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「運命と宿命 第八話(GS+Fate)」

九十九 (2006-01-30 02:02/2006-01-30 22:37)
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深く静まり返った住宅街を、二つの影が疾走する。

「いやー、うっかりしてましたね」

影の内の一人が、軽い口調で言う。

その言葉を受け、もう一方の影が、いらだたしげに、返答する。

「うっかり、どころじゃないわよ」

時刻は午前零時。あの戦闘から既に三時間が過ぎようとしていた。

軽い口調の男、横島忠夫がマスターである、遠坂凛に質問する。

「凛さん。衛宮の家は本当にこっちで正しいんすか」

「ええ、間違いないわ。ここを真っすぐ行った先にある、武家屋敷が彼の家よ」

ふーんと横島は、感心した様な声を出し、急に真面目な顔をすると、

「凛さんが、衛宮の家を知っているなんて、もしかして、凛さんは衛宮のことを、そうだったら許せーん!」

妄想力全開で叫んだ。

凛はその叫びを受け、呆れた顔をすると、否定の言葉を返す。

「衛宮君には、そういう感情を抱いていないわ。それよりも、横島。馬鹿なこと言ってないで、もう着くわよ」

凛の強めの言葉を受け、横島は、気を引き締め直した。

そうして、冷たい風が吹き荒れるなか、二人は武家屋敷に到着した。

屋敷の中から、数時間前に対峙した、槍兵の気配が感じられる。
轟々と雲が流れるその下で、横島は、やや緊張を含んだ声で凛に確認する。

「凛さん。出かけに言った様に、逃げることを前提として戦うから、そのつもりでお願いしますよ」

「わかってるわ」

横島が、こう言ったのには訳がある。

横島は、既に判っていた。今の状態で戦ったら、間違いなく自分は倒されると。
要因の一つとしては、ランサーとは二度目であり、初見の利が効かないということだ。横島が、ランサーと互角には白兵戦を演じられたのは、偏に初見の利があったからに他ならない。

さらに、二つ目の要因としては、コンディションの悪さである。先の戦闘でのダメージ。それに加え、その後に行使した文珠複数制御が、横島の疲労をピークに押し上げていた。

この二つの要因から、横島は撤退を主軸に置いた作戦を考えていた。
何も、戦闘するのが面倒という訳では無いのだ。――――多分。

凛も、ラインを通じて、横島の疲労が判っていたので、反対する事も無く頷いた。

「それじゃ、行くわよ」

凛は、横島に合図を送ると、塀を飛び越えようと走り出す。
しかし、それは屋敷内から突如溢れ出した、閃光によって遮られた。それを境に、衛宮邸から爆発的な魔力の波が迸しる。

予想だにしなかった光の奔流により、行動を停止した凛は、呟くようにして横島に同意を求める。

「横島。これは、もしかしてってヤツかしら」

「間違いなく、もしかしてって、ヤツっすね」

二人の反応に応えるように、衛宮低からランサーとは異なった、圧倒的な気配が感じられる。

それは、人間を超越せし者の波動。人の身でありながら、精霊の域に達した者のが放つ、絶対的な在り様。

その気配を感じながら、横島は何時もの軽い調子で言う。

「何にしても、異常が発生していなければ、これで聖杯戦争の幕開けっすかね」

「……ええ」

横島の問いかけに、凛は半ば呆けた様な返事を返す。

横島は、それを聞くと、すうーと、凛の背後に立ち、無防備な彼女の耳に、ふうと息を吹きかけた。

「きゃあっ」

凛は可愛らしい、悲鳴を上げると、一転して横島を睨む。

「ちょっと、横島!」

凛は、眼光鋭くして横島にくいかかる。

それに対し、横島はシニカルな笑みを浮かべると、屋上での再現をする。

「凛さん。戦闘準備いいっすか?」

横島の行動に、凛は瞬間的に赤面すると、

「ばっちりよ!」

横島の後ろに立ち、強がりを言った。

それと時同じくして、ランサーが逃げる様に、塀を飛び越えてくる。

その際、一度だけランサーは横島を見やると、にやりとした笑みを残して、そのまま立ち去って行った。

「来る」

横島の発言に合わせるようにして、闇に包まれた郊外に、それは颯爽と降臨した。

「なっ……」

それを見て、横島は驚嘆の声を上げる。

塀を飛び越え、タンと軽やかに着地した少女は、あまりにも可憐過ぎたから。

「ちっ」

しかし、驚愕は一瞬。
戦慄が体を貫き、少女を戦士と認識する。

横島の勘が告げたのだ。奴は少女に非ず、あれは、喉笛に喰らい付き、その命を奪い去る獅子の類だと。

事実、銀の鎧を纏った少女は、横島に向けて、裂帛の殺気を叩きつけている。

周囲に緊張が張り巡らされるなか、横島と少女の視線が交錯した。

刹那、少女は見えない“何か”を携え、横島目掛けて、一直線に加速する。
その速度、ランサーには及ばないが、それでも尚速すぎる。

横島は、少女の反応を見るやいなや、左手に発動させていた、サイキックソーサーを投擲する。

牽制のソーサーを投げると、横島は霊眼を用いて、少女の見えない“何か”を暴きにかかる。そして、横島は風に守護されている、少女の武装を見破ると、悔しげに表情を曇らせた。

