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▽レス始

「ガンダムSEED Destiny――シン君の目指せ主人公奮闘記!!第二部――第二話 衝撃、そして岐路 後編(SEED運命)」

ANDY (2006-01-25 07:55/2006-01-25 08:01)
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 何かを作り上げることには、莫大な時間と労力が必要である。
 だが、その逆の方向の、何かを壊すと言う行為は、実に簡単に、ほんの些細な労力で事足りる。
 それがたとえ、皿を一枚割るのと、平和と言う時間を壊すことは大本で異なるものではないのだ。
 だが、それでもその壊す、と言う行為を止めようとする者がいる。
 その行為を、どこかで笑いながら蔑む者がいる。
 だが、それでも何かを守ろうと言う思いは挫けることは無い。
 そう、決して。


「早くっ! 入れるだけ開けばいい!」
 倒壊した格納庫の中で、ルナマリアはじりじりしながら叫んだ。
 その声を背に受けながら、周囲にいた作業員も兵士も総出で、瓦礫に埋まり身動きの取れなくなっている鋼の巨人の上から瓦礫を運び下ろそうと四苦八苦しながら動いていた。
 一方のレイは自分の機体の傍らに立ち、コックピットハッチが見えるのを静かに待っていた。
 だが、その身の内にある感情を現すかのように、その両の拳は白くなるまで握りこまれていた。
 そして、その二人の感情を更に煽るように、無線機越しに奪われた三機とインパルスの交戦が中継されていた。
 その放送を耳にしながら、二人は自分たちの運が果たしてよい方なのか、そうでないのか疑問に思っていた。
 三機の襲撃が始まるとともに鳴り響いた警報に弾かれるように、格納庫脇で最終受け取りのチェックをしていたレイとルナマリアは、すぐさま自身の機体に向けて走りだした。
 だが、到達する寸前に格納庫にミサイルが命中し、二人の目の前で音を立てて倒壊したのだった。
 もし、後一分駆けつけるのが早ければ、今頃は瓦礫の下で身動きの取れない状態だったかもしれない。いや、下手をしたら衝撃で怪我を負っていたかもしれないのだ。
 その点では、二人は幸運だったと言えるだろう。
 だが、二人はその幸運に感謝をする余裕が無かった。
 どうせならば、自分たちが乗り込み、飛び立ってから格納庫が倒壊する、そんな幸運があるべきではないのか、といささか強引な意見を浮かべながらルナマリアは自分の機体のコックピットハッチ部分が顔を覗かせるのを、一日千秋の思いで眺めていた。
「レイ!」
 そんなルナマリアの横で、レイに声が掛かった。
 コックピットハッチ周辺を覆っていた瓦礫は見事に取り払われており、乗り込むことが出来るスペースが確保されていた。
 それを確認するとすぐに、レイは機体の上に飛び乗り、コックピットハッチ周辺にいる、手の平などに大小さまざまな傷をつけている作業員達に目礼を送ると同時に、狼の如き鋭い動きでコックピットに滑り込んだ。
「中の損傷は分からん、いつも通りに動けると思うなよ! 無理だと思ったらすぐ下がれ!」
 作業員の中で年配の男が、額に血を滲ませながら注意点を教えてきた。
 怪我など些細なことに拘らず、万全でない機体に乗せることに対しての罪悪感を滲ませるその顔に、レイはその男に誇りを持った一人の戦士の匂いを感じ取った。
 その戦士に対して、自分が行う行為はただ一つ。
 レイは、無言で作業員の言葉に頷いてみせると、ハッチを閉めて素早くOSを立ち上げた。
 レイの指が、一つ一つシステムを起こしていくのに合わせ、低い音と共に特徴的なモノアイが点灯し、瓦礫を落としながらその鋼の巨人は身を起こした。
 両肩にシールドを装備し、頭部に一本の角を有したその機体、『ZGMF-1001 ザクファントム』は同系列のザクウォーリアの上位機種に当たるもので、全体をレイのパーソナルカラーである白灰色に染められ、その左肩と両シールドの表面には、レイのパーソナルマークである『砂時計を守りたたずむ白金の狼』が、これからの戦闘に対して俄然とした雰囲気を宿していた。
 レイは簡易的に機体のチェックをしてみたところ、致命的な損傷は生じていなかったことに自身の運はよいほうだと結論付けるとともに、隣で未だに瓦礫の撤去作業をしている集団に外部スピーカーで呼びかけた。
『どけ、ルナマリア』
 外部スピーカー越しに聞こえた声に、ルナマリアとスタッフが機体の上から慌てて飛びのいた。
 ザクファントムの手がコックピットハッチを塞いでいた鉄骨を掴み、瓦礫と共にいとも簡単に払いのけた。
 瓦礫が排除されるとともに、そこに赤い機体が現れた。
 それを確認すると、ルナマリアは喜び勇んでコックピットに飛び乗った。その動きはしなやかな猫のようであった。
 ルナマリアも、素早くOSを立ち上げるのと同時に、機体の損傷具合をチェックした。
 幸運なことにルナマリアの機体も、致命的な損傷は無く戦闘に支障はないと判断できるものだった。
 その事を確認すると、ルナマリアは自身の分身である、パーソナルカラーの赤で染められ、自身のパーソナルマークである『満月に乗りかかる十字架をぶら下げた山猫』を左肩とシールドの表面に施されたザクウォーリアを立たせた。
『二人とも、武装はこれしかないが、持って行け!!』
 自分の運も捨てた物ではない、と喜んでいるルナマリアの耳に、スピーカー越しの声が飛び込んできた。
 メインカメラを声のしたほうに向けると、ザクの標準武装であるビーム突撃銃を数丁乗せたコンテナトラックが停止していて、その横で拡声器を持った作業員達が数人いた。
「ありがとう!」
 武装を用意してくれたことに感謝の言葉を述べると、二人はそれぞれビーム突撃銃を握らせ、予備マガジンの確認を行った。
 それが終了すると、サブモニターに映っているレイと視線を合わせ無言で頷くと同時に、格納庫から数歩歩かせるとバーニアを噴かせて戦場へと飛び立った。
 一人強大な敵に立ち向かっている仲間を救うべく、二機のザクは空気を切り裂き飛び立った。


