ横島のハートと脳天に撃ち込まれた。


霊能生徒 忠お! 16時間目 〜星辰に願いを〜


 エヴァと刹那。魔法関係者ということ以外、全く接点のなかった二人だが、少なくともこの瞬間、二人は同じ気持ちを抱いていた。
 目の前の状況をどうしたものかということだった。

「で、何か言い残すことはあるかね、変態君?」
「誤解や!俺だって好きでこんなことしてたんやないんや!」
「わかった。それが遺言か。で、誰に向けてのものだい?」
「だから話を聞い(バン)うわちょっと今耳掠った耳!」

 目の前の状況とは、アスファルトに五体投地で土下座する横島と、横島の後頭部に銃を突きつけた仕事人の目をした真名だった。真名はいいとしても、横島の姿はハーピーを瞬殺した霊能力者とは、とても思えない有様だった。
 止めてやろうかとも思うが、エヴァも刹那も横島に対していろいろと複雑な感情を持っている上、刹那に至っては事情がよくわからず止めようがない。
 結局、進み出たのは茶々丸だった。

「あの、龍宮さん。横島さんにもやむにやまれぬ事情があったそうですので、穏便に対処していただきたいのですが…」
「……まあ、クラスメートという立場を利用して猥褻な行為に及んだことはなかったし、そこまで言うなら話を聞いてあげようじゃないか」
「茶々丸!あ、ありがとう!」
「いいえ、マスターを助けていただきましたので…」

 ダバダバと涙や鼻水をたらす横島を見て、茶々丸は我知らず一歩後ろに後ずさった。


「なるほど…学園長の話との辻褄も確かに合っているね」
「…そういうことでしたか」

 横島の事情の説明に、二人は何とか納得した。
 説明の中で、少女化した経緯が宴会芸の失敗だったことは、適当にぼやかしたが。
 刹那と真名は改めて、地べたに正座してあからさまに安堵したため息をついている横島を見る。

 二人は学園長から『横島は呪いを解くために麻帆良にやってきた20歳のGSである』ということは聞いていた。だが、その呪いが外見を変え、能力を抑えるだけにとどまらず、性別を変えるものだとは想像が及ばなかった。しかも、その正体が―――

「よもやオカマになった文珠使いにして人界最強の道化師だとは夢にも思わなかったよ」
「好きでオカマやってたわけじゃないやい」
「だがこれで、晴れて呪いが解けてよかったじゃないか、横島」
「だな」

 ズボンの汚れを払って横島は立ち上がる。
 実は少女化が解けるまであと30秒ほど残っていたのだが、解けてしまった以上、この際どうでも良いだろう。

「さてと。そろそろ電車の時間もあることだし…エヴァちゃん」
「なんだ?」

 つまらなそうに真名と横島の遣り取りを見ていたエヴァは、いきなり振られた会話に、不機嫌そうに答えた。

「ちょっと約束して欲しいことがあるんだけど」
「だからなんだ?ボーヤはもう襲わんし、授業にもちゃんと出てやるつもりだぞ」
「そうじゃなくて、今夜のことなんだけど…、ネギには秘密にしておいてくれないか?」
「今夜というと、お前の正体についてということか?」
「それもあるけど、今夜はネギが撃ち合いで勝ってそれで解決したってことでお願いしたいんだ」
「なぜだ?」
「それがネギの自信につながるからさ」

 横島は、真名や刹那の方も向く。

「あいつってへこむと際限ないタイプだから、真祖の吸血鬼に勝ったってことで、自信を付けさせてやりたいんだわ。つーわけで、龍宮と刹那ちゃんも頼む」
「了解した。いい保護者ぶりじゃないか。刹那は?」
「あ、はい。私も構いませんが」