しかし、その表情は少女の行動を見て、凍りついたものに変わってしまう。

少女は飛来するソーサーを、己が対魔力を持ってキャンセルしたのだ。

横島の持つ霊能の中でも、一番の貫通力を持ったサイキックソーサーを、少女は防御するでもなく、回避するでもなく、無効化した。

その事実が、横島に圧倒的な焦りを募らせる。

少女は、再度投擲されたサイキックソーサーをもキャンセルすると、突進のスピードをさらに上げていく。

それを見て、たまらず横島は声を上げてしまう。

「冗談きついぞ!」

(ソーサーがキャンセルされるという事は、“栄光の手”すらキャンセルされるじゃねえか!)

横島は、己が持つ霊能の大半が効かないことを確認すると、直ぐに作戦を変更する。

「凛さん。乗って!!」

言うが早いか、横島はその場にしゃがみ込む。

蒼き突風が迫りくるなか、横島は懐から札を取り出すと、地面に叩きつけ即効で呪を唱える。

金行。式招来

横島の呪を受け、アスファルトが変質し、小型の虎の形になる。

「行け!浮身

横島は、使い魔の成体を待たぬままに、少女に向け走らせる。今はただ、時間が稼げれば、それで良かった。

ガァァアアア

虎式が、眼前に迫った少女に向け飛び掛る。

しかし、完全な呪じゃない上に、成体すらしていない虎式は、

「甘い!」

少女の冷徹な刃を受け、一刀両断されてしまう。

虎式が断ち切られた瞬間、横島からくぐもった嗚咽が漏れる。しかし、横島はそれを無視し、さらに気を高めていく。

二つになった虎式が、元のアスファルトに戻っていく光景を見て、凛が絶叫に近い声を上げる。

「横島っ!!」

既に、横島に覆いかぶさっている状態の凛は、もはや横島を信じるしかない。

目の前には、可憐な死神。

一秒後には、その手で命を刈り取ることだろう。
しかし、その一秒。虎式によって稼いだ一秒が、この勝負の分かれ目になる。

「掴まって!」

横島は、緊迫した声を上げると、振り下ろされる“何か”を尻目に、跳躍した。

その初速、サーヴァントである、少女の眼をもってしても、消えた様に見えるほどに迅い。

しかし、彼女とて人を超越せし者。

少女は、遥か十メートル上空にいる敵を見据えると、彼らが落下するのを待つことなく、迎撃に向かい跳躍する。

どん、という破裂音を残し、少女は標的を貫く弾丸と化した。

横島は、少女が迫りくるのを見とめると、地面に置いていた文珠を発動させる。

轟という音と共に、突然に地面に向かう、突風が発生する。
その風が、少女にとっての迎え風となり、迎撃のスピードが抑えられてしまう。

「なっ!!」

少女は今起きた現象に対して、驚愕のあまりつい声を上げてしまった。

それも当然。少女は、最高レベルの対魔力を有している。
しかし、その事実にも関わらず、余りにも不自然に発生した、突風の干渉をキャンセル出来なかった。

つまり、今の突風は、自然的なものであり、魔術等の神秘が行われた訳ではないのである。

それなのに、良すぎるタイミングで風は吹いた。不自然に起きた自然な風。その矛盾が少女に畏怖を抱かせた。

「よっしゃ」

少女の意図せぬ失速を見て、横島は歓喜の声を上げる。

さっきの突風は、勿論、横島が起こしたものだ。

地面に設置しておいた文珠に、『低』と込め、その周辺の気圧を一気に下げる。それにより発生した真空は、周囲の空気を巻込み、風を引き起こすと、横島の狙い通りに、少女の失速を促した。

横島は、自然現象を利用することにより、少女の追撃を防いだのである。

横島の策にかかり、少女は標的に届かぬままに、跳躍の頂点に達した。

「くっ…」

サーヴァントといえど、重力には逆らえず、少女は、為されるがままに落下して行く。

そのなかで、少女にある疑念が浮かぶ。

――――何故、あの二人は落ちてこないのかと。

遠ざかっていく横島達を見て、少女は直感した。

自分は失敗したと。相手を追い、跳ぶべきではなかったと。

少女の着地までの二秒間。その隙に横島は詰みにかかる。

横島は仙術を用い、空中浮遊並びに移動を行い、少女の落下する隙に、ある一点に向かい移動していく。横島の目線の先には、門の前に立つ、一人の少年の姿があった。

がしゃんと、落下の衝撃により、少女の鎧から無骨な音が響く。

少女は着地すると、直感に従い、全速で身を翻し、門に向け全力で疾走する。

しかし、それは、

動くな、セイバー!!

