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「霊光波動拳継承者『横島』(改訂版)24話(GS+幽遊白書+いろいろ)(GS+幽遊白書+色々)」

柿の種 (2006-05-21 00:18/2006-05-31 10:12)
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「うっ・・・・」

「横島君!! 目を覚ましたの!?」

「あれ、何で美神さんがこんなところに・・・・」

 神族とおキヌのヒーリングを受けた横島が目を覚ます。しかし、意識はいまだはっきりしないようで、ぼんやりとした頭で考えをめぐらそうとする。

「寝ぼけてないでさっさと目を覚まさんかーー!!!!!!」

「うぎゃああああああああ。な、何でやー!!!」

 しかし、それよりも美神の突っ込みが横島に直撃した。頭を抑えながら文句を言おうとするが、そこで今の状況を思い出し慌てる。

「そ、そういえば、一体どうなったんすか!? アシュタロスは!? みんなは!?」

「ちょっと落ち着きなさい!! アシュタロスはまだ倒せていないわ。今はタマモとピートが抑えてくれてる」

「タマモとピートが?」

「はい。佐藤さんの道具で前世と先祖の力を取り戻してるんだそうです」

 そこで首を回し、アシュタロスと戦うタマモとピートの姿を確認する。おキヌの耳打ちが入り、横島は状況を確認した。

「けど、今のままじゃあ、勝てないわ。あいつを倒すには何とか冥界のチャンネルを開ける必要がある。けど、同じ事をもう一度試しても上手くいく可能性は低いわ。成功させる為にはまず先に大きなダメージを与える必要があるのよ」

「大きなダメージですか・・・。けど、どうするんですか? 今のタマモ達でも駄目なんでしょ?」

 今のタマモはマイト数でいえば60000マイト程度。ピートにしても5000マイト以上に加えて聖と魔の複合エネルギーによって数字以上のパワーを持っている。その二人をして、足止めしかできないアシュタロス相手にダメージらしいダメージを与えるには最低でもタマモクラスの力を持ったものがもう一人はいる。しかし、そんな都合のいい戦力などこの場にはいない。

「・・・・・・・一つだけ手があるわ。横島君がやっているように霊気の波長を共鳴するの。ただし、一人じゃなくて二人でね。互いの相性次第だけど、上手くいけば横島君が一人でやる場合よりも強い霊力が得られるわ」

 それに対し、美神が少し黙った後、自らのアイディアを話す。しかし、彼女には珍しい事にその表情や口調は暗かった。

「じゃあ、それを俺と美神さんでやるんですか?」

 横島の問いかけに美神が首を振る。そして、その欠点を話した。

「いいえ、それは無理よ。霊気の共鳴は霊力が近いもの同士でないと出来ないの。単純な霊力でいえば、今の横島君と私では離れすぎているから、実行したとしてもかえって霊力が落ちるだけ。かといって、神魔とでは力の質が違いすぎる。つまり、この場に横島君と同期できるものはいないわ」

「じゃあ、どうするんです?」

「私とおキヌちゃんでやるわ」

「なっ!!」

 美神の言葉に横島が絶句する。そして叫んだ。

「美神さんとおキヌちゃんが合体!? つまり美女と美少女のくんずほづれ!?」

「この真性のどアホがああああああああああ!!!!!!!!!」

 美神の突っ込みが炸裂する。それも、二人が出会っていらい最大威力の。ちなみに彼等が漫才を繰り広げている間、裏では、アシュタロスとタマモ達がいまだシリアスなバトルを繰り広げ続けていた。

「ちょ、ちょっとした冗談じゃないですか」

「この非常時に冗談なんか言ってるんじゃない!! まったく、こっちは命懸けの事をようって言うのに」

「命懸け!?」

 その言葉に流石に聞き咎め、横島からおちゃらけた様子が消える。それを見て美神も真面目な表情で答えた。

「そうよ。合体には文珠が必要だけど、生成者である横島君以外が2文字以上を同時に制御しようとすると極端に難度があがるの。多分、成功率は10%にも満たないわ。運がよければ不発ですむけど、悪ければどちらかの魂がもう片方に吸収、最悪のばあい二人とも消滅するかもしれないわ」

