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▽レス始

「終わった世界のその後に 三話(GS+Fate)」

シヴァやん (2006-04-10 02:09/2006-04-11 17:54)
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 no side in dragon shrine


「まだまだです、蛍鱗。さあ、もう一度です」

「はい、翠蝶母さま」

 朝日の中、親子と思しき二人が台所にてお玉を握り締めながら気合を入れていた。

 その前にはまな板と鍋、格好はエプロン。ともにこれ以上ないという感じにお料理中、というかお料理修行中だった。

「あ〜〜〜〜………」

 その後ろで所在なげと言うか明らかに腰の引けた様子でたたずむおっさん。

 幼名・天竜。現竜神大王・凱天剛金龍である。

 しかし今現在はただの渋いおっさんである。とはいっても外観年齢は人間で言うところの三十前半と言ったところだから、おっさんと呼ぶのは失礼だろうか?

 その目の前には幾重にも積み重なった元文官、現屍の山。全部が全部彼の愛妻と愛娘の成果である。主に愛娘の。

「もうその辺にして、少し休憩にせんか?」

 こめかみに一筋の汗をたらしながら凱天剛金龍(面倒くさいから以下天竜)は二人に言った。

 二人はそれを聞いて振り返り、

「そうですね。じゃあこれで最後にするです。分かったですか、蛍鱗?」

「はい、翠蝶母さま」

 そう言うと翠の髪を肩まで伸ばした女性、翠蝶姫(以下パピリオ)は、蒼い髪を背中まで伸ばした少女、天竜の次女にして第五王位継承者・蛍鱗姫に問いかけ、蛍鱗は笑顔で頷いた。

「ほっ」

 それを聞き、天竜はそっと安堵の息をついた。

「じゃあ最後に取って置きのものにするです」

 しかし、次の瞬間に言われた言葉でその顔が思い切り引きつった。

「はい」

 そしてそれに無邪気に頷く愛娘を見て、最後の犠牲者に向けて、静かに黙祷を捧げた。


 しばらく後。

「ふう。お茶がうまいです」

 ズズーとお茶をすすり、パピリオがそうのたまう。ちなみに、あの後製作された物体Xによって、新たに一人の武官が天に召された。死んでないけど。

「それにしても、今日はまた一段と気合が入っておったな。何かあったのか?」

「ん?それはですね、ヨコシマが現界したんです」

 それを聴いた途端、天竜は顔をほころばせた。

「やっとか。ずいぶんと遅かったな」

「それは仕方ないですよ。なんと言っても一度は粉々になったんですから」

「ああ、そうだったな」

 二人して、同じ人を思い浮かべ目を細める。

「と言うわけで、蛍鱗はヨコシマの心をがっしりとキャッチしてもらうんです」

 慎ましやかな胸を精一杯張って、パピリオはそう主張する。

「まあ、蛍鱗自身が積極的に賛同しているから別にいいんじゃが、いい加減部下で実験するのをやめい。さすがに犠牲者が多すぎる」

 こちらもズズーとお茶をすすりながら言う。

 二人の間では蛍鱗がお茶請けのせんべいをもごもごとかじっている。

 非常に平和な光景だ。ついさっきまで台所で阿鼻叫喚の地獄を生成していたことを除けば、だが。

「仕方ないです。長女の紅凰は極度の料理下手ですし、せめて蛍鱗だけでも」

「だからって何ゆえに満願全席?しかも一人に」

「練習になるですから」

 涼しい顔をしてそう言い放つ。

 ちなみに、料理自体の味はいいのだ。ただ量が尋常じゃないだけで。

「ごめんなさい、凱天父さま。皆さんにはきちんと胃薬を飲ませましたので」

「いや、そう言う問題ではなくてな、蛍鱗」

 額を抑え苦悩する父を、きょとんとした目で見返す娘。それを見て微笑む母。

 平和だ。

 そこでふと、パピリオが何かに気づいたように頷くと、

「そういえば凱天?」

「?何じゃ?」

「紅翔氷姫とは誰ですか?」

 ギクリッ!

