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「これが私の生きる道!外伝1俺の妻って・・・編 (ガンダムSEED)」

ヨシ (2006-04-19 23:50/2006-04-22 01:34)
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(コズミックイラ72、一月末日、クライン邸内
 )

講和条約が結ばれて二ヵ月が経ち、俺がラクスと
結婚式を挙げてから一ヶ月の月日が流れた。
世界は地球連合に変わって新しく成立した新国際
連合が国家間の利害の調整と紛争の調停をする事
に決まったのだが、まだ立ち上げて間もない組織
なので、十分に機能しているとは言い難く、地球
各地ではまだ小規模の国境紛争や内戦などが多数
発生していて、その解決策を見出すには至ってい
なかった。
そのような情勢下ではあったが、プラント周辺は
安定していて特に大きな事件等は起こっていなか
った。
俺はアカデミーの教官としてシン達を厳しく鍛え
る日々を送っていたが、今日は日曜日の上に特に
誰かと会うような予定は無く、かねてからの懸案
であった屋敷内の不用品の処分を行う事になって
いた。

 「というわけなので、いくらクライン邸が広く
  ても不用品は捨てた方がいいと思う」

 「でも、万が一捨てた後に必要だとわかったら
  ・・・」

プラントでも有数の金持ちの娘なのに、意外と貧
乏くさい事をラクスが言う。

 「それを防ぐ為に、複数の意見を聞いてから決
  定したいと思います」

 「わかりましたわ」

 「おい!聞いていいか?」

 「何だよ?ガイ」

 「俺が何故参加しなければいけない」

 「良いか良く聞け。お前はプロの傭兵で生き残
  る為に、瞬時にベストの選択をする事に慣れ
  ている。だからこそ、お前の冷静な判断が必
  要なんだ」

 「俺が聞きたいのは、この前の特別報酬を貰い
  に来ただけの俺を、何故こんな下らない事に
  参加させるのか?って事を聞いてるんだ!」

最終決戦時に特別報酬としてガイに払う予定だっ
た三十万アースダラーは俺の必死のお願いによっ
てザフトの経費から賄われる事が決まっていたの
だが、肝心のガイ本人がすぐに仕事の為に消えて
しまったので、受け渡しが今日まで延びてしまっ
たのだ。

 「大体、結婚式にも来ないで!普通、来るだろ
  う」

 「裏家業の傭兵を華やかな場所に招待するな!
  」

 「それって、ゴキブリが暗い場所を好むのと一
  緒って事?」

 「気を悪くするぞ!」

 「せっかく我が家にいらしたのですから、ゆっ
  くりしていって下さいな」

 「そうそう、ラクスの言う通り」

 「俺は忙しいんだから、こんな事に巻き込むな
  って言っているんだ!」

 「では、報酬は出せませんわね」

 「ラクス様・・・、それは無いと思いますが・
  ・・」

 「三十万アースダラーの報酬は今日のお仕事を
  含めた金額です」

 「そんな・・・、契約条件は・・・」

 「口約束で契約書は存在していないと記憶して
  いますが」

 「確かにそうですけど・・・おい!風花!」

ガイは唯一の希望である風花にすがる。

 「私は夕方まで買物に出掛けてきます。ガイ、
  半日ちょっとしたお仕事を付き合うのを面倒
  くさがって三十万アースダラーを逃したら厳
  罰ですよ!」

 「えっ、これって契約違反で・・・」

 「これくらいの事、私は別にかまわないと思い
  ますが。大体、ここ数ヶ月地球各地で仕事を
  こなした割には経費ばかり掛かって実入りが
  少ないではありませんか。もし、ここで報酬
  が貰えないとブルーフレームのフェイズシフ
  ト装甲の修理費が・・・」

 「ああ、もうわかったよ!こうなればヤケだ!
  ドンと来い!」

 「では、私はこれで・・・」

風花ちゃんはガイを説得すると自分の買物に出掛
けてしまった。

 「では、始めよう」

 「はい」

 「ああ・・・」

 「ラクス、これはどうする?」

俺が庭を指差すとピンク色に塗装されたジンが一
機鎮座していた。
そして、改造は色だけに留まらず、肩・膝などは
ハートマークの形になっていて、特別に作ったハ
ート型のシールドと先端がマイクの形になってい
るミニビームガンなど凝りに凝った作りになって
いた。

 「コンサート用に作ったのはいいのですが、結
  局、使用しないまま私は引退をしてしまいま
  した。他の歌手の方に差し上げようと思いま
  して伝を探したのですが、やはり、保管場所
  がネックになってしまいまして」