「!!」

 今度こそ完全に絶句する横島。反論しようとして、それよりも早く口を塞がれた。

「行っておくけど、反対しても無駄よ。どの道、ここで勝たなきゃ全部終わりなんだから。それともあんたは私がやる前から諦めるような潔い女だと思う?」

「そ、それは・・・。けど、美神さんだけでなく、おキヌちゃんも危険なんでしょ」

「大丈夫ですよ。横島さん、私達きっと成功させてみせますから」

 美神が言ってきくような女出ない事はわかっている。しかし、おキヌの事を指摘すればと考えるが、それよりも早くおキヌ本人より意志が告げられた。

「お、おキヌちゃん・・・・・」

 二人に挟まれ横島は反論できなくなる。それにこれ以上議論している時間もなかった。覚悟を決めて頷く。

「わかった。頼みましたよ、美神さん、おキヌちゃん」

「ええ、あんたこそしくじるんじゃないわよ!!」

「お願いしますね。横島さん」

 そして、横島から文珠を二つ美神は受け取る。そして美神は意識を集中させる。その集中と緊張に彼女の額に汗が浮かぶ。そして、文珠が輝き始める。

“同”“期”

 “繋ぎ”となる霊力の帯をつくりだす。ここまでは制御は成功。しかし、まだ気は抜けない。

「行くわよ!! おキヌちゃん!!」

「はい!!」

 そして、美神は光の帯をおキヌに向けた。二人の姿が一つになる。そして、強烈な閃光の後、そこには一つの姿があった。

「み、美神さん、おキヌちゃん・・?」

「大丈夫。成功したわ」

『安心してください、横島さん』

 それはボディがウルト○マンのような姿をした美神だった。肩にある球体のようなものからおキヌの声もする。それを聞いて横島は心の底からほっとため息をついた。すると、そんな横島の横で美神の姿が変わる。

「あっ、できました」

『じゃあ、今度は引っ込めて』

 美神の姿がおキヌに変わり、今度は肩から美神の声。そして、再び美神の姿に戻り、2度、3度それを繰り返す。

「あの、何、してんすか?」

 はたから見ると奇妙な光景におそるおそる訪ねる横島。自分でも少し間抜けなのは自覚していたのか、少し頬を染めて美神は答えた。

「実験よ。それより、これ以上タマモが持たないわ。いい、横島君。私が、合図した瞬間に攻撃をしかけなさい。それから、それより前は何があっても動かない事。いいわね」

「あ、はい」

「じゃあ、行くわよ!!」

 横島の頷きを承諾を確認すると、姿を美神に固定し、二人が飛び出す。神魔から与えられた“竜の牙”“ニーベルンゲンの指輪”“竜の羽衣”を融合させ、一本の槍に変える。そして霊力を極限まで高め、突撃した。

「くっ」

 横島が目覚めた事と美神の霊力が急激に上がった事にはアシュタロスも気づいていた。しかし、その間タマモとピートが全力で抑えていた為、流石の魔神も力を抑えたままでは彼等にちょっかいを出す猶予がなかったのである。

「やむ負えんな」

 冥界のチャンネルを抑えるのに割いていたエネルギーをギリギリまで落としパワーをあげる。そしてタマモとピートを跳ね飛ばした。

「きゃあ!!」

「ぐっ」

 二人がはじかれた所に美神の槍が迫る。アシュタロスは左手を突き出し、それを受け止めた。

「おキヌちゃんもっと、パワーを!!」

『もう、これ以上は!!』

 おキヌの悲痛な声。美神の攻撃力は10万マイトに近いレベルにまで迫っていたが、それでもなおアシュタロスの片腕すら破れない。そして槍を左腕で受け止めながらアシュタロスは右腕にエネルギーを集中する。

「メフィスト、そろそろ無駄な抵抗はやめたまえ」

「美神さん!! おキヌちゃん!!」

 嘲りの混じった声を漏らすアシュタロスと叫ぶ横島。戒めも忘れ、思わず彼が飛び出そうとした時、美神の姿が変わった。

「なっ!!」

 そして、次の瞬間、アシュタロスは“おキヌ”に“投げ飛ばされて”いた。美神達の狙いは最初からこれだったのである。正面から力押しではアシュタロスを破れないと判断した美神はそうと見せかけ、おキヌの技で破る事を選んだのである。人物が入れ替わった事によりいきなり行動パターンが変わった事と、まさか魔神を投げ飛ばす人間がいようなどとは流石に想像できていなかった事で、アシュタロスもそれには反応できなかった。