「このーー!!」
 ザクの最高速度で降り立った戦場は、ソードインパルスが丁度奪われたガイアを戦闘不能にする場面だった。
 その鮮やかな手並みに感嘆すると同時に、残りの二機を捕獲するためにルナマリアは、ビーム突撃銃を固まっているアビス、カオスに向けてビームの銃弾を浴びせ掛けた。
 速射性を売りにしているためか、ビームの銃弾はバラつきながらアビスとガイアに降り注いだが、二機はシールドをそれぞれ掲げ、スラスターを巧みに使いながらその場から動いた。
 それを確認しながら、ルナマリアはインパルスに通信を繋げた。
「シン!!」
『わかってる!!』
 打てば響くかのように、シンはルナマリアの言葉を全て聞く前に行動に移っていた。
 インパルスはスラスターを全開に噴かせると、大地に刺さっていたエクスカリバーを掻っ攫うかのように抜き取った。
 そして、その運動エネルギーを損なわないように、未だ防御姿勢から立ち直りきることが出来ずにいたカオスに向け、抜き取った時のエネルギーを載せて独楽の様に回りながら回転エネルギーを載せた一撃を、不完全な迎撃の構えを取ろうとしていたライフルを構えたカオスの右腕に叩き込んだ。
『うおぉぉぉぉ!!』
 シンの魂の響きを乗せた一撃は、カオスの右腕を豆腐の如く意図も簡単に斬り飛ばし、その余波はカオスの角をも斬り飛ばした。
 その姿はまるで赤き剣王。
 ルナマリアは、その姿に言いようの無い安心感を覚えると同時に、自分もその傍にいたいという思いがわきあがってくるのを止められずにいた。
 その思いを成就させるために、ルナマリアはインパルスに胸部のビーム砲を放とうとしているアビスにシールドから抜き取ったビームトマホークを投げつけ、魂の思いを叫び上げた。
「もう好き勝手にやらせないって言ってるでしょうー!!」
 勇ましい思いを滲ませた言葉とともに放たれたビームトマホークは、アビスの肩シールドに当たり、その体勢を崩させ攻撃の機会を奪うことに成功した。
 反撃の時は来た。


「大佐。時間が」
「あれ〜、おかしいな〜。あいつら、なにかトラブッてんのかな?」
 アーモリーワン近海の宙域で、ナスカ級戦艦とローラシア級戦艦と撃ち合いを行っているガーティ・ルーの艦橋で、ネオは部下のリーの伺いを立てる声にどこか気負いを感じさせない声音で応えた。
「距離500、オレンジ14マーク23、アルファより、敵MS3機接近!!これは、シグーです!!」
「撃ち落せ!!イーゲルシュテルン1番から5番、ヘルダート、撃てーーーー!!」
 そんな戦闘中に行うには場違いなやり取りを行っていようとも、現実には宙域ではミサイルと銃弾が飛び交う戦闘を継続しており、リーもCICに指示を飛ばしつつ己の上官に視線を送っていた。この現状をどう打破するのか、と。
「あちらさんも頑張るね〜。さすがZ.A.F.T、寝続けてもらうって言うわけにもいかないか〜」
「大佐!おふざけが」
「まあまあ、そう怒りなさんなって」
 その視線の意味に気づいていないのか、どこまでもお気楽に受け応えをする上官に、リーが少し苛立ちを込めた声を上げようとした瞬間、鋭い視線を自分に向けられるのをリーは感じた。
 仮面越しなのに、その猛禽類を思わせる視線を浮かべているのが容易に想像できるほどの眼光を宿していた。
「俺が出る。それであいつらを迎えに行くさ」
「ですが!」
 常識的には考えられない事を述べる上官に、慌てて考えを変えるように声を上げるリーを面白がるように口角を吊り上げながらネオは人をおちょくる口調で宥めにかかった。
「心配しなさんなって。俺の腕、知ってるだろう?」
「それは知っていますが……」
「ま、任せなって。格納庫に連絡を。エグザスを用意しておけと―」
「大佐!格納庫より通信です!!」
「あん?もう準備が完了したっての?」
 命令を下そうとしたその瞬間、自分の言葉を遮るように伝えられた内容に首をひねりながらネオは通信を繋げるように命令した。
『大佐殿』
「これはこれは、ケーラ嬢。そのお姿は一体?」
 モニターに映し出されたのは、黒地に白のラインが走っているパイロットスーツを身に纏った、ケーラ・アズ・アントゥルースだった。
『私が件の者達を迎えに行きます』
「ん?おいおい。お前さんが行く必要性は―」
『保険が適応される事態だと判断した結果です。ご了承を』
 何とか出撃させまいとするネオの言葉を、一刀の下で切り捨てケーラは主張を押し通そうとした。
 その姿勢に気がついたのか、ネオは大げさにため息をつくと、先ほど立ち去った席に座りなおし指示を飛ばした。
「じゃあ、お願いしますかね」
『了解しました』
「ああ、分ってると思うけど、こちらの正体が分るようなものは残してこないでくれよ?」
『もちろん』
 そう応えると、ケーラの姿はモニターから消え去った。
「よろしかったので」
 自分の望みどおりの展開になったのだが、上官の機嫌が悪くなったのを感じ取ったリーはそう声をかけることにした。
「しょうがないだろ。上からあんなもの渡されてるんだから」
 どこか、楽しみにしていた行事が土壇場で中止になったことに腹を立てている子供のような雰囲気でそう答える上司に、先ほどとは意味の異なる頭痛を感じながらケーラがこちらに提示した命令書の内容を思い出した。
『有事の際、この書類を提示したものに独自の判断で有事に対して臨む権限を承諾する』
 そのような文章が書かれていた書類は、従来ならば指揮系統の混乱を呼ぶものなので無視したいのだが、その書類に署名してある人物が問題だった。
 自分たちの上司と同じほどの権力を持つ人物の名前がそこに書かれていたのだ。
 そのような雲上の人からの命ならば従わなくては成らないのが、軍に属する者の悲しい宿命だった。
 だが、その命令に対して面白くないと感じることは止められるものではなかった。
 それは共感できるが、その様子をあからさまに部下達に見せるのはどうかと、リーは思うと同時に、これが老いると言うことなのかと場違いな感想を持ってしまった。
 そんな艦の最高責任者二人の目には、カタパルトから飛び出し一筋の光となったMSがぼんやりと映っていた。