 「うーん、オークションにかけようか?ガイは
  どう思う?」

 「おい!何でここにジンがあるんだよ!これは
  兵器だろうが!しかも、色は玩具みたいだけ
  ど、武器が全部使用可能になっているぞ!」

 「最終決戦の折に、機体を提供しますと申し出
  たのですが、誰も乗ってくれなくて」

 「当たり前だと思います」

 「俺もちょっと勘弁だな」

ピンクのモビルスーツに乗って戦うのは勘弁した
い所だ。

 「特別あつらえのサムライソードがマイクスタ
  ンドになりますのに」

 「無駄なギミック満載だな」

 「お金持ちって一味違う」

 「でも、実はこのピンクちゃんの行き先が決ま
  りました」

 「えっ、何処に?」

 「ガイさん、良かったですわね。風花ちゃんが
  是非、譲って下さいと」

 「いりません!」

 「駄目ですよ。もう決まってしまいましたから
  」

 「あれが予備機になるのか。良かったな。ガイ
  」

 「ああ、最強の傭兵のイメージが・・・」

 「さて、ガイは放っておいて、次はこれだ」

放心しているガイを無視して、俺が指差した方向
には沢山のコンサート用の衣装が置かれていた。

 「結局、コンサートの度に新調してしまうので
  溜まってしまう一方なのです。パーティー等
  では使えるのですが、日常ではちょっと・・
  ・」

 「うーん、チャリティーオークションにでも出
  したら?ガイはどう思う?」

 「俺に聞くなよ・・・」

 「役に立たん奴だ」

 「ほっとけ!」

 「ふーん、見覚えがある衣装がちらほらと・・
  ・」

100着以上はあるであろう、衣装を見ると大半
がドレスでたまにワンピース等が見える。

 「うん?これは変わった衣装だな」

端の方に数着、今までとは違う衣装が見える。

 「ラクス、この陣羽織みたいなのも衣装なの?
  後、この着物みたいな黒い服、丈が短いな。
  ふともも丸見えだよ」 

 「これは、ですね・・・」

 「うん、これは?」

 「秘密です」

 「秘密?」

 「女性には一つや二つ秘密があった方がよろし
  いかと」

 「まあ、いいけど」

ラクスの不思議な言動は今日に始まった事では無
いので、気にしない事にする。

 「まさか、あの衣装を取ってあるとは・・・」

 「ガイ、何か知ってるの?」

 「いいや!絶対に知らない!」

 「そんなにムキになって反論するなよ」

 「とにかく、俺は知らない」

 「えーと、次は・・・」

それからは、沢山のノートパソコンや有線用の通
信機器、簡易ラジオ放送機器、携帯用の高性能ト
ランシーバーなど怪しげな機材が次々に出てくる

 「あっ、最新型のノートパソコンだ。一台貰っ
  ていい?」

 「はい」

 「でも、いっぱいあるね。こんなにどうしたの
  ?」

 「それはですね」

 「うん、それは?」

 「秘密です」

 「女の秘密二つ目?」

 「はい」

 「ガイも貰うだろう。ノートパソコン」

 「俺は知らないぞ!」

 「何、わけのわからない事を言ってるんだよ!
  パソコンいるか?って聞いているんだ!」

 「ああ・・・、欲しいな・・・」

 「これで、最後か・・・」

俺が大きめのダンボールを開けると、中から多数
のハロが飛び出してきた。

 「「「ハロ!ラクス!ハロ!」」」

 「オマエハダレダ?」

 「「テヤンデイ」」

 「「マイド、マイド」」

 「アカンデイ!」


 「・・・・・・」

 「おい!カザマ!これは何なんだ?五月蝿くて
  堪らないぞ」

 「久し振りに見たな。ハロって。でも、こんな
  にあったんだ」

 「私が14歳になった頃から月に一度のペース
  でアスランがプレゼントをしてくれまして」

 「アスランってザラ元国防委員長の息子のか?
  」

 「はい、昔は婚約者でしたので」

 「悪いんだけど、アスランってバカだよな」

 「カザマもそう思うか?若きトップエースもプ
  ライベートではバカそのものだな」

 「ヨシヒロ、ガイさん。アスランは女性と接す
  るのが苦手で、間を取り持つ為にハロを作っ
  て持って来ていただけですわ」

 「それ、フォローになってるか?ラクス」

 「俺だったら傷つくな」


(同時刻、オーブ首長国連合アスハ邸内)

 「はっくしょん!」

 「何だ、風邪か?アスラン」

 「いや、風邪なんて引いてないけど」

 「誰かが噂をしていたんだろう」

 「どんな噂をだ?」

 「それは、わからないな」

 「うーん、気になってきた・・・」

 「きっと、アスランはモテるから若い女性がカ
  ッコイイとか言っているんだよ」

 「そうかな?」

 「そうだよ、きっと」

 「だったらいいけどな」

最近、平和ボケして鈍くなりつつあるアスランで
あった。


その後、不用品チェックは俺やお義父さんの荷物
にも及び・・・。

 「これは、紙くずじゃないんだ!捨てないでく
  れー!この(北○の拳)全27巻初版セット
  はこの状態で残っている事自体が奇跡に近い
  んだ。ようやく、日本で見つけてきた俺の宝
  を捨てないでくれー!」