 龍宮は感心したように、刹那は感心というより驚いたように同意した。刹那にしてみれば、横島はどちらかといえば無神経な人間として印象が固まっていたからだった。

「断る」

 だが同意した二人とは別に、エヴァはそっぽを向いた。

「あ〜…どうしても、ダメ?」
「ダメも何も、どうして何の利にもならんようなウソをつかねばならん」
「だよな…じゃあ、こういうのはどうだ?」

 至極もっともなエヴァの言葉を、実は横島は予想していた。だから、用意しておいたカードを切ることにした。

「『登校地獄』を解いてやる。その代わりにエヴァちゃんはネギに今夜のことを黙っておく。ってのは?」
「はぁ?何を言っている?」

 横島の提案に、エヴァは馬鹿にしたように返す。

「前にも言ったが、原則として霊能力では魔法の呪いを解くことはできない。それは、霊力を基盤としている以上、文珠でも無理だ」
「それはつまり、世界がそういう風に出来ているからだろ?」
「…?そうだが…」

 横島の言わんとしている事が理解できず、エヴァを筆頭として茶々丸や真名、刹那も首をひねる。
 横島はそれを見て、満足そうに笑う。

「俺は道化師(JOKER)で騙しが仕事だ。相手が世界の法則であっても、結構抜け道はあるもんなんだぜ」

 横島は文珠を作って、足元の道路に曳かれた白線に投げる。

《陣》

 白線はまるで意思のある水のようにその形を変えて、大きな魔方陣を書き上げる。太極図の外周に12正座のシンボルが描かれ、それをベースに漢字やラテン語、アラビア数字が書き込まれた複雑な魔方陣だった。
 茶々丸もデータベースを検索しても該当するパターンが見つからず、横島に尋ねる。

「横島さん。コレは一体…」
「横島流星辰陰陽術に使う魔方陣、俺は星辰太極図って呼んでる」

 横島は太極図の中心まで進むと、エヴァの方へ振り向く。

「エヴァちゃん。もし俺がエヴァちゃんの呪いを解けたのなら、今夜のことは秘密にしておいてくれるか?」
「…いいだろう。どうせ無駄だろうがな」

 エヴァは勝手にしろという風に肩をすくめて答える。
 霊能力で魔法の呪いは解けない。それは基本中の基本原則であり、水の高きが低きにながれるのと同じ、覆しようのない事実だった。

(だが、あいつなら―――)

 しかし魔法の理を極め、その知識と経験に疑いのないはずのエヴァの心のどこかに、仄かな期待が存在していた。
 あいつなら、何とかできるのではないか?盤石な城壁のような世界の法則に、ありえるはずもないわずかな綻びを見つけて潜り抜け、世界すらをあざ笑うのではないか?
 まさに負った二つ名の通り、世界最高の道化師であるなら―――

 エヴァの感情は、茶々丸を含め四人に共通したものだった。その僅かに期待と興味の混じった不信の視線を背中に受け

「そんな注目されるとやりにくいんだけど…ま、そうも言ってられんか」

 横島はタロットを手に取るとバンドを外す。
タロットは、まるで風に吹き散らされたかのように宙に舞った。


「これはまた、ネギ先生もずいぶんと派手にやったものですねぇ…」

 女子寮の大浴場で、魔法先生の一人、瀬流彦は天井の大穴を見上げていた。その横で、シスター姿の女性、シャークティが気絶したまき絵達の吸血鬼化を治療していた。

「やはり、エヴァンジェリンによるものですね。吸血鬼として操られていたところをネギ先生が魔法で眠らせた、というところです」
「10歳なのに吸血鬼四人相手…しかも真祖が吸った、第一世代を…。すごいな」
「どこがですか?本当に優秀ならば事件を未然に防げるはずです」
「相変わらず厳しいですね」

 引き攣り気味の笑顔を見せる瀬流彦。

「シスターシャークティ!ネギ君…じゃなくてネギ先生がいました!」

 普通に入り口から入ってきたのは、ココネを肩車した美空だった。

「さっき明日菜の部屋に様子を探りに行ったんですけど、ネギ君は寝ているようでしたよ」
「あれ?それって?」

 ここに漂うのは魔法の気配、しかも多分ネギの魔法。しかし、そのネギが無事に寝ているとはどういうことか?
 もしも事件が解決した後だというのなら、ネギが壊れた建物や吸血鬼化した生徒を放って置いたということになるが、それは考えにくい。

