さてさて前回この話の主人公『式森和樹』君は魔力の暴走のせいで何故か『ネギま世界』に迷い込んでしまった。
しかも何がなんだか解らずに歩き周っていたら行き成り吸血鬼らしい少女・エヴァンジェリンとそれに付き従うロボット少女?・茶々丸に追い掛け回されるなんて目に会ってしまった。
そんななんとも不幸な主人公は今現在どうしているかというと……ベッドの上でぐっすり眠っていたりする。
「う〜ん」
どうやら目を覚ましたらしい、盛大に伸びをしながら起き上がった。
しかしこの部屋は何処なのだろう?特に豪華な置物等が有るわけでもない普通の部屋のようだが、
「あれ?えっと・・・ここ何処だっけ?」
キョロキョロと周りを見回しながら首を傾げている和樹、自分でも忘れているらしい
ん〜と唸っているどうやら必死で思い出そうとしているらしい、
「確か魔力の暴走で飛ばされて・・・そうそう、その後女の子二人に追い掛け回されたんだよな・・・それからどうしたんだっけ・・・?」
ん〜とさらに暫く唸る。
「ああ!そうだ!その後なんか男の人が出てきて学園長室に連れてかれたんだっけ、それで事情を話したらとりあえず今日はそこに連れてきた男の人の部屋に泊まるって事になって」
コンコン
その時なんともタイミング良く部屋の扉が誰かに叩かれる。
「あ、はい。どうぞ」
「入るよ。起きたようだね式森君」
その言葉と共にガチャリと扉が開き眼鏡を掛けたなんとも渋い中年男性が入ってきた。
「あ、はい。えっと・・・あ、高畑さんでしたよね?おはようございます。」
「おはよう。朝食が出来てるから顔を洗ってくるといい。洗面所は玄関のすぐ手前に有るから。」
「あ、はい。どうもすいません。」
「いやいや、気にしなくてもいいよ。それじゃ僕はリビングに居るから。」
そうニッコリ微笑みながら言うと部屋から出て行く。
「それで部屋に案内されて泊めて貰ったんだよね。しかもベッドまで使わして貰って・・・御礼言わなきゃな〜とりあえず顔洗ってこよう。」
ベッドから抜け出し廊下に出ると手洗い場に顔を洗いに歩く
(にしても驚いたな〜・・・異世界なんてさ)
〜回想〜
「ここが何処って、麻帆良学園だけど。」
「麻帆良学園?」
「そうだよ。日本の麻帆良学園都市と言った方が解りやすいかな?」
和樹の質問で一瞬沈黙の沈黙が訪れるが男(この男が高畑らしい)がそう答えるが、
「いえ全然知りません。」
和樹がそうきっぱりと答えるとまた沈黙した。
「え?一般にも裏にもかなり有名だと思うんだけど?」
「聞いた事も無いです。えっとそちらは葵学園って知ってますか?全国的にかなり有名な高校なんですけれど。僕は其処の学生なんですが。」
本当に知らないのかと問い返す高畑に聞いた事も無いと返す和樹、逆に葵学園を知っているかと問い返す。
葵学園は全国から魔法回数の特に多い物が集まる超難関高校であり全国的にかなり有名なはずなのだが、
「いや知らないね・・・いったい何処に有るんだい?その高校」
「えっと・・・」
知らないなと首を振る高畑、場所を聞かれ学校の場所を答えるが、
「やはり聞いた事も無いね。でも嘘を言っているようでもないし・・・悪いけど学園張室に来てくれるかな?僕だけだとどう判断していいか解らないからね。」
「は、はあ。」
「エヴァンジェリン歩けるかい?」
やはり知らないらしい、少し考えるとそう和樹に言い吸血鬼の少女・エヴァンジェリンの方を向き声を掛ける。
「ああ、もう凍りも溶けたし回復もしたからな。しかしいいのか?そいつは魔法使いだぞ?」
「まあ判断をどう付けたらいいのか解らないからねしかたないよ。さて僕はタカミチ・T・タカハタと言うんだが、君の名前は?」
「あ、式森和樹です。」
「では式森君。付いてきてくれるかな?」
「あ、はい。」