 「ですが、この本なら他に持っているではあり
  ませんか」

 「これは芸術品扱いなんだよ。三万アースダラ
  ーもしたんだ。捨てられてたまるかー!」

 「お前、こんな紙くずに三万アースダラーも・
  ・・」

 「ヨシヒロ、無駄遣いはいけませんよ」

 「これは、マニアの間では五万アースダラーで
  取引きされているんだ」

 「こんな紙くずに五万アースダラーも・・・」

 「紙くず言うな!」

 「では、この古い再生機器すら残っていない、
  アニメのDVDとやらを・・・」

 「これは、俺が世界各地で集めた珠玉の一品達
  なんだ!捨てないでくれ!」 

 「ですが、他に再生可能な記録媒体でお持ちで
  はありませんか」

 「このパッケージと初回販売特典が貴重なんだ
  !集めるのに、全部で二十万アースダラーも
  掛かったんだ。捨てないでくれ!」

 「こんなプラスティクのゴミが二十万アースダ
  ラー・・・」

 「ゴミ言うな!」

一方、お義父さんも・・・。

 「この(月刊園芸通信)と(月刊バラの友)は
  私が若い頃から集めた大切な思い出なんだ!
  昔、亡くなった母さんに頭を下げてようやく
  保存可能になった私の宝物を捨てないでくれ
  !」

 「(月刊バラの友)・・・、怪しい名前の雑誌
  だな」

 「ガイもそう思う?」

 「思う」

 「電子媒体に記録して保存すればよろしいでは
  ありませんか。こんなに大量の雑誌をうず高
  く積まないでください」

 「頼むから捨てないでくれーーー!」

結局、ピンクのジンはガイに嫌々引き取られ、大
量の衣装は次回のチャリティーコンサートでオー
クションにかけられる事が決まったが、例の陣羽
織はいつの間にか行方不明になってしまった。
そして、大量の機器も一部はガイの元へ、残りは
慈善団体に寄付された。
最後に、俺とお義父さんの宝物は無事に守り通せ
た事だけを記載しておく。

 「クライン家はバカ一家になってしまった・・
  ・」

ガイは一人、帰り道でつぶやくのだった。


(同時刻、ジュール邸内)

 「イザーク、別にあなたの趣味に口出しするつ
  もりはないけど、そんなジジくさい趣味をし
  ているとフレイさんに愛想をつかされるわよ
  」

 「母上、これは貴重な品々なんです。口出しは
  無用に願います」

 「カザマ教官に先日聞いたわよ。オーブで偽者
  の芸術品を掴まされたって。審美眼が無いん
  だから、無駄遣いは止めなさい」

 「あれはたまたまで、今虫干しをしている品々
  は価値のある一品ばかりです」

 「本当かしらね・・・」

自分の死んだ夫と同じような趣味を持つ息子にエ
ザリア国防委員長は首を傾げるばかりであった。


(一週間後、南米のジャングル地帯)

先週、カザマへ例の護衛料の取立てに向かい、そ
の目的は見事に達成された。
多少、くだらない事に付き合わされたが、モビル
スーツ一機と高額な機材も追加で貰えたのでラッ
キーであったと言えよう。
だが、俺はこのピンクのジンに乗る事だけは遠慮
させて貰いたい。
こいつはジンなのだから、イライジャが乗るのが
お似合いだと思う。
現在、俺達は南米のジャングルでゲリラの掃討任
務にあたっていた。
戦後、南アメリカ共和国はその国土を回復したが
、抵抗運動を行う過程で多数のゲリラに武器をば
ら撒いたのはいいが、一部の連中がこの武器を使
って麻薬の栽培や取引を行うようになっていたの
だ。
そこで、俺達がゲリラの掃討にあたる事になって
いた。
この任務ではゲリラ共の資産を報酬として追加で
貰えるらしいので、危険ではあるがかなり美味し
い仕事であると言える。
本当は正規軍が行いたいのだろうが、国を回復し
たばかりで正規軍に腕の良いパイロットが少ない
現状を考えると、俺達傭兵に頼むのは仕方が無い
と言えるだろう。

 「さて、出撃だな」

 「ガイ!悪いがブルーフレームは修理中だ」

 「えっ、そんなはずは・・・」

 「フェイズシフト装甲が届いたから交換するん
  だよ」

 「じゃあ、俺は何に乗れば・・・」

 「ピンクちゃんに乗ってくれ」

 「ちょっと待て!あれはイライジャの・・・」

 「イライジャならもう出撃したぞ」

 「そんなバカなーーーーーー!」

結局、ガイはゲリラの掃討をピンクのジンで行う
羽目になり、任務終了後、南アメリカ軍の担当将
校に爆笑されながら報酬を渡される羽目になった
そうだ。
そして、ガイは南米の左翼ゲリラ達に「ピンクの
死神」と呼ばれ恐れられるようになったらしい。

 「カザマ!覚えていろよー!」

ガイは八つ当たりをしながら絶叫していたのであ
った。


         あとがき

初めての外伝なので、短めです。
しかも、内容が下らないです。
勘弁してください。 

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