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▽レス始

「霊能生徒 忠お!(9時間目)(ネギま+GS)」

詞連 (2006-04-24 06:56/2006-06-05 13:49)
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 何もないが故の澄んだ闇と、何かがある故の濁った闇。
 そこには、澱んだ闇が蠢いていた。

「…横島忠夫がいない?」

 闇の澱みのさらに底。一際、暗い場所から、苛立ちと怨嗟のこもった声が響く。

「ああ、クローンを送り込んだが、あいつの住んでいた場所はもぬけの殻だ」
「察知されて逃げたのか?」
「いいや……それなら、美神令子も逃げるだろうさ」
「先に美神令子を殺っちまえばいいんじゃないか」

 美神令子を殺す。その言葉が闇に響き渡った時、闇の中にいる者達の多くが、昏い歓喜に身を震わせる。だが…

「やめときな」

 だが、闇の一際深いところからした女の声が、漣のようなざわめきを押さえ込んだ。

「…美神令子を殺しちまえば横島忠夫のほうが黙っちゃいないさ。全力で私達を潰しにかかってくる。昔の、ただのガキだった頃のあいつなら問題ないが、今のあいつは…」
「人界最強、だろ?けどよ、それなら横島を殺すのは無理じゃねぇのか?」

 その言葉に、多くの同意の声が続く。
 闇に集う彼らの多くは、美神令子に恨みを持つ者。美神令子の仲間である横島忠夫にもそれなりに思うところはあるが、それは余禄程度に過ぎない。だが…

「…フン、貴様ら…魔族の癖に人間を恐れるのか!?」

 闇の底、取り分け力の強い者達が集まるそこでは、違った。
 美神令子への怨念はある。だがそれと同じかそれ以上に…

「あの横島というガキがいなけりゃ!俺達は人間なんぞに滅ぼされることはなかった!
 あいつが、あのふざけたガキが!一番、目障りなんだよ!そのぐらい解かってんだろ!」

 激昂する声は、まるで子供のような音の高さだった。だが、その声で紡がれる狂気は、明らかに人間の子供が生み出せるようなものではない。
 しかし、他の者たちも人にあらざる身。それほどの狂気を以ってしても、他の闇たちは恐れるどころか、反発を覚えるだけだった。

「おちつきな。…まあ、所詮は人間。やりようはいくらでもあるさ」

 先ほども聞こえた女の声が、双方の憤りを鎮める。彼女の胸中にも、横島という名前を聞くたびに、どす黒い憎悪が渦巻くが、精神力でそれを御し、全てを目的の糧へと変換する。

「まずはあいつが、今、ドコにいるかが問題だねぇ…。そうだねぇ…アンタが調べてくれないかい?広い範囲を、魔力を察知されないように調べるのは得意だろ?


   ハーピー?」

「……任せるジャン」

 応えた闇は、羽を生やした女の姿をしていた。


 霊能生徒 忠お!  9時間目 〜女教師エヴァ・背徳の課外授業〜


「ちくしょ〜〜〜〜っ!年齢に関わらず美形は敵やぁ〜〜〜…」

 放課後の麻帆良を、横島は独り涙しながら歩いていた。思い返すのは今朝の、アスナとネギのキス。
 一応、あのキスが仮契約執行のためだということはカモから聞いて知っている。
あれは魔法の儀式。必要だった。仕方がないことなのだ。
 等と横島が納得できるはずもなく…

「仮契約だかなんか知らんが、結局は美人のねーちゃんやカワイイ女の子とキスしまくる方便が出来たってことじゃねぇか!」

 理由を聞いて更にブチ切れた横島は、どこからともなく取り出した藁人形に五寸釘を打ち込み、本当に苦しみ始めたネギを見たアスナによって蹴り飛ばされた。
 それから放課後に至るまで、横島はネギに会うたびに怨念を込めた視線を送り続けたり、アスナに「もしネギが不埒な行いに及んだらコレを投げつけてやってくれ」と、何か不安な色合いの物が詰まった霊符で封されたフィルムケースを渡したりしたのだった。

「数えで10歳、実際は9歳!んなガキがハーレム作りなんて許されるべきか!否!許されるべきではぬぁい!」

 人目をはばからず絶叫する横島。外見が美少女であるという要素を差し引いたとしても、あまりにも異様な行動に、声をかけようとした男どもは揃って回れ右をする。

「ははは…相変わらず、元気だね、横島君」

 だがそんな中で、話しかけてきた人物がいた。

「ん、高畑先生?」
「やあ、ちょっといいかな?」

 高畑・T・タカミチは、人好きのする笑顔で言ったのだった。


 エヴァンジェリンは不機嫌だった。茶道部の茶会の後、日本庭園を散歩し、極めて機嫌が良かったところで、学園長室に呼び出されたからだ。
その上、呼び出された内容が…

「…まあ、エヴァが何も知らんのなら、きっと桜通りの吸血鬼というのも、単なる噂じゃな」
「おそらくな。他の魔法先生や魔法生徒も、何も言ってこないのだろ?」

 ヒゲを撫でながらとぼけた様子で言ってくる学園長に、エヴァも堂々と返してみせる。
 知っての通り学園長はエヴァの企みを知っているし、エヴァもそれをつかまれていることぐらい知っている。