上空からの、鋭い威令に阻まれた。

「ぐっ」

横島は、塀の上に浮きながら、栄光の手二式で、弓矢を展開していた。

その、番えられた矢の照準は、門の前に居る男。セイバーのマスターである、衛宮士郎の眉間にぴたりと合わされている。

これで、詰みだ。

この場において、横島の番えた矢より、早く動ける者など居ない。

セイバーは、マスターの命の為に動けず、士郎は、己が命の為に動けない。

横島は、宙に浮くという奇策を用いて、セイバーの攻撃を封じ、マスターを人質に取るという、搦め手を持って、行動を縛った。

後は、マスターである士郎を殺せば、同時にセイバーの敗北である。

この状況を省みて、セイバーは己の不甲斐なさに、ぎしりと歯を噛み鳴らした。

こうして、マルチ対セイバーの戦いは、奇策と搦め手を用いた、マルチの勝利で幕を閉じた。


「…う…あ……」

喉がからからと渇いていく。

先ほどの槍兵と違い、絶対の殺意を持った視線を受け、俺の体は射竦められた。

男は塀の上、五メートル程に浮きながら、静かに俺の命を狙っている。

その手には、三日月の如き青い弓が握られ、それと同じ青の輝きをもった矢が番えられている。

その矢の照準は、俺の眉間にぴたりと合わされ、微動だにしない。

一瞬、隠された月が顔を出し、雲間から光が差し込まる。仄かに明るくなったお陰で、男の容貌が顕になった。

それで気が付いた。

俺の命を握っている男は、学校でランサーと呼ばれた男と戦っていた奴だ。それなら納得できる。この化物じみた殺気も、セイバーと戦えていたことも。

あの男が相手では、今更門の中に入り、死角を取ることなど不可能だろう。
それどころか、僅かに体を動かしただけで、青き矢は俺の命を確実に貫くに違いない。

闇に中にしっとりと浮かび上がる、淡い青に染まった双眸が、粛然とそう語っている。

だらだらと、冷や汗が俺の背中を伝っていく。セイバーは、マスターらしい俺の為に動きが封じられている。

くそっ。セイバーを止めようと出てきたのが、逆にセイバーの枷になるなんて。

肌を突き破るような緊張の中、男がゆっくりと、塀の上に降り立つ。

セイバーは、なんとか男の隙を付こうとしていたが、男の油断ない動作に何も出来なかったようだ。

それは、俺も同じで、なんとか門に入ろうとしたが、全然駄目だ。

かちゃりと男が着地した音が聞こえる。

男は、背負っていた誰かを降ろすと、ぞっと底冷えのする声で、その誰かに話し掛ける。

「凛さん。話をするならして下さい」

男の発言に促され、女性が男の隣に立つ。

って、ちょっと待て。

余りに乏しい明かりの為に、その風貌ははっきりとは判らないが、男の隣に立った女性は、その間違いなく、

「……と、遠坂…凛」

「そ、今晩は衛宮君。今日はこれで二度目かしら」

小さな呟きが聞こえたのか、遠坂はこの状況でごく普通に挨拶を返してくる。

そんなの、反則だ。

こんな異様な状況で、そんなにも普通の挨拶をされたら、どうすればいいか判らなくなるじゃないか。

動揺する俺を尻目に、遠坂も男と同じような、底冷えのする声で話しだす。

「さて、衛宮君。質問させて貰うけどいいかしら。因みに、虚偽を言ったり、誤魔化したりしたら、死んでもらうから、そのつもりでね」

言葉こそ柔らかいが、遠坂の言っていることは本当だろう。

ここで、嘘などを言ったら、俺は殺される。それは純然たる事実だ。

遠坂は生粋の魔術師なんだろう。
闇に映し出される、あの眼からは、昔切嗣が魔術を教えてくれた時と同様の怖さがある。

「…判った」

「いい返事よ、衛宮君。それじゃ聞くけど、弓道場で貴方は、聖杯戦争を知らないと言ってたわよね。それは嘘だったのかしら」

「嘘じゃない。俺は聖杯戦争なんか知らない」

「そう。…それじゃ、サーヴァントやマスターそれに令呪といった単語は判るかしら」

「それなら、さっき彼女に聞いた。けど、何が何やらで、全然判ってない」

一度セイバーを見てから、視線を遠坂に戻す。

遠坂は、はぁーと明らかな溜息を吐くと、俺から視線を外しセイバーに向き直った。

「セイバー、とりあえず彼と話し合いたいから、剣を収めてくれる」

遠坂からの提案を受け、セイバーは、渋々ながら了承する。

「……この状況では、仕方ありませんね。しかし、いいのですかメイガス。ここで私達を倒しておかないで」

「あら、倒して欲しいのかしら」

「…話を聞きましょう」

遠坂のからかう様な言葉を受け、セイバーは完全に武装を解く。とりあえず命は助かったみたいだ。

俺は、何もしてないのが情けないけど。

「ほら、横島。いつまでそんな物騒なもん出してるのよ」