もう何がなんだか解らないがそう言うことになったらしいと後を付いて行く途中
「あの」
「なんだ?」
おそるおそるといった感じで隣を歩くエヴァンジェリン(長いのでこれからエヴァにと書きます)に話しかけると、なんとも不機嫌そうな声で返事をされた。
(うわ〜怒ってるよ)「あの・・・足と手大丈夫かな?」
「もう直った」
引きつりながらも大丈夫かと問うとそう一言返しただけで押し黙る。
それから会話は無くなんとも気まずい雰囲気にビクビクしながら歩いていると突然、
「おい」
話しかけられた。
「え?僕?」
「お前以外に誰が居る。・・・さっきはなんであんな事を聞いたんだ?」
何を言っているんだこいつといった感じで見てくるエヴァ、視線を前に戻すとそう問いかけてきた。
「え?あんな事って?」
「大丈夫か?と聞いただろうが、私はお前の血を吸おうとした吸血鬼だぞ?なんでそんな相手を心配する?」
心底訳がわからないといった顔を和樹に向けてくる。
「僕のせいで怪我させちゃったし・・・」
「だから何でそれで心配するんだ!私はお前の敵だったんだぞ!お前のせいだと言うが元々は私から攻撃したんだろうが!」
和樹の返事に今度はガーッ!っと怒ってくるエヴァだが、
「何でって言われてもな〜何となくとしか言いようが」
聞かれた和樹は何に怒っているのか検討も付かない、困惑した表情でそう言うと、
「もういい……変な奴だ」
そう言って前を向いてしまった。
(そんなに変かな〜?)
「さて着いたよ。」
そうこうしているうちに着いたらしい。
コンコン「学園長入りますよ?」
「ああ、入ってきたまえ。」
扉を叩くと中から返事が有った。声からして老人のようだ。
「失礼します。」
中に入って行った高畑に続いて入った和樹が目にした物は、
「仙人?」
異様に頭の長い髭を伸ばした老人だった。確かにそう見えるボソリと和樹が呟くのもしかたがない事だろう。
「いやいや違うぞい。彼がさっきまでエヴァンジェリンと戦闘していた人物かね?高畑先生」
そう突っ込むといつの間にか横に立っている高畑に確認を取る老人、どうやら高畑はこの学園の先生らしい、これからは高畑先生と書こう。
「ええ、そうです学園長。なかなか込み入った事情が有るようなのでここに連れてきたんですが」
「ふむ。私はこの麻帆良学園の学園長をしとる近衛近右衛門と言うものだが、君は?」
和樹に向き直ると自分の名を名乗り聞いてきた。
「えっと式森和樹です。」
「ふむ式森君かね。何やら込み入った事情とやらがあるようだが話してはくれんかね?」
「え?あ、はい。」
少し考え込み入った事情とは何故自分がここに来る事になったかだろうと当たりをつけ、ゆっくりと話だす和樹、
自分の今まで通っていた学校の事、そこで自分が一度魔法回数を使いきり塵になった事、その塵をなんとか集めて生き返った事、
それから自分の魔法回数が不明になった事、自分が魔法を使うと世界滅びると言われていたがここで使っても何も起こらなかった事、それと同時に魔力が時々暴走するようになった事
そしておそらくその暴走のせいでここに飛ばされて来たのだろうと言う事まで、できるだけ細かく話した。
「と言う事なんですけど・・・」
話終わると、いや話の途中から和樹以外の四人の表情が難しくなって行っていた。(ただ一人茶々丸の表情だけは解らなかったが)
「ふ〜む・・・なるほどのう・・・。」
むう・・・と何かを考えている学園長、暫くじっと和樹を見ながら何やら考え込んでいるようだ。
「突拍子も無い話じゃが・・・嘘を言っとるようには微塵も感じん・・・なら答えは一つじゃな。」
上を向きながらそう話すと、和樹の方に向きなおり、
「式森和樹君、君はどうやら異世界からこの世界に飛ばされてきたようじゃな。」