「…横島という霊能力者が関わっているのかもしれませんね」
「横島さんが?」

 疑問が深まる美空だが、瀬流彦は少し納得がいった。
 瀬流彦たちは、横島の正体が実は男で、しかも噂の文珠使いであるとまでは知らされていないが、かなりの腕前の霊能力者だということは聞いている。
 ネギがエヴァンジェリンに負けた後、横島がネギを救出したと考えれば納得が行く。ネギが寝ている理由は、気絶したところを助けられたのか、助けられた後に眠らされたのかは解からないが…。

「あの…シスター。横島さんが関わっているなら、まき絵たちをほっぽいとくとは考えにくいんですが…」
「相手は霊能力者ですよ。お金にもならないのに人助けなどしないでしょう。それは、日本最高と呼ばれる美神除霊事務所を見てもわかることではないですか」

 頭の薄い神父や日本オカルトGメンの責任者が聞いたら頭を抱えそうな事実を、シャークティは指摘する。
 シャークティの偏見じみた意見は、実は魔法使い達の共通認識でもあった。程度の大小はあるが、魔法使いは霊能力者を嫌う傾向がある。
高額にして法外ともいえるような料金を請求するGS。その行ないは、NGOとしての活動など、無償の奉仕を主としている魔法使いにしてみれば、実に意地汚く見えて印象が悪いのだ。ましてその商業主義の結果、以前は能力のある人間だけが引き起こすだけのオカルト犯罪が、量販されたオカルトグッズを利用して、能力のない一般人ですら引き起こすようになってきている。
 もっとも、唐巣神父のような良心的なGSもいるし、オカルト技術の社会貢献も馬鹿に出来ない。超常犯罪対策課などオカルト犯罪への対策も講じられているので、一概に悪とは言えないかもしれない。だが秘密に活動しているが故に得ることの出来ない富や名声へのやっかみもあり、魔法界全体として、霊能力者は倦厭されている。

 とにかく、とシャークティは室内を見渡しながら言う。

「ここを修理したらまずはネギ先生を起して事情を…」

―――ッ!!

 シャークティの言葉が終わる前に、無音の衝撃が駆け抜けた。だがそれは物理的なものではない。

「霊力?」

 感じた力の波は、霊力によるものだった。恐らく一般人の殆どは気付くことがないようなものだったが、しかし少しでも魔法や霊能など、霊的な感覚を持っている者なら気付いたはずだ。
 瀬流彦とシャークティ、それに少し遅れて美空が、天井の穴から外に出る。
 霊能力の源を、最初に発見したのは瀬流彦だった。

「向こうです!」

 瀬流彦の指差した先は、麻帆良と外部をつなぐ橋だった。
 崩落し途中で途切れた姿をライトアップされた橋の上から、仄暗い霊力の光が立ち上っていた。


「天帝の宿りし十二の宮の守護を祭る十二の大符よ。
錫杖、聖杯、刀剣、硬貨。四大に属する小符の力を束ね、五星の大符へと導け」

 朗々と響く横島の呪文。それを耳にし、目の当たりにしながら、エヴァは自分の感覚が信じられなかった。

(バカな…!こんな霊力…人間が制御できるものじゃない!)

 だが目の前の光景は、その常識を覆していた。
 魔方陣の上でタロットカードが天球図に描かれた星々の様に廻り、それぞれが一流の霊能力者に匹敵するだけの霊力を放出している。
 ともすれば暴走しかねないエネルギーの奔流は、しかし一定の規則性に基づき、渦となって中央―――横島の持った《世界》のカードへと流れ込んでいく。
 その流れを制御しているのは、疑いようもなく横島だった。

「五星は相生の理に従い、歳星へと力を集え。
 金生水生木生火生土。
 ただ土生金のみを、陽月の威によって禁ずるものなり」

 圧倒されそうな霊圧に、しかし歯を食いしばりながら耐え、エヴァは呪文から横島が何をしているのか、少しだけ理解する。
横島は、手元にある《世界》のカードに、カードの全霊力を集めているのだ。
 まずは56枚の小アルカナの霊力を、太極図のすぐ外側に描かれた12正座のシンボルの上に滞空している、それぞれ対応する大アルカナに集める。そして集めた霊力を、太極図上に浮かぶ五星――金星、水星、木星、火星のタロットに流し込む。
 霊力はそれぞれに振り分けられた星の属性に従い、相生の法則に従いながら、右回りに力を増幅、伝達し、最終的に螢惑―――つまり火星を意味する《塔》のカードから鎮星―――土星を意味する《世界》のカードへと、火生土の理に従って流れる。
 その上で《世界》のカードに来た霊力が他に流れないように、《太陽》と《女教皇》、太陽と月という陰陽の象徴であるカードで堰き止めている。