「いや、俺としては、ここで男の敵は殺しときたいんすけど」

塀の上では、なにやら剣呑な会話が聞こえる。ていうか、男の敵ってなにさ。

やがて、二人の会話が終わると、横島と呼ばれた男は弓矢を消し、地面に降り立つ。

横島は、たんと軽やかに着地すると、ばっと両腕を拡げ、

「さあ、凛さん。着地は俺に任せてください」

なんて事をのたまった。

あの、死を覚悟させた、能面の様な表情はだらしなく緩みきり、心の臓まで凍てつかせる様な口調は、別人の様に軽くなっている。

青から黒に戻ったであろう目を、きらきらと輝かせ、手をわきわきと動かすその姿は、セクハラ男そのものだ。

その姿からは、どう考えても、セイバーを手玉に取った男とは思えない。さらに、さっきまで感じていた威圧感がなくなり、その姿は、俺と大差ないように見える。

「凛さーん。照れなくてもいいっすよ。俺がきっちり受けとめるっすから」

横島は、周囲からの呆れるような目線を知ってか知らずか、さらに軽くなっている。

………なんでだろう。さっきまでの自分が、とんでもなく間抜けに感じるのは。

セイバーを見ると、彼女も悔しそうな顔をしている。きっとイロイロと後悔しているのだろう。

俺の視線に気付いたのか、セイバーがこちらを向いてくれた。

セイバーと視線が交錯する。
彼女の目を見た瞬間、俺とセイバーの間に何かが通い合った。

――――すみません、シロウ。私が不甲斐ないばかりに。
――――俺の方もすまなかった。足手まといになっちまって。

数瞬のアイコンタクトを成立させ、俺は少しだけセイバーと判り合えた気がする。


で、俺たちは、居間に移動した。

目の前の机の上には、三人分のお茶が用意されている。

遠坂が、割れた窓ガラスを修復している間に、横島が用意した物だ。

その準備した男は、お茶を淹れたら直ぐに道場に行ってしまい、現在この部屋に居るのは俺、セイバー、遠坂の三人になってしまっている。

さっきまでは、横島も居てくれたこともあり、然程緊張はなかったが、いざ一人になってみると、同姓であり、尚且つ軽い性格の横島の有難みが、よくわかる。

机の向かい側に座るは、学園一の才女である遠坂凛。

そして、俺の隣に座するは、俺をマスターと呼ぶ謎の美少女。

…やばい、心臓がばくばく音を鳴らしてるのが判る。そんな状態の俺を知ってか知らずか、遠坂はこほんと咳払いをして、話し始める。

「さて、衛宮君。変態ロリコン男も去った事だし、本題に入りましょうか」

この、変態ロリコン男ってのは横島の事だ。

これは、居間から出て行った後に聞こえた、「俺はロリコンじゃなーい!!」という奇声と、同時に聞こえた、連続的な衝撃音から、名付けられたものだろう。

いや、でもセイバーのあの微笑を受けたら仕方ないと思うぞ。うん。

「どうかしたの、衛宮君」

「い、いや別にどうもしてないぞ」

「ふーん。私はてっきり、衛宮君も横島と同じように、セイバーの笑みに、見惚れてたかと思ったんだけど」

「ぐっ」

遠坂は、にやにやと実に楽しそうに問いかけてくる。

しかも、ずぃーと反対側から身を乗り出しているので、もの凄く近い。なにがって、顔と顔の距離が。

「そ、そんな事より、本題はどうしたんだよ。聖杯戦争とやらを教えてくれるんじゃないのか」

「そうね。衛宮君をからかうのはこの辺で終わりにして、そろそろ本当に本題にはいりましょうか」

言って、遠坂は元に戻ると、真面目な顔になった。

出来れば、最初からそうして欲しかった。この短時間で、どれだけ冷や汗をかいたか判らない。

俺は、気を落着かせる為に、横島が淹れてくれたお茶を、ごくりと飲む。

舌が痺れるほどに熱かったが、今の俺には丁度いい温度だった。
俺は、一度呼吸を整えると、むんと気合を入れ直し、遠坂の発言を促した。


「それじゃ、意見も纏まった事だし、教会に行きましょうか」

遠坂は、言うだけ言うと、ずかずかと道場の方に歩いていく。俺とセイバーは遠坂の後ろから連いて行ってるという感じだ。

それにしても遠坂の奴、家捜しの才能あるんじゃないだろうか。家に入ったときもそうだったし。

あの熱いお茶を飲んだ後、取り敢えずの説明を聞いた。

そして、セイバーからのすすめもあり、本格的な説明を受ける為に、今から聖杯戦争の監督者が居るという教会に行くことになった。

だけど、本当に参った。

遠坂と再会してから、一時間も経っていないというのに、学園一の優等生というイメージは粉々に粉砕されてしまった。

あの、横島への容赦のよの字も無い突っ込みから始まり、セイバーをだしにした俺への精神的いじめ。

説明の間は毅然とした優等生だったのだが、説明が終わると、またしてもからかわれてしまった。しかも、実に嬉しそうに。

