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▽レス始

「終わった世界のその後に 一話(GS+Fate)」

シヴァやん (2006-03-15 14:55/2006-03-15 22:32)
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「………にゅー………ミスった。どうしよう」

 誰もいない真っ白な空間の中、なぜかある執務机の前で、意思の少女は頭を抱えていた。

「まさか力加減をミスして、拡散具合が予想以上に広がるなんて」

 本来世界意思には性別は無かったが、アシュタロスがコスモプロセッサを使った結果、なぜか十代前半の女性体で固定されていた。

「せっかく横島と契約して仕事を肩代わりしてもらおうと思ったのに。まあ守護者の仕事は代わりを探して見つけてきてるからいいとして、問題は暇つぶしのほうだよね。横島ほどそれに最適な存在もまれだし」

 その容姿は純白の髪に白銀の瞳の文句無い美少女だが、女性らしい凹凸は皆無だった。擬音をつけるとしたらストン!だろうか?

「飛び散った欠片がまだかなり見つかってないし、取り込まれちゃってるのもあるし。さすがに無理やり引き剥がすなんて事は………できるけど、何か嫌われそうだし」

 スーツを着て顎に手をかけてぶつぶつ呟きながら思案するさまは、はっきり言って小学生がコスプレしているようにしか見えず、妙に微笑ましかった。

「見つかった欠片はこれだけ、か。まあこれでも、中の上くらいはあるし問題は無いんだけど………」

 そう言って手の平を上に向けると、その上に拳大の光の珠が納まっていた。と言うか浮いていた。

「でもやっぱり完全なほうが良いよね。さてどうしようか」

 意思はそう言った後光の珠を消して、頭を抱えた。その拍子に机の上にあった大量の書類の山が目に入ってきて、それを見て何かを思い出したのか、

「あ、そういえば………」

 そういうと、意思はその書類の山を漁り、数枚の書類を取り出した。

「これこれ。この儀式を手を加えて利用すれば、これを核にしてまだ見つかっていないのも集まるかも。えっと、召喚に介入して途中で式をねじまげてっと。………封印状態なら大体釣り合う位だし。ちょうどいいかな?揺れてた心も安定するかもしれないし」

 なにやら作業しながら含み笑いするさまは、はっきりいてめちゃくちゃ怪しかった。
 やがて作業が終わったのか、

「これでよしっと。えっとリストはっと………」

 そう言って意思が右手を突き出すと、何も無い空間から滲み出す様に本棚が出てきた。

「ああこれだこれだ。よっと………」

 そう言って手招きをすると、本棚から電話帳みたいに分厚い本が飛び出してきて、その手に納まった。

「えっと、彼が参加するんだから、それなりのじゃないとだめだよね。やっぱり。有名どころを引っ張ってきて、っと。えっと………」

 そう言いつつ、右手でメモのようなものに何事かを書き連ね、それを消してさらに上書きしたりしている。

「えっと、この子とこの子、あとこの子………は駄目か。なら代わりにこの子を………」

 そう言いながら、非常に楽しそうに紙を埋めていく。そして、

「よっし。こんなもんかな。じゃあこれで決定っと」

 そういうと、先ほどの珠を取り出し、今まで書いていた紙といっしょに、机の一番下の引出しに入れて、

「よし完了。後は果報は寝てまての法則で、お休み」

 そう言って机に突っ伏して本当に寝出した。


 ちなみに先ほど意思が見ていた書類には、太字ででかでかと

『冬木』

 と書かれていたりした。


 side YOKOSIMA

「………んぁ?………」

 上下の感覚すらない真っ白な空間の中で、俺は気がついた。

「どこだ?ここ?」

 今までの約三千年と言う長い闘争の経験に従い、心を落ち着けて周囲の把握に努める。

 まず左右――とは言っても、前述した通り上下左右の感覚なんて無いから、最初自分が向いていたほうを、仮の正面だとしての方向――を確認。何もなし。

 次に前後の確認。何もなし。

 最後に上下の確認。何もなし。

 ………ん?