『ああ、分ってると思うけど、こちらの正体が分るようなものは残してこないでくれよ?』
「もちろん」
 仮面の仮初の上官にそう答えると、ケーラは通信を切ると同時に愛機の発信準備を開始した。
 キーボードを指先が踊るようにタイプする傍ら、ケーラは言いようの無い興奮が心の底からわきあがるのを感じた。
――ああ、何て愉快なのだろうか。
――これから自分の力を振るうことが出来るなんて。
 これからの事を思うと、ケーラは自分の口角がつりあがるのをとめることが出来なかった。
 それでも、指先は緩慢無く動き目的を達成しようとしていた。
 それをどこか冷めた部分で見つめながら、ケーラはあることに思いをはせた。
――そう、ここで証明しよう。私が優れていると言うことを。
――そして、私こそがあの名前を名乗るのにふさわしいと言うことを理解させるのだ。「  」の名前は、私こそふさわしい!!
 そう思いを浮かべると同時に、意識を戦闘モードに移行させ、ケーラはグリップを握り締めた。
「証拠全部消せばいいんでしょう?簡単じゃないの。大佐殿」
 繋がっていない通信先にそう言葉を口にすると、ケーラはカタパルトデッキに機体を向かわせた。
 そして、星の海へと開かれた門に向かってケーラは自身の分身を踊りださせた。
「ケーラ・アズ・アントゥルース。ストライクMk-2、モード・ガンバレル、出るぞ!!」


「物資の搬入を急がせてください!万が一と言う自体がありえますので!!」
 格納庫で珍しく声を張り上げながら、アリシアは周囲に指示を出した。
 想定外の自体に、ベストではないがベターな状況で臨める様にと、アリシアは今自分が出来る事を最大限こなしていた。
 艦が運用されていない今では、補佐官の自分が艦橋でできることは限られているため、そこ以外でできる場所、例えば搬入物資の受領の手続きなどを行っていた。
 最悪、戦闘でこのコロニーが崩壊する事を考えれば、少しでも多くの物資、空気、水を乗せこむことが目下の重要事項であると、アリシアはそう判断をし行動に移っていた。
 そんな、ある種別の戦場になっている格納庫内に、一機のザクが着艦してきたのをアリシアは視線に収めた。
「あのザクは?」
「おそらく、被弾して帰艦して来た友軍機では?」
 近くにいた作業員に確認を取ろうと声をかけてみたのだが、どうも要領の得ない答えに眉をしかめるアリシアの視線の先で、ザクのコックピットハッチが開き、一組の男女が降りてきた。
 それを確認した瞬間、アリシアは手にしていた書類を落とすと同時に、非常事態に備えて腰に下げていた拳銃を抜くと同時に、銃口をその男女に向けながら誰何の声を投げかけた。
「動くな!!貴様達は何者だ!!なぜ、わが軍の機体に乗っていた!!まさか、強奪犯の一味か!!」
 普段の彼女からは想像の出来ない音量の声に弾かれるように、周囲にいた警備班や、整備班はそれぞれ銃やスパナを構えながらその男女に相対した。
「?!」
 その、どこか殺気立った雰囲気に当てられたのか、女の方が震えるのを確認しながら、アリシアは男のほうから視線を外さずに銃口を向け続けた。
 アリシアの目には、その男が一般人にはどうしても見えず、一介の軍人のように見えたためであった。
 男のほうが女をかばうように自らの後ろに下がらせると同時に、威厳のこもった声でこう述べた。
「銃を下ろせ。こちらはオーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ氏だ。俺は随員のアレックス・ディノ」
 その、この場で聞くはずの無い人物の名前を聞いた瞬間、アリシアはどこか狐につままれた気がしてしまった。
 そんなアリシアの内情を知らずに、アレックスと名乗った男は言葉を続けた。
「デュランダル議長との会見中騒ぎに巻き込まれ、避難もままならないままこの機体を借りた」
「オーブの………アスハ」
「代表に万が一の事があってはと議長が向かったであろうこの船に避難させていただいた。議長はこちらに入られたのだろう?お目にかかりたい」
 朗々と言葉を述べるアレックスを視界に納めながら、アリシアは構えていた銃を下げると同時に、小さく言葉をこぼしていた。
「あらあら」


「これで!」
 体勢を崩したアビスに向かい、レイは銃口を向け引き金を引いた。
 吐き出されたビームの弾丸は、寸でのところで掲げられた肩シールドに阻まれて決定打になることは出来なかったが、その体を死に体にすることは出来た。
『おぉぉぉぉぉ!!』
 気合のこもった声が聞こえると同時に、レイの視界にインパルスに蹴り飛ばされるアビスの姿が映った。
「………ふぅ」
 その、どこか常識を無視した攻撃の仕方に疲れた色を滲ませたため息をつくも、その顔には笑みを浮かべていた。
 両手にエクスカリバーを構えなおしたインパルスにレイは通信を繋げた。
「シン。もう少し常識に沿った攻撃をしろ」
『結果オーライ!!』
 答えになっていない答えを聞き、レイは苦笑するしかなかった。
 ああ、コイツには自分がもう少し支えてやら無いといけないのだな。
 そんな事を思いながらレイは銃口をアビスとカオスに向けた。
「もう二機とも死に体だが、決して油断するなよ!」
『もちろん!!』
『わかってるわよ!!』
 そんなやり取りをしながら、三機はカオスとアビスを包囲しつつあった。
 だが、勝利の女神は微笑んではくれなかった。

     ズワァァァァァーーーーー!!