(一体、土行の力を上昇させて何をするつもりだ)

 全盛期の自分すら超えるほどの霊力が集中するのを見て、もはや呆れかけるエヴァ。その目の前で、横島の術は最後の仕上げを向かえた。
 使われていない三枚の大アルカナ―――《愚者》《吊るし人》《審判》のカードを手に取り、片方の手に持った《世界》のカードに重ねる。

「力を受けし世界の符よ。言霊により宣言する。
 汝は世界なり!
 星辰陰陽術―――万有如意陣!」

 横島に応じるかのように、《世界》のカードに込められていた霊力が光と共に、麻帆良全体を包むように、はじけて拡散した。


 数秒後、目を見開いたエヴァは慌てて自分の体を確認し、落胆の声を漏らした。

「……な、何も起きていない?」

 調べてみたが、登校地獄が解けている様子はない。自分の声の響きから、意外に期待していたことに気付き自嘲し、だがすぐに、異常に気付く。

「空間全体が…なんだ?この感覚は?」
「なんだか、魔法を受けているような感覚が…」

 真名や刹那も、自分達を包む空間の違和感に気付いた。
 周りの風景は横島が術を使う前となんら変化した様子もない。だが何となく、強いて言うなれば強力な魔方陣の中に入ったような感覚がある。だが、指しあたって魔力も霊力も感じない。
 答えを求めて横島を見れば、彼は満足そうに頷いていた。

「よし。成功したみたいだな」
「成功だ?私の呪いは解けていないぞ」
「焦るなよ。とりあえず、試すから」

 エヴァをなだめると、横島は四枚のタロットを手に取る。
 右手には先ほど霊力を集めた《世界》のカード。左手には最後に使った《愚者》を初めとする、三枚のカード。
 横島は茶々丸の方を向いた。

「とりあえず、茶々丸を治してみる」

 横島は両手のカードを合わせて、呟いた。

「対象・茶々丸・修復・基準・四時間前」

 言い切ると、茶々丸の体が一瞬だけ光る。
光が消えると、茶々丸の服や攻撃を受けた外装の傷が消えた。

「なっ…!」

 四人の中で、僅かにも驚きの声を上げれたのはエヴァだけ。他の三人は声を上げることも出来なかった。
 しかしそんな中で、横島だけは平然とした様子で、茶々丸に尋ねる。

「具合はどうだ、茶々丸?」
「は、はい。完全に戦闘前の状態に修復されましたが…あの、一体な「一体何をした!?」
「え、エヴァちゃん?」

 茶々丸の答えが終わる前に、エヴァが横島につかみかかった。

「な、何って茶々丸の怪我を治しただけ……」
「だからどうやったのかと聞いている!今さっき、茶々丸からは霊力も魔力も感知できなかったぞ!」

 エヴァ達の驚きの理由はそこにあった。
 先ほど、確かに横島は霊力を使った。それは間違いなく確認できた。だが、茶々丸を包んだ光からは、一切の霊力を感知することが出来なかった。
 相手を治療する際に、術の対象から霊力や魔力を感じないなど、ありえるはずもない。

「べ、別に大したことをしたわけじゃないって!ただ、茶々丸じゃなくて世界自体に干渉しただけだって」
「世界…自体だと?」

 スケールの大きな言葉に、エヴァの手が緩む。その隙に横島はエヴァの手を襟から離す。

「と、とりあえず、もう一回やるから」

 横島はそう言うと、今度は橋のほうを向いた。

「って、橋だけじゃなくて確か大浴場もぶっ壊したんだっけか?
 ……しょうがない。一緒に直すか。
 対象・戦闘痕跡・修繕・期間・四時間」

 横島が言うと、その通りになった。
 川底に沈んだはずの橋のアスファルトやワイヤーが、浮かび上がり宙を舞い、目の前に橋へと再構成される。エヴァが呪文で壊したアスファルトの破片も、砂粒一つのレベルで元に戻り、継ぎ目もわからないくらいに修繕された。
 さらに、エヴァたちが見えない場所での話ではあるが、大浴場の破損箇所まで、修繕が行なわれ、シャークティ達を驚かせた。
 僅か数秒で、まるで戦争の後のような有様は消え去り、何事もなかったかのような夜の光景がエヴァ達の目の前に広がった。
 その奇跡を起した横島は、エヴァ達の方に振り向いた。