「タマモ、捕縛して!!」

 そして、美神の叫びに応じ、体勢を立て直していたタマモが九つの尾を伸ばし、空中のアシュタロスを捕縛する。更に、そこにピートの全力霊破砲が放たれる。

「ぐっ」

 無防備な所への攻撃はアシュタロスに僅かとはいえ、ダメージを与える。そして全てのお膳だてが整った。

「横島君、今よ!!」

「はい!!」

 美神が合図し、そしてその時には既に横島は単独霊破共鳴を発動させていた。横島が飛び出し、同時に再び主権を入れ替わった美神が飛び出した。

「極楽へ行かせてあげるわ!!」

 美神の槍がアシュタロスの胸に付き刺さる。そしてその槍を押し込むように横島の一撃が叩き込まれた。


 その一撃はアシュタロスの中核にほんの僅かとはいえダメージを与え、力のバランスを崩させた。そして、その瞬間、冥界のチャンネルを解放せんと、常時見張りを立てていた神魔が一気に押し出した。その圧力に耐え切れず、逆流したエネルギーにアシュタロスが押しつぶされる。

「ぐをぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

 パーン、風船が割れるような擬音を立て、アシュタロスの体が破裂する。そして、魔神はその場に倒れ、そしてその姿が消えた。



「やったの・・・?」

 誰かが漏らした声。
 アシュタロスが倒れた後、その場に沈黙が落ちた。倒れたアシュタロスを見張り、そして彼が再び動きださないことを確認する。

「私達勝ったんですか?」

 美神と分離したおキヌの呟きに対し、小竜姫が答えた。

「冥界のチャネルの解放が確認されました。私達に力が流れ込んできています」

 その言葉にその場にいた者達に喜びが走る。


 そして、その瞬間、一つの影が動いた。その影に美神が貫かれた。


 誰も動けなった。誰もが勝利を確信し、気を抜いた瞬間に、アシュタロスという存在があまりに大きすぎた為に、その存在に注意を払う事を忘れてしまっていた存在、べスパが美神の魂から結晶を抜き取る。

「美神さん!!」

 横島がとっさに最後の文珠を発動させる。その文珠の力によって結晶を抜き取られていた事で崩れかかっていた美神の霊体を繋ぎとめた。しかし、美神の回復に横島が集中していたその間にべスパは他の者達を逃れ、そして結晶を投げた。

「べスパ、よくやった」

 そして、その結晶を受け取ったものがいた。倒れた筈のアシュタロスであった。しかし、その全身はボロボロで如何にも死に掛けといった様子であった。

「ここにヒャクメがいなくて助かったよ。おかげで、死んだ振りが上手くいった」

「あんた、あれで、無事だったって言うの!!」

 美神が声をあげる。しかし、その声にはあまり力がなく、床に倒れこんだ状態だった。横島の文珠で繋ぎとめたとはいえ、消耗が激しく衰弱状態だった。

「無事とはいえんさ。見ての通りボロボロだ。この結晶が得られなければ本当に死んでいただろう」

 そして、言いながら結晶から力を吸い上げ、傷を癒していく。

「させるか!!」

「アシュ様はやらせないよ!!」

 それを妨害しようと雪之丞等がとびだした。しかし、それをべスパが阻む。

「べスパ、ここは任せたぞ」

 そして、力をある程度回復させると、アシュタロスは部屋の奥へと移動し、扉をあけ中へと入る。タマモが妨害しようとするが、そこで彼女の姿が元に戻る。

「嘘!! こんな所で時間切れ!!」

 薬の効果が切れてしまったのだ。そして、同じようにピートも元の姿に戻る。

「形勢逆転だね。今のあんた達なら私一人でも食い止める位なら十分だよ」

「横島君、アシュタロスを追いなさい!! あいつ、なんかとんでもない事をする気よ!!」

 余裕の笑みを浮かべるべスパ。反対に焦りの声をあげる美神。彼女の霊感が最大限の嫌な予感を伝えていた。

「は、はい!!」

 そうして、横島が飛び出す。べスパが妨害しようとするが、今度は他の者達が彼女を抑えた。

「任せたぜ、横島!!」

 雪之丞が激を飛ばす。そして、横島はアシュタロスが開いた扉の中に飛び込んだ


(後書き)
ずいぶん、間が空いてしまいましたが、何とか完結だけはさせておこうと再開しました。次がその次で完結する予定です。
この戦闘シーンは実はスレイヤーズをちょっと参考にしています。圧倒的な力を持つ存在に対し、僅かな切り札で人間が挑むって構図がこの話のいままでの流れと似てると思ったので。その辺、GSとの違いに違和感を覚えられた方もいらっしゃる方がいるかもしれません。申し訳ありませんでした。

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