「あまりに噂が大きくなったらこちらでも積極的に調べねばならんがのぉ…」

 学園長の言葉に、現在の二人の状況は表されている。

 エヴァにしてみれば、力を封じられている以上どう足掻いても圧倒的に不利なのだ。学園長に動かれてしまえば、負けは確定。
 それに対して学園長としても、動いてしまえば事実上の負けなのだ。というのも、15年前、エヴァンジェリンにかけられた賞金を撤回させる際に、エヴァンジェリンを監督する責任を負うことになったからだ。もしここで大きく動き、事が明るみに出てしまえば、学園長も極めて危険な立場に立たされることになる。
 エヴァがやりすぎれば双方敗北。それぞれの急所を互いに握り合ったデッドゲーム。それを平然とこなす当たり、二人ともただの老人と少女ではない。

「何か気付いたことがあったら教えてやる。…他に用事がないなら帰らせてもらうぞ」
「いや、待て待て。実は紹介したい子がおっての。高畑先生に連れてきてもらってるところなんじゃが…」

 そこまで言った時、計ったように学園長室の扉がノックされた。

「高畑です」
「おお、丁度じゃな。入ってきてくれ」

 学園長の許しを得て入ってきたのは、タカミチと…

「失礼しまーす…って、エヴァちゃん?」
「…前も似たような展開があったな、横島」

 タカミチの後に入ってきた横島を一瞥してから、エヴァは学園長を睨みつけ、無言で説明を促す。しかし、剣のような眼光にも学園長は暖簾に腕押しのようで、飄々とした態度を崩さない。

「何だ、知っておったのか?いや、実はな、横島君はGSなのじゃが、ちと厄介な呪いにかけられていてのぉ。そこで麻帆良の魔方陣で解除することになったんじゃ。
最近、エヴァは授業をさぼっておるようじゃから会ってないかもしれんから、直々に紹介しておこうと思ったんじゃ」
(このジジィ…ぬけぬけと…!)

 苦虫を噛み潰したような顔をするエヴァ。
 エヴァは横島が呼ばれた理由が、ネギの助言者をするためであると考えている。魔法使いでないという点は不審であるが、下手な魔法使いより人外との戦いの経験はある分、助言者には向いているだろう。

「…どうせあと一週間もいないのだろ?ならば係わり合いにならねばならん理由はない。もう行くぞ…」
「これこれ、そう急ぐな。実はエヴァには横島君に、魔法について教えてやって欲しいんじゃよ」
「なっ…!?」

 その言葉には流石のエヴァも言葉を失った。魔法は当然ながら漏らしてはならない秘儀だ。それを、いくら『こちら側』のことを知っているからといって、一般人に教えるなど考えられない。
 本格的に横島忠緒を『こちら側』に引き込むつもりなのか?
 理由はわからない。だが少なくとも敵対しているエヴァにしては、横島が知恵をつけるのは面白くない話であるし、そもそも魔法についての基礎講義などというつまらぬことを、積極的にしたいとは思わない。

「そんな雑事、あの坊やに任せればいいだろう。曲がりなりにも先生なんだから」
「そうなんじゃが、ネギ君は最近、クラスの問題児のせいでいろいろ忙しそうでなぁ。頼むのは気が引けるのじゃよ」

その点、お前は暇だろうと、クラスの問題児当人にいう学園長。

「教えるといっても、魔法というものの基本概念じゃよ。魔法使いにしろとは言わん。ただ、最近何かと物騒じゃし、魔法使い同士の揉め事か何かあったときに、横島君が魔法について全く知らないとなると不便じゃろ?
ここは警備員の仕事の一つとして、頼まれてくれんかの?」


「―――というわけで、魔法の『ま』の字も知らない蛆虫の如く愚かな貴様に、世界最高の魔法使いたる私が教えを垂れてやる。感涙に溺れ死ねよ?」
「なんでそんな不機嫌なんだよ」

 学園長の部屋から出て10分ほど後、比較的狭い空き教室の一つに、エヴァと横島の姿があった。

「不機嫌?当たり前だろ!わざわざ時間を浪費して、敵に塩を送るような真似をするんだからな!」

 伊達メガネ装備のエヴァは中央最前列の椅子に座る横島を、親の仇といわんばかりに睨みつける。
 結局のところ、雇用者である学園長の頼みごとを、被雇用者であるエヴァが断ることは出来なかった。どうせ暇だし、例え自分が教えなくとも他の魔法使いが教えるだろうから、と自分に言い聞かせるものの、不機嫌さを払拭できるものではない。
エヴァの迫力に横島は思わず退きつつも、何とか言葉をつなぐ。

「だ、だったらさ…俺も教える、ってのはどうだ?」
「…ほう?四半世紀も生きていない小娘が700年近くの時を生きてきた私に何を教えるというのだ?」
「例えば…俺の霊能力についてとか?」