間違いなく、あいつの性格は問題あると思う。

「どうかしたのですか、シロウ?」

よほど、深刻な表情をしていたのだろう、隣にいたセイバーが心配そうに尋ねてきた。

「いや、遠坂の性格について考えていた」

「シロウは、面白い様にからかわれてましたからね」

セイバーは、くすりと笑いながら返答してくれた。

…横島さん。あんたの気持ちがよおく判った。確かにこれはきついな。

「シロウ?顔が赤いようですが、大丈夫ですか」

「だ、大丈夫だ。それより急ごう、遠坂を待たせると、なんて言われるかわからん」

照れを隠す為に、俺も道場へと急いだ。


「遠坂。横島はもう呼んだのか」

「今からよ」

僅かに遅れたと思ったが、丁度いいタイミングだったみたいだ。

遠坂は、道場の戸に手を掛けて、開けようとしている所だった。

「横島……」

「どうしたんだ遠坂。横島は居ないのか?」

途中からしりすぼみになった、遠坂の声を不思議に思い、セイバー共々道場内を見る。

そこに、横島は居た。

横島は、道場の中心で座禅を組み、瞑想をしているようだ。
だが、その自然さ。景色の一部に成ったかのような、存在のあり方は眼を瞠るしかない。不意に仙人という単語が頭をよぎる。それ程に横島の瞑想は堂に入ったものだった。

隣にいるセイバーも、驚いたような顔をして、その瞑想に見入っている。やはり、セイバーの様な達人でも、横島の自然さは真似出来ないものなのだろう。

だけど、似合わないよなあ。

弓矢を構えていた横島ならともかく、あの姿を見てしまった人は、俺の考えに賛同してくれる筈だ。

あの超が付くほどの軽さを持つ横島が、煩悩とはかけ離れた存在の、仙人に見えることをしている。

――――うん。似合わない。

横島に対し失礼な事を考えていると、こちらに気付いたのだろう、横島は立ち上がって、俺達の方へと振り向いた。

「話は終わったんすか?」

横島の問いかけに、遠坂がこれからの行動を含めた答えを返す。

「ええ。それで、今から衛宮君と一緒に、隣町の教会に行くことにしたから。…付いてきてくれる」

「そりゃ、勿論。……それより、セイバーはその格好でいくのか」

横島は、遠坂との話を終えると、セイバーに話を振る。

横島の目線に吊られ、俺も視線を隣に向ける。
そこには、蒼い衣の上に、銀の鎧を付けた美しき騎士がいた。
非常に残念なことだが、その姿はどう考えても補導対象だ。……いや、そういう問題じゃないんだけど。

しかし、実にうっかりしてた。流石にこのまま、外に連れて行く訳にはいかないしな。

そんな俺の思惑とは裏腹に、セイバーは横島の疑問に、間髪いれずに答える。

「無論です。マスターを守護するのはサーヴァントの責務ですから」

「いや、出来れば着替えて欲しいんだが」

隣から期望を伝えると、セイバーは凄い目で睨んできた。

「マスター。貴方は判っていません。そもそも、先程ヨコシマにやられたのも、シロウが何も考えずに、飛び出したせいでもあるんですよ」

「うっ」

それを言われると、何も言い返せない。さっきの戦闘の結果は、間違いなく俺のせいだからだ。

「まあまあ。セイバーがそういうんじゃ仕方ないじゃない。衛宮君はセイバーと一緒に、彼女の体格に合った、コートでも持ってきなさいよ」

「分かったよ」

遠坂からの指摘も受けたし、仕方もないので、ここは言う通りにするしかないだろう。

セイバーに合う服なんてあったかなあ。


「横島。貴方大丈夫なの?」

衛宮君とセイバーの二人が居なくなり、横島と二人きりになる。セイバーの服装に関しては、ナイスタイミングといえるだろう。

「やっぱ、ばれちゃってます?」

「そりゃ、ラインが繋がってるからね。それに、貴方が道場に移動して、尚且つあんなことやってればね。…小周天ってやつだっけ」

「よく知ってるっすね。てっきり凛さんは、西洋派と思ってたんすけど」

「兄弟子が少し気功を齧っててね。その伝で知識としてだけなら。そんなことより、あんたの体調はどうなのよ」

私の再度の問いかけに、横島は苦みを含んだ顔をする。

「正直なところやばいっすね。セイバーに出した、式神のダメージの還りが予想以上でしたからね」

「式神って、あの虎の形をした奴よね。だけど、その還りといっても、あれは使い魔なんでしょ。そこまで還りがあるとは思えないけど」

「いえ、あいつは使い魔じゃないっす。正確にいうならば、式神と使い魔の中間なんすけど、あいつと俺とは、どぶといラインが繋がってるんで、そいつが受けるダメージまでフィードバッグされるんすよ。まあ、幸いにして完全に成体してなかったから、気絶とかせんですんだんすけど」