 突如、コロニーの空からとてつもない熱量を持った光が降って来たのだった。
「なに?!」
『な?!』
『なんなのよ?!』
 コロニーの空、すなわち宇宙側からの攻撃に三人は声にならない驚きの声を上げてしまった。
 そして、三人はそこに亡霊の姿を見た。


「………………おいおいおい。何の冗談だよ」
 かすれた声でそう呟きながら、シンは現状の理解をしようと頭を今までの人生の中で五番以内にはいるほどの速度で回転させた。
 だが、それでも納得のいく答えは導くことが出来なかった。
 ただ、漠然ともう自分の知識は役に立たない、という答えを得た気がした。
 なぜなら、目の前に―
『う、そ。………あれって、ストライク?』
―二年前の戦争中盤まで、ZAFTの名だたる兵士を打ち倒した伝説のMSが悠然と浮かんでいるのだから。
『………形状は似ている。差異があるとすれば、色と武装面だな』
 二人の言葉を聞き流しながら、シンは星の海をバックに威風堂々と浮かんでいるMSを見つめた。
 その機体は、黒かった。
 まるで、そこの無い闇のように暗く、それでいて、その闇でも抑えられない何か光るものを内包させているのが分る、不思議な黒さだった。
 記憶の中にあるストライクと異なる点は、色のほかに武装面であった。
 両腰には、ゲイツRと似通ったレールガンが装備されており、その上に二本のビームサーベルがセットされているのが確認できた。
 また、左手に黒いシールド、右手にはコロニーの壁に穴を開けたと思われる大型のビーム砲が握られていた。
 そして、あの機体最大の特徴である背中にセットされているものは酷く特徴的だった。
 黒いストライクは、背中に何か小型の四つのユニットを装備していたのだった。
「……………なんか、果てしなく嫌な予感がするんですが」
 その形状は、かつて自分が作りあげたプラモの部品と酷く似ており、自分にとって悪い答えが頭に浮かんでしょうがなかった。
 だが、シンのそんな疑問に答えることは無く、黒いストライクはその右手に持つ凶悪な砲を向けた。
 倒れ付し動くことの出来ないガイアに向けて。
「くそぉぉぉ!!」
 それを見つけた瞬間、シンは叫んだ。
 その叫びを嘲笑うかのように、黒いストライクはその砲から凶悪な光を吐き出した。


「なるほど。これは研究所に苦情を送っておくべきね」
 携帯用特殊砲門アグニツヴァイで開けた穴からアーモリーワンの中に入り込んだケーラがまず口にした言葉はそれだった。
 開け放った視界に飛び込んできたのは、倒れ付し、片腕をなくし、追い込まれている情報にあった新型三機であった。
 そしてそれを追い込んでいるのは、主戦力となっているMS二機と、見たことの無い新型一機であった。
 その新型を目にした瞬間、ケーラは情報局のマティスに対して攻める口実が出来たことに感謝した。
 あの、情報を制している自分こそがこの世界の神であると錯覚している哀れな女を排除するのに何らかの役に立つと思えたのだった。
「まあ、その前に、こちらの不始末を片付けないといけないんですがね」
 そう呟くと同時に、こちらの秘匿チャンネルに合わせた通信が送られてきた。
 通信に応えると、緑の髪の男と青い髪の男の二人がサブモニターに映り出された。
『おい、あんた一体?』
「スティング・オークレーですね。ロアノーク大佐の命によりあなた達を回収に来たものです。ここは私に任せて早く帰艦を」
 スティングの疑問に答えると同時に命令をケーラは下した。
 言外に、邪魔だから消えろ、と言う意味を潜ませながら。
『あ、ああ………』
『ふざけるな!!あいつを倒さなくちゃ我慢できないんだよ!!』
『アウル!!』
 だが、その命令に納得がいかないのか、アウルが感情的になりこちらの命令に異を唱えた。
 それに、ケーラは少し眉をひそめると資料を読んで覚えておいた言葉をアウルに使った。
「アウル・ニーダ。『お母さん』があなたの帰りを待っていますよ」
『え?かあ、さん?かあさん、かあ………あああああああ!!!』
『アウル!落ち着け!!あんた!!』
「そいつを連れて帰りなさい。片手でも大丈夫でしょう?それとも、あなたもこうなって私に運ばれたい?」
 抗議の声を上げるスティングを無視して、逆に最悪な二択を突きつけられたスティングは歯を食いしばり、アビスを片手で引っ張りながら開けられた穴から外に向かって飛び立った。
『あんた!ステラを――――』
「こちらで処理するからとっとと行け」
 何かを言いかけるスティングの言葉を冷酷に切り捨てるとともに、ケーラはアグニツヴァイの銃口を倒れ付しているガイアに向けた。
「さようなら。そして、Bon Voyage」
 そう呟くと同時に、ケーラはためらいなく引き金を引き、その圧倒的な暴力性を内包した砲撃をガイアへと放った。


 なんて無駄な事をしているんだろう。
 そんな事が頭に思い浮かんでは消えた。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」
 圧倒的な暴力が、蹂躙しようと、侵食しようと、食い散らかそうと迫ってくるのをコックピット越しに感じた。
 その力から逃げるべきだ。
 頭のどこかで声が聞こえたが、それに頷くことはシンには出来なかった。
 なぜなら、自分の後ろには動けないガイアがいるから。
 そして、そこには確実にまだ生きている命があったから。
 だから、逃げることなんて出来ない。
 ここで逃げたら、助けられる命を見捨てたら―
「後味が悪いんだよぉぉぉ!!」
 そう叫ぶと同時に、砲撃を防ぐために展開させていたシールドを押し出し、少しでも射角を逸らそうと角度を変えた。
『左肩間接部に負荷増大!!このままでは左腕が吹き飛ぶぞ!!』
「だからどうした!!もう少し持たせろ!!」
『無茶を言うな!!』
 泣き言を言う相棒に怒鳴り返しながら、それでもシンはあきらめなかった。
 耐え切れるはずだ。
 どこか確信めいた予感を持ちながら、シンはシールドを構え続けた。
 そして、シンは勝った。
 シールドの表面のほぼ全てを融解させた砲撃が、不意にやんだのだった。
 そのことに喜ぶと同時に、シンは右手の先ほどの攻撃を防ぐ時に盾の前で構え、半ばまで熔けてなくなったエクスカリバーを投げつけた。
 その投擲は、難なくかわされてしまったが、それを皮切りにレイとルナマリアのザクは攻撃を開始し始めた。
 それを視界に納めながら、放り捨てておいた左のエクスカリバーを右手に構えるとインパルスを空に飛び立たせた。
 シンの勘は叫んでいた。
 あの敵は今ここで倒しておかなくてはならない、と。
「うおぉぉぉぉ!!」
 その勘に従うように、シンは二人と連携を取りながら黒いストライクへとエクスカリバーの一撃を放った。