「とまあ、こんな感じだけど、解かったよな」
「解かるか!だから一体何をしたのか説明しろ!」
「―――そういう、ことですか…」

 答えは、エヴァの背後から聞こえた。振り向けば刹那が呆然とした表情で立ち尽くしていた。声はかすれ、ただでさえ抜けるように白い肌はいよいよ蒼白となっている。

「いや、そんなに驚かれても…」

 その様子は、横島が困惑気味に言うほどだった。

「刹那、どうしたんだ。横島が何をやったんだ?」
「何か俺が悪いことしたような言い方だな…」

 被害妄想じみたことを言う横島だが、残念なことに突っ込みをいれる者はいない。横島に自覚はないが、横島のやったことはそれだけ異常なことなのだ。
 硬い唾を飲んで、刹那は横島のやってのけた奇跡のトリックの種を言った。

「横島さんは…世界に対して人形祈祷を行なったんですね」
『!?』

 その言葉にエヴァ達ははっとして横島を向く。

「正解」

 横島は、こともなげに肯定した。

 人形祈祷とは、いわゆる呪いの藁人形のことだ。
 人形と対象者の間に霊的なつながりを持たせて、人形に害を与えることで対象者にも々ダメージを与える。
 それを横島は、極限まで霊力を溜めた《世界》のカードを藁人形に仕立てることで可能にしたのだ。
 五寸釘の変わりに《愚者》《吊るし人》《審判》―――それぞれ風、水、火のエレメントを用意し、それを介して土の属性である鎮星=土星に対応する《世界》のカードに影響を与え、世界を改変する。
エヴァ達は知らないが、この万有如意陣の概念はコスモプロセッサのそれに近いものだ。万物の在りよう、法則までも支配することが出来る究極の呪法なのだ。

「―――とまあ、それが星辰陰陽術、万有如意陣の仕組みってわけだ。
 もっとも自由とは言っても有効半径は十キロメートルくらいだし、圧倒的に霊力が高い相手だと支配力が効かない。そもそも発動まで時間や手間がかかるし、実戦向きじゃない。
 それに、死んだ奴とかはよほど条件が揃わないと復活させれないしね。
 大したことはないって」
「十分大したことだろうが…」

 もう疲れたという表情で、エヴァは横島に突っ込む。

(こいつ…まさか本当に人界最強なんじゃないだろうな…)

 エヴァは人界最強の道化師にまつわる噂の半分は眉唾だと思っていたが、実は噂の方が半分なんじゃないかと疑い始めていた。

「とにかく、次は本番だ」
「本番?今度は何をするつもりだ?」
「何って…エヴァちゃんの呪いを解くに決まってるだろ?」
「呪いって…あっ」

 言いかけて、エヴァは横島が自分の呪いを解こうとしているということを思い出した。
 だが今度は、刹那が慌てた様子で言う。

「よ、横島さん。本当にいいんですか?」
「刹那ちゃん?いいって、どういうことだ?」
「エヴァンジェリンさんは、悪事をしたために麻帆良に閉じ込められているのでは…」

 刹那に言われて、エヴァは自分の立場を思い出した。
 サウザンドマスターとは三年だけの約束だったが、対外的にはエヴァはサウザンドマスターに敗れて封じられたということになっているのだ。
 もし横島が封印を解けば、エヴァが追われるのはもちろんのこと、横島にも害が及ぶのは間違いない。

(いや!何を考えている。そんなことを気にする必要はないだろう)