「はあ、成る程ね。それで戦闘とかは出来る?」

「残念ながら厳しいっすね。仮に戦いになったら、凛さんは、迷わず令呪を使って下さい。…でないと、マジで負けますよ」

「……判ったわ」

ふう。思ったより状況は厳しいようだ。横島があそこまでいうのだ、半端なダメージではないのだろう。

今日のところは、衛宮君を案内したら、大人しく家に帰ったほうがよさそうね。

「凛さん」

しかし、予定が狂ったわ。今日は新都辺りを探索しときたかったのに。あ、横島の式神を使い魔にすればいいかしら。

「凛さんっ」

いえ、やっぱり今日はきっちり休みをとるべきかしら。ランサー、セイバーとハードな戦闘が続いたわけだし。

「きゃっ」

考えに没頭していると、突然に不埒な魔の手が、私のお尻に触れて来た。

「横島さん。死にたい?」

「殴ってから聞かんで下さい!」

横島は、私の裏拳を受け、鼻血を出しながら抗議してくる。ガンドを撃たなかっただけ有難いと思って欲しいわね。

「それで何なの」

私は目線を鋭くして聞く。私はさっきの事を含め、まだ許した訳ではないのだ。

呼んでも応えんかったのは、そっちなのに

…横島。残念ながら聞こえてるわよ。

「それで、なんなのかしら横島さん?」

私からの問いに、横島は、びくぅと体を硬直させれると、敬礼の形まで取って、軍人的な口調で喋り始めた。

……そこまで、することはないじゃない。

「今から、凛さんの令呪を調整致します。ですから、右手を出して欲しいのであります」

あっ、そういえば、家に入って直ぐに、横島は衛宮君の令呪を見せて貰ってたわね。

流石にそういうとこは抜け目がないわ。

そういうことならと、私は素直に右手を差し出す。途端に横島は顔を緩めると、私の右手を揉みくだした。

「あーっ。凛さんのお手々すべすべー」

本気で令呪を使った方がいいかもしれない。

「横島。夜はシリアスな時間って言ったでしょうが!」

「だから、殴ってからいわんで下さい。全く、軽い冗談だったのに」

横島は、ぶつぶつと文句を一通り言うと、急にシリアスな表情になる。全く、いつもこうだったら、文句無しなのに。

「いきますよ」

言って、横島は『整』と込めた文珠を発言させると、私の右手に押し当てた。かぁっと、周囲に翠色の光が漏れる。やがて、その光が止むと、私の右手には、くっきりとした聖痕が現れていた。