 横島の苦し紛れとも思える言葉に、エヴァは目を見開き、次の瞬間にはその見開いた目に猜疑心を浮かべる。
 霊能力と魔法の大きな相違点は、そのスタイルが先天的に決定するか後天的に決定するかにある。魔法は極めて体系立てられた技術であり、向き不向きはあるもののマニュアルにしたがって修練を積めば、西洋魔術も東洋魔術も習得できる。それに対して霊能力は才能によってスタイルが大きく分かれる。例えばいくら強大な霊力があろうとも、美神には霊波刀も出せなければネクロマンサーの笛も吹けないということだ。
一人一派、というのは極端かもしれないが、霊能力は魔法と比べて極めて多くのバリエーションがあるのだ。だから霊能力者と戦う時は、よほど相手が有名でない限り、実際目の当たりにしなければ戦法を知ることは出来ないし、対策も立てにくい。それに対して、魔法は形式が少ない以上、一合すればある程度は手の内を推測できるし、次のぶつかり合いの時までに調べることも容易だ。
 だから魔法使いに比べて霊能力者は、自分の霊能力の特性を隠したがる。隠したがるはずなのだが…

「…どういうつもりだ、横島?」
「どうって…何のことだ?」

 質問の意図が解からないという様に首をかしげる横島。

「俺はただ、エヴァちゃんばかりが自分の手札を見せるのは不公平だから、って思っただけだぞ?」
「例えそうだとしても、お前が対価を払う必要はないだろ?そんなことをせんでも、いい加減なことを教えたりはしない」
「そうかもしれないけど…けどそうしたら、こっちが一方的に借りを作ることになる。
 そういうのって、後々面倒になるんだよ。例えば、話し合いで解決する時とか」
「話し合いで解決?」

 横島の言葉にエヴァは冷笑を浮かべる。

「無理に決まっているだろ?こちらは取り合わんぞ」
「取り合ってもらわないと困るぜ。ぶっちゃけて言わせて貰うけど、実はネギのやつ、エヴァちゃんを『滅ぼそう』何て考えてない。あくまで『やっつけ』て改心してもらおうって考えてるらしいし」
「ずいぶんと甘い考えだな」
「だけど、その甘さのおかげでエヴァちゃんは生かしてもらってるんだぜ?」
「……っ…!」

 腹のそこから湧き上がった灼熱の怒気が、一瞬で理性を焼く。
 生かしてもらっている―――それは、己の力のみを拠り所に生きてきたエヴァにしてみれば最大限の侮辱だった。
 猛獣でも竦みあがるような殺気をこめた視線を、エヴァは横島に叩きつける。
 だが、ついさっきまでエヴァの眼光に冷や汗をかいていた少女は既にいない。いるのは大の大人でも正気を保っていられない重圧を、平然と受けて見つめ返す横島忠緒という名の戦士だった。
 数秒か数分か。

「…ま、その甘さがこちらに有利なのは認めるがな…」

 先に折れたのは、怒りの熱が冷めたエヴァの方だった。
 事実として、横島がエヴァとことを構えないのは『ネギ自身の力で解決しなければ自分が去った後、エヴァがまた悪さを繰り返すから』である。そこには事件が解決した後、エヴァが生存しているという前提が存在している。
 そしてその前提が存在する一番の理由は、ネギの甘さだろう。
 もし、エヴァの生死に関わらず事件を解決するつもりなら、先日、葉加瀬の部屋で会っている時点で、既にエヴァの命はなかった。
 ネギの甘さに生かされているというのは事実なのだ。

「まあそういうことなら、魔法の説明が終わった後、貴様のことについてもじっくり聞かせてもらうからな」
「エロ本の隠し場所とかは秘密な?」
「そんなもの聞くか、馬鹿者が。…というか持ってるのか?」
「あ……いや、ノーコメントで(そういや俺、今、女の子だっけ)」

 微妙な緊張感を保ちつつ、エヴァと横島の魔法の授業が始まった。


丁度その頃、とある道路脇の植え込みに隠れる、二人と一匹の不審のな影があった。
 ネギとアスナ、そしてカモの三人(?)だった。
 例によって例のごとく、彼らはカモの提案した『相手の片一方を二人がかりでボコっちまうんだよ』作戦を決行しようとしていたのだ。
 そして今、彼らの少し先を茶々丸が一人で歩いている。

「茶々丸って奴の方が一人だぜ!チャンスだぜ兄貴!一気にボコっちまおう!」
「だめー!人目につくとまずよ!もう少し待ってー!」
「なんか辻斬りみたいでイヤね。クラスメートだし」

 踏ん切りのつかないネギ、そしてどうも乗り気ではないアスナ。カモはその状況に深くため息をつき、思わず一言漏らしてしまう。

「こういう時こそ、横島の姉さんがいてくれたらいいのに……あっ!」

 慌てて口を塞ぐが時は既に遅し。どよ〜んという効果音をつけて、周囲の空気が重くなる。そんな空気の発生源は急に俯いて膝を抱えたネギだった。

「…僕は…僕は無節操って…横島さんに…違うのに…嫌われて…」

 ブツブツと虚空に向けて呟きだしたネギを見て、アスナとカモはまたやってしまったと天を仰ぐ。
 魔法使いと従者の仮契約について説明され、誤解が解けるどころかネギへの嫉妬メーターが振り切れた横島に対し、ネギは何度も関係改善を試みた。しかし向けられる視線とプレッシャーの前に、話しかけることも出来ずに逃げ帰るという惨敗に終った。
 更に悪いことに、その視線にこめられていたのは男・横島の