 エヴァは自分の思考に驚き、振り払う。横島がどうなろうと知ったことではない。今は互いに平然と隣に立っているが、所詮は敵でありどうなろうと知ったことではないはずなのだ。ただそれに気付き、横島が解呪を躊躇うのが心配なだけだ。
 エヴァは自分に言い聞かせると、刹那に余計なことを言うなと一喝しようとして

「別にいいんじゃないか?」

 だが横島の気楽な一言が、その意思を萎えさせる。

「知り合いが困ってるから、霊能力者の俺が助けてやった。ただそれだけだ。魔法使いの都合なんて押し付けられても困る。
 それに、エヴァちゃんって結構いい奴だし」
「……何を言っている」

 いい奴、その言葉にエヴァは反感を覚えた。何を知っているのかと。
 自分に不利になると自覚しながら、その口は止まらない。

「私は悪の魔法使いだぞ!それをいい奴だなど、知ったようなことを言うな!
 私は闇に生きている!今回の事件で誰も殺さなかったのも、騒ぎが大きくなるのが面倒だったからであって、これまで私は何百人も…!」
「だから別にいいだろ。そんなの」
「べっ、別にって…!」
「俺は別にスーパーマンでもウルトラマンでもヨコシマンでもない。だから美人の姉ちゃんが混ざってない限り、不特定多数の野郎どもなんて、いくら死んでも関係ないから、女子供を殺さないエヴァちゃんを恨む理由がない。
 それにエヴァちゃんは俺の知り合いを殺さなかったからな。だから少なくとも、俺にとってはエヴァちゃんはいい奴だ」

 横島の投げたような口調に、エヴァも刹那も言葉が見つからない。正義感の強い人間なら、激昂するような身勝手な主張だった。だが少なくとも、そこには独善的な期待や押し付けが存在していない。あるのは、生きていくのに戦わなくてはいけない、他者を傷つけなくてはいけない者が心のどこかに持っている、近しいものを守りたいという、身勝手なまでの真っ直ぐな気持ちだった。

「それに…」

 横島はエヴァの頭をそっと撫でる。
 何か反論しようと口を開いたエヴァだったが、その温かい感触に言葉を忘れる。
 そう、この感触はどこかで…

「対象・エヴァンジェリン・呪術式・実体化」

 思い出すまもなく、横島は言葉を紡ぐ。それに従い、登校地獄の呪いが実体化する。
 実体化した呪いの容は、紐だった。強引に編まれた赤いロープが、エヴァにまとわりついている。だが、それは縛るというよりはむしろ包むという感覚で―――

「切るぞ」
「あっ…」

 返事を待たず、横島は実体化した登校地獄の呪いを、霊波刀で切った。
 何を言いたかったのか、エヴァは自分でも分からない切なさが篭る声を上げた。その声と一緒に、断ち切られた魔法はゆっくりと足元に落ち、光る砂のように大気に消えていく。
 わけが解からず、哀しいような不安なような気持ちになって、エヴァは顔を上げる。
 横島は、エヴァの頭を撫でていた。

「エヴァちゃんは、光に生きてみるのも悪くないって思うだろ?だから呪いを解くんだ」
―――光に生きてみろ。そしたらその時、お前の呪いを解いてやる―――

 横島とナギ、二人の言葉が重なった気がした。

(そっか…約束は果たされてしまったのか…)