調整される前は、少しぼやけた感があったが、横島の調整を受けて、はっきりとしたものなったようだ。

これで、不完全だった令呪は、衛宮君の物とは形こそ違うが、完全な令呪になった訳か。

「これで後は、衛宮の令呪に反応すれば、完璧だとは思うんすけど」

「そうね。でも、魔術回路を閉じている状態では判らないらしいから、試すのは後になるわね」

どうやって確かめようと、私と横島が、うーんと唸っていると、衛宮君の呼ぶ声が聞こえた。どうやら、準備が出来たようだ。

外に出たら、無表情のセイバーと、その隣で困ったような顔をしている衛宮君が待っていた。

セイバーが無表情な理由は、やっぱりあれよね。

「衛宮。なんか他に無かったのか?」

横島が、呆れた様に衛宮君に問う。まあ、言いたくもなるわよね。

「悪い。これしかなかった」

「だからって、黄色の雨合羽はないだろ」

そう。セイバーが着ているのは、私が来ているような防寒用のコートではなく、防雨用のレインコートだった。

いきなり、あんな物を着せられては、セイバーも怒るというものだ。というか、文句を言わないだけ偉いのではないだろうか。

横島は、面倒くさそうに頭をわしゃわしゃとすると、セイバーに質問する。

「セイバー。任意で対魔力下げれる事とか出来るか?」

それを聞いて、セイバーは静かに答えを返す。

「ええ。出来ますが、それがどうかしましたか」

「今から、お前に簡易的な隠形用の術を掛ける。つう訳で、害意は無いから、多分大丈夫とは思うが、念の為に対魔力を下げて欲しいんだ」

「ヨコシマ。何か仕掛けるつもりじゃないでしょうね」

セイバーが鋭い目で横島を睨みつける。彼女は横島を敵としてみているようだ。むしろ、私としても、そっちの方が都合がいいんだけど。

横島は、セイバーの視線を受けると、うんざりした様子で、軽く手を振りながら返す。

「せんせん。それに何かするつもりだったら、もう衛宮にやっとる」

「…それもそうですね。それでは、お願いします」

セイバーはそう言って、合羽を脱ぐと、衛宮君に渡す。

「マスター。次からは、もっとましな物をお願いします」

やっぱり嫌だったのね、あの合羽。

衛宮君は、セイバーからの苦言と冷たい微笑みを受けて硬直している。

うーむ。私が横島に詰め寄る所も、傍から見るとあんな感じなのかしら。

それなりに気が済んだのだろう。セイバーは横島に振り返ると、続きを促す。

「対魔力を下げました。これで問題はない筈ですが」

「よし。セイバーはこの札を持って、俺と同じようにステップを踏んでくれ」

横島は、懐から<隠形>と書かれた札を取り出すと、セイバーに手渡す。そしてゆっくりと、一定の規則に沿ってステップを踏んでいく。

流れるような横島の動きとは対照的に、セイバーはたどたどしくステップを踏む。

横島の足捌きを見ると、どうやら、ひしゃくの形を描こうとしているようだ。
やがて、北斗七星の形が出来上がると、セイバーが持っていた札が、かあっと光りだした。

「これで、いいのですか?」

セイバーは不思議そうに体を見回すと、怪訝な面持ちで横島に問い掛ける。セイバーの目には、何も変化が起きていない様に見えているのだろう。

「おう。ばっちりだ」

セイバーの不安気な反応と違い、横島は自信満々に言う。

「しかし、何も変わってはいないと思うのですが」

腑に落ちないのか、セイバーは、尚も横島にくい掛かる。

「いや、しっかり変わってるぞ。衛宮に聞いてみ」

「はあ。…シロウ、何か変化がありますか?」

セイバーからの質問に、衛宮君は不思議そうに答える。

「ああ、なんだかセイバーが透明に見える」

そう。セイバーの体は半透明になっていた。

その体に遮られて、本来なら見えない筈の風景が、今はぼんやりではあるが、確かに見えている。なんだか、幽霊でも見ているようだ。

衛宮君からの答えを聞き、セイバーはもう一度、うん?と自分の体を見回す。おそらく、その効能は、術者には判らないのだろう。

そんな二人を見て、横島が詳しい説明を行う。

「セイバーには判らんだろうが、確かに今セイバーは透明になっとる。それなのに、衛宮がセイバーの体を、ぼんやりとだが見えるのは、既にそこにいると認識しているからで、セイバーの存在を確認できとらんやつには、しっかりと透明に見えとるはずだ。まあ、簡易的な代物だから、熟練した魔術師や、気配を感知できる達人には効果はないけどな。それでも、今の時間帯を出歩くには、十分な用心にはなるだろ」

横島の解説を聞き、セイバーは、やっと納得したのか、うんうんと頷いている。横島の行き届いた対応に感心しているみたいだ。

衛宮君も感心したようで、素直に横島に賞賛を送っている。

「へー、横島って凄いんだな。たったあれだけの歩法と札だけで、相手に隠形結界を張ることが出来るなんて。……横島は得意なのか、ああいう術?」

「ん?まあな。俺は様々な術の中でも、隠形の術には特に力をいれたからな」

「ヨコシマは、諜報活動でもしていたのですか?」

横島の発言を聞き、セイバーが探りをいれるためか、横島に疑問をぶつける。

残念だけどセイバー、無駄よ。そんな真面目な答えを横島に期待しては。

「いや、諜報も確かにした事はあるが、それはおまけであり、本題ではない」

「諜報がおまけとすると、暗殺か何かですか?」

だから無駄だってセイバー。そんな生真面目に返答しちゃあ。貴女も少しとはいえ見たでしょう、横島のすけべっぷりを。

そこ!暗殺と聞いて、顔を微かに強張らせている貴方。残念だけど、がっかりするから、緊張しなくていいわよ。

「んな分けないだろうが!全く、隠形に力を入れるとしたら一つしかなかろ!」

横島は、セイバーの生真面目なセリフを、力を込めて否定する。

そんな横島を見て、益々興味が引かれたのか、セイバーと衛宮君は綺麗に声を合わせて横島に問う。

「「それは」」

二人の声を聞き、横島は少し間を置く。その仕草が、つくづく芸人というか、なんというか。

それは兎も角として、マスターとしては、サーヴァントの馬鹿行を阻止せねばなるまい。

私は、つかつかと横島の傍に近寄って、腰を落とす。その際、勿論手はベアーにしてある。当然グリズリー級にベアーだ。

一拍置き、横島が口を開く。その瞬間、私は行動に移った。

左足で踏み込み、それと同時に右足首を回して、その力を腰に伝える。さらに、その勢いを失わせず腰を捻ると、基点となる右肩に力を送り出す。

私は、足首、腰、肩からの運動エネルギー、それに、踏み込みによる位置エネルギーを連動させると、その全てのエネルギーを拳に乗せて打ち出した。

私の気合を含んだ、右の中段突きは、狙い違わず横島の脇腹へとすい込まれていく。

ぶっ!!