「貴様は男の敵じゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!」

という、取るに足らない嫉妬であったのだが、横島が男であるということを知らない、しかも色恋沙汰には疎いネギは、その視線の意味を

「女の子の唇をそんなことで奪うなんて……最低ね!見損なったわ!」

 という意味と捕らえてしまい、それがネギの真面目な気性や横島への仄かな想いと混ざり合い…

「僕って…最低だ…」

 と、いう感じになってしまったというわけだ。
 時間を置けば復活はするものの、何らかの横島が関わるキーワードを聞けば直ぐこうなってしまうので、これから辻斬り(?)というのに、こんなに不安定ではしょうがない。
 横島を連れてこなかったのも(ネギが説明しなかった、というか出来なかったというのもあるが)横島がいるとネギがネガティブモードに突入してしまうからであった。

「エロオコジョ、何とかしなさいよ」
「何とかって……そう言われても…」

 と、そこまで言いかけて、カモの頭に電球が灯る。
 カモは、ネギの肩に乗ると葉巻をふかして語りだす。

「兄貴、しっかりしてくださいよ。こんなことで諦めちまっていいんですかい?」
「カモ君…、諦めるって?」
「横島の姉さんの誤解をとくのを諦めるのかってことっスよ?」
「けど…話も聞いてくれないし…」
「話を聞いてくれないなら行動で示せばいいじゃねーか?」
「行動?」
「そう!エヴァンジェリンの事件を姉さんの手を借りずに解決するんすよ!」

 初めて少し顔を上げるネギ、カモはここぞとばかりに畳み掛ける。

「ここで兄貴が出来る男だって証明すれば、横島の姉さんだってきっと兄貴のことを見直すって!そうすれば仲直りできるさ!」
「そう…かな…?」
「絶対そうだって!だからまずは、この作戦を成功させようぜ!」
「…うん、そうだね!がんばるよ!」
「さっすが兄貴!そう来なくっちゃ!俺も全力でサポートするぜ!」
「ありがとう、カモ君!」

 抱擁を交わすオコジョと子供先生を見て、アスナは疲れた表情でため息をついたのだった。


「さて…まずは貴様がどれだけ魔法というものを知っているかを聞かせろ」
「何も知らん」

 エヴァの質問にかえってきた答えは清々しいほどあっさりした即答だった。
 二秒ほど沈黙した後、エヴァは横島の座っている席に歩み寄り

「何も知らんとはどういうことだ!」
「堪忍やー!魔法の存在知ってまだ一週間も経ってないんやー!」

 襟首を締め上げ怒鳴るエヴァに、横島も泣きながら叫び返す。

「まったく…よもやここまで知らんとは。よくもあの時、割り込んでくる度胸があったな」

 軽い頭痛を覚えながら、エヴァは横島の服から手を離した。

「では、魔力と霊力の違いも全く解からない、ということだな?」
「…すまん。魔族の使う魔力とは違うってことぐらいしか、よく解からん」
「それだけ解かれば上出来だ。まずは二つの違いから説明してやる」

 ずれたメガネの位置を直し、エヴァは再び黒板の前に立つ。

「横島。霊力が霊波、波の特性を持つことは知っているな?」
「ああ。その波形によって、魔力やら竜気やら名前が違うんだろ」
「そうだ。悪魔――お前達、霊能力者風に言うなら魔族だが、あいつらの使う魔力、ここでは便宜上、霊魔力と呼ぶがそれも基本は波だ。光や音と同じようにな…。
 では問題だ。音は空気の疎密、光が電場と磁場の変動という形で伝わるが、霊波は一体何の変化によって伝わると思う?」
「………魔力か?」
「ほう、なかなか優秀だな!まぁ、会話の流れからして、それ以外の答えはないが」

 調子が乗ってきたのか、機嫌良さそうにエヴァは言いながら、黒板にチョークを走らせる。

「魔力は現象界の隣、アストラルサイド、幽界を満たす空気のようなものだ。学派によっては、魔力の本質をマナ、今説明した魔力の偏在による圧力差のことを差すが…そこらへんをとやかく言うのは象牙の塔に住んでるような奴らだけだ。気にすることはない。
霊力は魔力を伝播する波の形で現実世界に情報とエネルギーを送りつけ、望んだ事象を引き起こす。
 それに対して魔法は、場を満たす魔力を加工、運動させることにより望んだ事象を引き起こす。音と風、ちょうどそんな関係だ」