 呪いをかけた者と解いた者。二人とも全くの別人なのに、なぜかそんな思いが胸に溢れ―――

―――気がついたら、涙が溢れていた。


「忘れろ!今のことは、今見たことは!絶対忘れるんだぞ!解かったな!」
「あ゛い゛、わかりましたでふ……」

 五分後、目元を赤くしたエヴァが、ぼろぼろになった横島を踏んでいた。
 ひとしきり踏みつけたエヴァは、半眼のまま刹那と真名を向く。

「さ、さぁ…何があったのかな?私には解からないな」
「そ、そうですね、何も見てませんものね」

 二人はあさってのほうを向く。その頬は微妙にゆがみ、汗が滲んでいる。
 しばらく赤い顔で二人を睨みつけていたエヴァだったが…

「別に泣いた位でそんな照れんでも…」
「だから忘れろぉっ!」

 顔をさらに赤くしたエヴァは、不覚にもついさっきまで自分が泣きながらすがりつくように抱き締めていた物体を、埋まってしまえとばかりに踏みつける。

「…もぎゃ!?」

 横島は奇声を上げ…

ボンッ

 何の前触れもなく、大量の煙を上げて爆発した。

「なっ!?」
「エ、エヴァンジェリンさん!照れ隠しとはいえいくらなんでも…!」
「ち、違うぞ!私は踏みつける以外何もしていない!横島も勝手に爆発なんかするな!」

 結構理不尽なことを言いながら飛び退くエヴァ。立ち上った煙が少し晴れてから、エヴァたち四人は、地面に倒れ付した、黒服の人影に近寄って…

「なっ!」
「コレは…」
「よ、横島さん!?」
「原因の解析、不能」

 思い思いの驚きの声を上げる四人。
 その視線に守られながら、横島はのっそり立ち上がった。


「って、一体なんだよ」

 起き上がった横島は、即座に違和感に気付いた。
 まずは視線。いつもの自分の視線より、明らかに低い。

「アレ?」

次に気付いたのは声。自分の――どっかの戦闘民族の王子様みたいな声ではなく、成人男性としては、明らかに高いソプラノボイス。つまり―――女の子の声。

「……!?」

 最悪の、酷く最悪の想像をしてしまった横島は、その否定の証拠を求めて、戦闘服の胸の部分のアーマーを外し、自分の胸に手をやった。

 もにゅん

 嫌な感触がした。いや、どちらかといえば心地よい、むしろ日々追い求めてやまない、極上にして至福の手触りだ。だが、この現状においてはゴキブリを素手で握りつぶした感触よりはるかに絶望的で冒涜的な手触りだ。なんと言っても自分のだし。
 恐る恐る…戦場で爆撃を受け、気付かぬ内に手足を失った兵士が、欠損したその部分を目にしようとするような心境で、横島は視線を下げる。だが、横島が恐れるのは欠落ではなく存在だ。
 果たしてそこには、膨らみがあった。
 豊かにしてふくよかな丘陵。いや、このサイズならむしろ山岳か?
いずれにしても見事な重量感と、だがそれに拮抗するだけの張りをもった見事な造詣。哺乳類の神秘。

 パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。パイオツ。ムネ。オッパイ。おぱーい。


 見事な乳がそこにあった。


「なんでじゃぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁっ!」


 横島忠緒は頭を抱え、麻帆良に来て最大の叫びをあげた。


 つづく


 あとがき
 無謀な宣言のツケを払っている真っ最中の詞連です。登校地獄と変換しようとして投稿地獄ってなったのに、堪えようのないアイロニーを感じました。
 豆知識、ちなみにアニメ版のGS美神の声は某龍玉のべ●ータの声と同じです。キャラの方向性が540度違いますよね(笑)。

 では、レス返しを

>オンナスキー氏

 とりあえず、覗きに関しては学園長から、刹那ともどもフォローがありましたのでセーフです(六時間目参照)。
 まあ、初見のインパクトで変態扱いを食らいましたが(笑)
 誤字訂正ありがとうございます。


>クライン氏

 はじめまして。詞連です。バトルを愉しんでいただけて幸いです。
 とりあえず、変態の烙印は押されませんでした。銃殺はされかけましたが。
 服は逆天号時代の戦闘用の服のカスタムなのでセーフです。


>D,氏

 横槍によりドロー。やや横島優勢といった感じですね。なんで忠緒に戻ったのかは後で次回の講釈で。頑張って明日中に仕上げます。


>天飛氏

誤字指摘ありがとうございます。
 男に戻ってまた女に戻りました。続きと理由は明日中にアップできるように頑張ります。


>ASKL氏

 そしてまた女に戻った!
 服は逆天号時代の戦闘服のカスタムなのセーフ。もっとも着地直後の行動で変態認定されましたが(笑)


>暴利貸し氏

 毎度誤字指摘ありがとうございます。
 淡々としてましたか。しかし今回のバトルは、両者とも主観抜きで戦闘に集中していたので、語るべき心理描写がなかったんです、すみません。
 小説において状況描写と心理描写はまさに二大要素。バランスを探求し続けていこうと思います。
 更新は…が、頑張ってます。