 ミネルバの艦橋では、バート・ハイムが司令部を呼び出そうと何度もコールを送っていた。
 だが、既に壊滅してしまった司令部が答えられるはずもなく、聞こえるのはノイズだけだった。
「駄目です! 司令部、応答ありません!」
 その報告を耳にし、タリアは顔を顰めずにはいられなかった。
 恐らくはさっきの震動、あれが港への攻撃であり、その時に司令部もやられたのだろう。
 そう推測を立てると同時に、余りにも後手後手に回っている自軍に対して苛立ちが募り始めていた。
「工廠内でガス発生、エスバスからロナール地区まで、レベル四の退避勧告」
 情報に当たっていたメイリン・ホークの報告を聞き、タリアの機嫌はますます傾いていった。
「……艦長、まずいですよね、コレ。もし逃げられでもしたら」
「……バサバサと首が飛ぶわね、主に上層部の」
 動揺した声で尋ねてくるアーサーにむっつりと答えると、アーサーは更に情けない声を出した。
 その声を聞き、タリアはアーサーをこの事態が収拾した暁には、みっちりと鍛えてやると、このような状況の中、心の中で決めた。
「それにしても、何処の部隊かしらね?こんな大胆な作戦を行うなんて」
 モニターには、シン達の連携に翻弄させられているセカンドステージ二機が映し出されている。
 必然性から考えれば地球連合なのだが、あの三機の特性から考えてその戦は低いように思えた。
 なぜなら、あれらはかなり特殊な機体であり、それを奪って早々に乗りこなすようなパイロットが、ナチュラルであるとは思えないからだ。
 にもかかわらず、これほどの作戦を遂行できる部隊が地球連合以外に出来るとは思えないのだが。
 式典前の混乱にまぎれて潜入し、新型機を奪取し、プラント内部で騒ぎを起こし、それに呼応するように外からの襲撃で港を潰すなど、という組織立った行動を取れる存在など。
 そんな事を考えていると、タリアの背後のエレベータが開く音が聞こえた。
 タリアは後ろを振り向き、その人物を見た瞬間驚きの声を上げてしまった。
「議長?」
 彼女の視線の先には、随員を伴ったデュランダルが立っていたのだった。
「状況は!? どうなっている!」
 こちらの声を無視し、入るなり端正な顔を引き締め、厳しい表情で訊ねるデュランダルに、タリアはモニターを見ながら簡単に状況を説明した。
 説明をしながらタリアは内心、厄介な事になったと思ってしまった。
 確かにデュランダル議長は立派な人物だとは思うが、ここは戦艦の中であり、今は非常時だ。
 そんな中、抗いがたい権力を持った部外者を艦橋に入れたいと思う艦長など、そうはいないだろう。
 指揮系統に障害を生んでしまうのではないだろうか。
 そんなことを思い、タリアが密かに嘆息した時、モニターがぱっと明るくなった。
 慌てて視線を向けると、コロニーの外壁が圧倒的な光で穴を開けられていた。
 そして、そこから現れた機体を見た誰かが呟いた。
「え、ストライク?」
「…………亡霊?」
 その外観の色合いから、この世のものとは思えない印象を与える、かつて自軍に大打撃を与えたMSを見た瞬間そのような言葉が艦橋内で漏れた。
「なんということだ……」
それを見たデュランダルが苦い呟きを洩らす中、カオスとアビスがその大穴から脱出をし、インパルスが倒れているガイアを庇う様にその攻撃の前に躍り出るのは丁度だった。
 そのことにどう対処をすべきかと思っているところに、インパルスから通信が送られてきた。
『ミネルバ、フォースシルエットの射出を!!』
 シンの要求に、アーサーがタリアの方を向いた。
「艦長」
 どうします?と言外に尋ねるアーサーの言葉に、タリアは頷いて答えた。
 あのMSは危険であり、潰せるうちに潰しておいた方がよい。
 タリアの軍人としての勘がそう語り、それを肯定した。
 勝つために、持てる切り札を切るのなら、今この場しかない。
 そう判断してタリアはメイリンに指示を飛ばした。
「許可します、射出準備を!!」
 タリアの命を受け、メイリンが格納庫に指示を下す。
 その様子を見ながら、アーサーは背後に視線を感じ、視線を背後、艦長席の後ろへと送った。
 それを見たタリアは、肩越しにデュランダルを見やり、どこか皮肉が混じった声音で問いかけた。
「もう、機密も何もありませんでしょう?」
「ああ」
 諦めたように肩を竦めるデュランダルの声の後、メイリンがうわずったような声を上げた。
「フォースシルエット、射出!」