 エヴァは黒板に二人の人間のイラストを描く。片方はリモコンのようなものから電波を出して風車を回し、片方はウチワで風を送って風車を回す。

「波と流動。二つは全く別の性質を持っていて、通常影響しあわないし、例え影響しあったとしても、精密な干渉を行うこともまず無理だ。
 だから、今朝お前が言ったように、魔法によってかけられた呪いを霊能力で解くことも、またその逆も不可能だ」
「けど、エヴァちゃんの魔法を俺は撃墜したし、俺のサイキックソーサをエヴァちゃんは魔法で防いだろ?」
「ふん、いい質問だ。
 あれは、魔法も霊力も互いに具現化していたから可能なのだ。
 波と流れ。両者は魔法が発動するまでは干渉しあえないが、一度、具現化するとそうではない」

 エヴァは黒板に書いた2つの風車を消すと、二人の人間の間に新たに風車を書き加えた。そして、ウチワから風車に向けて矢印を描く。

「この風車を現実世界とする。そして今、ウチワで扇いで風車を回している。ここで、リモコンを持っているものがスイッチをいれると、風車は逆方向に回りだす。電波で風を阻害していないにもかかわらず、だ。
実際はもう少し複雑だが、大まかなところは間違っていない。霊力と魔力は干渉しあわないが、一定以上具現化したもの通しなら干渉しあえる、というわけさ。言い変えれば概念系や事象干渉系、つまりは呪とかそういったのは干渉しあえない。
 そういった術は、現象界ではなく幽界にその本質があるからな。単純に防ぐなら害ある干渉の阻害、という術の組み立てで何とかなるかもしれないが、一度、かけられれば霊力の呪いは魔力で解けず、魔力の呪いも霊力では解けない。
例えば石化の呪い。魔法で石化の呪いをかけられた場合、石化が進行している最中では霊力でキャンセルすることは出来ない。だが完全に石化してからなら、場合によっては元に戻せる。もっとも呪いの特性が『石化させ続ける』ではなく『石化させる』という一回性のものならばだが…。

 ……ついて来れているか、横島?」

 いつの間にか説明に没頭しかけていたエヴァは、なにも返してこなくなった横島に不審を感じて横島を見る。横島はしっかりと目を見開き、豊かな胸の前で腕を組み、背筋を伸ばしながら応えた。

「ぐぅ」
「死ね」

 葬送の言葉も面倒臭いとばかりに、エヴァは言葉少なく教卓に備え付けられていたパイプ椅子を持ちあげると、スイング。
 パイプ椅子は地面と水平に空を切ると、横島の側頭部に激突。パイプ椅子をつかんだ両手に手ごたえ。これぞ快打の証し。横島の頭は髪をなびかせつつ体と一緒に椅子から右へ飛び机の下に消える。
 ごんっ、という何かが地面にぶつかった音がエヴァの死角から聞こえて一秒弱。

「っていきなり何すんだ、痛いやないか!」

 何事もなかったかのように起き上がる横島。
 常識人なら思考停止すら起しえない不死身さ加減を見せた横島だったが、しかし相手であるエヴァもイモータル。全く動じずまだ手に持っていたパイプ椅子を振り下ろす。

カごんっ!

 しかし振り下ろした先は机の上、それは丁度起き上がった横島の鼻先だった。
 どうせ打撃は堪えないだろうという推測に基づいて、威圧を目的として落とした一撃は確実な効果を挙げたらしく、横島は続けて言おうとした文句を、硬い唾と一緒に飲み込んだ。

「……で、どこまでちゃんと聞いていた?」
「ハイッ!一定以上具現化した霊力と魔力なら干渉しあえる、というところまでです!」

 絶対零度なエヴァの声色に、横島は最敬礼で答える。
 エヴァは若干不満げな顔をしたものの、肝心な部分は伝えれたと考え溜飲を下げた。

「大体こんなところだ。他にも気と魔力の違い云々などあるが、まあ、重要なところはこんなものだ。
 さて、横島忠緒。お前も約束を守ってもらおうか?」

 エヴァは好奇心に目を輝かせて横島を見る。

「ああ。解かった。まずはコレだな」

 横島は手の平をかざして霊力の円盤を作る。

「まずコレが最初に覚えた霊能、サイキックソーサ。普通は盾だが、投げつけたりできるぞ」
「…なんの触媒も用いず霊力を実体化か…」

 興味深げに眺めるエヴァ。横島は少し気をよくして、説明を続ける。

「で、これを更に強化していくと…」

 サイキックソーサは輝きを増すと、完全に物質化して横島の手を包む手甲に変化する。

「っと、コレが俺の主要霊能の一つ、霊波刀。刀といっても伸縮自在だし棒状にも出来る。その名も『栄光の手』!」

 自慢げ言われた名前を聞いたエヴァの顔が、彼女には珍しいことに少し引き攣る。

「え、栄光の手。……横島、もっとましな名前はなかったのか?」
「何で?」
「いや、解からんのならいいのだが」

 ちなみに『栄光の手』とは、処刑された罪人の手を蝋と香草につけるなどして加工したオカルトアイテムの名前である。

「ま、いいか。次はこいつだな」

 エヴァの行動を気にしつつも、栄光の手を解除した横島は、タロットカードを取り出す。

「この間は気付かなかったが、随分と良いカードを使っているな」
「ああ。ウチの上司が俺の命、1億個分だとか言ってたからなぁ…」
「確かにそれくらいはありそうだな」
「………そんなにあっさり同意されると結構傷つくぞ」

