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▽レス始

「WILD JOKER 巻5(GS+Fate)」

樹海 (2006-04-20 15:12)
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「桜ちゃん?」
 横島は凛の言葉に首を傾げた。
 「ええ、間桐桜。さっきの慎二の妹、なんだけど…」
 少し歯切れが悪そうな、何か複雑な事情がありそうだったが、言いたくない事をむやみやたらと穿り返す程横島も悪趣味ではないので、黙って続きを待った。
 「あの子には魔術回路がある。確か父親はもういなかったと思うから、間桐の人間でマスターというならあの子ね。それに、あの子って戦うのが嫌いだから……言われて呼び出したはいいけれど戦うのが嫌で兄に譲ったって可能性は十分ありえるわ」
 多少は願望もあったかもしれない。
 だが、遠坂凛はそれでも自分の知る範囲でもっとも可能性の高いケースとしてそう想定した。
 「ん〜それなら二人が一緒にいる所が見られればいいんすけど」
 「……なら弓道部ね」
 何でも慎二が副部長なのは先程言ったが、桜も弓道部なのだという。学校の他の場所で偶然出会うのを待つという手もないではないが、それはどちらかにぴったり張り付いていないといけないし、さすがに効率が悪すぎる。かといって間桐の家に直接乗り込むのは、相手がマスターの一人と判明した今危険すぎる。元来、相手の本拠地、魔術師の工房という場所はどんな仕掛けがしてあるか分かったものではないのだ。
 「桜は真面目だから、放課後の部活もいるでしょうね……後は慎二がいれば」


 で、結果は。
 いませんでした。
 桜ちゃんはいた。可愛い大人しい感じの女の子で……胸結構大きい。『83…いや85はある』と真剣な声で呟いたら凛さんに殴られた。いや、最初は霊体だったからすかったんだが、人目のない所で『実体化してくれる?』って言われた顔はとっても怖かった。けど美神さんの時の経験から逃げたら更に酷い目にあいそうだったので素直にぶん殴られた。
 問題はあの慎二という奴がいなかった事だ。
 下手に慎二の事を気にしてるなんて事になったら面倒だし(凛さんって学校のアイドルらしいから、そんな人が男の事を気にしてるなんて噂が広まるのは嫌らしい)、結界を敷いてる可能性も考えたが、さっきの今ですぐ続きをやるとは考えにくい。まあ、念の為にざっと見てみたが、姿はなかった。
 『朝練を当たってみましょう』との凛さんの言葉で結局この日は帰る事になった。


 さて、翌朝だ。
 ……凛さん、あなたがここまで朝に弱いとは知りませんでした。
 「もういい加減起きないと朝練には間に合わねえんじゃねえか?」
 『うん……』
 「朝飯も食う時間が…」
 『ないよね』
 「よし、ここは一つ俺が丁寧に起こしに……」
 やに下がった顔で手をわきわきさせながら凛の寝室に向かおうとして……だが、ひのめがため息一つついて止めようとする前に、いきなり横島の動きが停止した。
 『?どうしたの?』
 「うぐ……お、重い。体が妙に重い……」
 『え!?』
 一瞬驚いたひのめだったが、すぐに原因に気付いた。脂汗を流しながら、それでも『凛さんの寝姿ーパジャマー!』なんぞと叫ぶ横島に冷ややかな声で理由を宣告した。
 『令呪でセクハラ禁止って言われてなかったっけ?』
 「しまったー!!」

 結局、横島にセクハラなしで済ます事は無理だろうと、ひのめが向かった。で、起きてきた凛さんは。
 「……おはよ」
 まあ、酷い顔だった。あの凛さんが寝起きはこんな状態になるとは……人間誰しも弱点欠点があるもんなんだなあ、とふと嘗ての金にいじきたない超A級GSを思い浮かべた横島だった。
 「……ミルク頂戴、ホットで」
 随分不機嫌そうだったので、とりあえずとっとと作って差し出す。こういう時に下手に逆らうとろくな事にならない事くらいは学んだようだ。そして、ゆっくりと飲んでる間にようやく目が覚めてきたようだった。
 「ふう……………」
 「……」
 『……』
 この辺りでようやく我に返ったらしい。
 「………あ…お、おはよう」
 ちょっとどころでなく慌てた様子で遠坂さんおはようの挨拶ですよ。
 「まあ、いいっすけどね」
 『(こくこく)』
 「う……い、いいじゃない。まだ遅刻の心配とかはない時間なんだし…」
 「ええ、それは大丈夫だと思いますけど…」
 「……何か言いたい事でもある訳?」
 不機嫌そうに睨んだ遠坂さんだったが。
 『今日弓道部の朝練覗いて見る予定だったけど、それには間に合うの?』
 「……しまったーーーーー!」
 間に合いませんでした。