そう言った。
「え?異世界ですか?そんな、まさか。」
「いや、それ以外に考えられんのじゃよ。君が嘘を言っているようには到底思えんしの〜、この世界が君にとって異世界であるという理由じゃが、この世界には魔法回数なんてものは存在せんのじゃよ。」
「魔法回数が存在しない?」
「そうじゃ。魔法使いは存在するがの、わしやこの高畑先生にエヴァンジェリン君もそうじゃ。しかしわしらにはその魔法回数なんて物は無い。一般人にも勿論の。」
「え?へ?ええぇぇぇ?!」
説明を聞き叫ぶ和樹、まあ当然だろう。
「本当に災難じゃな〜、だがしかし事実なんじゃよ。君には気の毒じゃがね」
気の毒そうにそう言う学園長、雰囲気からも同情とかそういった感情が出ている、おそらくいい人なのだろう、
「ど・・・どうしよう・・・」
がくりと膝をつき途方にくれる和樹、異世界だと解っても元の世界への帰り方なぞはっきり言ってまったく解らない、暴走で飛んできたのだから当たり前だ。
世界移動の魔法なんぞ知っていたら苦労はしない。
「あ〜なんと言ったらいいのか解らんのじゃが・・・とにかく元気を出しなさい。こちらでもなんとか元の世界に帰る方法を探して挙げるから。」
「え?本当ですか?!」
「まあここで見捨てて放り出すのも後味が悪すぎるからの〜・・・取りあえず今日は何処かでゆっくり休むといい。明日にでも見つかるまでの身の振り方を考えておいて挙げるから。」
「では僕の家に泊めましょう。これも何かの縁って物でしょうし。」
「あ、ありがとうございます!ほんとにどれだけ感謝したらいいのか。」
なんとも暖かい言葉に感激し滝の様な涙を流す和樹、
「それじゃあ行こうか式森君。それでは学園長」
「はい。よろしくお願いします。」
「ああ、ちょっと待ちなさい。式森君言い忘れておった。」
「あ、はい。何でしょう?」
出て行こうとする和樹を呼び止める、
「君は魔法回数が残り1回で魔法を使うと塵になって消えると言っておったな?」
「はい、そうですけど。」
「なら魔法を使うのは極力控えなさい。世界が滅ぶというのは無いだろうが君が消える可能性はある。不明と言う事は何回か解らないということじゃろう?もし残り1回になっておったら大変じゃからな、ここでは数を図る事もできないしの。」
「あ、はい。解りました。本当にありがとうございます。」
自分の事を思っての忠告に深々と頭を下げる
「いいんじゃよ。では、お休み式森君。いい夢をの」
「はい。ありがとうございます。お休みなさい」
もう一度深々とお辞儀をしてから退室して行った二人。
その後残った三人の内二人でこんな会話がなされていた事を二人は知らない。
「おい」
「ん?なんじゃ?」
「えらく気前がいいが何を企んでいる?それのあんな似合わんセリフまで言って」
「うるさいわい!自分でも少しカッコつけすぎだったと思うわ。まったく人聞きが悪いのう。別に何も企んどりゃせんわい。」
「嘘をつけ。絶対に何か企んでいるだろう?私に隠しても無駄だぞ。それ位解るわ」
「はあ・・・のおエヴァンジェリン、お前さんは彼の魔力をどう見る?」
「はぁ?あいつの魔力か?そうだな・・・間違いなくあの坊やより遥かに上だろうが・・・それがどうした?」
「まあ今の封印された状態のお前さんじゃそんな所じゃろうな」
「む?どういう意味だ?」
「彼が言っておったろう?元の世界で自分が魔法を使うと世界が滅ぶと言われておったと」
「確かに言っていたがそれがどうかしたのか?いくらなんでもそんな訳があるまい」
「いいや、恐らく本当の事じゃよ。彼の魔力はネギ君どころか家の木乃香すら遥かに超えとる。それこそ比べるのが馬鹿らしい位にの」
「まさか・・・」