 意識の端に違和感。もう一度。

 左右。何もなし。前後。何もなし。上下。何もなし………?

「……………あ!?」

 判明。

 ってちょっと待て!何で俺の体が無い?どうして?Where!?

 せっかく落ち着けていた心が一気に荒れ狂うが、今はしょうがないだろう。

「まて!落ち着けおれ!慌てたってどうにもなんない。まずは落ち着け!」

 声に出して言うことで無理やり落ち着ける。途中で、何で体無いのに声が聞こえるのかとふと疑問に思ったが、とりあえず今は無視。

「えっと、気を失う前って何やってたっけ?」

 また声に出す。それによって自分の意識を誘導していく。

「えっと確か………そうだ。宇宙意思に会って、世界の終焉の話を聞いたんだったな」

 最近のことで、特に印象に残っていることを基点に、その後のことを思い出していく。

「あのあと、各界の代表が集まって、後のことを決めたんだよな。前世界のアカシックレコードの終わる隙間をついて、大量文珠使用の大規模術式による世界の脱却。そのために皆に文珠を渡して回って………」

 徐々に最近へと思考を進めていく。

「それで最後に俺が決めたんだよな。そんで意思に会いに行って………あ!」

 瞬間、思い出した。

「あんにゃろう。今度会ったらお尻ペンペンしてやる!」

 やはりお仕置きの基本はこれだろう?

「まあ、そんな事は置いておいて。ってことは今おれってどういう状況なんだ?」

 もう一度周りを見回してみる。やはり何にもなし。

「何もなしか。さて、どうしようかな?」

 などと考えていると、

『………………』

「ん?」

 何かが聞こえた。

『………………』

「なんだ?」

 二度目は先ほどより少しはっきりと聞こえた。

『………………』

 そして三度目。一度目よりさらに聞きやすかった。それから判断するに、どうやら声みたいだ。
 そしてそれが聞こえた瞬間に、わずかに体が引っ張られるような感覚を受けた。

「?一体何なんだ?」

 訳がわからないが、とりあえず周りに唯一ある反応なので、それに従う。

 ………いや、聞こえた声が女の子だったからって訳じゃあないぞ?まあ確かにむさいオヤジより、女の子の方がいいのは確かだけど。

 などと思っているうちに引っ張る力が徐々に強くなり、体感速度も上がってゆく。

「くっ!」

 それに伴い、いくつかの情報が頭の中に直接流れ込んでくる。

『日本――東京――駅――英雄――英霊――日本語――マスター――電話――鉛筆――学校――サーヴァント――………』

 既存の情報から新しいものまで。基本的なことを中心に次々浮かぶ情報のせいで、自分の状況ことを強制的に理解させられていく。

 その状況が数分間も続き、そろそろ体感速度がジェットコースターに迫ろうかと言うくらいにまであがり、口の端が引きつるのを――体は無いからおそらくは ――予測しつつ、言葉を無理やり出す。

「さ、さすがにもうちょっとゆっくりの方がいいかな………って!」

 大嵐。

 その瞬間、今まで直線軌道だった動きがいきなり乱軌道を取り出した。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 急上昇急降下右旋回左旋回キリモミ直角変化。

 次々に代わる軌道に、思考が乱れる。

『■■■クラ■■■■■■■■■能■■■■■■具■■■■特■■■名■■■■■■■■■固■■■■■■■■■バー■■■■■■■■封■■■■■■■杯 ■■■■』

 そのせいかどうかは判らないが、流れ込んでくる情報も途切れ途切れのものとなっていた。それでもいくつかは理解できたが、これ以上むちゃくちゃになると、それすら不可能になる。

 その状態が、体感時間数十分――実際は数分だろう――続き、突然、

 スポン!

 とどこかに放り出され、次いで、

 ドバキッ!

