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▽レス始

「まぶ月〜第四夜(改訂版)〜(まぶらほ+月姫+他)」

ドミニオ (2006-02-10 03:09)
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 前回のあらすじ。

 親の謀略により本人の意志に反して葵学園に通う俺、式森和樹。
 数々のフラグ潰しにも関わらず、ついにキシャーこと宮間夕菜がやってきた。
 初っ端からはっちゃけまくってるこの最凶の敵に、俺はどう立ち向かえばいいのだろうか。
 と言うかむしろ逃げたい、この人生から


「それで和樹さん。和樹さんの留守中に図々しくも勝手に部屋に上がり込んでいたあの雌猫は何ですか?」

 そう問いただしてくる夕菜に、不法侵入はお前の方だろうと返したいがこんがりウェルダンに早変わりが怖くて言えない俺。

 ……情けなくなんて無い。この思いは、決して間違いなんかじゃないんだから……!

 いや、間違ってるだろうと何処かの誰かが呟くが華麗に無視

「アリスは俺の……えーと、飼い猫? かな?」

 本人が聞いたら絶対に怒るだろうが、他に適当な呼び方が思い浮かばない。

「ふん。雌猫の分際で和樹さんに近づこうなんて、100年早いです」

 いや、確かにアリスは猫だし女の子だけどさ。

「…………猫、嫌いなのか?」

「いえ、猫は好きなんですけど……。何故でしょう、あの雌猫は別だとわたしの勘が叫んでいるんです」

「……はは、そうなんだ」

 それ、本当に勘か?

「まあいいです。それよりもあの二人が来る前に対策を――」

 対策って何さ!? そう訊こうとした矢先、

 バタンッ!

 そんな擬音を響かせて、思いっきりドアが開かれる。
 入ってきたのは和服に帯刀した姿の、見知った後輩だった

「ん? 凛ちゃん、いらっしゃ――いぃぃぃぃぃぃ!?

 扉を開けるなり振り下ろされたをギリギリで受け止める。
 光を受けて白銀に輝く刀身は、俺の両の掌で挟み取るように止められていた。
 俗に言う真剣白刃取り。実現は物理的に不可能と言われてるヤツだ。
 俺は今ほど自分の神掛かった悪運を誉めたいと思った事は無い。
 …………いや、むしろコレは呪いの類だったりするのか?

「ふふふ、流石ですね先輩」

「いやいや、そんな事ないさ――だから突然斬りかかるのは勘弁してくださいお願いします

「ちょっと凛。貴方、和樹の事殺す気?」

 呆れた顔をしながら凛ちゃんの後ろから部屋に入ってくる三年の徽章を付けた女性。――居たんですね、玖里子先輩。

「何を言ってるのです風椿先輩。式森先輩はあの駿司にも勝った人ですよ。私如きに殺せる筈が無いじゃないですか

 うわー、めっさいい笑顔。
 貴方、自分の言葉を微塵も疑ってませんねッ!?

「いやいやいや、そんな事ないからッ!?」

「……って本人は言ってるけど?」

「先輩。謙虚な所は尊敬できますが、謙遜も過ぎれば嫌みですよ?」

 ちっがーーーーーーーーーーう!?

「とにかく、話が進まないから一端刀を収めてちょうだい」

「……そうですね、判りました」

 玖里子先輩の言葉に、凛ちゃんは渋々ながらも刀を鞘に収める。
 俺的に玖里子先輩のポイントが5アップした。

「さて、――それじゃしましょうか」

 そして速攻下がった。

「――は」

 い? と続ける前に押し倒される俺。

「「あーーーーーーーーーーーーーー!!?」」

 叫ぶ二人。…………二人?

「何で凛ちゃんまで?」

「そう言えば。…………はて、何故でしょう?」

 本気で判らないと首を傾げる。
 今、何か俺に災厄を呼ぶフラグが立った気がするのだが…………気のせいだといいなあ。

「……ふーん。結構可愛い顔してるじゃない」

「ちょ、近いです風椿先輩」

 覗き込むように顔を近づけてくる玖里子先輩を右手で押しやる。
 ちなみに左手は、ボタンを外そうとする玖里子先輩の手と交戦中。

「ふふ、顔真っ赤にしちゃって、結構可愛いのね。わたしの事は玖里子でいいわよ、すぐに他人じゃなくなるんだし」

 別にこういう(主に女性に押し倒されるような)状況が初めてなわけではない。
 ただ、いつもは先に命の心配をする必要があるため、純粋に貞操の危機というのは初めてなのだ。

