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「ネギま!SEED 第2話(ネギま!+BLUE SEED)」

セフィロス (2006-05-11 22:24/2006-05-13 21:02)
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「実は、君に仕事を頼みたいんだ」

それが、久しぶりに会った第一声だった。


ネギま!SEED 第2話


「仕事? へっ…」

メシをかきこみながら鼻で笑う。

「人選間違えてるんじゃねえのか? 国木田のオッサンよ」
「いやいや、そんなことはないよ」

にこやかに笑いながら、目の前の人物は自分の食事を進めた。国木田大哲。総理府所属の特別機関である、国土管理室の室長。まだ荒神が健在だったころ、俺も何度となく関わった百戦錬磨の古狸だ。

「国土管理室だって、閉鎖・解散ってわけでもねえだろ? だったら、人材はいるだろうが。いなけりゃ、他から引っ張ってくりゃいいだけで…」
「だからこそ、君にこうしてお願いしているんだよ、草薙君」

俺の言葉を、国木田のオッサンがさえぎった。その言葉を聞き、表情を変える俺。

「…俺の力を借りたいってことはつまり、そっち方面の仕事ってわけか?」
「ああ」

うなずくと、国木田のオッサンは話を続けた。

「実は、昔世話になったことのある人からちょっとした仕事を相談されてね。いい人材はいないかと聞いてきたんだ。そのときに真っ先に頭に浮かんできたのが君だったんだよ、草薙君」
「へえ…ま、一応聞いてみるが、どんな仕事だ?」
「護衛だよ」
「!」

俺は一瞬体が硬直した。

「ある人物の護衛をお願いしたいそうだ」
「護衛…な」
(楓…紅葉…)

その言葉を聞き頭に浮かんできたのは、二人の女の姿。そんな俺の様子を察したのか、国木田のオッサンが訊ねてきた。

「…楓と紅葉のことを思い出していたのかい?」
「……ああ」

否定したところで、嘘だということはわかりきったことだから、俺は素直に肯定した。

「…仕方がないさ、あれは。ああするしかなかったんだ」
「わかってる。…わかっているさ」

自分に言い聞かせるように国木田のオッサンに答える俺。しばらくお茶をすする音だけが二人を支配していたが、やがて俺が口を開いた。

「…で、詳しい話は?」
「引き受けてくれるのかね?」

話を振ってはみたが素直に聞いてくれるとは思っていなかったのだろう。いささか驚いた顔で国木田のオッサンが訊ねてきた。

「話し次第だな。とにかく、詳しい話を聞かせてほしいんだが」
「わかった」

答えると、国木田のオッサンは詳しく語り始めた。

「対象は今のところ二名。その二名を護衛してほしいとのことだ」
「ちょっと待て。『今のところ』ってことは、それ以上になるかも知れねえってことか?」
「ああ。向こうでも護衛対象が増えないように努力するらしいが、もし増えてしまったらそれらの護衛も頼むそうだ」
「そりゃちょっと割りに合わねえな。いつ護衛の対象が増えるかもわからねえし、そいつらを全員護りきる自信なんてねえぞ」
「何、心配は要らない。二人のうちの一人にはすでに護衛がいるそうだ。君はもう一人の方を重点的に護衛して、護衛対象が増えないように気を配ってくれればいい」
「??? 今一つ話が飲み込めねえな」
「そうだろうな。私も今一つ飲み込めていない。だから、詳しい話は依頼人から聞いてくれたまえ。その上で受けるかどうかは、君の判断に任せる」

そう言うと、国木田のオッサンは懐から一枚の紙を取り出した。

「ここに依頼人がいるはずだ」

受け取ると、紙を開く。その瞬間、俺の顔色が一気に変わった。

「! ここは!」
「ああ」

視線を戻すと、国木田のオッサンが深々とうなずいた。

「今まで隠しておいてすまなかった。が、最初に場所を打ち明けると一も二もなく断られそうだったんでね」
「……」
「どうするね? どうしても嫌だったら、私から断りの電話を入れておくが」
「…いや」

俺は首を左右に振った。

「これも運命なんだろうよ」

そう言うと、俺は顔を上げた。

「行くさ。とりあえず、話だけでも聞いてみる」
「そうか。すまないが、よろしく頼む」
「ああ」
「もし受ける気になったら、私の方に連絡してくれたまえ。国土管理室の総力を挙げて君をバックアップしよう」
「わかった。もしそうなったら頼む」
「ああ」

紙をポケットに突っ込むと、俺は立ち上がり、店を後にした。


「遠路はるばるご苦労じゃったな。疲れたじゃろう?」
「いや…別に」

ぶっきらぼうに返すと、俺は爺さん…近右衛門の前まで進んだ。

「早速でわりいが、詳しい話を聞きたいんだが」
「わかった。国木田君から話は聞いておる。受けるか受けないかはワシの話を聞いてから判断してくれ」

うなずくと、近右衛門が詳しい話をし始めた。

「君に護衛してもらいたいのは今のところ二人なんじゃ。一人は今日からこの学校に赴任する教師。そしてもう一人はワシの孫娘じゃ」
「重点的に護衛する方ってのは、どっちだ?」
「教師の方をお願いしたい」
「護衛の理由を聞いてもいいか?」
「うむ。実はその二人は魔法使いなんじゃ」
「ほお…」