「うおぉぉぉぉ!!」
 大振りではなったエクスカリバーの一撃を、黒いストライクは危なげなくかわすと同時に、腰のレールガンを起動させ撃ってきた。
 その攻撃をあるものはかわし、あるものはシールドで防いだ。
 だが、無茶をしたツケが来たのか、シールドは音を立てて砕け散ってしまった。
「ちぃ!!」
 左腕に残っているシールドの残骸を切り離すと同時に、エクスカリバーを左手に、ライフルを右手に持たせ変えた。
『はぁぁぁ!!』
『このーーー!!』
 その間に、レイの精密な射撃と、ルナマリアの牽制の銃撃が加えられるが、そのことごとくをかわしてしまう相手に、三人は言いようの無い恐怖を感じてしまった。
「こいつ!!」
『ただ者じゃないぞ!!』
『わかってるわよ!!』
 その技量に戦く三人を嘲笑うかのように、黒いストライクは背中に四つのユニットを切り離した。
 それらは、ここに軌道を描きながらビームを打ちながら迫ってきた。
『ドラグーン?!』
「いや、有線式だからガンバレルだ!!」
『ちょっと!なによこれ!!』
 その不規則な動きに、自由奔放な動きに三人は翻弄させられた。
 この四つの特殊兵装『ビームガンバレル』は前大戦末期に開発され、『月下の狂犬』モーガン・シュバリエが駆った『ガンバレル・ダガー』に装備されていた有線式ビームガンバレルを改良した『ビームガンバレル・セカンド』である。
 高速で動く小さなガンバレルを捉えるのは難しく、三機はその動きに翻弄させられていた。
「くそ!!どうすれば!!」
『大本だ!!大本はそこまで早く動けない!!』
「大本?………そうか!!レイ!ルナ!フォーメーションc8だ!!」
『『了解!!』』
 打開策が思い浮かばないシンの耳に、相棒の声が天啓の如く響いた。
 そして、それを実行するためにアカデミーの時に作り上げていたフォーメーションを組むことにした。
 武装面があの時とは違うが、臨機応変に対処できるだけの腕はあると信じて、シンはフォーメーションを開始した。
「うりゃぁぁぁぁ!!」
 ソードインパルスの背部ユニットに付けられている、フラッシュエッジビームブーメランを接続したまま、一本の実刃のブーメランとして投げはなった。
 それを、黒いストライクは難なくかわすと同時に、レールガンをこちらに向けて放とうとした。
 それを見つめ、防ぐ手段を持たないインパルスのコックピットの中で、シンは会心の笑みを浮かべた。
「やれ!レイ!ルナ!!」
 その言葉に応えるように、四つのビームの円刃はガンバレルと黒いストライクを繋ぐ有線を切り離し、そのうちの一つは巨大な砲身を切り裂き、その役割を奪うことに成功までしてしまった。
 この一連の攻撃の仕組みは単純であった。
 シンが投げ放ったブーメランを、ルナマリアが相対速度をあわせることで上手く受け取り、両端を引っ張り出すことでブーメランをビームブーメラン二本に変え、それを相手に投げ放ち、その時同時に、レイも両シールドに内蔵されていたビームトマホークを抜くと同時に投げつけたのだった。
 これは、一機が相手に飛び道具がないという事を見せ付けることによって囮となり、相手の意識をその一機に向けさせた瞬間に、死角に回りこんだ二機が相手の攻撃力を奪い捕獲するという目的の下に作られたフォーメーションであった。
 かつて、デブリ内での事件のあとに今度は全開のような下策を取らないですむように、と言う思いから生まれたもので、アカデミー時代何度も練習を重ねたものなので失敗するなどはありえない物にまでなっていた。
 相手の武装の大半を奪うことに成功したのを確認すると、シンは叫んだ。
「フォースシルエットを!!」
 その声に応えるかのように、戦闘機に似たそれは飛んできた。
 インフィのコントロールで付近を旋回していたそれは、すぐにインパルスの下に飛んでくると、機体後部の巨大な翼状のユニットを分離した。
 それと同時にインパルスも背面の装備を切り離した。
 そして、戦闘機から切り離されたユニットがインパルスに装着されると、機体の色が鮮やかなトリコロールカラーに変化した。
 青、赤、白の三色に変化したインパルスは、今までとは比べ物にならない速度で黒いストライクへと突っ込んでいった。
「破!!」
 背中からビームサーベルを左手で抜き放ち斬りかかった。
 ストライクは、シールドで防ぐと同時に、右手の砲身を投げ捨てサーベルを抜き放ちきりかかってきた。
 その一撃を、右手に持っていたライフルを捨てることで防ぎ、間合いを取ると同時に右手にもサーベルを装備させた。
 戦いは終焉を迎えようとしていた。


――おもしろい!!
 ケーラは言いようの無い興奮を感じていた。
 目の前に切りかかってくる、どうもストライクを研究した結果の機体の相手をしながらケーラはそんな感想を持った。
 最初、使えなくなった道具を処分する攻撃を防いだ時は、その行動に納得が出来なかったが、その疑問を覆すほどの衝撃を自分に与えてくる相手に興味を持ってしまった。
 他の二機と上手く連携を取りながらこちらの武装を確実に奪っていくその手腕に、あいつらでは敵わないはずだ、と納得しながらケーラはストライクMk-2を操り、目の前のストライクもどきと鍔迫り合いを演じた。
 肉薄しているためか、他の二機からの射撃がないのが救いだった。この楽しい時間を邪魔されずにすむのだから。
 だが、モニターの端に映っているタイマーを見る。
――そろそろ引きどきね
 時間が押し迫っていた。
 今回の作戦を不意にしてはならないため、ケーラは泣く泣く撤退することにした。
「楽しませてくれた礼だ。受け取りな」
 そう呟くと、ストライクもどきを押し飛ばすと同時に、自分が開け放った穴へと最大速度で向かっていった。
 あわてて追って来る三機へ向けて、ケーラはガンバレルバックの残りを分離させると、三機に向けて突っ込ませた。
 そして、三機との距離が詰まったところで爆破させた。
 その爆発に、先頭にいた赤いMSが片腕を吹き飛ばされるのを確認し、ケーラは母艦へと戻ることにした。
――次にあったら、もっと相死あおう。ストライクもどき君