「……人呼びますよッ!?」

「それ女の子のセリフよ」

 判っては居たが、拉致があかない。
 助けを求めて周りを見渡すも、視界に入ってきたのは今だブツブツ言いながら悩んでいる凛ちゃんと、俯いたまま重苦しい沈黙を保つ夕菜。

 質:……何だか夕菜の背中に赤黒いオーラが見えるのですが、気のせいでしょうか。

「…………な」

 答:んなわけねーだろ。

「何してるんですかーーーーーーーー!!」


「で、宮間さんと玖里子先輩が来たのは俺の遺伝子が目当て、と」

 車座に座った状態で玖里子先輩に確認する。
 何故か俺だけそこはかとなくボロっちいのは和樹シールドが活躍した所為だ。お陰で玖里子先輩は無傷である。

「ま、平たく言うとね。フリーの探魔士が葵学園から引き出したデータがアンダーグラウンドマーケットに出回ってるのよ。色んな所があんたに目を付けてるわよ」

 原作通りの展開だが、…………フリーの探魔士?
 葵学園のサーバは、裏から手を回してかなりセキュリティを強化した。よほどの腕が無い限り、ハッキングなんて出来ない筈なんだけど。

「先輩、その探魔士の名前って判りますか?」

「え? 確か黒桐幹也っていったかしらね」

 はっはっは。なるほど、そういう事か。

「……か、和樹? 何だか、顔が怖いわよ?」

「大丈夫です、気にしないでください」

 疑問を誤魔化すべく笑顔を向ける。
 何故か『ひッ!?』とか声を漏らして後ずさる玖里子先輩を尻目に、おもむろに携帯電話を取り出した。

 ぴぽぱぴぽぽぴぽぱぱ。
 とぅるるるるるる。とぅるるるるるる。
 がちゃ。

「あ、もしもし式さんですか。いえ、大した事じゃないんですけど。ちょっと幹也さんが可愛い女の子とデートしてたのを見かけたんで、報告しておこうかと。はい。はい、わかりました。今度遊びに行きます。それじゃ」

 ぷちっ。

「…………何だったの、今の電話?」

「一言で言うなら、因果応報、ってやつですかね?」

 ちなみに可愛い女の子とは鮮花さんだったりするのだが。嘘は付いてないぞ、うん。


 ――閑話休題。

「そんな訳でね。あたしん家は魔法業界じゃ成り上がりだから、睨みを利かせる何かが必要。凛の所は旧家で伝統もあるけど、ここんとこずっとヤバイのよねー。だから一族会議で新しい血でも入れようって事になったんじゃないの」

 玖里子先輩の説明に頷きながら、内心ではそれは無い、と考える。
 風椿財閥に関してはともかく、神城は『退魔旧家』だ。『退魔旧家』と『魔術師』との間には相互不可侵という暗黙のルールが存在する。
 最も、わざわざ余計な情報を与えたりする気は無いが。
 凛ちゃんも同じ考えなのか、何も言わないし。

「一番ヤバイのは夕菜のとこね。魔力は弱まる一方で、かつての勢いも影響力も今は無し。もう一度大きくなる為には…………ってとこね」

 などと言う、至極最もな理屈を並べる玖里子先輩に対し、当然のように夕菜が激しく抗議する。

「違います! わたしは和樹さんだから来たんです!」

「そうは言ってもね。わたしが今言った事は純粋な事実よ?」

「違います、わたしは和樹さんだから…………あの雪を降らせた人が和樹さんだって知ったから来たんです!」

 ちょっと待て。
 雪って何だ雪って、フラグは潰した筈だろ。

「それって八年前の、あの真夏の雪の事?」

「はい。八年前、父の仕事の都合で外国に引っ越さなければならなくなった時の事です。引っ越しが嫌で、空港のロビーに座って一人で泣いていたわたしを、あの雪が元気づけてくれたんです」

 ……何というか、話がものっそきな臭くなってきましたよ?