 「うう……重要な時に大ポカやらかすのはもう遠坂の遺伝よ…」
 やな遺伝だな。そう思いつつ、結局朝練は諦めて学校に到着した。で、絡んできたのが真面目な眼鏡の男……これでもこの学校の生徒会長で山の上のお寺の跡取りなのだそうだ。名は柳洞一成。まあ、絡んでるって言っても、この二人のかけあいなら大丈夫だろ。指摘したら即効で否定するだろうが、こうした会話を二人とも楽しんでる。……うん、美神さんとエミさんを思い出すなあ……。
 そんな懐かしさを感じてると、更に横から声をかけて来た相手がいる。
 髪は赤がかかった感じで、手に……工具箱?会話の内容からすると、どうやら目の前の男の友人で、どうやら頼まれて学校の機材の修理をしていたらしい。器用な奴だ。……ふむふむ衛宮士郎、か…………何故じゃ、凄くいい奴っぽいのに、何故か俺の第六感がこいつは敵だと訴えかけているような……。

 とか考えてる内に二人とも立去ってしまった。 
 ……まあ、いい。今は他にすべき事は幾らでもあるし、二人ともサーヴァントの影も形もなかった。それなら放置しておいても問題ないだろ……うん。
 とりあえずこの日は放課後あちらこちらを回って、呪刻探しとそれを潰すってかパワーダウンさせる為の作業をしていた。ある程度区切りがついた時にはあたりはとっぷりと更けて、暗くなっていた。
 「……うん、まあ大体目星はついたわね」
 桜って女の子が関わってるっぽいと判明してからというもの、凛さんはかなり気合が入っている。間違いなく、桜という女の子との間には何かがある……それもこの様子だと凛さんにとっての引け目というか……!しまった、この気配は…。

 「凛さん」
 「ん?何?」
 「敵っす」
 一瞬の間を置いて、凛さんも一気に警戒態勢に入った。迂闊だった。隠れていた為に気付かなかったが、うっすらと霊気が漂っている。その発生源の方向に霊視を集中してみれば……矢張りいた。
 「ほう、気付いたか」
 どこか皮肉げな、だが何というのか、どこか疲れたようなそんな声。
 「そこにいるんだろ?出て来いよ」
 学校の屋上の片隅にある貯水タンク。その陰に向かって声をかける。魔力が感知出来ないから、魔術師と一般人を見分ける事は出来ないし、相手が築いた結界の基点なんてのも分からない。反面霊力には霊力の強みがある。ことにサーヴァントという英霊だろうが何だろうがそれが霊体である以上、俺の得意分野だ。この世界のこいつらは魔力とか人の発する気配とかには注意を払っても霊気という面では概念が甘いのか駄々漏れだ。これでは余程の穏行術を行使していようがそうそう寝首をかかれるような事はあるまい。

 「やれやれ、こう見えてもそれなりに穏行には自信があったんだがな」
 そう呟きつつ。 
 タンクの陰から、赤い外套を纏った長身の白髪の男が皮肉げな笑みを浮かべ、ゆっくりと姿を現した。
 それが私達の目にした第三のサーヴァントだった。
 「お初にお目にかかる。私は……アーチャーだ」


『後書き』
 サーヴァントはサーヴァントを感じる事が出来る。
 これは事実ですが、横島に関しては他のサーヴァントとは少々桁が違います。彼は魔力を感知出来ない代わりに霊力に特化している為にはっきりと他のサーヴァントを視認出来るんです。
 言うなれば、他のサーヴァントの場合、自分以外の霊体化しているサーヴァントを感知するのは匂いであるとか音であるとかを鼻や耳で感知するような感覚です。この場合近くにいる、という事は分かっても『あそこにいる!』という具合に確信を持つのは難しい訳です。
 が、横島の霊視では、正に目で見る部類に入ります。
 皆さんも目をつぶって、匂いだけ或いは音だけで無造作に転がした何かを探すのと目で見て何かを探すのではどちらが簡単かは想像しやすいと思います。

 ですので、遠坂凛と慎二が顔を付き合わせた際も横島はライダーの姿をはっきりと見ていましたが、ライダーからは気配はあるから多分いるんだろう、という程度しか分かりませんでした。

では恒例のレス返しを

>ジェミナスさん
蟲爺さんはもう少し先の登場となる予定です。
さて、この世界では……どのような扱いとなるのでしょう。うけけけけけ

セラとリズは……やっぱそれなりに見せ場出した方がいいと思いますか?

>蓮葉 零士さん
セイバーは……横島の本来の年齢を考えると別に交際してても変な年齢ではないですよね。というか見る限りではおキヌちゃんとそう大差ないような印象も受けます。双方とも見た目より年齢を重ねていますし……。
ちなみに横島がひのめに手を出さないのはグレーゾーンだからではありませぬw妹のような対象として赤ん坊の頃から知ってる為にそういう見方が出来ないだけです。
ひのめからの気持ちに気付いた時、はて、どうなるのかw

一応最後までの話の流れやクライマックスに関しては既に構築済みなので、何とかそこまでちゃんと辿りつきたいものです

>rinさん
今回霊視のでたらめさの一部を出しました。
魔力感知が出来ない、コレ自体はとっても大きな足かせですが、反面敵にとっても横島の霊視はとっても脅威です。
横島が真にジョーカーとなるかどうか。
今後もお付き合い願います

>FJさん
うーん
案外GS世界って何かに乗ってる、ってキャラクターいないのですよね
まあ、あのおまけはあくまで最初に考えたネタの一つなので…

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