「ルナ!!」
『シン!!逃げられたぞ!!』
『深追いするな!!もうエネルギーが持たないぞ!!』
 相手の最後に残していった置き土産に、ルナマリアのザクが巻き込まれ、インフィは敵がまんまと逃げ果せたと報告し、墜落するルナマリアのザクを受け止めながらレイはエネルギー残量を指摘してきた。
 その声に応えるかのように、インパルスの装甲は色を失い、鉄灰色に変わってしまった。
「……………薄氷の勝利かよ」
 その事実に、シンは相手が去ってくれたことに感謝をしながらそう呟いてしまった。
『ミネルバに戻るぞ』
『そうね。私たちもこの状態じゃあ追跡できないしね』
「そうだな。じゃあ、二人は先に戻っておいてくれ。俺はガイアを抱えていくから」
『………わかった。警備と医療班を待機させておく』
「頼む」
 これからの事を話し合うと、レイとルナマリアは連れ立ってミネルバに飛び立った。
 そして、シンはガイアに向かってインパルスを移動させながら、これからの、ステラについてどうしようかと考えていた。
(あ〜、勢いで倒してしまったが、どうすればいいんだ?このままミネルバに連れて行けば、最悪その場で捕縛、後に研究所送りか?)
 自分の想像した結末に少し顔を青くしながら、視線をモニター正面に向けると、金色の髪の人形が空を飛んでいた。
「…………はい?…………って?!」
 人形と見えたのは、倍率の関係上で、それはまさしく人間であった。
 自動修復機能が働き、穴を応急修理で塞いでいるその隙間に向かってその人影は吸い込まれていた。
「でぇぇい!次から次へと!!」
 そう叫ぶと、シンはインパルスをその人影の進行方向に向け飛ばし、行路を塞ぐように浮かびながらハッチを開放した。
 そして、飛び込んでくる人影をシンはハッチから飛び立ち空中で受け止めた。
 鉄で受け止めるより、肉体で受け止めた方がダメージが少ないと思っての行動であったのだが、その衝撃でシンも予想した地点より外れた方向へと流されそうになってしまった。
「なんですと?!インフィ、へるぷー!!」
 その事態にあわててシンは相棒に救助要請を出した。
 その声に応えるように、インパルスの腕が上がり、その手のひらがシン達を受け止めコックピットまで運んでくれた。
 あわててコックピットに乗り込んだシンは、息を荒げながら頼りに鳴る相棒に礼を述べた。
「はぁはぁはぁ。さ、サンキュー。たすかったぞ」
『もう少し考えて行動しろ』
「うす」
 どこか呆れたニュアンスでそう述べる相棒に、シンは言葉少なくそう応えると自分が助けた相手に目を向けた。
「お〜い。だいじょう……」
 声をかけようとして、そこで思考が停止しかけてしまった。
 なぜならば、今シンの腕の中にいるのは、米神の辺りから血を流しているが、ステラ・ルーシェその人だったからだ。
「なんでさ?」
『ミネルバに帰艦するぞ』
 そんな声をコックピット内に響かせながら、インパルスは初陣を無事に飾ることが出来たのだった。
 だが、これから何が起こるのかは誰にも予想が出来なかった。


―後書き―
 友人に
「エウレカセブンと種運命、どっちが今度出るであろうSRWに参戦しやすいと思う?」
と冗談で尋ねたところ、
「エウレカでしょ?話をいじりやすいから」
と、即効で答えられてしまったANDYです。
 まあ、私もエウレカのほうが先に参戦かな〜?と、思っているんですがねw
 はい。今回やっと第二話が終わってしまいました。
 ああ、またまた色々と突っ込まれる場面がありそうだな〜w
 さて、今回はほぼオリジナル展開でしたが、どうだったでしょうか。
 また、あの作品ではあまり見られなかった、「悪」と呼べる行動を取った人物がいましたがそこはどうだったでしょうか。
 その人物に対し、皆様のうち誰かが嫌悪感を感じてくれたのならば私の勝ちです!(なにが?!
 ああ、それにしても、オリキャラを動かすのが難しいですね〜。
 原作をあまり壊さないように、と思うと余りハッチャケレマセンネ〜…………ハッチャケテルって言う突っ込みは無しでw
 今回も楽しんでいただけたのであれば幸いです。

 では、恒例のレス返しを

>WEED様
 誤字、誤用の指摘ありがとうございます。
 いや〜、お恥ずかしい限りです。
 以後気をつけて生きたいと思います。
 これからも応援お願いいたします。

>ジロー様
 初めまして。感想ありがとうございます。
 まあ、主人公は、その辺はおぼろげに覚えていると言うのが現状ですw
 外伝ですか〜。そうですね〜、本編が詰まった時にはじめると言うことで。
 ?あれ?外伝を掲載すると言うことは本編が詰まってると言う自主申告?
 あれ?
 次回も応援お願いいたします。

>Ayaka様
 初めまして。感想ありがとうございます。
 ステラですが、今回の最後を見るように、へんな風にゲットしてしまいましたw
 いや〜、気がついたらこのような結果になっていて私もビックリです。
 カガリたちとの絡みも面白くいけるように頑張るので、楽しみにしていてください。
 これからも応援お願いいたします。

>葱ンガーZ様
 感想ありがとうございます。
 今回の話はどうだったでしょうか。
 また、ガイアインパルスですが、構造を知らないもん!!
 だから、出す予定は無いですよ。というか、構造上無理があると思えるんですがw
 まあ、これからの展開を楽しみに待っていてください。

>なまけもの様
 感想ありがとうございます。
 シンの内情は、なまけもの様のお考えの通りです。
 少し他人事に捉えていたんですね。
 その結果を突きつけられてショックを受けた、と言うわけです。
 ステラ、今回ゲットしてしまいました。
 どうなるんでしょう?w
 これからの展開をお楽しみにしてください。

>ユキカズ様
 感想ありがとうございます。
 今回発表したパーソナルマークはどうでしょうか。
 それぞれのマークは、各人の名前や心情を反映したものとして作っているのですが。
 その内他のキャラのマークも発表していきたいと思います。
 あれ?そういえば、ハイネはマークを持っていたのかな?
 次回もよろしくお願いいたします。

>Kuriken様
 感想ありがとうございます。
 シンの代わりに叫んでいただきありがとうございますw
 今回、ついに歴史を変えちゃいました。
 うわ〜、どないしよw
 今回の話はどうだったでしょうか。
 次回もよろしくお願いいたします。