「本当じゃよ。次の満月の時にでも良く見てみるんじゃの、すぐに解ると思うぞい?恐らく暴走でもして一気に噴出そうもんなら地球位簡単に消し飛ぶぞい。」
「・・・本当に人間か?」
「わしもそう思うが間違いなく人間じゃよ。でだ、そんな魔力の持ち主を野放しに出来ると思うか?」
「無理・・・だな。何かの拍子で暴走されたらたまらんな。なるほど・・・なら多少の無理と危険は覚悟で手元で監視しておくのが一番と言う事か」
「まあそういうことじゃな。それに今の彼の境遇には確かに同情するしの・・・まったく別の世界で一人きりというのは辛かろう。」
「ふん、甘いな。」
「うるさいわい。そう言う事でエヴァンジェリン、彼の血を無理やり吸おうとするのは絶対に禁止じゃからな?解っとるな?」
「ふん解っている。」(だがあれは惜しすぎな。何か手を考えんといかんか。)
「ならいいんじゃよ。」(な〜んか企んどるようじゃが・・・まあ大丈夫か自分の身を進んで滅ぼすような事はするまいて。それよりさて、彼の待遇はどうしたものかの・・・)
〜回想終了〜
時間は進み出発の時間に、
(男二人の朝食風景なんぞ書いてもつまらんので飛ばすます)
「さて、行こうか和樹君」
「あ、はい。学園長室ですよね?」
「そうだね、どうなるかは僕には解らないけどがんばって」
「はい、お世話になりました」
そう言って深々と頭を下げる。
「構わないよこれ位、本当は今からの道案内もしてあげたいんだが、どうしても外せない用があるものですまないね」
「いえ、地図も書いて貰ったし大丈夫です」
確かに手に地図らしき紙を持っている。
「それでは、本当にありがとうございました。」
そうして学園長の部屋へ向かった主人公・式森和樹
さてこれからどんな生活がはじまるのだろうか?
〜後書き〜
皆様こんばんわHARUです。
第一話からレス7と狂喜乱舞しております。
なかなかプレッシャーのかかるお言葉もいただきましたが^^;
がんばりますのでよろしくお願いします。
D,様
>ぼうそうで平行世界(?)に飛ばされましたか・・・・・・
平行世界ではなく完全に異世界ですかね〜、ネギま世界に魔法回数は完全に存在しませんし、
分岐した世界だとしても世界に魔法が生まれる前に分岐したって事になるんで近いようで全然近くないですな^^;
>でもそうすると和樹の魔法回数云々はどうなるんだろ?こっちの魔法を習得して回数減らなくするとか?気になるところですねぇ・・・
こっちの魔法はいずれ習得させるつもりですが、結構先になりそうです。
回数はそもそも魔法の原理が全然違う世界なんですよね〜・・・まぶらほ世界の魔法ってイメージだけで魔力さえ高ければ結構どんな魔法でも使えるみたいだし。
取りあえず和樹君の魔法回数は不明ですw使えるんですがもしかしたらそれが最後の1回かもしれない恐怖が付きまといますw
アサガミ様
キシャーは出てきませんよ〜まぶらほキャラは和樹君だけです。一応和樹君が主役なのでまぶらほ+ネギま!になってますがw
芳紀様
ええ、変わってないですねw命の危険は微妙に減ったかもしれませんが騒動の量はかわらんでしょうw
彼って超巻き込まれ体質ですしね^^;
匿名様
あ〜すいません〜触媒使っているのです^^;使ってる描写を入れ忘れて申し訳ないですT-T
それに関する話は次回ちょろっと出てくると思いますので。
双月様
がんばります!プレッシャーのかかる応援ありがとうございます^^;
ご期待に答えられるようがんばりますね。
rin様
すいません。私の筆力不足ですT-T
触媒に関する描写をすっかり忘れておりましたT-T
楽しみにしていてくださいw彼の体質じょう巻き込まれるのは確定ですのでwああ主人公の宿命w
ガバメント様
いや〜さすがにそれは・・・^^;
彼女だしたら無茶苦茶になって話が進みませんので^^: