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「見習いが往く 第二回(ドラえもん+機神咆哮デモンベイン)」

ガーゴイル (2006-03-18 21:43)
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翌日。
……何時も思うんだけど――
少年――“野比 のび太”――は感嘆の息を吐きつつ、
「――金持ちも、ピンからキリまで在るんだなぁ……」
一目見て解るぐらい豪華な造りの室内を見渡し、のび太は、不公平だ、と感想を漏らす。
――此処は、アーカム・シティ一の権力者が住まう場所。
覇道を名乗る、財閥の中心地。
――覇道財閥総帥、“覇道 瑠璃”の屋敷である。


アーカムを支える屋台骨。
アーカムの公正たる支配者。
其れが、覇道財閥。
超人とまで呼ばれた初代当主“覇道 鋼造”が一代で為した、正に“覇道”を往く一族。
のび太の目前には、その覇道一族の頂点に立つ者が存在していた。
可憐なドレスを身に纏う、麗しき令嬢。
年の頃はのび太より少し上だろうか。
黒き長髪をツインテールに結んだ、真為る淑女。
この少女こそ、現覇道家当主“覇道 瑠璃”その人である。
その彼女の隣には、彼女の懐刀である執事“ウィンフィールド”が、一分の隙も無い姿勢で直立していた。
「――ご苦労様でした、野比様。夜分遅くにも拘らず、迅速且つ被害を最小限に抑える手際――見事です」
「お世辞はいいよ、ウィンさん。――ところで、何で僕たちなの? 別に、師匠とアルさんでも片が付くのに……」
小さな疑問を投げかける。
答えたのはウィンフィールドではなく、瑠璃であった。
彼女は忌々しそうに眉を顰め、
「あの人達では、出なくて良い被害が雪達磨――もとい。雪崩式に増えていきますから。手早くさくっと片付けるには、のび太さんが一番と判断しました」
何か背後から溢れんばかりの闘気を噴き出させる瑠璃の気迫に圧され、のび太は軽く仰け反った。
脇に立つウィンフィールドも、米神に少し冷や汗を掻いていた。
……師匠達、ばかすか色んな物見境無く壊すからなぁ……
マギウススタイルで暴れまくる師とその魔導書、巨大メカに乗って暴れ回る○○○○とポンコツ人形を思い浮かべ、思わずのび太も額を押さえた。
「――そう言えば師匠、今月は壊し過ぎたから給料が無いって、ソファに蹲って藁を噛みながら泣いてたっけ……」
藁は空腹を紛らわせる為か。
ガムすら買えないのか、大十字九郎。
師事する人を間違えたかな、と半ば本気でのび太は思った。
一方、ルルイエ異本ことルルは瑠璃の気迫など気にも留めず、只黙々と茶菓子のクッキーを嬉しそうに頬張り続ける。
「…………♪」
苦悩する相方とは対照的に嬉しそうだ。
「……まあ何時もの事だし、あえて突っ込みませんよ。――其れで、瑠璃さん。一寸、良いですか?」
苦笑し、のび太は一転して表情を引き締めた。
瑠璃も、異様な気配を振り撒くのを止め、表情を真剣なモノに改める。
「何ですの? ――お給料の値上げなら、即効却下しますわ」
「二日前、同じ事言われました。――そうじゃなくて、実は……」
彼は、真っ直ぐと瑠璃を見つめ、

「――日本へ、一旦帰る事にしました」

執事と姫の動きが固まった。
室内にはただ、ルルがクッキーを咀嚼する音が、空しく響いた。


「其れはまた――性急な話ですね」
逸早く復旧したウィンフィールドが、何時もの鉄面皮口調で言う。
のび太は曖昧に笑い、
「そろそろ、この街に来て一年経ちますから。身辺報告も兼ねて、里帰りでもしようかなって。其れに……両親に、ルルとくする――家族を紹介したいですし」
名前を呼ばれた為、クッキーを食べていたルルは首を傾げつつ、のび太を見上げた。
取り合えず、のび太はルルの頭を撫でる。
心地良さそうに、ルルは眼を細めた。
「そ、そんな……」
一方、瑠璃は顔を真っ青に染め、打ちひしがれ、顔を俯かせた。
「のび太さんが居なくなっては……」
――その姿に、のび太は大いに感動。
「る、瑠璃さん。そんなにまで、僕の事を……ッ」
――のび太に応えるように、瑠璃は沈痛な面持ちで、

「――大十字さん達を止める役が、被害を最小限に留める盾役が、唯一のストッパーが……ッ!」
「僕ってその程度の存在ッ!?」

何だか色んな意味で落ち込んでしまう。
のび太の言い放った言葉に、瑠璃はきっ、と眉を吊り上げ、
「――重要な問題ですわよ! この街で大十字さんと古本娘、其れとイカレ○○○○とガラクタ娘の引き起こす大騒動を止められるのは、 のび太さんと其処のルルイエ異本のコンビしか居ないんです! 嗚呼、街の修理費がうなぎ上りに……」
何気に強いのび太とルル。
街の修理費検算に瑠璃は頭を悩ませる。
其れを見て、今度はのび太が打ちひしがれた。
「ぼ、僕って……」
「御辛抱を……」
ウィンフィールドが、気遣わしげにのび太の肩を叩いた。
ルルはマイペースに、クッキーを食べ続ける。
……何気に恵まれない、のび太であった。


「うう……僕の存在価値って、師匠達の被害を防ぐ盾代わり程度なんだ……」
「のびた、なかないで」
さめざめと涙を流すのび太を、ルルは優しく慰める。
「うう、やっぱり僕の味方はルルだけだよ。――今夜は激しくイこう」
「……うん(///)」
往来の中で、何気に卑猥な会話を交わす二人。
覇道邸を後にした彼等は、アーカム・シティの中心へと来ていた。
見渡す限り、人・人・人。
人のごった煮である。
「――さて。確か、くするはライカさんの所だっけ。日本に行く前に、挨拶しなきゃね」
「……にほん。どんなとこ?」
ルルの問いに、のび太は思案し、
「物価が高い、都会は空気が汚い、土地が狭い、スシ、フジヤマ、テンプーラ」
前半悪口、後半は何処か間違っている。
のび太は、軽く笑い、
「――ま、実家の方は適度に田舎で、結構良い所だよ」
「……ふぅん」
笑い合う二人。
ほのぼのしたラブオーラが、二人から発せられる。
道行く人――特に独身男性――から、恨みがましい視線が向けられた。
しかし、気にするような二人ではない。
腕を組んだまま、幸せオーラを振り撒く二人であった。
「――お、此処此処」
お目当ての店を見つけ、二人の足が止まる。
外見は少しくたびれた、洋風喫茶。
黒い鉄製の看板には、金字でこう書かれていた――

“喫茶 妖蛆のヒ・ミ・ツ♪”

もう何か何処から突っ込めば良いのやら。
大して気にせず、二人は扉に手を掛けた。
錆び付いた音を立てて、扉がゆっくり開く。
中に入ると、先ず紅茶の良い香りが鼻を擽る。
次に、砂糖菓子やシナモンの甘い香り。
薄暗い店内には、古びたテーブルと椅子のセットが何脚か置かれ、良い感じに穏やかなクラシックが上品に流れている。
見た目はアレだが、中身はまとものようだ。
「ティベさーん、居るー?」
奥のカウンターに向かって、のび太は声を掛けた。
数秒間を置いて、声が返ってくる。
「はぁ〜〜い。いらっしゃいませ〜〜♪」
妙に甲高いような、野太いような不気味な声。
奥から出てきたのは――

「――あらぁ、のびちゃんにルルちゃんじゃなぁい。ゆっくりしていってねぇ☆」

エプロン姿の、仮面道化師だった。
丸く肥えた巨体に、ピンク地に黒の文字で店名を染め抜いたドギツイ巨大エプロンを身に着けた異様な姿。
前言撤回。店主がまともじゃない。
「こんにちは、ティベさん。僕は何時もので」
「……こうちゃとすこーん」
如何やら、のび太達は此処の常連らしい。
何気に、こいつ等もおかしい。
「はいはぁ〜い。ナポリタンと抹茶のセットに、アールグレイとスコーン。いっつもアリガトねぇ〜」
注文を繰り返し、店主の道化師――ティベリウス――は、カウンターの中へと引っ込んだ。
幾ら解放された世界とはいえ、コレは如何かと思う。
数分も経たぬ内に、ティベリウスが湯気を立てる盆を持って、カウンターから出てきた。
見掛けに限らず、手際が良い。
「速いね。流石はティベさん、この道うン十年のプロ!」
「いっやだわぁ。オカマに年の話題振るなんて、無粋の極みよ♪」
軽口を叩きつつ、盆上の料理と茶を、手際良くテーブルに並べていく。
――見た目はまともだ。
つか、ぶっちゃけ美味そう。
「――おいしい」
早速スコーンを齧るルルが、素直に感想を述べた。
「アリガトねぇ、ルルちゃん。――はぁ、やっぱり女の子って可愛いわぁ。何て言うか……食べちゃいたいくらい☆」
「止めれ」
性質の悪い事に、このオカマは両刀使いの上に揺り篭から墓場までと節操無し。
……コレさえなければ、良い人なんだけどなぁ。
見た目で誤解されまくっているが、話してみると結構良いオカマだ。
――性癖に難が在るが。
何故か、師匠である九郎とアルは、この店に入って店主を見た途端、顔を引き攣らせていたが。
まあ如何でも良い事だ。
「むぐむぐ……あ、そうそうティベさん。僕達、日本へ行く事に為ったから――暫らく、この店に来れないから」
のび太の言葉を聞いて、ティベリウスは残念そうに、
「あら、寂しくなるわねぇ〜。身体に気をつけなきゃ駄目よ。……ま、其れは其れとして――日本ねぇ……歌舞伎町に行く機会が在ったら、アタシの知り合いが居るから宜しく言っといてねぇ」
「何気に顔広いね、ティベさん」
「結束力が高いのよ」
底知れないオカマに恐怖しつつ、のび太は料理を片付けに掛かった。
――ちなみに、ルルは既に食べ終わっている。
と、その時。
「――失礼仕る」
時代錯誤な服装の男が、店内に入ってきた。
日本の民族衣装である着物を着こなした、糸目の男性。
腰に帯びた二本の刀が、妙に合っていた。
向かいの刀剣専門古美術店経営者、ティトゥスである。
「あれ、ティトゥスさん。珍しいね、この店に来るなんて」
「致し方あるまい。今日は、重要な寄り合いがあるのでな……」
無表情なティトゥスの言葉に、ああ、とのび太は納得し、
「――“黒き聖櫃なる商店街組合(ブラックロッジ)”の寄り合いか。大変だね、“組合幹部(アンチクロス)”も」
「全くだ……」
――“黒き聖櫃なる商店街組合(ブラックロッジ)”。
アーカム全体の商店が協力し造り上げた、巨大組合の俗称である。
只でさえ巨大なこの組合を支えているのは、七人の組合幹部。
通称、アンチクロス。

“喫茶 妖蛆のヒ・ミ・ツ♪”店主、ティベリウス。
“刀剣専門古美術店 皇餓”経営者、ティトゥス。
“玩具屋 ロード・ビヤーキー”二代目、クラウディウス。
“プロレスジム クタアト”看板レスラー、カリグラ。
“生物万屋 エイボン”店主、ウェスパシアヌス。
“時計のレガシー・オブ・ゴールド”店主、アウグストゥス。
そして……“服飾のネロ”社長、エンネア。

――腕っ節は強いが性格に難が在り過ぎる、色々な意味で外れた七人。
其れが、アンチクロス。
商店街最強の七人!
アーカムにその名を轟かせる、七つ首の獣!
覇道財閥と真っ向から対立する、商店組合最後の砦!
色々な意味で間違っている……ッ!
「忙しくなりそうだし、僕達はそろそろお暇しようか。御代此処に置いとくよ――じゃあねティベさん、ティトゥスさん」
「……さよなら」
立ち上がるのび太とルルを見送る、ティベリウスとティトゥス。
「まったねぇ〜〜♪」
「さらばだ」
――再度言いたい。
何かが間違っている。


“喫茶 妖蛆のヒ・ミ・ツ♪”を後にし、お腹も良い具合に膨れた二人は、露店を覗きつつ教会を目指す。
「……ん〜。アンチクロスが勢揃いするって事は……」
眉を顰めるのび太。
ルルも、僅かに顔を顰め、
「……ぜったい、おこる」
「うん。何時もの場合だと――何時ものようにクラウディウス君とカリグラさんが喧嘩をおっぱじめて……」
遠くの方で、何かが振動し爆砕される音が聞こえた。
「何時ものようにウェスパシアヌスさんが無責任に煽って、何時ものように興奮したアウグストゥスさんが支離滅裂な演説を始めて、喧しさに耐え切れなくなったティトゥスさんが何時ものように刀を抜いて振り回し、止めとして何時ものようにティベさんがしっちゃかめっちゃかに掻き回して――最後に……」
遠くの方から金属音とがなりたてる男の声と不気味な高笑いが聞こえる。
溜息を一つ。
空を見上げ、
「――エンネアさんが、ぶちきれる。何時ものように」
――爆発音と共に、遠くの方で火柱が上がった。
ループから抜け出せたといっても、記憶と経験を持つ彼女は未だに“暴君”を名乗るに相応しい魔術師。
――故にこの程度の事など、朝飯前だ。
あえて、のび太は振り向かず、視線を逸らす。
ルルはぼんやりとした視線で空を見つめ、
「……わんぱたーん」
「そだね」
遠くから聞こえるサイレンを聞き流し、彼等は教会へと向かうのだった。


――教会の前で、四人の子供が遊んでいた。
少年が二人、少女が二人。
同じ年頃であろう、十代始めの二人の少年が、元気に駆け回っている。
少し離れた場所で、少年等と同じ年頃の大人しそうな少女は楽しそうに其れを見つめ、目の前の小さな少女の相手をする。
極東の遊びの一つ、あやとりだ。
紐を使い、指を使い、様々な形を作るこの遊びが、最近の少女等のお気に入りだ。
――幼い少女が紐を取ると、直ぐに形は崩れ、絡まり蟠る。
小さな少女は頬を膨らませ、
「るゆ〜。何でぱぱみたいになんないかな? またくするの負け……ありすんお姉ちゃんにまた負けちゃった」
御影色の長い髪を二つのお団子型に纏めた小さな少女――くする――は、ぐてぇ、と地面に寝そべった。
其れを、困ったように笑いながら少女――アリスン――は、微笑ましげに見つめた。
「練習すれば、上手くなるよ」
「るゆ〜。くする、練習とか勉強嫌い」
何処かの怠け者と似たような事を言い、くするは地面に寝そべったまま気持ち良さそうに眼を細め、
「いい天気〜。くする、眠くなってきちゃった……」
「……さっき、お昼寝してなかった?」
「あれは昨日の分。昨日、あまりお昼寝しなかったら。――で、これが今日のお昼寝〜」
血の繋がりは無いとはいえ、父が父なら子も子か。
しっかりと、怠け癖と昼寝癖は受け継がれているようだ。
「るゆ〜。お姉ちゃん、膝枕〜」
のそのそと動くくするの姿に苦笑し、アリスンはくするの頭を抱き寄せ、自らの膝の上に乗せた。
更にくするの瞳が、心地良さそうに細まる。
「るゆゆ〜♪ だんせいにの枕も良いけど、やっぱりくするにはありすんお姉ちゃんの膝枕が一番良いよ〜」
すべすべ〜、と機嫌良く歌うくする。
少し恥ずかしそうに、顔を赤らめるアリスン。
「ままの胸枕も、ぱぱの腕枕も捨て難い〜」
すりすりと頭を膝枕に摺り寄せ、更に歌うくする。
微笑ましい光景だ。
その時だ。
「――あ! のび太だ!!」
「ほんとだ! おーい、のび太ぁ!」
少年二人――ジョージとコリン――が道の向こうを指差し、見えるであろう人物の名を呼び、手を振った。
瞬間、だれていたくするが、がばっ! と跳ね起きた。
キョロキョロと周囲を索敵。
そして――
「――――ッ♪」
視界に、捉えた。
此方に向かってくる二人の男女。
黒いズボンと白いシャツ、黒いジャケットを羽織った黒ぶち眼鏡の少年。
奇妙な衣装を着こなした、白い長髪を背に流すオッドアイの少女。
少年は野比のび太。
少女はルルイエ異本。
くするにとって、大事な大事な二人だ。
くするは満面の笑顔を浮かべ、クラウチングスタートの体勢を取り――
「――のび太ぱぱぁーッ! るるままぁーッ!」
ダッシュ。
見た目は四、五歳児だが、その身体能力は凄まじい。
一気に距離を詰め、跳躍。
狙いは寸分違わず。
のび太とルルの丁度中間点――二人の首に腕が掛かる位置――へと、到達。

ぐわしぃぃぃぃッ!!

簡単に言うなら、ラリアットだ。
「ぐげぱぷぅッ!」
「…………ッ!?」
地面に転がる二人。
モロに喰らい、悶絶するのび太。
ルルも無表情だが、俯いて咽ていた。
事の張本人は、この惨事を少しも気に留めず笑顔で、
「お帰り、のび太ぱぱ、るるままッ! くする、いい子にしてたよ!」
「普通のいい子は、出会い頭にしかも親にプロレス技を叩き込まないと思うけど……まあ、いっか」
喉を擦りながら苦笑し、抱き付いてくる娘を抱き上げ、
「――ただいま、くする」
「うん、お帰り!」
満面の笑み。
見るだけで、心が温かくなる。
のび太はくするの髪を撫でると、隣に居るルルに手渡した。
ルルのおぼつかない瞳に、にぱっと満面の笑みを映して、
「――お帰り、るるまま!」
「……ただいま」
言って、ルルはくするの頬に自分の頬を擦り付けた。
くするも、嬉しそうに自分の頬をルルに擦り付ける。
「……すーりすーり」
「す〜りす〜り!」
何でも、母子の挨拶らしい。
のび太が羨ましそうに見ているが、取り合えず無視しよう。
「のび太〜! 遊べ〜!」
「遊べ遊べ〜!」
元気が有り余っているジョージとコリンが、のび太に纏わり付いてくる。
九郎と同じく、彼も子供に好かれ易いのだ。
「のび太お兄ちゃん。あの、あやとり、教えて……」
紐を持ったアリスンも、恥ずかしそうに言う。
のび太は、う〜ん、と少し考えて、
「――よし。今日は特別に、新しく開発した奥義――“魔を断つ剣”を見せて上げよう!」
おお〜! と子供達の歓声が上がる。
アリスンから紐を受け取り、腕を翻し、空に流す。
四人の子供+ルルが注目する中、のび太は冷静に五指を奏でる。
指が踊る度に、世界に線が刻まれる。
指と紐のロンド。指と紐のワルツ。指と紐のタンゴ。
目に見える旋律が紡がれる。
舞い、織られる。
陣を描く、目に見える消える事無き軌跡。
紡ぐ、紡ぐ、紡ぐ。
……此処で、フィニッシュだ!
最後の仕上げをしようとした、その時!
「あらあらあら〜? 随分賑やかだと思ったら、穀潰し弐号――もとい、のび太ちゃんじゃないの。けど何で子供達を集めて――はッ! ま、まさかハーメルンの笛吹きの如く怪しげな技を使って子供達を誑かした挙句、光も射さない岩山の洞窟の中に監禁して裸に剥いていやらしい薬をてんこ盛りにした上で恥辱の限りを……縛り蝋燭三角木馬なんてのは序の口、ピアスフィストでは飽き足らず四肢を切断して達磨プレイ、腹を割いて内臓プレイ――嫌あぁぁぁぁぁッ!! このエロエログログロ二代目変態鬼畜猟奇嗜好性犯罪者ぁぁぁぁぁッ!!」
突然現れたシスター――ライカ・クルセード――は、のび太の姿を見た途端、妄想を大加速及び超飛躍。
「あなたの頭の方が恐ろしいよ――ぐべぎゃふぐ!?」
思わず突っ込みを入れてしまった。
其れが、致命的だった。
手元が狂い、紐は予期せぬ軌道を描き――

のび太の首に、勢い強く絡まった。

あっという間に、のび太の顔が赤から蒼、蒼から紫にグラデーション。
「ぱぱの顔面白ーい」
暢気なくするの声が、固まった空気に響いたのであった。


「し、死ぬかと思った。死んだおじいちゃんとおばあちゃんが川の向こうで、手を振ってるのが見えた……ッ!」
荒い息を吐き、紐の跡が残った首を擦るのび太。
一時は呼吸停止状態に陥ったりしたが、ルルの懸命な救命行為により、何とか命を取り留めたのだ。
「ライカさん……僕を殺す気ですか!? 幾ら何でも今のはやばかった! つかあんた本当に聖職者かッ!?」
「うう……最近のび太ちゃん、益々九郎ちゃんに似てきた……」
「あんな甲斐性無し生活無能者と一緒にしないで下さい。幾らライカさんでも怒りますよ!」
「――ッ!? ごめんなさい、今のは流石に一寸言い過ぎちゃったわ……」
本人が聞いたら泣くぞ。
つか、仮にも師匠だろ。
「全く……もういいですよ。其れより――お話したい事があるんです、ライカさん」
眠ったくするを抱き抱え、隣に座るルルを視界に映し、のび太は表情を改めた。
ライカは、ん? と曖昧な息を返し、
「――え? もしかして、のび太ちゃん達が日本に行く話?」
「――なんで知ってるんですか!?」
エスパーか!? とのび太は一瞬驚愕を見せる。
「だって――くするちゃんが“日本へお出かけ〜”って、楽しそうに歌ってたわよ」
……成る程。
納得だ。
のび太は照れ臭そうに笑い、
「僕の両親――くするに言わせるとおじいちゃん、おばあちゃん――に会うのが楽しみだって、はしゃいでましたから」
一年以上会っていない両親。
忙し過ぎる毎日を送っていた為に、碌に連絡もしていない。
「帰ったらお説教半日は覚悟しないと……」
怖いなぁ、と震えつつ言うのび太。
「――良い機会だと、思うなあ。のび太ちゃん、此処最近ずっと忙しそうだったし。骨休めに丁度良いと思うわよ〜」
「はっはっはっは。どっかの誰かさん等が壊すわ暴れるわ妄想するわ仕事をくれるわ其れに戦いが終わって以来僕ってずっと馬車馬の如く働きづめぶっちゃけ僕のキャラってドジで間抜けで怠け者でその癖楽に将来生きたいとかぬかしている怠惰なキャラなのに……ああ、思う存分ルルと一緒に昼寝した挙句、口では言えない事に耽りたいぃ――ッ!!」
ストレスが溜まっているのか、思った事がそのまま口に出てしまう。嗚呼、迸る熱き青春のリピドー。
脇で聞いていたルルが、顔を真っ赤に染め上げた。
「し、神聖なる教会で有害な事を叫ばないでぇ――ッ!」
「あんたにだけは言われたくない!!」
神聖な教会で、荒唐無稽な漫才が繰り広げられた。


――お土産は松坂牛か松茸とぬかしたシスターに別れを告げ、のび太とルルとくするは夕暮れに染まった道を行く。
と言っても、くするは熟睡しており、のび太に負ぶわれている。
「後は、師匠とアルさんと……あの二人か」
「……えるざとうえすと」
「――正直、精神ストレスが一杯一杯なんだけど。癒されたい」
「……いやす?」
暫し、ルルは思案し……
「――――」
思案終了。
徐にのび太の右腕を取り、抱き抱える。
故に、結果――

――ふにょん。

柔らかいマシュマロがダイレクト。
「……げんきでた?」
「出過ぎて困っちゃう。240時間働けそう」
脊髄反射で応えるのび太。
バカップル、此処に極まり。
――何て、甘く爛れた逢魔ヶ刻。
そして。
風に混じって、彼等の耳に異様なノイズが届く。
あえて言うなら、目茶苦茶にエレキギターを三味線調に掻き乱すような不協和音だ。
「……噂をすれば、影」
「…………(コクコク)」
何処にでも沸いて出てくる局地的に迷惑な災害が、迫っている。
そして、彼等は見た。
夕焼けを背に、巨大なギターを抱えた堂々たる影を。
白衣を纏い、アンテナの如く突き出た緑のアホ毛を靡かせ、手に持ったギターを無意味に掻き毟る。
――見たくなかった。
つか見えない振りをしたい。
「ふふふ……ふははは……ふははははっ! げぇひゃははははははははっ! 天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ別に誰にも呼ばれてないけど我輩自身が呼ぶ! そう、我輩が出来る事をする為に! TVの前のちみっ子達、我輩に元気を寄越しやがれぇぇぇッ! 今なら日頃のご愛顧に感謝して十%還元中!! ――え、駄目? 嗚呼……負債を抱えて我輩のテンションじ〜こ〜は〜さ〜ん〜〜ッ!!」
人間かアレは。
意味の解らない電波を叫びギターを掻き鳴らす、怪しさがそのまま二足歩行生物に進化したような生命体。
これが、これこそが、アーカム・シティの秘密名物……秘密にしておきたかった恥の塊のような名物、その名も―――
「ドクタァァァァァァァァァァ――ッ・ウェェェェェェェェェェストッッッ! ――偶然偶々気まぐれ狩人風に通り掛かってみれば我が宿敵“大十字 九郎”の一番弟子、“野比 のび太”と“ルルイエ異本”のコンビに巡り会えるとは……やはり我輩は運命の女神に愛され秋なすは嫁に食わすな、食欲の秋真っ盛り――嗚呼、でも我輩としては燃えるような夏が好き。そう、身を焦がすほどに暑い日差しが……え、何焦げ臭い? ――ノオォォォォォォォッ!? マイスイートハウスが火事!? 燃え落ちる我輩の一夏の思い出、しかも我輩直火焼きで焦げ目がコンガリ!! 我輩は焼いても美味しく無いのであ――――るッ!!」
うわ、関わりたくねぇ。
のび太の思考は其れに尽きた。
半目で見ていると、何時の間にか叫ぶナマモノの背後から、何者かが現れた。
緑髪の端麗な少女。
その華奢な身に似合わない大型トンファーを両手に携え、彼女は大きく振りかぶり、
「――博士。五月蝿いロボ」
ごぎぐげめしゃ。
死んだ方がマシ級の嫌な音が、耳朶を打った。
哀れナマモノは後頭部から噴水の如く血流を噴き出しつつ、地面に伏した。
事の張本人――ドクター・ウエスト製作の人造人間“エルザ”――は、困ったように溜息を吐き、
「騒がせて悪かったロボ。凡人眼鏡二号」
「何気に君も敵か」
若干殺気を籠めて言うが、エルザは露程動じず、
「――戦う意思は無いロボ。ダーリンも居ないし、ぶっちゃけめんどいロボ」
「何てやる気の無い戦闘アンドロイドなんだ……」
「えるざだから」
ルルの一言に、何故だか大いに納得。
――だが、まだくたばっていない奴は大いにやる気だ。
「ふっふっふっふっふっふ……ふが六つ! この程度で冥府に落ちる我輩ではないわ!! ちょっぴり綺麗なお花畑を散歩したり、綺麗な川で泳いだり、川原で石を積んだりして遊んだけど――我輩の体内で燃える小宇宙は決して鼓動を止めないのである! 刻むぜ、命のビイィィィィトォォォォッッッッッ!!!」
「……うわ、ゴキブリ以上にしぶとい」
よく其れだけやって死ななかったな、と呆れながらのび太は感心した。
「さぁて野比のび太ッ! いぃまの我輩は以前の我輩ではない! 男子三分あればインスタント! 死地から甦った我輩は、以前よりもパアゥワアァアァァァップッッ!! 当社比300%のスーパー・ドクター・ウエストの力、受けて見よォォォォッッ!!」
「博士、零に何を掛けようが零に変わりはないロボ」
「ガアアアァァァァァァッッンンッ!! わ、我輩エルザにゼロ呼ばわり……つまり能無し…………あれ、何でだろう、空を見てたら涙が出てきちゃった。涙が零れないように、真上を向いて歩こうか…………ビエエエエエエェェェェェェッッ!」
凄まじい速度で真上を見ながら滝のような涙を流して夕日の向こうへ走り去るウエスト。
あえて突っ込むまい。
「博士ー、夕ご飯までには帰ってくるロボよー」
薄情なエルザは、夕日に向かって走るウエストにハンカチを振り、暢気にそう言った。
――もう知らん。
付き合ってられんとばかりに、のび太はこの場からの離脱を試みる。
ルルの手を引いて、全速力疾走。
――最大速度で、振り返らずに走り去るのび太とルルであった。


「こ、此処で最後だ……」
全速力で走ってきた為に、息も絶え絶えに呟くのび太。
親友と一緒に続けた修練により、彼の運動能力は過去の比ではない。
其れでも、キツイもんはキツイ。
「……ねえ」
息を切らせたルルが、のび太に問う。
彼女は、少し恨みがましい視線で、
「……まぎうす・すたいるになって、とんだほうがはやかったんじゃ」

ぴしぃ。

のび太の顔が凍り付く。
スキル・間抜けは、如何やら健在のようだ。
のび太は、少し間を空けて、徐に乾いた笑みを浮かべ、
「――さあ。師匠とアルさんに会いにいこー」
「……ごまかしてる」
突込みが出来るようになったとは……ルルも成長したなぁ、と微妙に間違った感想を胸に抱き、前に進む野比のび太。
その顔は明らかに、引き攣っていた。


――大十字探偵事務所。
事務所とは名ばかりな、今にも倒壊しそうなボロマンションの一室。
此処に、アーカム一の貧乏探偵――もとい。魔導探偵“大十字 九郎”と、その相棒である最強の魔導書“アル・アジフ”が住んでいるのだ。
扉を開け、中に入る。
埃っぽい、正にボロ屋の廊下。
「ししょー、アルさーん。こんばんはー」
勝手知ったる何とやら。
のび太とルルは無造作に、大十字宅に上がった。
――廊下の向こうから、声が聞こえる。
『――ぶッ!? お、おい一寸待て! 今はかなり不味いそのまま動くな来んな息するなッ!!』
「何言ってるんですか、息しなきゃ死んじゃうじゃないですか。――今そっち行きますよー」
男――のび太の師匠“大十字 九郎”の声など無視し、のび太はくするを背負ったまま無遠慮に進む。
ルルは、その後ろを付いて来る。
今度は、魔導書“アル・アジフ”の幼い声が、耳朶を打った。
『――の、のび太! 命が惜しければ今の妾と九郎に近付くな、見るな!! ――退き帰せば命だけは助けてやる……ッ!!』
鬼気迫る声に、たじろくのび太。
だが、伊達に魔術師ではない。
――恐怖心よりも好奇心が勝ってしまった。
「――入りますよー」
一直線に廊下を進み、リビングを覗き込む。
『『ば――……ッ!!』』
其処には、

「…………(汗)」
「……(///)」

“その”光景を見たのび太は硬直し、ルルは顔を真っ赤にする。
――描写は出来ない。
端的に言うなら……お子様お断りな光景だった。
「こ、こ、こ、こここここの……ッッ!」
一糸纏わぬ少女――アル・アジフ――は真っ赤な顔で、壊れたレコードのように声を刻む。
――周囲の空気が、凄まじい魔力に晒され、放電する。
……あ、ヤバ。
のび太は咄嗟にルルを連れて逃げようとするが――

もう、遅かった。

怒れる鬼神と化したアルの最大一撃が、解き放たれる――!

「こぉぉぉのぉぉぉぉ……大うつけどもがあああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」

一切合財、吹き飛ばされる。
のび太も、ルルも、まだ寝ているくするも、家財道具も、そして……
「何で俺までえぇぇぇぇぇぇぇッッ!!」
お約束で、アルのパートナーたる大十字九郎も、素っ裸で宙を舞ったのだった。


「ナニの最中なら最中だと、はっきり言って下さいよ師匠。――お陰で流れなくていい血が流れました……」
「言えるか」
例の如く廃墟寸前になった室内で、腰にタオルを巻いた九郎と全身が煤だらけに為ったのび太がテーブルを挟んで対峙する。
九郎の膝の上には、九郎のYシャツを着込んだアルが仏頂面で乗っている。
対するのび太の膝の上にはルルが座っており、くするは事務所の愛玩動物――ショゴスの“ダンセイニ”――が変形したベッドの上ですやすやと眠っている。
「……さて、この世に別れを告げる準備は出来たか? のび太」
「行き成りですか!? ――アレは事故ですよ……頼みますから勘弁して下さいよ〜」
半泣きで謝るのび太。
このアーカム・シティで彼が一番恐れる存在。
其れが彼女、アル・アジフ。
――如何やら修行という名の虐待で受けた心の傷は、魂にまで影響を及ぼしているらしい。
「……ふん。まあいい。所で――日本へ行くそうだな? 先程、ライカから電話があった」
アルは不機嫌そうに鼻を鳴らし、のび太を軽く睨み付け、問う。
「え? ええ。今日はその報告に――」
「――のび太」
アルに代わって、今まで黙っていた九郎が口を開く。
「――“クトゥグァ”と“イタクァ”……使いこなせるようになったか?」
――のび太の顔が強張る。
焔の神性“クトゥグァ”。
風の神性“イタクァ”。
以前、のび太はマギウス・スタイルでのほぼ死闘ガチンコ試練を受け――辛くもパスした。そんなのび太へ九郎が証だと贈った、旧支配者の力その物であり、魔銃。
「……まだまだです。神獣形態も満足に制御出来ません」
為るべくのび太は目上の存在には敬語を使うようにしている。
緊張で自然と、言葉と表情が引き締まっていく。
「――気をつけろ。最近、アーカム以外でも妙な事件が増えている」
九郎の言う通り、最近、混沌都市たるアーカムの外でも、奇妙な怪異事件が続発しているのだ。
まだまだ規模は小さいが……
「何か嫌な予感がする。努々、気を抜かぬ事だ」
アルが締め括るように言うと、のび太は真剣な表情で――
「勿論です。――“魔導探偵見習い 野比のび太”。少しは、弟子を信用して下さい」
悪戯っぽく笑う。
アルは溜息を吐き、
「――解った。もういい、帰れ。数日中には、この街を発つのだろう。――達者でな」
「アルさん……人がかっこいい事言ったのに、少しはリアクション返して下さいよ……」
「――諦めろ」
九郎の重い断定が、何だか妙に悲しく感じるのび太だった。


「――何か、この街ってほんとまともな人が居ないのかな……」
一日中街中を駆けずり回った所為で、のび太は既にグロッキー状態。
隣を歩くルルは、うん、と頷いて――
「……だけど、いいひと」
――事実だ。
のび太は苦笑混じりに、
「――まあね」
……だから、この街は嫌いに為れないんだよな。
空を見上げる。
星が、キラキラと輝いている。
あの星の向こうに――
「――友達が居る」
考えてみればみるほど、自分の小学生時代は波乱万丈冒険活劇。
異星人やら人外やら何やら。
何度も世界の危機を救った小学生というのも、そうは居ないだろう。
「――日本、か」
ジャイアン、スネ夫、そして……しずかちゃん。
残してきた友達を、思い出す。
……何て説明しようか。
今更ながら、何も考えていない。
まあいい。行き当たりばったりだ。
のび太は空を見上げながら、笑った。
「…………?」
ルルが怪訝そうに首を傾げた。
のび太は何でもないよ、と笑い、背に負うたくするを担ぎ直して、
「――帰ろうか」
開いた右腕で、彼女の肩を抱いた。
ルルは笑って、此方に身を寄せる。
まだまだ寒いが、この二人には如何やら関係無いようだ。
仲睦まじい三つの影は、アーカムの夜へと消えていった。


あとがき
大容量&壊れ。
何か色々な意味で問題作な第二回。
――ちなみにアンチクロスはエンネア以外一般人です。
敵に関しては……秘密です。
では、何時になるか解らない次回にて又お会いを。


感想返信


>剣さん
ええ、あの人です。ちなみに機神飛翔のストーリーは無関係です。キャラだけが繋がっていると認識してくださいませ。


>七誌さん
ルルが効く〜。


>皇 翠輝さん
何時も如何もです。自分も旧声優派。ラブももっと増やしたいです。


>放浪の道化師さん
応援アリガトウです。
今回、ハスターの他に、九郎から力と魔銃二挺を譲り受けた事が判明(だけど未だ使いこなせていない)。
自分も同じ口ですハイ。


>ガバメントさん
勿論、日本編でお馴染みの顔ぶれと共に登場します。ストーリーは……未定です。


>木藤さん
初めまして。
あやとりは主に遊び。現在戦闘には使っていません。人外に好かれる&射撃は、言わずもがなです。


>Dさん
のび太の場合、ロリかどうか微妙です。ルルしか興味在りませんから。――だけど、素質は充分(爆)。


>零時迷子さん
――同感です。
映画は流入しますが、詳しくは未定。
ちなみに裏設定として、ふざけて“チンカラホイ”とやってみたら、修行の成果かその場に居た女性陣全員の捲ってしまい、九郎共々袋叩きにあったという話が……。
以来、のび太はチンカラホイを封印しています。
心の傷に触れるらしいから……


――では、次回で〜。

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