横島は涙しながら大アルカナを取り出す。

「術式は俺のオリジナル。横島流星辰陰陽術って呼んでる」
「星辰?…図柄ではなく、大アルカナ各々に対応する惑星と正座を使うのか?」
「ああ。ただし、愚者、吊るし人、審判は八卦の象を作るために使うけどな。厳密な術式は流石に教えられない」

 大アルカナに対応する正座とは占星術で使われる黄道12星座と陽月、そして九つの惑星(天王星、海王星、冥王星はカードの版によってあるなしが違ってくる)である。

「小アルカナは使わないのか?」
「小アルカナはエネルギータンクだな。術に使った大アルカナの霊力を補給したり、術に使うときサポートに使ったり。で、カード全体の霊力は、俺の普段の余剰霊力で補給されている」
「なるほど。なかなか面白いではないか」
「そりゃどうも。さて、次のがメインだ」
「ん?まだあるのか」
「ああ、これだ」

 これで終わりかと思っていたエヴァに、横島はビー玉のようなものを差し出す。
 やや警戒しながらも、エヴァは横島の手の平からそれを摘み上げる。
 淡い光を放つその玉からは僅かながらも霊力を感じる。

「何だ、これは?」
「文珠だ」
「ふむ…もん……

………文珠っ!?

 さらっと言われた驚愕の言葉に、驚いたエヴァは文珠を取り落としかけて、慌ててそれを拾い上げる。

「お?知ってるのか?なら説明はいら…」
「知ってるのかじゃないこの馬鹿者が!なぜ貴様がこんなものを持っている!」

 平然とした横島の姿に、エヴァは驚きも怒りも通り越し、脱力感すら覚える。
 文珠――こめられた文字によりあらゆる事象を実現する神器。
 科学は愚か、魔法や霊能力の常識にすら喧嘩を売っているこのアイテムを、エヴァも聞いて探し求めたことがある。だが結局、実在すら怪しいという結論に落ち着いたのだ。
 しかしそんな眉唾の存在が、日本のとある霊能力者の男が作ることに成功したという噂が流れたのが数年前。
 それがいきなり、文字通り手の平に転がり込んでくるとは…!

「お、俺が作ったんだけど…」
「ウソをつけ!噂の文珠使いは横島という名前の男だと………横島、だと?」

 そこまで言って、エヴァは気付いた。
 噂の霊能力者の名前が『横島』。そして今目の前の、自分が締め上げている少女も『横島』。
 そして両者が文珠を持っている。
 …偶然か?いや、そんなはずがない。

「……横島?貴様…何か隠していないか?」
「(ギクッ)!」

 横島もエヴァの台詞から、エヴァが文珠使い・横島忠夫のことを知っていると勘付いていた。
 まずい…非常にまずいっ!このままでは男ということがばれてしまうぅぅっ!
 滝のように流れ出す冷たい汗。唐突にやってきた人生最大の危機に、横島の意識は焦り、乱れる。昔の横島なら、そのまま余計なことまで言って一気にばれるところだった。だが、人は成長するものであり、横島もそれは変わらない。

(いや、落ち着け、俺!こういう時こそ落ち着くんだ!)

 エヴァにばれないように小さく息をつき、真っ直ぐ前を見据える。余計なことを言えばそこからボロが出る。だから横島は言葉少なく否定した。

「イヤ、ソンナコトハナイヨ?」
「声が裏返っているぞ?」
「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 反射的に叫んでしまい、もはや無関係と白を切り続けるのは不可能。ゆえに前から用意しておいた次善のウソをつく。

「じ、実は兄妹なんだよ!兄さんが文珠使いだから文珠の作り方を教わったんだ!」
「兄妹?怪しいな…。ならば文珠を作れる一族が出た、という噂になって流れるはずだが…」
「さい、最近作れるようになったばかりなのサァ」

 取り繕う端から既にぼろぼろ。冷や汗でシャツが気持ち悪いくらい湿り始めた横島に、エヴァは全く容赦なく冷たい視線を送り続ける。

「…まぁ、そこまで言うのなら信じなくもないが…」
「ホントか!?」

 エヴァの言葉に表情が一気に明るくなる横島。だからこそ横島は、エヴァの目の冷たさが全然和らいでいないことに気付けなかった。
 エヴァは変わらぬ冷徹な表情で、しかし口元に酷薄な笑みを浮かべて宣言した。

「その代わり………脱げ」

…………………………………………

「はいぃ?」

 なんと言いやがりましたかこのお子様は、つか聞き間違いでしょ?という、祈りにすら似た気持ちで問い返す横島。しかし現実は横島の目の前にいる少女と同じくらい無情だった。

「私の前で脱いで見せろ。そうすれば貴様が女であることを信じてやる」
「いや、えっ、あ、ええぇ?」

 あまりの展開に動揺する横島。
 見た目小学生の少女に強要されてストリップ。
 高校時代は美術の授業で、何のためらいもなく全裸全開となった経験のある横島ではあるものの、流石に抵抗がある。その上、今の自分は女の体。そのことが、どういうわけか横島の心にブレーキをかける。

「で、できれば別の方法で証明させてもらわせていただきたいのですが?」
「どうするつもりだ?女同士で何を躊躇う?それとも見られては困るのか?例えばその胸が作り物だとか?」

 狼狽する横島を、嗜虐心を燃え上がらせて追い詰めていくエヴァ。
 よくよく考えれば横島と出会ってから、横島の飄々とした態度とぶっ飛んだキャラのせいで、どうにも心理的に不利だったエヴァにとって、千載一遇の反撃のチャンスだ。
 逃がさん……逃がすものか…ふふふっ、ふはははははっ!