 にしても雪? あの頃雪なんて降った憶えも、降らせた憶えも無いんだが。
 夕菜が引っ越したのは『あの日』の翌日か翌々日って所だろうから、ちょうど青子ねえと橙子師が伽藍の堂で怪獣大決戦かましてた頃か。
 最後は青子ねえの破壊魔法と橙子師の氷の魔法が激突して、結局勝ったのは青子ねえだったよな。で、俺が忘れ去られた、と。我ながらほろ苦い思い出だ。

「…………ん?」

 今、何か引っかかる物があったような。

 ――――さて、ここで前回の怪獣大決戦決着シーンを思い出していただきたい。

 レーザーじみた光は一瞬の膠着を経て氷塊を粉々に粉砕。そのまま直進し、大技の直後で咄嗟に動けない燈子氏を打ち据える。
 雪のように舞い落ちる氷片の中、重力に捕らわれ落下していく橙子氏。
 対する青子ねえはそれを追撃する事無く、勝ち誇った笑顔で勝利に酔っていた。

 あてんしょん、ぷりーず。

 雪のように舞い落ちる氷片の中、重力に捕らわれ――

 アレデスカーーー!?

 つまりあの時の大量の雪(正確には氷片)が風に乗って運ばれて、たまたま空港で降ったと。

 何そのアリエナイ偶然。

 マジで俺関係無いじゃん! しかも時間差トラップ!? どんだけ不条理なんだよこの世界はッ!?

「その後、あの雪は魔法による物だと父から聞かされました。その日から、あの雪を降らせた人は、わたしの唯一人の人になったんです」

「だけど、それが和樹だって保証は無いんじゃない?」

 そうそう、実際俺じゃないし

「それじゃあ和樹さん以外に、誰が真夏に雪を降らせたり出来るって言うんですか」

「うーん。そう言われると、ねえ……」

 居る。いっぱい居る。俺が知るだけでも両手で余る程居る。
 けど『魔術師』の存在が隠匿されている以上、軽々しくそれを言う事は出来ない。

「ですから、わたしが和樹さんの妻になるのは、わたし自身の願いなんです!」

 お陰で現在俺が(ある意味)DIEピンチ! 誰だ『魔術は隠匿するもの』なんてお題目掲げたヤツー!?

「ちょっと待て。俺はアンタと結婚する気は無いし、そもそも結婚出来る年齢じゃ――」

「そうよね〜。和樹はわたしと結婚するんだから」

「それも違いますッ!」

 横から茶々を入れる玖里子先輩に、間髪入れずに否定を返す。
 どうでもいいのだが、玖里子先輩には何となく琥珀さんと同じ匂いを感じるのだが、気のせいだろうか?
 ほら、人を手玉に取る所とか、黒幕ぶりとか、受けに回ると弱い所とか

「その通りです。それだったら私と結婚した方がまだマシです」

「――って、凛ちゃんまで!?」

 その気も無いのに火に油注ぐような事言わんといてー!!

「和樹さんの……和樹さんの……」

 ヤバイ、既に手遅れ!?

「…………浮気者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 キ シ ャ ー 大 覚 醒

「浮気って別に恋人でも何でも無いのに――って結局被害は俺に来るのかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 夕菜の頭上に掲げられた巨大な炎、その矛先があからさまに俺に向いていた。
 ――と言うかそれ食らったらどう考えても骨すら残らない気がするのですがアンタ俺を殺す気ですかってキシャーにそんな分別求めても無駄ですよねッ!?