 それを聞き、天竜の顔があからさまに引きつった。

「ど、どこでそれを?」

「昨日、家に来たです」

 アッチャーっと額を押える天竜にむけて、微笑みながら、

「まあ、浮気は男の甲斐性と言いますし、それは竜族の特性ですからあまり厳しく言わないですが、ほどほどにしておかないと、泣きますよ?」

「いやわかっておるのだがな。ああいうのに誘われるとどうも、な」

 頭を掻きつつ言う天竜に、娘が

「父さま。いくらなんでも二桁にはしないでね」

 冷たく言い放つ。

 ちなみに現在七人。これでも歴代最低である。

「いや、蛍鱗」

 額に汗たらしながら話題転換を試みる。

「そういえば紅凰はどうしたのじゃ?」

 パピリオはその思惑を正確に理解し、しかし苦笑しつつものる。

「鏡映の間でヨコシマの事見てるです」

「ほう。それで、反応はどうだったんじゃ?」

「一目惚れですって」

「それはまた」

 天竜が感心した風な声を出す。

「映像のみであやつの良さが判るとはな。さすがにいい眼力じゃ」

「まあ、真眼持ちですしね。本質を見極めるのは得意ですよ」

 その二人の会話を聞き、

「父様、母様。私も行って来ます」

 蛍鱗も鏡映の間に向かった。

 それを見送り、二人は苦笑して、

「やれやれ。娘が二人とも同じ人を、か。いくら親友で臣下とは言え、いささか複雑じゃな」

「それプラス義兄、が抜けてますよ。まあいいじゃないですか。二人が望んだ事ですし、何よりヨコシマを繋ぎ止める鎖はあの四人だけじゃあ無理でしょうし。可能な限りの本数で、雁字搦めにしなければ繋ぎ止め切れません」

「まったくじゃな」

 そう言いつつ、二人そろって苦笑を濃くし、

「さて。ワシらもそろそろ行くかの」

「そうですね。久しぶりに姿を見たいです」

 二人そろって娘の後を追っていった。


 side RIN 

「凛ちゃん。いいかげん機嫌直しましょうよ〜」

 後ろからバーサーカーの声が聞こえるが、今は無視して歩きつづける。

 一応町の見回りと案内と言う名目ではあるが、家を出てから今にいたるまで私は一言も発してはいない。頭の中で思考を構築し、終始無言で突き進んできた。

 現在時刻は十二時ジャスト。家を出たのが十一時。つまりは一時間もこうしているわけである。

 ちなみに、起きた時間は十時半。遅刻確定の時刻だったし、召喚の影響で体はだるいしで今日は学校はお休みだ。

 さらにちなみに、朝に一悶着あったのだけど、あまり意味は無いので割愛。

 無駄な時間を過ごしたように思うが、心を静めるためには仕方ない。

 それと言うのも、このバーサーカーのせいだ。

 今朝、十時ごろと言う遅刻確実な時間に目を覚ました私が、バーサーカーの能力を聞いたところ、

「能力と言ってもね。俺の場合は霊能、この一言に集約できるから」

 と、昨日のように若干緩んでいる顔で言ってきた。

 その、聞くからにインチキ臭い名前を聞いて、バーサーカーがどういうことができるかなどを聞いた。

 それは驚くべきものだった。

「霊能ってのはまんま霊力の事さ。霊力って言うのは、簡単に言えば魂の力の事。こいつを自分の意志で引き出し、必要に応じて操る事を霊能、または霊能術と言う。まあ、魔力とは似た別物の力って思えばいいはずだよ。それで本題なんだけど」

 そこで一息つき、

「こいつが俺の主兵装、サイキックソーサーと栄光の手」

 右手に光る手甲のような物、左手に光る盾のような物を出した。しかも驚くべき事に何の呪文も唱えずに。

「俺の才能は圧縮に特化していてね。他のものもこれと似たような、あるいは派生したもので、基本はこの二つさ。ああそれと、俺の技はあくまで技だから、例外を除いて特に呪文や詞の詠唱は必要ない」

 そう言って、それぞれの技の特性を教えた。その、魔術の常識を軒並みぶち壊す内容を聞いて、正直に言うとかなりの嫉妬を覚えた。

 そこで思い出して、媒介に使った刀は使わないのかと聞いてみたら、

「あれはまあ、使う事は無いと思うよ。と言うか使ったらまずい」

 そんな事を言った。

 そしてその話題から離れたいのか、徐に、

「それで凛ちゃん。凛ちゃんは腕試しで聖杯戦争に参加する気らしいけど、サーヴァント同士の戦いの際はあまり手を出さないでね」

 そんな事を言ってきた。

 どういうことかと問いただすと、

「凛ちゃんじゃあ接近戦やってる敵の英霊だけに魔術当てられないでしょ?俺にまで当てたら本末転倒だし。接近戦なんてもってのほかだし」

 もっともな事を言われて黙るが、どうにも納得ができずにちょっと不機嫌になった。

 それに構わず、

「ああ、そうそう。それからバーサーカーのクラス特性、理性消失と狂化。あれは封印ね。理性の方はともかく狂化は絶対に」

 そんな事を言ってきた。

 理由を聞くと

「理性を奪うだけなら、まあ具体表現は避けるけど、多分やったら後悔する事が起きる。間違いなく。で、狂化の方はもっとやばい。ほぼ半分の確立でこの町が、下手をすればこの国が地図から消える。まあ残り半分ならこの戦いの絶対勝利が決まるけど、さすがに国一つ対価にした博打は洒落になんないでしょう?」