「は、ははは…」

 追い詰められたネズミのような表情で一歩下がる横島。

「ふっふっふ…」

 追い詰めたネコのような表情で一歩進むエヴァ。
 一瞬の沈黙の後…

「戦術的撤退ぃぃぃぃぃぃぃっ!」
「逃がさん!私自ら剥いてくれるわぁぁぁぁぁっ!」
「いぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 デス・ハイク―――不毛の大地、サハラ砂漠を横断する世界で最も過酷な散歩競技。
選ばれた者のみが参加することが出来る、この究極の競技への参加と優勝を目指し、日夜散歩技術を磨く者達が、この麻帆良にも存在した!

「それが我ら散歩部なのだ!」
「お姉ちゃん、誰に向かってしゃべってるですか?」
「んーvサハラ横断でござるか。面白そうでござるな」

 今日も今日とて、鳴滝姉妹と楓は、のんびりと散歩を楽しんでいた。
 本日の散歩先は屋内、校舎内の使われていない地区だった。

「散歩といえば屋外というのはまだまだ初心者。真の散歩競技者とはこのようなところも歩くものなのだよ」
「さすがおねーちゃんです」
「ニンニン♪…おや?」

 などとバカ話をしつつ話していると、楓が急に立ち止まる。

「どうしたですか、かえで姉?」
「向こうの空き教室から、なにやら話し声が聞こえたのでござる」
「よし!行ってみよう!」

 風香の先導でそちらの方に三人は向かう。すると二人の耳に聞き覚えのある声がする。

『ハァ、ハァ…ふふふっ…、観念してもらおうかぁ、横島忠緒?』
『お、落ち着けエヴァちゃん!』

「あれ?今の声って忠っち?」
「エヴァ殿もいるでござるなぁ」
「けど何か様子が変ですよ?」

 思わず聞き耳を立ててしまう三人。立ち聞きもなんだしその教室に入ろうかと、まさに思ったその時、決定的な一言が聞こえてしまった。

『さて!脱いでもらうぞ!』

ビシッ!

 石の如く固まる三人。だがそんな状況を顧みることなく、部屋の中の状況は進行していく。

『まずは上からだ!』
『や、やめ!そんな…あああっ!』
『ふぅ…手間をかけさせおって……ぬっ!な、なんだこのデカさは!コレは本物か?』
『本物だって…ゃあんっ!』
『へ、変な声を出すな!』
『じゃ、じゃあ揉むなよ…つ、摘むのも禁止だぁぁっ!』
『黙れ!このサイズは成長しない私への当て付けか!こうしてくれる!』
『も、目的が違って……きゃん!お、お嫁さんにいけなくなるぅぅぅぅっ!』
『おっ……おのれ、無駄な抵抗を!』

「あわあわあわ……どどど、どうしよう?」
「ど、どう言われても困るでござる」
「あぶぶぶ、お、おねーちゃん!横島さんを助けないとですよ!」
「そ、そうだね!史伽!かえで姉!いくよ!」

 言うが早い、三人は空き教室の扉を開き突撃した。

「エヴァちゃん!ストーーーーップ!」

 と、風香と叫ぼうとして、三人はそのまま再び固まった。
 エヴァに組み敷かれている横島、という図を想像していた三人の前に広がった光景は、

「ふぅ…。さぁて…捕まえたぜ、エヴァちゃん」

とエヴァを組み敷いた横島と、

「お、おのれぇ…」

 と涙目で睨み返すエヴァンジェリン。二人とも息が荒く顔も赤い。おまけに服は乱れており、横島にいたってはベストもシャツも前が開き、フロントフォックのブラがはずれ、たわわな白い果実が覗いて見える。
 放課後の空き教室。あられもない姿で組み合うクラスメート。
 ここで、今までの二人の会話と、昨日の朝の、横島の女好き発言を加味して考えると…。

「は、はぅぅ…(///)」
「ひゃぁぁ…っ(///)」
「ニンニン…(///)」

 目の前でくんずほぐれつする二人の関係に、想像の翼をはためかせる思春期の乙女達。その存在に、ようやく横島たちも気付き、すぐさま彼女らの想像の内容にも思い当たる。

「ま、待て!違うぞ!」
「そうだ!これは貴様達が思っている様な…!」

 慌てて言いつくろう横島とエヴァだが、妄想と早とちりの前に言葉は無力。

「だだだっ!大丈夫、僕達、何も見てないからね!じゃあね!」
「お、応援するでござるよ!?障害も多いかもしれぬががんばるでござる!」
「あわあわっ、お、置いてかないでぇ〜っ!」