「だあもう、何でやっかい事ばかり――略式召還、来い『至高の斬手』!」

 両手を胸の前で組み意識を集中、掌の間に形成したゲートから俺の『切り札』の一つを引き抜く。

「和樹ッ!?」
「――それはッ!」

 俺の突然の行動に玖里子さんが驚き、凛ちゃんは俺が『切り札』を抜いた事に息を呑む。

 俺の手に現れたのは全長4尺に及ぶ長刀。柄尻に三日月のレリーフの付いたそれは『狩人の鎌』と呼ばれる物。その字は『至高の斬手』。

 炎がこちらへ向けて放たれると同時、踏み込みと共に刀を引き抜いた。

 ――斬。

 引き抜いた勢いのままに、迫り来る炎の塊を真っ二つに切り裂く。

「………………えッ?」

 標的は呆けたまま動けない夕菜。
 限界まで低く伏せた姿勢から、矢のように踵が撃ち出された。

「志貴直伝『自分でもよくわからない蹴り』!」

 無意識に張られた障壁を無視。それごと夕菜を蹴り上げ、更に蹴り上げた足を持って床に叩き伏せる。

「ぅあッ……!」

 ダンッと鈍い音とともに叩き付けられた夕菜の身体が、短く跳ねたのを最後に動かなくなる。
 夕菜が俯せに倒れたまま動かないのを確認し、ほぅと息を吐いた。

「先輩!」
「和樹!」

 慌てて駆け寄ってくる二人に苦笑を返す。
 俺にとっては災厄の種でも、二人にとっては友人、という事なのだろう。

「大丈夫だ。気を失わせただけで――」

「早く逃げましょう!」
「早く逃げないと!」

 だが二人の口から出てきたのは、俺の予想の斜め上二回転半捻りなセリフだった。

「――――は?」

「は? じゃない! 周りをよく見てみなさい!」

 言われて周りを見渡す。

 右を見る。
 壁が燃えていた
 左を見る。
 家具が燃えていた
 上を見る。
 天井が燃えていた

「…………」

 一言で言うと部屋が燃えていた

「――何故にッ!?」

「何故も何も、あんたがさっき斬った火がそこら中に引火したのよ。早く逃げないと焼け死ぬわよ!」

 気を失ったままの夕菜を引きずり、俺達は燃え盛る部屋から逃げ出した。

「俺の部屋ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 一人の男の悲しき絶叫を残しながら。


 幸いな事に部屋は玖里子先輩が全額弁償してくれる事になった――が、修繕には最低でも四日は掛かるとの事。
 2−Bの面々が部屋に泊めてくれる筈も無く、他のクラスの人間には2−B所属という俺の肩書きが効力を発揮しまくり。
 結果、俺は寮の庭でテント暮らしをする事になる。

「……っくしょんッ」

 夜風と世間の冷たさが身に染みた、そんな夜のお話。


<<おまけ〜まぶ月IF〜>>

「違います、わたしは和樹さんだから……」

「はいはいはい、ストーップ」

「何ですか、玖里子さん。邪魔しないでください」

「邪魔かどうかはさておいて、ちょっと訊きたいんだけどさ。――夕菜、あんたホントに和樹の事好きなの?」

「当たり前です! 何を言ってるんですか、玖里子さんッ!?」

「あたしには、どうしてもそうは思えないのよねえ」

「そんなッ! ――まさか玖里子さん。そんな事言ってわたしから和樹さんを奪うつもりですね! 許しません!」

 両手に炎を点す夕菜。だが玖里子先輩は取り合わない。

「理由が不自然すぎる! 幾ら和樹がそれを可能にする魔力を持ってるからって、イコール雪を降らせたのが和樹だと確信するのは可笑しいわ。あんたが宇宙から電波を受信してるようなおかしな人間だって言うならともかく、少なくともあたしの知ってるあんたはもっと理知的な人間よ」

 それは、この中で夕菜を最もよく知っている玖里子先輩だからこそ出る言葉だった。

「なるほど。流石は玖里子さん、鋭いですね」

「それじゃ、やっぱり……」

 確認するような玖里子先輩の言葉に、しかし夕菜はクスリと微かな笑みを浮かべるだけ。

「そうですね、ちょっと昔話をしましょうか」

 唐突な言葉に戸惑う俺達を余所に、夕菜は淡々と言葉を紡ぎ始める。

「八年前の事です。両親の仕事で引っ越しばかりだったわたしは友達も出来ず、精神的に不安定でした。若干分裂症の気配もあったそうです。そんなわたしを変えてくれたのが、雪でした」

「雪? たかがそんな物で――」

「ただの雪じゃありません。真夏に降った雪です。あり得ない現象、でもそれだけの物。けど、わたしにとってそれは救いになりました。夏の陽射しを受けてキラキラと輝く雪は本当に綺麗だった――――でも、それが穢されたんです」

 夕菜が俺を睨む、その目に俺は恐怖した。
 敵意に曝された事も、殺意に襲われた事もある。だがこんなにも深い、底の見えない憎悪に出会ったのは初めてだった。

「和樹さんの事を知って愕然としました。『世界最高の魔力を持つ存在。その力は独力での天候操作さえ可能とする』。幼いわたしの心を救った奇跡は、たった一人の魔術師でどうにかなる程度の物だったのか、って」