 そんな事を言われて、思わず絶句した。と言うか当たり前か。

 なんと言うか、まったく持って規格外のサーヴァントを引き当てたものだ。国一つ滅ぼせる英雄ってどうなんだろう?

「まあ基本的には凛ちゃんに従うし、俺という武器を使いこなして見せなよ」

 そう締めくくったバーサーカーを見て、さらに不機嫌具合が進行した。

 まあそんな事がありこうしているわけだけど、ようやく頭も冷えてきた。

「まあいいわ、まったく。それで、何か気づいた事はある?」

 後ろにいるバーサーカーにそう問い掛ける。

 ちなみに、バーサーカーはフツーに実体化して後ろを歩いている。まあ服装とか雰囲気とかが現代に溶け込んでいるため、違和感が無いから
いいのだが。

「ん?ああ、気づいてるとは思うけど、さっきからかなりの数の使い魔を見かけるな。数と雰囲気からおそらくは同一存在の使役したもの、この場合は十中八九キャスターかな?」

 それは私も気づいていた。と言うか前々からだが。

 およそ一月ほど前から町中で異常な数の使い魔を見かけていたのだ。とはいっても特に何かをしているわけではないし、下手に手を出して刺激してもまずいし、数が多すぎて対処しきれないしで今まで無視していたものだ。

「それと多分だけど、さっきから誰かに見られてるよ。んで、俺がサーヴァントだって気づいてる」

 …………………………………………………………………………………………………………

「はぁ?」

 いきなりの爆弾に間抜けな声が出てしまった。

「ちょ、分かってるならなんで対処しないのよ!」

 慌てて問いただす。

「この感じなら直線距離で約二キロ。さすがに射程外だしこの視線はおそらくはフェイクだろうね。感じ始めたのは家を出た直後だし」

「んな!?」

 ごくごく当たり前のように言うバーサーカーに向かって、驚愕の声をあげる。

 二キロと言う超遠方からの視線を感じ取る桁外れの察知能力と、それすら欺瞞であると見抜く桁外れの洞察力。さらに言うなら、普段はその異常性を欠片も顕わさない隠蔽能力。

 それらを再確認し、改めてサーヴァントと言うものの化け物っぷりを認識する。

「まあとりあえずは無視するしかないよ。本拠地だって分からないし。敵対する気が無いなら放っておけばいいし、出てくるなら叩く。まあ主導権は向こう持ちになるけど、俺には狙撃タイプの技はあまり意味が無いし、とりあえずの問題は無い」

 肩をすくめて、特に気負った様子も無くそう言う。

 まったく。そう言うからにはきっちり勝ち抜きなさいよ。信頼してるんだから。


 side YOKOSIMA

 時間はもう夕方。

 あの後、機嫌を直した凛ちゃんに連れられ町を回った。目的としては周辺地理の大まかな把握ともしいれば参加者の捜索、後は自分達を餌にした挑発だ。

 さっきから感じている視線と、周りにいる使い魔達の目を通して、他の参加者達を引っ張り出そうという魂胆だ。まあ、できたら、以上の意味はないが。

 で、現在いるのは公園、らしい。

「ここ、本当に公園?誰もいないし、何も無いし、何かスゲー黒々とした物が渦巻いているような………」

「ここは十年前、前回の聖杯戦争の最終戦の場所。そのせいで大火事になってたくさんの人が死んだ場所。それ以来、人の寄り付かない死んだ土地になってるの」

 ?それにしては………。

「どうしたの?」

 考え事をしているのが分かったのか、そう聞いて来る凛ちゃん。

「いや、ちょっとね」

 そう誤魔化して、改めて周りを見てみる。

 周りにある気配を確かめ、そこに本来ならあるはずの人の意思が無い事を認め。

 そして改めて確信する。ここで起きた事は、単なる余波による火事ではないと。

 まあそんな事は今は関係ないので、出た結論ごと脇に押しやり警戒を強める。

 人の目のまったく無い開けた場所。襲撃を受けるならこれ以上の場所はない。

 そして案の定、

「凛ちゃん。周囲警戒。俺の後ろへ。来るぞ」

「え?………!」

 一瞬戸惑った声をあげたものの、即座に背中合わせになって身構える。うん、上出来の反応。

 そしてその瞬間、辺りが骨の軍団に埋め尽くされた。

「ちょ、何よこれ」

 視界を数百はいる骨の大群に囲まれて、さすがに焦った声を上げる凛ちゃん。まあ無理も無いかもしれないけど。

 それにしても青いのは何か意味があるんだろうか?

