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▽レス始

「WILD JOKER 巻3(GS+Fate)」

樹海 (2006-03-29 09:01/2006-04-03 10:52)
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@Fate買いましたw

 先手はライダーが取った。一気に釘相当の部分を投げつけてくる。
 無論、予想していた横島はすかさず横に飛びすさる。無論魔力視でトイレ内部の魔力の塊の動きを見張る事も忘れない。投げつけて、そのまま窓から逃走という事もありえるからだ。幸い、そんな事もなく、投げつけた武器を追うようにしてライダーも飛び出してきた。

 『うーん、あの動きからして素早さはこっちと同程度か』
 さすが英霊の一体というべきか。
 そんな考えを内心に抑えて、剣を構える。
実の所、横島の武器である大剣はトイレの中のような狭い場所では振り回しにくい。あのままならライダーの武器の方が使いやすいのだ。本当なら校庭に出たい所だが、万が一実体化して目撃でもされたらえらい事になる。
 裏庭へこのまま逃走して、というのも考えたが追ってくるか分からない。となれば、ここは授業中で人気のない廊下を使用した方がいいだろう。

 『ねえ、お兄ちゃん、ちょっと聞きたい事があるんだけど』
 意識そのものはライダーに向けつつもひのめが語りかけてくる。
 「(なんだ?)」
 視線は外さず、ひのめに声を出さず返事を返す。
 『なんで逃げなかったの?ここで即戦闘って意味ないんじゃ』
 「(いや、何も戦いもせず逃げ出したって知られたら後で凛さん怒りそうだったからなー)」
 確かに、遠坂凛であれば、『ライダーと出くわしました。危なそうな相手だったので逃げました』なんて言ったら折檻されそうだ。ここはせめて剣を交わしたという事実くらいは作っておきたい所。
 『分かった。で、もう一つは……なんで出てくる所を斬り付けなかったの?』
 出口は一つ(窓を入れれば二つだが)なのだから、出てきた所をずんばらり、とする手もあったのではないかと思ったのだが。
 「(うーん、それも考えたんだけどな。矢張り相手もそれは分かってるから一番警戒してると思うんだよな)」
 これもまたその通り。
 確かに、普通一番警戒する所はそこになるだろう。
 「(それに、うまく行ったとしても……)」
 『?』
 「美人に何もせずに斬るなんてもったいないやんけーっ!」
 『『…………』』
 何故か最後に声に出たそれを聞いて、ひのめが深いタメイキをつくと共に何故かライダーが両肩を抱いてぶるっと震えていた。 

 横島が叫んだ事により、お互い隙が出来たのだが、どっちもどっちだったので一瞬の間があいた。
 ここで先に我に返ったのはライダーだった。一気に接近戦にもちこむべく突進してくる。それを美人から眼を離さなかった横島が迎撃した。巨大な武器は小回りが効きにくい。如何に重量を感じないと言っても、矢張り懐に入られれば取り回しの分短剣が強いのだ。 
 逆に巨大な武器の利点はその破壊力とリーチだ。剣道三倍段という言葉があるが、それだけリーチと武器の存在は大きい。それが分かっているから、近寄らせないよう殆ど剣の横っ面でぶん殴るようにして叩きつける。が、それは武器を盾とする形でライダーにがっしりと止められた。
 『こ、こいつ……力も俺と同程度かっ!』
 自分だってそれなりに鍛えていたつもりだ、女性で自分に負けない力の持ち主なんて……即何人か思い浮かんでしまった。織姫とか人間ではないが小竜姫やワルキューレもそうだったし、そもそもルシオラとか妹分のパピリオからして魔族だから自分より力があった。
 「……けっこーいるじゃん」
 そう考えると余計な力が抜けた。どうやらなんつーか、あまりにいきなり思いがけない場での出会いと衝突と相手が美人な事に余計な力が入ってたらしい。そもそも……。
 ガッと、お互いあわせるようにして距離を取る。
 『こいつの剣は俺と同じだ、正式に習ったもんじゃない』
 我流。
 横島の剣はあくまで自己流のそれだ。いや、まだ横島の剣の方が身近で剣の達人或いは武芸の達人に一時とはいえ師事していた分マシかもしれない。少なくとも、ライダーの剣には小竜姫のような静謐、けれど確かにあるような流れはなかった。斉天大聖のような荒々しさの中にある確かな流れでもなかった。それはただ己の力と捷さと身軽さだけに頼った我武者羅な剣だ。
 それなら……。
 『やりようは幾らでもあるな』
 何せ、俺の剣でもあるんだから。そう心の内で呟き、横島は剣を構えた。

 達人の剣には横島は到底敵わない。
 それは剣を銃と置き換えても変わらない。達人の彼らは己とは想像もつかぬレベルで相手を『見切る』のだ。そう……文字通り、見て、その先、切る段階までを想定しきる。
 だから、横島がそれに対応するとしたら正面ではなく、搦め手からの一手となる。それを極めたとも言えるのが美神令子でありその母である美神美智恵だろう。正直彼らには霊力自体は上回っても勝てる気はしなかった。
 それに比べ。
 彼女は甘い。

 彼女達ならあの瞬間に閃光弾でも叩き込むぐらいはしただろう、もちろん自分はちゃっかりサングラスをして。無論、今ライダーがそんなものを持っているはずがない。だが、持っていないなら持っていないで幾らでも方法は取りようがある。股間を蹴り上げるという手もあるし、敢えて甘ったるい声で甘ったるい囁きを仕掛けてもいい。
 だが。
 ライダーが取ったのはあくまで武器での戦い。それで、横島には大体の相手の力量が読めてしまった。若い身空で死んだものの、それまでに積み重ねた実戦経験は伊達ではない。そういう意味合いではライダーは命をかけた戦闘の経験はあまりないように見受けられた。
 これ以上に必要なのは宝具もしくは相手の真名だが……さすがにそこまで一見で望むのは無茶というものだ。

 
 『さて、どうすっかな?』
 仮にも英霊相手、出来れば宝具を使用せず仕留めるとなると……。
 1、奇襲
 もう無理、とっくにそんなレベルの段階じゃなくなってる
 2、力押し
 相手の身体能力は自分とほぼ互角、無理やり押し切るのは難しい
 3、技で圧倒
 相手は我流、けど自分も我流、よって却下。そこまで大きな差はない
 相手は美しい。それは間違いなく、だが同時にこの上なく血塗られた……いや、それはどうでもいいんだが。
 『よくないと思う…』とひのめが呟いてるが、まあ、それは置いておこう。
 「よーし、それじゃあれでいくか」
 『……あれ?』
 何やらひのめが嫌そうに呟いているが、まあ、一番穏健な手段である事は間違いないのでそれで行く事を決めたと伝える。ひのめも諦めたように同意した。まあ確かに手の内を明かさないという意味では一番いい手なのは間違いないのだが。

 「よし……それじゃいくぞ」
 キッとライダーを睨む。
 来るか、と身構えたライダーの目の前で……横島は堂々たる宣言をした……そう。
 『煩悩……全開ーーーーーーっ!』


 ドン!
 ライダーには一気に高まった力が圧力としてそう感じられた。  
 何だか彼の目を見て、とっても嫌な予感がしたが、引くかどうか一瞬迷い……英霊相手ではそれで十分だったようだ。
 一気に突っ込んでくる。その速度は先程までに増して速い。自分より更に早い。拮抗していた先程までとはギア比が異なったかのようにまるで速度が違う。逃げるのは困難。
 一瞬でそれらを見極めると受け止めた。
 『!!』
 押される。
 力もまた一段と上回る。なまじ受け止める態勢を取ってしまった為、変に逃げる事も出来ない。そんな事をすればこのまま押し切られるだけだろう。至近距離から目の当りにした彼の瞳を見て……ライダーは戦慄した。血走った目。それは一瞬狂気かと感じた目だった。それが意味する事は。
 『バーサーカー…!』
 クラスの一つ、戦闘能力だけに関してならセイバーすら上回るというクラスだ。だが、その狂気を制御出来ず、過去のバーサーカーのマスター達は自滅してきた。故にセイバーは最高のサーヴァントであっても最強のサーヴァントの名はバーサーカーに与えられてきた。
 だが、その考えは一瞬かすめはしたものの、即座にライダーの考えから消去された。それでは先程までの戦闘力が低すぎる。
 彼女が考えていたのは僅かな時間だった。だが、それで横島には十分だった…。


 すかさず飛び込んできた横島に反射的に反撃の一撃を繰り出す……が。それは誘いだった。大振りして隙の出来た腕を掻い潜って間を詰めらる。
 『しまった!』
 自らの油断、というか戦闘時の余計な思考を呪い、自分はここまでかと覚悟した次の瞬間。
 むにっ。
 そんな感じがして、ライダーの胸が揉まれた。
 「あ〜、や〜らけ〜な〜」
 むにむにとした感覚、さわさわとした感覚、そして相手の声。ようやくそれで事態が理解出来た。この状態なら逆手に武器を持ち帰れば相手を刺せるはずなのに。自分でもどうしてここでこんな行動を取ったのか後で考えても分からなかったのだが。
 「きゃーーーーーっ!」 
 ライダーは悲鳴を上げて相手を突き飛ばしていた。

 悲鳴を上げて突き飛ばされた横島だったが、それでごろごろと転がってくような事はしなかった。
 ころんと後方に一転して即座に立ち上がる。
 「ふっふっふ、えー感触や」
 手をわきわきとさせつつ近づいてくる横島と対象的にライダーはというとぞわり、と背筋に何かが這うような感覚を拭えなかった。じり、じり、と横島が前進するのに合わせて、ライダーは逆に後退する。そして。
 ぱっと身を翻して、ドアから飛び込んだ。
 追おうとして、横島は一瞬停止した。そこに書かれた表記は『女子トイレ』。女性が好きな横島だが、さすがにトイレまで覗こうとはしていない。が、今回は覗きではない、と納得させて突進したが……最早そこにライダーの姿はなかった。窓から覗いても周囲に彼女の姿形はなし。
 一応念の為に、と個室の扉を開けて確認していったが、矢張り逃げられたようだった。
 「ちっ……次こそは」
 「……何が次こそはなのかしら?」
 物凄い怒りの篭っためっさ聞き覚えのある声が背後から返って来るとは思わなかった。
 ギギギギギ、と擬音が響きそうな感じでゆっくりと背後を向く横島……その視線の先には予想通り。
 「リ、凛さん?こんな所で何を?」
 「……ようやく休憩になったから即あんたの気配探して来たんだけど……ちょ〜っといらっしゃい?」
 「はうっ!?」

 移動して屋上。
 脂汗を流している横島と目が笑ってない凛、それにひのめもいる。
 「さて、とそれじゃ…ひのめちゃん、横島あそこで何したの?」
 『……女の人に抱きついて、お触りしたせいで悲鳴上げて逃げられました』
 「やっぱりあんたわーーーーっ!!」
 凛激怒。 
 「ひのめーーーっ!……あれ、嘘はいってねーのか」
 あっさり裏切られた横島は思わず悲鳴を上げたが、確かによく考えてみれば嘘は言ってない。

 「一遍死ね!」
 正に銃弾。遠坂の家に伝わる魔術刻印を明らかにして撃ってくるガンドは本来呪いに属する呪文。直撃を食らうと体調が悪くなったりするそういう呪文のはずなのだが……あ、外れたガンドがコンクリートの床削ってら。
 「ちょ、凛さん、昼間から魔術は拙いですってば!誰かに見られたらどうすんですか!」
 「その時はその時よ!」
 「ぎゃーーーっ!!あ、そろそろ次の授業の時間がっ!」
 「さぼるっ!!」
 「決断はやっ!」
 そんな光景を横目に、にやりと笑うひのめ。どうやら彼女も少々怒っていたようだった……。


横島サーヴァントVer完成版
筋力:C
耐久:A
敏捷:B
魔力:E(霊力に変換されている為、魔力そのものは低い)
幸運:E
宝具:???
対魔力:C(本来第二小節以下の魔術を無効化するものだが、横島のそれはダメージ軽減のみ。反面その効果は高く、ダメージを軽減するという面に限ればランクAの魔術に対してすら相当のレベルまで軽減を行う。ただし軽減度は魔術のレベルに比例する為、無詠唱の魔術(例:ガンド)であっても多少のダメージは受ける)

技能
戦闘続行:A(往生際が悪く、決定的な致命傷を受けない限り逃げ延びる)
心眼(偽):B(第六感、虫の知らせと呼ばれる危険感知の能力。嘗て小竜姫より与えられた心眼の見切りとは異なる)
心眼(真):B(嘗て存在した神より授けられた心眼。その力をその後の数多の経験によって鍛えた力)
仕切り直し:B(戦闘から離脱する能力。横島のそれはとにかく逃げる能力に特化されている。これと戦闘続行を組み合わせる事により横島はとにかく逃げようと思えば大抵の状況で生き延び脱出する力に長けている)
霊力:A(魔力を変換する。魔力を感知出来ない反面、相手の対魔力を無効化する。サイキックソーサーや栄光の手はここに含まれる)
幻覚:C(光を利用した幻覚であり、実体はない。視覚限定の幻覚である為、精密ではあるがレベルは限られている)
煩悩全開:B(全能力値をワンランク上昇させ、更に対魔力をA+に上昇させる。美人に対してのみ発動させる事が可能であり、この状態では魔法すら無効化するが、反面相手を害する事が出来なくなる為このレベルに留まっている。何故か相手の女性も割かし素直な反応を返すようである)
悪運:A(己の幸運とセットになって発動。この技能を持つ者は幸運が低い。酷い目にはあう反面、致命的な危険の回避率は上昇する。これらは呪いにも干渉する
単独行動:C(マスターが不在でも一日程度は現界する事が出来る)
???:詳細不明

宝具
文珠:E〜A++(性能は極めて高いが、反面術者のイメージとその状況に応じた臨機応変な文字を込める事が必須な宝具である為、ランクの幅は非常に大きい。無限生成は不可能であるが、それなりの数を一日に生成可能な模様。現在横島が確実に制御可能なのは三文字。四文字になると成功率は10%前後)
全て焼き尽くす業火の源(レーヴァテイン):A(北欧神話における炎の世界ムスペルヘイムを統べる巨人の長スルトの剣。世界を焼き滅ぼしたと伝えられる一品であり、その最大出力は計測不明(EX)だが、現在の横島にはそこまで制御出来ない)

≪解説≫
横島はサーヴァントとしての身体能力は決して高くない
これは異世界という次元の壁を隔てている為だが、反面ホームグラウンドの日本が舞台である事、そして何より元の世界でごく最近に登場したばかりの英雄である為に知名度が極めて高いという点が彼の能力を特殊能力、という形で支えていると言える。
結果、能力値はセイバーらに劣るものの、その技能の多彩さに関しては他を圧すると言ってもいい特殊なものとなっている。無論これは彼本来の特殊能力、現在は宝具としての分類が為されている文珠による所も大きい。
彼のサーヴァントとしての姿は道化師の帽子にスーツとロングコートというもので、その全てが黒が基本色。なお当然ではあるがその全ては聖骸衣である。
本来英霊は成長しないが、横島は何故か成長し、召喚された際の記憶も有している。


『後書き』
ちょいと設定をば。
GS世界の英霊はたまに戦闘以外の時に世界の内側にも入れるとしています。
何せ、神様や魔族がすぐ傍にいてごく普通の生活してる世界ですので……神や魔がすぐ傍におらず、異質な存在が目立つFate世界とは少々違う扱いをしております。
如何に戦闘終了、座に戻ったらリセットを行っても常に戦闘ばかりでリラックスする時間がなければ矢張り魂も疲弊していくと思うのですよねー……。例え道を見失っても、また探す事は出来る。その為にこそ人と、嘗て英霊が生きていた世界と接する事が必要だと思うのですよ。
もっとも、それは魂のリフレッシュで、云わば英霊にとっての夢のようなものであり、本来次に召喚された時、記憶に残ってないという点はFate世界と変わりません。なれば何故横島は…と思われるかもしれませんが、それは今後の展開にて。


さてと
とりあえず最初にも書いた通り、ようやくFate/stay night買って参りました
本当は初回限定版の設定集がとっても欲しかったのですが……アニメのFateが放映されて、第一巻が出る前なせいですかねえ……高い高い
私は関西在住なのでちょいと足を伸ばして大阪日本橋を一日掛けて回ってみたのですが…どこも17000円前後のお値段でした(がくー
さすがに懐具合が厳しいので素直に諦めて通常版を仕入れました。やっぱアニメ化で人気上昇お値段上昇してるのかなーと数ヶ月前のお値段情報を見ながら思う樹海でした
感想は……
ゲームって感じはしませんね。どちらかというと選択肢を持つアニメか何かを見ている気分でした。けど……いい作品や
凛ルートの、イリヤとバーサーカーの心の交流とその結末にはもー涙だばだばでした
現在、セイバールートと凛ルート終了、桜ルートに突入です。さて、週末あたりにhollowも買ってくるかなー

前回間違えていただいた感想ごと消してしまったので、レスは今回は省略…すいません

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