「そんなの、先輩には関係ないではないですかっ!?」

「そうですね。確かに、これはわたしの八つ当たりです。でも、感情って理屈では割り切れない物でしょう? それに、和樹さんと結婚したいって言うのは嘘じゃないんですよ。
 ――――だって、そうすれば和樹さんを好きに出来るでしょう?」

 そう言う夕菜の瞳に、嘘は無い。
 そこにあるのは嘘では無く、敢えて言葉にするなら狂気と呼ばれるものだった。

「可愛さ余って憎さ百倍って言葉がありますけど、わたしの場合その逆なんでしょうか。和樹さんが欲しくて堪らない。家から一歩も出さずに、ベッドに縛り付けて、骨まで凍るような恨み言をぶつけながら、同時に脳髄までとろけるほどに愛してあげたい。そうして身も心も、魂さえもわたしの物にして、あの奇跡を穢した代償としたいんです」

 そうして夕菜は、俺へ笑顔を向ける。
 それは歓喜も愉悦も快楽も含みながら、同時にその全てを否定した笑み。

「だから和樹さん。ねぇ、わたしの物になってください」

 その瞳の中の暗い炎を見た瞬間、悟った。
 俺はもう、この闇色の輝きから逃れる事は出来ないのだと――――


<<補足という蛇足>>
・狩人の鎌
 原典は『ヤミと帽子と本の旅人』の主人公コゲ&葉月が持つ日本刀。
 和樹が持っている物は投影によるデッドコピー。ただし黄金のジェド柱による干渉を受けている為、通常の投影品のように壊れると消えたりはしない。
 柄尻に三日月のレリーフが付いた全長4尺(約120cm)の長刀。
 原典は『あらゆる物質や概念を切り裂く』という特性を持つが、機能に劣化が生じている為、魔力消費によって特性の再現率が変わる。
 和樹の3つの『切り札』の一つ。

・退魔旧家
 魔を退ける事を生業とする旧き家系。その性質上、『魔術師』との関わりが深く、魔術師と遠戚関係を持っている家も多い。
 魔術師の血筋は(魔術回路さえ開かなければ)優れた魔法回数を持つ為、魔術師が旧家に養子や配偶者として迎えられる事も多い。
 表社会の裏に立つ退魔旧家と、社会そのものの裏に住む魔術師達は基本的にギブアンドテイクな関係が結ばれている。
 ただし互いに支援し合いながらもお互いの存在に確執を持っており、色々とその関係は複雑であったりする。


<<あとがきという言い訳>>
 長き沈黙(と言っても一週間ほどですが)を経てここに帰還。改訂版第四夜をお送りしました。
 それではレス返しです。


>草薙さん
 激しく手遅れでした(汗
 というわけで改訂版です。今更と言う気もしますが、さて少しはマシになったでしょうか?(汗

>3×3EVILさん
 信じられないかも知れませんが、作者はホントに和樹×凛は想定外でした。
 でも改めて読み返すとどう見ても凛がデレ化してる。あれー?(汗
 というわけで改訂版では凛にも少しはっちゃけて貰いました。うちの凛の和樹に対する感情は幼稚園児が特撮ヒーローに抱く憧れに近いのです。

>aberさんさん
 夕菜は電波分削減により大分地雷女からは遠ざかってしまいました。いやまあ、見ようによっては十分イタイかも知れませんが(汗
 どっちにしろ中の人が不幸になるという事実は変わらなかったりするのですが。

>D,さん
 トーサーカーさんも上げているように、吸血鬼ではなくて吸血種という事になります。具体的には遺伝子疾患による突然変異種が固着したものといった所でしょうか。
 実際には『魔術師』の後始末を『退魔旧家』がやったり、逆に『退魔旧家』の手に負えない魔を『魔術師』が退治したり、という事もあります。だからこそ不用意に手を出さない暗黙のルールが出来たわけですが。
 ちなみにブルーの弟子だから敬遠されるという事は……恐らくめっさあります。

>トーサーカーさん
 おっしゃる通り伊庭先生は吸血『種』という括りになります。上でも述べたように遺伝子疾患による突然変異の固着種……いわゆる、とらハの夜の一族みたいな感じです。
 ただ伊庭先生って血飲むんでしょうかねえ?