自然と感嘆の声が漏れた。そして、何故護衛を頼んできたのかも理解する。

「それなら理解できるな。魔法使いの世界も色々と大変らしいからな」
「うむ。ネギ君…これは主に護衛を頼む先生のことじゃが、彼はまだいいんじゃ。自分のことは魔法使いと自覚しておるし、修行のためにここに来るのじゃからな」
「? 修行? なんだ、そりゃ?」
「詳しいことはネギ君本人から聞いてくれんか。で、問題は木乃香…ワシの孫娘の方なんじゃが、木乃香は自分のことを魔法使いじゃと知らんのじゃ」
「??? だったら別にいいじゃねえか。本人が知らねえのに、他人が知ってるわけねえだろ? せいぜい血縁の人間ぐらいだろうが。まさか身内から狙われてるってわけでもねえだろうが」
「ところが、木乃香は非常に強大な魔力の持ち主でのう。魔力を感知出来る者には知られてしまうのじゃ。その上厄介なことに、木乃香の魔力を使って何かよからぬことを企む連中もおる。だからワシも護衛を手配しているのじゃが、これからもその護衛の子一人で護りきれるかわからん。そこで、転ばぬ先の杖ということで国木田君に相談してみたところ…」
「俺が推薦された…ってわけか」
「そういうことじゃ」
「成る程な…」

うなずく。

「んじゃ、護衛対象が増えるってのは?」
「うむ、ネギ君のことじゃ。先程彼は魔法使いだと言ったが、一般の人間が魔法のことを知ったらこちら側の世界に足を踏み入れてしまうことになる。当然、厳しく言い渡すつもりでもあるし、自分も承知しているであろうが基本的に魔法の使用は禁止じゃ。とは言っても、どんな拍子に魔法を使わなくてはいけないことになるかもしれんし、それを誰に見られることになるかもわからん。もしそうなれば、成り行きとはいえその人物もこちら側の世界に足を踏み入れることになる。そうなれば生命を危険に晒すことになりかねん。そうなったとき、その人物にも護衛が必要になるんじゃ」
「成る程。そういうことか。…でもそれは逆に言えば、そのネギってやつを護衛の名目で魔法を使わないように監視してれば…」
「うむ。君が護衛する人物は二人…実質一人で済む」
「そういうことか…。あ、でももし俺が引き受けた場合、役職はどうするんだ? 教員免許なんか持ってねえぞ、俺」
「うむ、ネギ君や木乃香と離れすぎては困るので、ネギ君のクラスの副担任を任せようかと思っとるんじゃが」
「いや…副担ってのはどうかと思うぜ? さっきも言ったけど、俺教員免許持ってねえし」
「構わんじゃろう。授業を割り当てるつもりはないし、何より学園長のワシが良いと言っておるんじゃからな」
「いや…そっちがそれでいいなら、いいけどよ…」
(大丈夫かよ、この学校)

人事ながら、俺は心配を禁じ得なかった。

「うむ。…で、どうするね?」
「そうだな…」

少し考えようとしたとき、コンコンと扉がノックされた。

「? 誰だ?」
「おお、来たようじゃの。すまんが草薙君、少し下がってくれんかの」

特に反対する理由もないので、近右衛門…学園長の言葉に従い、俺は壁際へと下がった。

「どうぞ、鍵は開いておるぞ」
『失礼します』

扉の向こうからそう聞こえると、すぐに扉が開いた。そこには、一人の少年を中心に、左右に二人の少女がいた。

「!!!」

俺の周りの、時が、止まった。


後書き

こんばんは、セフィロスです。
ネギま!SEEDの第2話をお送りいたしました。いかがでしたでしょうか?
今回は草薙がここに来る経緯ですね。楽しんでいただけたら何よりだと思います。何人かの方から御感想を頂き、まことに嬉しく思ってます。レスに対する返事はなるべく書く予定ですので、どしどし御感想を送ってきてください。
次回は草薙とネギの初顔合わせになりますね。期待していただけたら幸いです。
では、第3話で。


それではレス返し

龍牙様>文面を見るに、以前他のサイトに投稿したときも読んでいただいていたようですね。まことにありがとうございます。これからも楽しんでください。

mitama様>とりあえずまだ始めたばかりですので、これからの展開しだいですね。楽しんでいただけるように頑張ります。

ATK51様>世界樹とスサノオを絡めた設定を作ってますので、乞うご期待といったところです。楽しんでいただけるような作品にしたいですね。
追伸:そうですね、バカブルーは彼女でしたね。すっかり忘れていましたけど、それを思い出した以上、彼女の出番を多くしてみようと思います。

Aibo様>草薙と2(3)−Aの絡みはこれからですので、期待していてください。それと、紅葉嬢は残念ながら出てきません。何故かというのはおいおい明かしていきますので。

D,様>懐かしいですよね。でも、これを題材の二次創作って読んだことがなかったもので。今後の展開にご期待ください。

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