ちっ!流石ね横島。私の突きを咄嗟に化勁でいなすとは。…まあ、それでも手応えは十分あったんだけど。

横島は、脇腹への衝撃、それに自分で飛んだ事もあり、たっぷりと、二メートルは吹っ飛んでいった。

さてと、横で目をぱちくりさせている、お二人さんを連れて、とっとと教会に行くとしますか。

「ほら!衛宮君、セイバー、さっさと行くわよ!」

二人は、私の言葉にはっとすると、

「あ、ああ」

「え、ええ」

多少どもりながら返してきた。

衛宮君にしろ、セイバーにしろ、横島の事を心配しないのは、やっぱりアレを見たからだろう。

まあ、あの回復いや再生能力をみたら、この反応は全く持って正しい。

地面に転がっている横島を尻目に、私たち三人は教会に向けて歩き出した。


あとがき
漸く、プロローグが終わり、本編に突入。
士郎は、今までの影の薄さを返上できるのか、そして、これから士郎に活躍の場はあるのか!…残念ながら、まだ無いですけどね。
影の薄さは返上できても、投影できない士郎に活躍の場は、なかなかないんですよね。これが。まあ、とにかく頑張れ士郎。
今回悩んだ点は、アスファルトは陰陽五行のどれよ、です。
色々調べましたが、やっぱり、金行かなあと思いそうしました。間違ってたら、横島君のはオリジナリティーが強いんだねっ、てことにしといて下さい。うん。逃げだ。
大変遅くなりましたが、楽しんで頂けたら幸いです。

おまけ
衛宮邸に入る前に、遠坂さんの行った、横島君への、容赦のよの字も無い突っ込みとは、次のうちどれでしょう。
1、顔面に着地した。
2、顔面を踏み抜いた。
3、顔面に立ち、そのまま後頭部を地面に叩き付けた。
ヒントに、それを見た時の士郎、セイバーの発言を。
「おい!大丈夫か!!…う、血溜まりができている」
「…むごい」
因みに、それをやった後の遠坂さんは、しれっとしていました。

――――すみません。
えーと、文量オーバーでカットした分は、想像で補って下さい。
以上でございます。


rin様
遠坂さんの良い所が出せてたみたいで、ありがたいです。
召喚されました。因みに今でも、やっぱりロリコンは否定しています。

銀むつ様
ランサーについては、確かにそうですね。実の処、セイバーは、横島君のことを、キャスターだと思ってたりします。

とり様
今回の戦闘は、白兵戦というより、頭脳戦というかんじでしたが、どうっだたでしょうか。

なまけもの様
言峰神父に心を切開される横島。ダーク指定が付く可能性がありますね。
服装については、セイバーより自由度があります。厳密には違いますが、横島君は幽体離脱しとる様なもので、原作でもそうだったように、その服装は固定化されている訳ではありません。ですから、魔力が十分なら、大抵の服を魔力で補えます。横島君の今の在り方は、セイバーとは似て非なるものといえます。
カリスマ(偽)うーむ、確かに。
けど、カリスマというスキル自体が稀有なものですから、これくらいで、勘弁を。それに、スキルはまだ全部出た訳ではないので。

渋様
そういって頂けると、大変ありがたいです。
セイバーとの戦闘はとりあえず、横島君の勝利になりました。どうだったでしょうか。

otukoz様
ありがとうございます。
毎回、横島君のその『らしさ』を出し切れているのか不安なだけに、そう仰られると、ありがたい限りです。
次回の更新は出来るだけ早めにできるよう頑張ります。

T城様
はい。横島君は相変わらずです。
質問の答えです。
1、ばっちり見えます。上にも書いていますが、セイバーとは似ているところもあるので、霊体化も出来ません。
2、はっきりいって、かなり人間のそれに近いです。壁抜けも出来ませんし、術または文珠などを使わないと、空も飛べません。
3、効きます。横島に関しては、概念武装といった代物でなくても、きっちりダメージを受けます。とどのつまり、横島君は、サーヴァントというよりも、人間といった方が正しいです。
4、供給されています。ラインも繋がっており、令呪も調整したので、しっかりとした、マスターとサーヴァントの関係になっています。
これからも、可能な限りお応えしますので、遠慮なく質問されて下さい。

どうも、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。
それでは、九十九でした。

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