>文駆さん
 結局『美女の接近=命の危機』設定はほぼ無くなってしまいました。夕菜の性格が大分変わった辻褄合わせのようなものです。その分、別方向から不幸分を追加してみたり。
 ちなみに夕菜『狂い愛』バージョンは文駆さんの書き込みを切欠に生まれました。今後登場は無いでしょうが、大いに愛してやってください。

>緋月さん
 結局和樹のトラウマは一つ減ってしまいました。トラウマを増やすのと、未来の不幸イベントを増やすの、果たしてどちらがより不幸なのでしょうか。
 『ヤミと帽子と本の旅人』は確かに良作ですね。『顔のない月』も結構好きですが、設定が今ひとつ判りづらいですし。ただコゲ好きの自分としては、ヤミと帽子の二次創作が葉月主人公ばかりなのが……いや、葉月も大好きなんですけどね。

>にゃんこそば!!さん
 割と身に染みております(汗
 結局改訂版で大分まともになった夕菜ですが、この先またキシャーキシャーするようになるかは……神のみぞ知る、です。
 神=作者では無いですよ?

>千葉憂一さん
 ギャグ作品として始めた以上はもう不幸まみれにするしか無いでしょう。
 それこそが主人公の運命と書いてサダメと読む!
 ちなみに実は作者はシリアス畑の人だった筈なのですが……何処で道を間違えたのでしょうねぇ。

>雷樹さん
 まあ人間誰しも相手に少なからず妄想(理想?)を重ねるものですから(汗
 裏世界において、和樹は魔法使いの弟子としてVIP扱いを受けると同時に、特殊な資質の持ち主として天然記念物扱い(或いはホルマリン候補とも言う)を受けています。
 実は後者目的で紅尉が入れさせた所、前者目的で待ったが入った、という裏事情が存在していたりいなかったり。

>樹海さん
 旧版でああいった物を書いて、改訂版でこういった物を書いている以上、樹海さんの意見には肯定も否定もしかねるわけですが…………今回改訂版で夕菜がかなりマトモになっているのは、マトモ→キシャーは簡単でも、その逆は難しいと思ったからというのもあったりします。思いっきり作者の都合で申し訳ありませんが(汗
 ちなみに作者は自分がまぶらほ世界に行ったら『方法を問わず断固としてキシャーから離れる』『諦めてとっととキシャーとくっつく』のどちらかを選びます。

>水鈴さん
 憑依キャラである意味に関しては、実は作者も同じような事を考えていたりします。
 思考段階における『複数作品で同一主人公』という条件を満たす為に『じゃあ憑依キャラにしよう』というかなりの単純思考で決めたもので(汗
 王道、ありがち云々に関しては正直難しい物があります。シリアス作品なら多少捻った物も考えられたかも知れませんが、なにぶんギャグ物連載って初めてだったりするので、もう趣味を押し通すしかないな、と(激汗
 ああ、叙述トリックが書きたい……。

>A・Aさん
 確かに夕菜は外伝と本編の差が結構激しいですよねぇ(汗
 本編に関しては何だかギャグ作品として定着してきた感もあるような無いような…………最初の頃はこう、しんみりした話が多かった気がするんですが。


 今回の改訂版、修正というより半分書き直し?みたいな状況な為、改訂では無く新規で投稿しました。
 旧版との違いは
 ・原作夕菜(初期型)に近づけるべく電波分を削減、キシャー度アップ?
 ・和樹×凛は想定外だったのにどうもデレにしか見えないようなので凛に設定追加。
 ・玖里子がまともすぎたので若干修正。
 ・主人公の目からキシャーフィルターを削除。不幸分を追加。後のシナリオの都合で例のトラウマを削除。能力を若干上方修正。
 ・全体的にアンチキシャー風味だった部分を削除。
 少しはマシになったとは思うのですが、これがベストかと言われれば『?』と首を傾げざるを得ません。前の方がよかった、と言う方も居ると思います。ですが、何事も上を見ると限りが無いと言う事で、今回はこれでよしとする事にしました。
 なお旧版は一両日中、少なくとも二、三日中には削除する予定です。ご了承の程を。

 ちなみにおまけは改訂版執筆中に生まれた夕菜『狂い愛』バージョンです。ぶっちゃけ本作がシリアス作品だったらメインヒロインにしてもいいくらい作者は気に入ってたり。

 さて、次回こそエリザベート編。
 なるべく早く更新したい所ですが……さて、どうなる事でしょう。
 以上、あとがきという言い訳 by ドミニオでした。

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