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▽レス始

「ある幻想の魔術師と黒の姫君 第十一話 (まぶらほ+型月系)」

REKI (2006-01-16 11:29)
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ここは朝雲寮の和樹の部屋、時間は午前4時。
玄関の扉を開け出かけて行く影が一つ、そうこの部屋の住人式森和樹だ。
こんな朝早くに何処に出かけるのだろうか?

寮を出向かう先は前回の洋館(幽霊騒動の件の館である)のすぐ近くにあるくぼ地。

着くと同時にストレッチを始める。ここで何をするつもりなのだろうか?

「よし、終わりっと。」

どうやら準備運動がすべて終わったようだ。

「最近さぼってたからなしっかりやらないと。」

そう呟くと目を瞑り魔力回路に魔力を通して行く。どうやら自己鍛錬らしい。
一通り通し終わると今度は強化魔術を発動させ自身を強化したようだ。
強化魔術を制御したまま今度は体の表面に魔力を膜の様に張り付かせていく。
徐々に徐々にその膜は厚く強くなって行っているようだ。
そしてその膜もある厚さ強さまで来て止まった。

(これが今現在の100%制御状態・・・今日は何処まで上げれるかな?)

さらに意識を集中し膜を強化し始めた。

(101%・・・2・・・3・・・4)

105を超えた所で負荷により全身にかるい痛みが走り出す。

(6・・・7・・・8・・・9・・・)

110を超え痛みがどんどん強くなる。

(111・・・2・・・3・・・ぐう!?)

114%全身が軋みを挙げ激痛が全身に走る。

(116・・・117・・・118・・・もう・・・限界!?」

120%そこで魔力を霧散させ前方に倒れこむ。

「つつ・・・ふう120が限界か、まあ実戦じゃ使えそうも無いけど。」

仰向けになり呼吸を整えながらそう呟く、目を瞑り体をピクリとも動かさずに痛みが引いていくのを待つ。
大体5分後、完全に痛みが引いたようだ。

「よし、次だ。」

ひょいっと立ち上がると例の剣の柄を取り出す。
一瞬で刃をつくり構えるとゆっくりと剣の型を振るって行く。

ゆっくりしかし流れるように止まる事無くまるで剣舞のように最後まで型を振るいきると、次は最初から少し早くそして順番を変えて振るっていく。
どんどんと速さを増したその剣舞はいつしか常人にはすべてを目で追う事は不可能な速さになり、
多少剣の腕があるレベルではおろか、一般的に言う達人クラスでも捕らえきるのは不可能ではなかろうかと言うスピードに達した。

何十回目、いやすでに百回目に届いたであろう所でぴたりと和樹が止まった。
どうやら終わったらしい。

だが刃は消さない、正眼に構えまっすぐ目の前を見据え微動だにしなくなったかと思いきや、

「ふっ!?」

裂帛の気合と共に目の前の空間に切りかかる。
切り、突き、次々に繰り出して行くが突然バックステップで後ろに飛び退き、今度は繰り出される剣を裁くかのような動きをし始めた。
これを見ている者がいれば、そしてその者に多少なりとも武術の心得が有れば、
見えただろう和樹と戦う男の姿が、そして知っている者ならば気付いただろう、
その戦っている男が、黒騎士リィゾ・バール・シュトラウトだと。

和樹と幻影のリィゾの戦いは続くお互いに剣だけではない、
時には相手を蹴り飛ばし、足払いをかける。
ふと動きが止まり一瞬の沈黙の後二人が同時に動いた。

ビタッと和樹の剣は相手の肩口に、リィゾの剣も和樹の肩の少し上でピタリと止まった。

「はあ・・・また負けた・・・。」

刃を消し和樹が呟く、リィゾはすでに消えていた。
さきほどの一撃、先に決まっていたのは和樹の一撃だろう、試合ならば和樹の勝ちだ。
だが、

「殺し合いなら死んでるのは僕だよな〜・・・。」

そう死ぬのは和樹、確かに先に和樹の一撃が当たり心臓の辺りまで確実に切り裂くだろう。
だが、リィゾは死徒、しかも時の呪いを受け再生力・生命力なら27祖でもトップではなかろうか、
心臓まで切り裂く和樹の刃を無視し、そのまま自分の魔剣ニア・ダークを和樹に振り下ろしただろう。