 何かを突き破る感触と音。最後に、

 ボスン!

 どこかに落っこちた。

「………っつー!」

 幸い下が柔らかかったから落下時には怪我はないものの、何かを突き破った時に
打ち付けた後頭部が猛烈に痛んだ。

 まあ行動に支障はないだろうし、美神さんのしごきに比べればへみたいな物なので特に問題はないだろう。

 ………なんか涙が出てきた。

 まあ気を取り直して、

「いったいどこだ?ここ」

 まずは周囲の確認。これが基本。

 まず、自分の下にはなんか上等そうなソファー。これのおかげで怪我をしなかった。感謝。

 上を見るとちょうど人間一人が通れそうな大穴。さっきの突き破るような感覚は多分あれだろう。

 んで周囲。………なんかもう、一言で表現するなら…………廃墟?

 そう言っても言い過ぎではないくらいにはめちゃくちゃだった。その割には壁とかが古くなっているわけじゃないし、散らかっている家具とか小物類も妙に値打ち物っぽいけど。

「むう………」

 少なくとも観た事はない場所だった。

 ちょっとの間、周りを見回し、

「まあいいか。よっと」

 とりあえず、現在は周囲に危険が無いっぽいし、敵意らしいものも感じない。

 ソファーに腕を突っ張って一息に立つ。って、

「うお!体がある!」

 今ごろ気づいたけど、今の俺には体があった。でも普通の肉体って感じじゃ無くて、何らかの力――おそらくは魔力――の集合体みたいだ。前の世界の神魔族やシャドウみたいなもんか?

 しかも格好が三千年前、と言うか人間の時期のものだった。

 そのことについて考えようとした瞬間、

「――ああもう、邪魔だこのぉっ……!」

 ドガン!

 歪んでいたらしい扉を蹴破って、赤い服の少女が飛び込んできた。

 その場で数秒呆然と停止して、左右を見回し、ため息を吐いて、

「それで?あなたが私のサーヴァント?」

 開口一番、そんなことを言ってきた。


 <後書きですたぶん>

 どもです。
 えっと、第一話です。
 待っていた方がいたかは判りませんけど。

 前話読んだ人のほとんどが予想できたと思いますけどFateとのクロスです。
 今までのは全部横島をこの世界に放り込むための前フリです。

 横島君、かなり強い設定にするつもりですので、そういうのが嫌いな人は読まないほうがいいかもしれません。
 あと、数人TSさせようかと思っていますので、そういうのがきらいな人も同様に。

 話を作ってもそれを表す文章力がぜんぜん足りない。と言うか無い。
 妄想力で話を作るのと、それを文章に興すのはやっぱり別物なんだと改めて実感しとります。
 では予想より全然多いレス返しを。

○リバーさま
 はじめまして。
 完結目指してがんばります

○Mr,Jさま
 応援ありがとうございます。
 がんばりますです。

○樹海さま
 誤字指摘ありがとうございます。
 えっと、アシュの乱ですけど引き金になったと言う意味でして。
 端を発したの方が良かったでしょうか?
 アーチャ−みたいなと言うか、まんまです

○よだれ舌さま
 チャレンジャーと言うよりは何も考えていないだけかと
 ご指摘はいちいちごもっとも
 これから精進していきたく存じます

○良介さま
 いえ、私のは度胸ではなく無謀です(泣)。
 御予想通り某型月の運命です

○球道さま
 グッときていただいて何よりです
 その上期待までしていただいて
 身に余る光栄です

○アレス=アンバーさま
 安定しますでしょうか?
 口調もいまいち変なような気がするのですが

○どこぞの某さま
 更新がんばりました。
 如何でしょう?

○†としあき†肉球さま
 えっと、私も短編は思いつかない人です(汗)
 これからも、楽しめるところだけでもいいですのでよろしくお願いいたします。


 なんか、感覚的に後書きがすげ―長かった。
 ではでは

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