>TA phoenix氏

 ギャグを楽しんでいただけて幸いです。誤字指摘、ありがとうございます。


>黒川氏

 そして女に戻りました。理由その他は明日中にアップできるように頑張ります。
 エヴァのあきらめのよさのご指摘は、謹んでお受けします。ううむ、あそこは原作をほぼそのまま持ってきただけだったのですが…やっぱりアレンジしたほうがよかったか。やはり手抜きはいけませんでした。
 一応、建築物は自力で修復。実は前のプロットだと、ぶっ壊した建物の弁償のため、警備員として滞在ってことになっていたのですが、それだったら美神さんが、横島を徹底的にこき使って、資金回収させたほうが儲かるんじゃ、と思ってやめときました。

>この世界観のお話は横島込みで続いても面白そうですけど、横島抜きで彼女(彼)の影響を受けたネギや明日奈メインのお話で読んでみたいような気もします。

あ、それも面白そうですね。少なくとも番外編はいくつか構想があります。

 では続きは明日に掲載できるように頑張ります。


>シヴァやん氏

 どもです。
 エヴァフラグは立ちましたが、しかしエヴァはまだサウザンドマスターのことも想っている訳で…、まあ、いろいろということで。


>鉄拳28号氏

戦闘シーンは気に入っていただけたようで安心です。刹那や真名の前で元に戻りましたがぎりぎり大丈夫でした。

>前から気になってたんですが、書類上の女横島ってどうなってるんでしょう?

 書類上は何とかなってますが、原本はまだ横島は男で女横島は存在してません。まあ、どうせ一週間だからということで、美神さんもそこまでは手を回さなかったので。
 実は戦闘中の回想シーンは、その前に「ネギ、ドラゴンへの道」的な感じで一話設けようかとも思ったのですが、あまりに内容がなかった+戦闘のネタばれになるので、間に入れるという感じにしてみました。今度からはスピード感を切らないように頑張ります。


>暇学生氏

 誘拐魔どころか淫行魔でした(笑)
 ハーピーの悪あがきや女に戻った理由については次回ということで。


>SIMU氏

 タイトルは変更しない方針で行こうかと思います。
 ちなみに、次回はエピローグとしてHRを置き、第一部完という感じで行こうかと。


>鬼鏡氏

 長きに渡る肯定感想、本当にありがとうございます。批判感想はためになるのですが、正直、自分がこのまま書き続けてよいのかと不安になる時もあります。そんな時こんな感想を貰うと、とても癒されます。本当に、ありがとうございます。
 情景描写は、もっと明確に出来るように努力を心がけます。
 自分のみならず、読者の皆様も納得させれるように、頑張ります。


>わーくん氏

 大丈夫です。横島はすぐに戻りました、女に。理由はなぜ時間前に男に戻れたかと一緒に、解説していこうかと思います。


>鳴臣氏

 一応、ハーピーは最後の連絡を送りました。それがどうなるかは次回ということで。
 とりあえず、オカマだったということは、ネギにはばれずに済んだようです。

>黒炎氏

 テンポを褒められるのはうれしい限りです。そこには結構気を使っていますので。
 実はネギまとGSって、作品のノリが似ているんですよね。真面目なバトルの中にもところどころにギャグを入れたりするところや、実はギャグに結構、ど突き漫才系の要素が入っているところとか。
 ちなみにタロットの術は、半分はこの万有如意陣と、あともう一つの術(まだ出てません)をさせるために横島に持たせました。
 それに、文珠の希少性を出すための小道具でもあります。サイキック××系で固めようかとも思いましたが、それだと炎や氷などの要素のぶつかり合いで蒸気を立ち込めさせたりなどのアクションがしにくくなるので、この方針で行こうかと考えた次第です。


>雪龍氏

 文珠を使うまもなく横島は女の子に。
 横島は多分生き残るでしょう、どんな折檻からでも(笑)


 終了。……な、長かった。けれども、感想をいただけるのは大変うれしいです。
 さて、次回はHR(ホームルーム)。それにて霊能生徒忠お!は第一部完となります。
 第二部については大体構想が出来てはいますが、シーンのつなぎ等を煮詰める必要があるので、もう少し練りなおしてから描き始めようと考えています。では…。

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