そうすれば和樹の命は無い。

「リィゾさんなら多分死なないし、相打ちにさえならないもんな〜・・・。」

はあ、とため息を吐く和樹、

「いつになったら勝てるんだろう。」

試合になら勝った事は何度も有る。
彼の友人である王冠、メレム・ソロモンの持ってきてくれたアーティファクトを使い、
お互いの身体能力を同じにしての勝負ならそれこそある時期から負け無しで今まできている。
だが殺し合いを想定した戦いでは一度も勝てた事が無い。

「いつか絶対勝ってみせる。アルトはリィゾさんよりずっと強いんだから・・・。」

そうアルトはリィゾよりも強い。
あの2騎士がアルトに従っているのは何もアルトのカリスマとアルトの能力の一つである契約・制約による効果だけでは無い。
アルト自身があの二人を合わせたのよりも単純に強いのだ。
普段は自身に制約を掛け、力を封印すると同時に吸血衝動も抑えているのであの二人よりも少し強い程度だが、
一度制約を解除し本当の全力で戦えば、あの二人を合わせたよりも単純に戦闘力だけ見れば上になる。
さすがは半分が真祖といった所だろう。

だから和樹はリィゾよりも誰よりも強くならなければならない。
和樹の夢、いや目標は、そんなアルトを自分の手でどんな時も守り通せるようになる事なのだから。

「まぁ・・・帰ろうかな。アルトそろそろ来てるだろうし。」

今日の朝食を作るのはアルトの番だ。そろそろ戻って家に居ないとあのお姫様が拗ねてしまう。
そんな事を思い浮かべ少し笑いながら寮への道を駆け戻っていった。

「あれが式森和樹君・・・か、末恐ろしいな〜。」

そんな事を呟きながら近くの木の上から降りてくる影が一つ。
これだけ近距離に居て和樹に存在を気取られなかった事から、かなりの使い手である事が知れる。

「どんな少年なのか見てみようと思って来たけど・・・とんでも無い物を見ちゃったよ。」

ぽりぽりと頬を掻く人影、驚きと呆れが半々のような表情をしている。

(それにアルト・・・アルトルージュ・ブリュンスタッド。
 黒の姫君か、正直凛の報告でその名が出た時信じられなかったが、
 こりゃ本当らしいなぁ・・・まいったなどうしよう。)

半信半疑だった。あの子がそんな嘘をつく事など無いとも思ったがどうしても信じられない気持ちが有った。
だがあの動きとあの呟きを聞いては信じるしかない。

(まいったね〜・・・こりゃ凛を連れて帰るのは諦めるかな〜。)

ハハハと乾いた笑いを浮かべるが、

(でも、彼とは戦ってみたいな・・・なんとかそう言う風に持っていってみるかな。)

すぐにニィと楽しそうな戦士の顔を浮かべると森に飛び込み消えていった。


〜後書き〜
どうも〜REKIです。
はい始まりました人狼編。
第一話は和樹の朝の訓練風景と目標、そして謎の影出現でした。(まあ影の正体はばればれですね。)
アルトがあの二人を合わせたよりも強い・・・オリ設定ですかね?
いや〜半真祖だしそれ位強い気がするんですが^^;
全力開放をまずしない理由ですが、ずばり吸血衝動です。
血を吸い吸血衝動に身を任せた真祖は魔王とも称されるそうですが、アルトも半分真祖です。
死徒の部分の吸血衝動に任せて血を吸うとそのまま狂ってしまいかねないので、自らに自身の能力で制約を掛け吸血衝動を完全に押さえ込んでいます。
全力開放全力戦闘をするともう一度制約をかし衝動を封印するのが不可能な位に吸血衝動が一時的に高まってしまうのです。
とこんな設定を考えております。
穴があるとは思いますがご容赦ください。^^;

〜レス返し〜
西手様
待っていただきありがとうございます^^
まあB組ですからw(この一言ですむB組って本当に^^;)
この先何度でも和樹君を粛清しようとして返り討ちにあい続ける事でしょうw

プラ吉様
アーデルネンベ何ですよ^^;アーネンエルベとは名前が似てるだけで完全な別店舗なんですよ^^;
月姫主要メンバーの登場はしばらくお待ちください^^;

ケルベロス様
ありがとうございますがんばります^^
まあB組ですからねw
マスク予備軍・・・まあ確かにw
ただ彼等彼女等、能力は高く見た目もいいので噂を知らない他校の生徒には以外にモテテたりするんですよねw
まあ本人とすこし付き合うとドス黒い部分や変人な部分が知られて離れていくのですが^^;
マスク予備軍でありマスク軍団に粛清されうる対象でもあるという変な集団になりそうですw

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