「見た通りの雑魚の群れ、もしくは捨て駒の群れだろうね。大した力を持っている訳でもなさそうだし」

「って、これだけの物量があれば普通は脅威に感じると思うんだけど?」

「ん?そうでもないよ。よっと」

 試しに目の前の一体を殴りつける。するとそいつは粉々になって崩れ落ちた。

「周りにサーヴァントの気配は無し。たぶん情報収集のための捨て駒だと思う。中身スカスカの張りぼてだね」

 続けてその右にいた物を蹴り飛ばし、そのまま旋回。近づいて来たやつを反対の足で蹴り飛ばす。カルシウム不足とかの話ではなく脆い。

「これくらいなら肉弾戦でも十分対処可能」

 と言うかこれなら凛ちゃんが金属バットで殴れば倒せるんじゃないか?

 まあいいか。と、

 ドガァァァァン!

 非常に景気のいい音ともに、集団の一角が吹き飛んだ。

 見ると、凛ちゃんが宝石を片手に握り締め、

「本当。確かに危険は無いみたいね」

 拍子抜けしたようにそこを見つめ、残存しているものが無い事を確認し、宝石を投げ付けつつ呪文詠唱。

 ズギャァァァァァァン!

 そして吹き飛ぶ骨の集団。さらに指差して、直後に放たれる魔術(後で聞いたらガンドというらしい)。

 ズキュンズキュンズキュン!

 何故かマシンガンのような音を出しながら飛ぶ黒い弾丸は、骨の兵隊を打ち砕く。

 それでも数が減ったように見えないのは、凛ちゃんには肉体的にはともかく精神的にきつい。

「とはいっても、やっぱりこの数は面倒か。そう言えば真昼間からこんな目立つ事やってて大丈夫なのか?いくらここが無人でも、さすがに気づかれるんじゃない?」

「ええ、それは大丈夫。さっきからここら辺一帯に迷彩と人払いの結界が張られてるわ。相手も常識知らずじゃあ無いみたいね」

 それを聞いて安心する。そして今使える技の中から対多技を検索。文珠及び霊譜はできれば隠しておきたいので除外。さらに消費の激しい、又は威力の強すぎるものも除外。

 ああ。因みに霊譜というのはあれだ。判り易く言えば烈火の竜の炎○式?まあいいや。説明は今度出たときに回す。

 そして浮かんだ候補の中から、覗き見している者へのデモンストレーションとしてなるべく派手な技を選択。そして決定。

「なら面倒だしちょっと派手目な大技行くからこっち来て」

 そう言って凛ちゃんの腕を引き、

「ひゃぁ!?」

 お姫様抱っこ風に抱き上げる。その際に当たる感触や漂ってきた匂いなどは自制心でもって根性で無視し、足に霊力を集め飛び上がる。

「うひゃあ!?」

 自分に当たる風はとりあえず無視し、腕の中にいるマスターの周りに薄いサイキックソーサーの膜を作り風圧を軽減。ついでに作った霊糸で凛ちゃんの体を落ちないように繋ぐ。

 上昇スピードが落ちてきたところで足の裏に通常型サイキックソーサーを形成。それを足場にしてさらに飛ぶ。その際わずかな回転をつけ、前宙のような軌跡を描く。

 そして全ての骨が自分の下に見えたあたりで、

「我願いし欲す物は地を砕きし雷の槌」

 全然必要ではないけれど相手の認識を狂わせるために、威力を高めたりする時に使う自己暗示のための詞を効果を及ぼさせないように唱え、それに伴わせて足に強力な霊気を集める。おそらく見れば右足が光って見えるだろう。

 そしてそのまま空中で踵落し。

「殲技、雷蹄・散」

 さらにそれに合わせて足に溜めた霊気を拡散状態で打ち出し、その際生じた衝撃波共々下にいた数百の骨の群れに向かって叩きつける。

 ゴアァァァァァァァ!!