 逃げるように、というか逃げ去る三人。

『誤解だぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!』

 百合説流出を防ぐべく(横島はもう遅いかもしれないが)、GSと吸血鬼、敵対しているはずの二人は、共に駆け出したのだった。


「――つーわけで、エヴァちゃんが俺のことを男かもしれない、って疑ってああなったんだよ」
「なぁんだ…それならそうと早く言ってくれればいいのに」

 横島は散歩部の三人と、川沿いの道を歩いていた。
 あの後、どうにか三人を捕まえて、激しい労苦を経て説得には成功した。ちなみにエヴァは『今日はもう疲れた』と帰ってしまった。横島の正体の話もうやむやになって、横島としては結果的には良かったかもしれない。
 一方、横島は学園見物を兼ねて3人の散歩に付き合うことにした。

「散歩部、ねぇ……ハードそうな部活だな…シロなら喜びそうだが」
「そう!そうなんだよ、忠っち!散歩競技は世界大会もある超ハードスポーツなんだよ!」
「おねーちゃん、またウソばっかり…」
「横島殿、シロとは犬でござるか?」
「犬って言うか俺のバイト先の…あれ?」

 と、そこまで言って、横島は向こう岸に見慣れた姿を見た。それは黒いコートを着た赤毛の少女――その姿をとった機械人形だった。スーパーからの帰りなのか、その両手には一杯に詰まったビニール袋をぶら下げている。

「マリアだ」
「ホントだ、おーい!」

 楓たちも気付き手をふってみる。だが、マリアは気付かないどころか、もっていた袋を取り落とすと、いきなり前方に向けて駆け出し、その先にあった教会の裏手に消えていった。

「どうしたんでしょう?」

 史伽が首をかしげる。だが、マリアが駆け出した直後、横島はマリアの駆け出した方向にある教会を見ていた。

(今、魔法の気配が…)

 と、横島が思った直後

 ずがががががががっ!

 連続した銃声が、教会の裏手から聞こえてきた。


つづく


あとがき


 という訳でお送りします忠お!の9。タイトルの元ネタはスルーの方針で。
 内容がほとんど設定説明…。原作と違う!とかいうクレームは受け付けません。だって私の干し豆のような脳味噌ではこれが精一杯なんです。どうか寛大な対応をお願いします。
 さて、今回は内容も薄ければ量も少ないのですが、実のところ9は次の忠お!10と一緒に出す予定だったのです。しかし一回当たりMicrosoft Word で100〜150KBを基準にしているのですが、200をはみ出したので二分割しました。この続きは今週末に…。

 さて、レス返しを。


>U-氏

 お待たせしました。今後は6月には入るまでは週一ペースでいけそうです。何とかエヴァとの決戦までもっていければいいなと思います。


>ナッチュ氏

 お久しぶりです。読み手の応援は作家の主要エネルギーです。がんばります。
 なお、ルシオラ回りですが、今回の美少女化には関係ないです。単なる横島のアホな所業の結末です。ルシオラに関しては、それこそSS一本分くらい設定があります。後で語ることがあるかもしれないので、お楽しみに。


>ikki氏

>TSって下手するとぜんぜん別のキャラクターになってしまう事がありますけど、詞連さんの横島は横島忠夫というキャラクターをきちっと捕らえた上で一工夫されているように見えました。

 二次創作作家冥利に尽きるお言葉!ありがとうございます。確かにTS系とか最強モノって主人公の性格がめちゃくちゃになってしまい、面白くない場合が多いですよね…。私もあまりすきじゃないのですが、横島を生徒の形で乱入させるにはこれしか!と思いつめてやっちゃいました。
 上手くいっている様で少し安心しています。今後も、元のキャラクターと乖離しないように、しっかりキャラを動かしていきたいと思います。


>2氏

>ハードゲイではなくハードレズ?

 まあ、ゲイとは同性愛という意味ですので…。

>クラスで仲良くなっていますが本当のことがわかってしまうと・・・

 十中八九社会的に抹殺ですよね。三界唯一の能力を使って痴漢行為に走ったロリコンとして(笑)


>ジント氏

>本当の事を知った時のネギの反応が気になる所です。

 私も凄く気になります。ま、初恋が男っていうのは確実にトラウマでしょうね。才能豊かな少年に幸あれ…。
 かく言う私もTSが基本的にダメない人なんですが、生徒にするには女になってもらわざるを得ずこうなりました。TS嫌いの人の使用にも耐えることのできる作品作りを目指してがんばります。


>長官氏

 PTAから「こどもの睡眠時間を削るので削除するべきザマス!」といわれるような作品を作れるようにがんばります。


 ふぅ…終了。

 さて、次回の忠お!は『10時間目 〜鋼鉄姉妹?〜』
 久々にまともなバトルの予感です。内容がダレないように、そしてネギ射殺エンドにならないようにがんばります。

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