>シヴァやん様
 感想ありがとうございます。
 ああ、そういえば修羅場と言うものが存在していたんだった。うちの子にはw
 どうなるんでしょうね〜w
 インパルスシステムは、あれです。Vガンを真似ただけでは?
 あれは有効に合体機能を使用していましたからね〜。
 まあ、頓挫した理由は力不足のためではw
 ガーディ・ルーは囮の意味合いもあったのですよ。
 別ルートからMSがコロニー内に応援に向かわないようにと言う。
 では、次回もお願いいたします。

>花鳥風月
 感想ありがとうございます。
 ああ、そんなまねをしなくても良いのでは?
 まあ、色々と手直しを加えた状態で登場させるつもりですけど。
 今回、確実にGETしてしまいました。
 ああ、これからの展開をどうするべきかな〜w
 次回も楽しみにしてください。

>オーニュ様
 初めまして。感想ありがとうございます。
 この名前は、もしかしてアーヴ語?(すみません。星界ファンで!!
 今回の話はどうだったでしょうか。
 これから、色々とは無しがすごいスピードで回転し始める………はずですのでお楽しみに。
 次回もお願いいたします。

>ゼナ様
 初めまして。感想ありがとうございます。
 このシンは、他の三機とは模擬戦を行っていたため、それぞれの長所と短所を経験して知っていたのです。
 そのため、前回ガイアの急所をつくことが出来たのです。
 まあ、これからはそうも簡単にはいかないでしょうがねw
 次回もお楽しみに。

>3×3EVIL様
 感想ありがとうございます。
 ああ、色々と問題提起をされても〜(泣
 まあ、アスランの成長は二年ではそう無かったのですよ。
 そうとでも思わなければ、納得できませんからw
 これからも頑張るので応援お願いいたします。

>蓮葉 零士様
 感想ありがとうございます。
 ええ。私もD-ASTRAYでインパルスの説明部分で、カイトのあのせりふを聞いた瞬間なぜかスーッとした感じを受けましたw
 衝撃運命は、まあ、色々といじって登場させるつもりです。
 まあ、そのつどまずい設定とかあった場合の突っ込みお願いいたしますw
 ガイアインパルスは、ケンタウロス形態なら可能でしょうが、『ハーメル○のヴァイオリン弾き』のギー○形態はどうも無理なような気が。
 次回も応援お願いいたします。

>桑ジュン様
 感想ありがとうございます。
 分離合体機能は、これから色々と活かしていこうと思います。
 ステラは、このような結果になってしまいました。
 どうだったでしょうか。
 新作のほう拝見しました。
 いや〜、私の作品が影響を与えているなんてw
 お互いこれからも頑張っていきましょう。

>TNZK様
 感想ありがとうございます。
 今回の話はどうだったでしょうか。
 彼女の活躍はどうだったでしょう?w
 これからも頑張っていくので応援お願いいたします。

>輝翔様
 感想ありがとうございます。
 今回ステラをゲットしてしまいました。
 ああ、どうなるんだろうw
 これからも応援お願いいたします。

>へろ様
 感想ありがとうございます。
 ついに歴史(本編)と異なる展開に!w
 三人で、ではありませんでしたが、無事にゲットしてしまいました。
 ああ、これからどうなるんでしょうw
 これからも応援お願いいたします。

>直樹様
 感想ありがとうございます。
 オートパイロット、出来ちゃいましたw
 今回の最後の方でチラッとですが。
 ステラ、このような状況でゲットしてしまいました。
 ああ、どうなるんでしょうw
 これからも応援お願いいたします。

>ジント様
 感想ありがとうございます。
 今回はどうだったでしょうか。
 ステラに関してですが、これからどう料理するか考えている状態です。
 ああ、どうしようw
 これからも応援お願いいたします。

>御神様
 感想ありがとうございます。
 今回の話はどうだったでしょうか。
 これからも頑張っていきますので応援お願いいたします。

>H.A様
 感想ありがとうございます。
 そうですね。一兵士が出来ることは限られているのは常識ですが、それでも分不相応な事を思ってしまうのもまた若さゆえではないでしょうか。
 まあ、そんな若者を導くキャラがいるのがガンダムの最大の魅力だったんですがねw
 これからも応援お願いいたします。

>T城
 感想ありがとうございます。
 今回の話はどうだったでしょうか。
 第一部の事件をいくらか絡めることが出来て自分的には満足している部分もあるのですが。
 これからも応援お願いいたします。

>カシス・ユウ・シンクレア様
 感想ありがとうございます。
 今回の話はどうだったでしょうか。
 楽しんでいただけたのならば幸いですが。
 次回も応援お願いいたします。

>ATK51様
 感想ありがとうございます。
 今回のケーラはどうだったでしょうか。
 彼女の闇の部分が一部でも伝わっていれば良いのですが。
 彼女の正体や目的などは、近いうちに明らかになりますのでお楽しみに。
 また、ダガーLですが、売れないと思って発売に踏み切らないのではないでしょうか。
 そのくせ、三月にはムラサメ一般兵用が発売されると言う噂をキャッチしたのですが。磐梯山!なにかまちがってるよ!!ウィンダムプリーズ!!もち一般兵カラーで。
 Rフレーム買われたのですか〜。よいできですよね〜。
 アウトフレームは私も欲しいです。アウトフレームとテスタメント、アウトフレームDにするために三個は買うかもw
 師匠についてですが、そのへんはいつかやる外伝でと言うことで。
 衝撃運命は、まあ、色々と手を加えて登場させる予定ですのでお楽しみに。
 次回も応援お願いいたします。

>HAPPYEND至上主義者様
 感想ありがとうございます。
 新年そうそうお仕事ご苦労様でした。
 今回のお話はどうだったでしょうか。
 ステラはこのようにしてゲットしてしまいました。
 ああ、どうころばそうw
 次回も応援お願いいたします。

 今回も多くの方に感想をいただけたことに感謝の思いで一杯です。
 最初の頃はほんの数人の方にコメントをいただけたわが作品が、いつの間にかこんなに多くの方にコメントをいただけるように成長するとは。
 これからも頑張っていきますので応援お願いいたします。
 映画「男達のYAMATO」見ました。
 不覚にも涙が出てしまいました。
 すごい迫力ですのでぜひ見てみてください。
 損はしませんよ。
 では、次回もお楽しみに。

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