 そんな音を出しながら突き進む衝撃波は、骨の群れをすっぽり包み込む範囲で地面に激突し、それによって全ての骨を押しつぶす。全然本気では無いけど、全骨が例外無く潰れていた。いや、いくらなんでも脆すぎるだろう。ちなみに今のは威力としては普通科大学生のバッティングぐらいだろうか?

 ついでに言うなら、これの本来の技名は「穿技、雷蹄」と言って、足に溜め細く練り上げた霊波を、同じく練り上げた剄、氣と共に蹴りと共に相手に叩き込む技である。ちなみに威力は、全力を出せば厚さ十数メートルの鉄塊に穴を開けることができる。まあ今の体でできるかは分からないが。そして習ったときの老師は直径数十メートルのクレーターを作っていたが。余波だけで。

 まあ、閑話休題。

 「よっと」

 そう言ってスタッと地面に降り立ち、凛ちゃんに掛けてた零糸を外して傍らに下ろし、一応見回して打ち洩らしが無い事を確認してからフウと息を吐く。

「って、今の何よ!」

 直後にどうやら虚脱状態だった凛ちゃんが復活してウガー!と咆えた。

「ん?妙神流戦闘技術蹴の項第八幕「穿技、雷蹄」の枝技、閃の項第十二幕「殲技、雷蹄・散」。まあそう言う技だよ」

 そう説明する。


 あの後追及をかわしたり誤魔化したり宥めたりしつつ、さらには先ほどの存在の事を相談したり考察したりしつつ場所を移動し、現在は高層ビルの屋上にきていた。

 時間はもう夜だ。

「どう?なかなか見晴らしがいいでしょう?」

 またもや機嫌を直した凛ちゃんに聞かれ正直に答える。

「確かにそうだねー。こっからなら知りたい事が大よそ判るし」

「そんなに遠くまで見える?」

「ん?いや、俺が見るのは物じゃあなくて………あー、説明が難しいからそれは後でね」

「?」

 そう言って、首をかしげる凛ちゃんをよそに右目の心眼を起動させる。そうすると視界内の力の流れを視覚的に捉えることができるようになる。それを総合的に判断する事によって、町の全体像を大まかに理解する。

 ついでに何か魔術的な力が働いてないかを調べ、今は特に無い事を確認して心眼を閉じた。

 そして凛ちゃんに顔を向け、

「?」

 何故かビルの下を睨むように見ていた。そしてそのまま踵を返し、

「帰るわよ」

 何故か、またちょっと不機嫌な様子でそう言った。

「まあいいけど」

 知りたい事は知ったし、回りの使い魔にも変化は無いし、とりあえず今日はこれでいいか。

 そう判断し、先を行く凛ちゃんを追いかけ、

「さて。明日からが本番と言うところかな。まあ、精一杯凛ちゃんを助けるとしますか。もう二度とあんな事はごめんだし、な」

 過去を思い浮かべ、そのときの後悔と絶望を思い出し、改めて繰り返させないと誓った。


 <後書きですたぶん>

どもです。
第三話投稿です。
今日から新年度始まるのに何してんだ俺(汗)

まあそれは脇に置いておいて。
何か今回グダグダです。
説明文多すぎですよね、今回。
精進具合が足りません。
何かスゲー読みにくくなったかと。

 ではレス返しをば

○ミアフさま
いえ、当初の予定ではイレギュラーでした。
先にそのクラスを出されたので、次善の策としてバーサーカーです。

○ヒロさま
えっと、バーサーカーについてですが、確か原作で聖杯の補助が付いてから理性を奪ったって言っていたような気がしましたんで。
間違ってたらごめんなさい。
まあ、いまさら設定は変えれませんけど。

あと、イリヤのサーヴァントはヘラクレス以外ありえません)ドきっぱり

○ハンプティさま
楽しんでいただけてますか
がんばります

○匿名さま
この作品だとアーチャーではないです。
イレギュラーと言えばイレギュラーなクラスになります。
ただ、能力的にはさらに反則度合いが高まる予定。
まあ、横島君には及びませんけど

○リバーさま
ありがとうございます。
がんばります。

○樹海さま
ありがとうございます。
GS原作の面子は基本的に冒頭の扱いになります。
さすがにキーやん乱入とかは洒落にならないし

……でもありえないとも言い切れません実際

○名無し@さま
その通りです(笑)

○tomさま
ピートはまあ、外伝でも書ければ書きます。
ちなみに子供の方は型月キャラという無茶設定です


新年度始まっちまいました。
また更新が遅れそうな予感(泣)

ではでは

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